登録日:2011/01/01 Sat 02:08:12
更新日:2025/03/25 Tue 17:08:39
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彼方では山猫が低く唸る
二人の乗り手が迫りつつあり
風が咆哮を上げ始める
「オジマンディアス(OZYMANDIAS)」は、アラン・ムーア作、デイブ・ギボンズ画のアメコミ作品『
ウォッチメン』の登場人物。
同作の主人公の一人。
演: マシュー・グッド(映画)/ジェレミー・アイアンズ(ドラマ)
日本語吹替:
飛田展男(映画)/
池田秀一(ドラマ)
【概要】
「世界で最も賢い男」という異名と名声で知られ、Dr.マンハッタンを除けば作中に登場するヒーロー達の中でも別格的な能力を持つ存在として扱われている。
ムーアの解説によれば
Dr.マンハッタン以上に重要な役割を持つ存在として、当初からキャラクターが練り込まれていた様である。
ビジュアルは紫のジャケットに黒のタートルネック、金色の装飾品がトレードマーク。
原作版、映画版共に引退後は自らの名声を武器に巨万の富を築き上げているが、映画版では新エネルギーの開発等、より事業家としての描写が強調されている。
【人物】
本名は
エイドリアン・ヴェイト。1939年生まれ。
幼い頃より優れ過ぎた頭脳を発揮し、あまりに優れているが故にわざと
テストで平均点を取る等の配慮をせねばならなかった程だと云う。
17歳の時に両親を失い、天涯孤独の身の上となる。
そうして、一生遊んで暮らせるだけの遺産を得た彼だが、自らの力を試してみたくなり、全ての遺産を寄付した後に自らが唯一シンパシーを感じた存在である、かのアレキサンダー大王(アレクサンドロスⅢ世)の足跡を踏む旅へと出発する。
…結果的には、アレキサンダー大王もまた志半ばで失敗していた事を悟るも、旅の最後に啓示を受け(
ハッシシをキメた)、
「アレキサンダー大王の功績もまた、死をも超越したファラオの叡智の影に過ぎない」との
幻聴啓示を受けると共に帰国。
「オジマンディアス」を名乗り、スーパーヒーローとしての活動を開始するのである。
1966年のクライムバスターズ(
ウォッチメン)結成の発起人でもあり、悪を撲滅する戦いに理想を燃やしていたが、その慧眼故にやがて時代その物がヒーローを必要としなくなる事を見抜いていた。
それ故に、77年のキーン条例制定以前の75年に自ら正体を公表すると共に、自警行為から引退。
以降は事業家に転身し、抜群の知名度を利用し自らを題材とした玩具やアニメ、更にはアスリートとしてのテレビ出演等で資産を増やして来た…。
…そして、彼もまたコメディアン殺害の報を自らのオフィスで受けるのである。
【能力】
原案によれば人の10倍は頭が良い超
天才にして、徹底した摂生と苦行による肉体の完璧なコントロールにより、150歳までは生きると語られている。
加えて身体能力にも優れ、アスリート級の身体能力と至近距離で発射された銃弾を素手で受け止める芸当、先見の明に優れた知能など、彼もまた「超人」と呼んで差し支えない男である。
【関連人物】
※クライムバスターズ(
ウォッチメン)の仲間達。
コメディアン=エドワード・ブレイクは初遭遇時に敗れ、またクライムバスターズの会合の際に真実を思い知らされた相手である。
「狂気の時代に生きる知恵者」と評し、彼には一目置いている。
Dr.マンハッタン=ジョン・オスターマンは映画版では新技術開発の為のパートナー。
…原作でも彼の力を利用した技術開発に挑んではいるが、それは独自に彼の能力を解析した結果である。
ロールシャッハについては雑誌インタビューやコメディアン殺害事件調査の過程などで、互いに辛辣な評価をしあっている。
◆ブバスティス
ウェイドのペットで、遺伝子操作で作り出された美しくも獰猛な「猫」。
名前はエジプト神話の猫頭の守護神「バステト女神」(ブバスティスは英語読み)に由来。
※最後に社長より一言。
我はオジマンディアス
…真実の一端を知りたいのなら「ネタバレ」の項目を探れ…そうでないのなら、黙っている事だ。
王の中の王
【余談】
元々、『
ウォッチメン』の物語には60年代に隆盛を迎えたものの80年代当時には廃れていた「チャールトンコミックス」のキャラクターを使うつもりだった様だが、それが不可能となった為にチャールトンのキャラクターを元に
オリジナルキャラクターとして『
ウォッチメン』のキャラクターが考案されたのだと云う。
これらの解説は原作版に詳しい。
オジマンディアス自身の元ネタは『ピーター・キャノン:サンダーボルト』というヒーロー。
『医者である両親と共にチベットを訪れ、両親が病死した為に地元の寺院に引き取られる。そこで古代の秘密の知識を授けられ、脳の潜在能力を100%使用できるようになった』という、
ツェペリさんと
ケンシロウを合体させたような設定のヒーローで、
人造人間キカイダーや
仮面ライダーWを連想させる配色のコスチュームを着用している。
現在は
DCコミックではなく、『ダイナマイト・エンターテイメント』という出版社が権利を所有している。
我が名はオジマンディアス
王の中の王
神よ見よ
我が業を
かくて絶望せよ!
追記、修正お願いします。
- 世界平和のために世界一の天才が考えたのが、あまりに阿呆らしいジョークみたいな計画で、しかもそれが成功してしまうという皮肉。 -- 名無しさん (2014-11-28 08:16:03)
- そういや江戸川乱歩の『宇宙怪人』でも、怪人二十面相がオジマンディアスじみた計画を実行してたなあ。あっちじゃ明智小五郎に見破られて失敗してたけど。 -- 名無しさん (2015-03-07 16:18:56)
- 今では珍しくないタイプの敵キャラというか、知能犯キャラの雛形として彼は現在でも少なくない影響を与えているんじゃないかと思うが、初めてウォッチメンを読んだとき、マンガでこんなに絶望させられたことはなかった。個人的にラスボスの理想形の一つなんじゃないかとさえ思う。 -- 名無しさん (2016-06-03 17:10:27)
- こいつとバットマン戦わせてみたい。頭脳戦にしろ直接対決にしろ。 -- 名無しさん (2016-08-22 00:48:54)
- ↑もし戦ったらオジマンディアスが勝つだろう -- 名無しさん (2016-08-22 01:16:43)
- バットマンは人を殺せないけどこいつは普通に殺すから -- 名無しさん (2016-08-22 01:18:21)
- よくバットマンと比較されるけど一番近いのはレックス・ルーサーの方かと -- 名無しさん (2017-02-01 23:19:02)
- そりゃバットマンは複合的なキャラだからな。オジマンディアスと対立するロールシャッハもバットマンの要素を備えているし。 -- 名無しさん (2017-06-22 14:33:25)
- 二年近く前のコメントに言及するのもまぁなんだが。バットマンとはいい勝負をするんじゃねーかな…どっちが勝つかは正直わからん。少なくともはっきり○○が勝つとはいえないことは確か。どちらも人としては最高スペックの上、手段を選ばない苛烈さがあるからなぁ。バッツの「人を殺さない」ポリシーが足を引っ張るとも思えないしね。 -- 名無しさん (2018-05-06 22:25:07)
- スーパーマンが傲慢になったバージョン -- 名無しさん (2019-04-10 18:27:08)
- 「超人的な存在が人々の命運を決して良いのか」。 根底にあるのは権威を嫌うムーアの極左思想。 -- 名無しさん (2020-01-02 20:15:37)
- 世界一の天才って設定なのにアレクサンダーに憧れて放浪したり、わざわざクトゥルーっぽいイカのデザインの化け物用意したり、一々バカっぽいのが面白かった -- 名無しさん (2020-06-17 03:10:43)
- マンハッタンに「オレ間違ってないよね?」とか聞いちゃうように、並ぶ存在がいなかったせいで精神的に大人になりきれない餓鬼なんだよ。 映画版は達観しすぎちゃってる気がする。 -- 名無しさん (2020-06-20 13:26:53)
- 自分が悪だと気づいていない最もドス黒い悪ってタグあるけど、映画見た限りでは当人は悪だとわかっていてあえてやっているように見えたんだけど……。 -- 名無しさん (2021-03-12 12:25:49)
- 結局ドラマもドゥームズデイクロックも真相がばれて牢屋送りになったのはやっぱこれだけやらかして置いて逃げ切るのはダメという考えなのかねぇ -- 名無しさん (2021-08-19 01:28:44)
- ↑(現時点では)MCUのミステリオはある意味「自作自演が成功してるオディマンディアスのIF」だと思う -- 名無しさん (2022-09-28 13:54:12)
- ネタバレの項目って何? -- 名無しさん (2022-10-13 11:14:47)
- ↑ そのものズバリネタバレ。解説とかある訳じゃなくて、本当に「真実の一端」だけだけど -- 名無しさん (2022-10-13 12:18:06)
最終更新:2025年03月25日 17:08