ギュスターヴ13世

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ギュスターヴ13世 - (2023/12/08 (金) 12:41:14) の編集履歴(バックアップ)


登録日:2012/07/22 (日) 18:59:01
更新日:2024/04/12 Fri 01:09:40
所要時間:約 8 分で読めます






どうせ僕なんか、術もアニマも無い、人間のクズなんだ!



ギュスターヴ13世とは、スクウェア制作『サガフロンティア2』表舞台の主人公である。
作中世界サンダイルの歴史の命運を分けたと言える人物。
CV:武内駿輔(LORD of VERMILION ARENA)


【生涯】

《幼年期》


  • 1220年
東大陸フィニー王家、ギュスターヴ12世とノール侯女ソフィーの長男として誕生、13世の名を与えられる。
次期国王として期待を寄せられ両親や弟フィリップ、妹マリー、家族に囲まれた幸せな幼年期を過ごす。

  • 1227年
王の証『ファイアブランド』の継承儀式においてまさかの失敗。
術不能者と判明し、かばいたてした母ソフィーと共に王家を追放される。
この時、母を奪われたフィリップはギュスターヴを憎悪する。
城下の貧民街で暮らすも暗殺を恐れ、二人は家庭教師でもあった術師シルマールの力を借り南大陸ナ国に亡命。
再びこの地を踏むまで20年の月日が流れる。

彼は通常の術不能者とも違い、アニマ(生命力や魔力の総称)を全く持たない極めて稀有な人物である*1
通常の術不能者ですら人間以下として扱われることが多く(使い捨てられる奴隷や戦争における肉壁みたいなものと考えて良い)、
しかもアニマは石ころや雑草にも宿っているので、アニマの有無だけで見れば彼はそれ以下の存在となってしまう。


《少年期》


南大陸は術差別が少ない土地ではあったが、幼年期の経験から荒んだ日々を送るギュスターヴ。
母に諭されるものの苛立ちは募り、自分と同じ術不能者である舎弟フリンにあたり、そのことをレスリーという少女に咎められていた。
レスリーはフリンにも諭すが、フリンは術不能者であることの辛さが分かっていたため、この時点でも嫌々舎弟しているわけではなく慕っている。

「木々が花を咲かせるのは術の力ですか?」
「鳥が空を飛べるのは術が使えるからですか?」
「術が使えなくても、あなたは人間なの。人間なのよ、ギュスターヴ!」 ──荒れるギュスターヴを諭す母 ソフィー

「泣いてるの? ギュスターヴ?」
「術が使えないって、そんなにつらい事なのかな……」 ──少女 レスリー

「ボク術が使えないから…… ギュス様怖いけど、ギュス様だけなんだ、ボクの事解ってくれるの……」 ──舎弟 フリン

  • 1232年
彼はヤーデ領にて術を通さない「鉄」に興味を持ち、鍛冶師に入門、鋼鉄武器の製作に没頭するようになる。
このファイアブランドを超える鋼の剣*2を作る試みは、言及こそされていないが終生続けられたと思われる。

「ギュスターヴ様、なんでまた剣を鍛えようなんて考えたんですかい?」 ──問う鍛冶師

「俺は術が使えない。だから、自分の力で出来ることを見つけなきゃいけないんだ」 ──剣を鍛造するギュスターヴ

  • 1235年
そんなある日、フリンが盗賊に攫われる事件が発生。
ヤーデ伯の息子ケルヴィンと協力し手製の鉄剣を用い盗賊を撃退し、己の進むべき道を見定める。
また、この時の経験によって自由奔放なガキ大将 / 善人だがどこまでも貴族という本来相いれない二人*3が完全に相互理解を果たして終生の友となる。


  • 1239年
母ソフィー、病に倒れる。
ギュスターヴは自分の所為で異国へ追いやられた負い目もあり、どんな顔で会えば良いんだと塞いでしまう。
そこに親友は言う。

「……何も考えなくていいんだ。ソフィー様に会って、泣きたくなったら泣け。笑いたければ微笑んでみせろ。」
「これまで二人で生きてきたんだろう。ソフィー様を一人にしておいていいのか?」            ──親友、ケルヴィン

「うん。帰ろう。」
「ありがとう、ケルヴィン。」 ──顔を上げたギュスターヴ

そして母から遺言を託され、最期を看取る…。

最愛の母 ソフィー死去。
ギュスターヴ、この時19歳。


《青年期》


  • 1240年
ギュスターヴはワイド侯のもとへ通っていた。
若くして領地を継いだワイド侯だが、自らに都合のいい言を吐く者を信用し、前領主に従っていた有能な家臣を遠ざけていた。
ギュスターヴは彼に取り入り、忠臣の独断専行を誇張し結果として猛将ネーベルスタンとの不和を煽る。
そしてネーベルスタンの不在時にギュスターヴは抜け道を確保、準備していたヤーデ軍を引き入れワイド領奪取に成功。
その後ワイド侯は監禁された。

ほとんどの家臣はギュスターヴに従い、ワイド侯への忠誠を持つネーベルスタンも後に旧知のシルマールの説得により部下に加わる。

ワイド領主ギュスターヴの誕生、拠点を手に入れる。

  • ワイド時代
鉄製品の加工を本格的に開始、ストレス発散として冒険に出掛けたり、
酒場の荒くれを蹴散らし少女を口説いたりと、領民に親しまれる領主生活を満喫する。

「知性って言葉の意味……わかるかい?」 ──酔っ払いに対して

  • 1245年
ギュスターヴ12世急逝。
ギュスターヴの腹違いの弟14世が王位を継ぐことになったが、それに対しギュスターヴは自身の継承権を主張。
軍勢を引き連れ、東大陸に帰郷を果たす。

  • 1248年
バケットヒルの戦い

この戦いの前から色々とやってきていたが彼の劣等感は簡単に拭えるものではなく、
敵味方含めて大量の戦死者が出ることに躊躇いを感じているのだが、奮起した。

当初は誰もが、本拠地という地の利があり、屈指の強国であり、同盟国もあって数でも大幅に勝る14世の勝利を予想した。
しかし、13世側は鋼鉄軍の起用、ネーベルスタン将軍の指揮、ヤーデ伯ケルヴィンのサポートを受け、
対する14世側は各勢力の思惑から足並みが揃わず各個撃破され、結果ギュスターヴ13世の大勝で戦いは幕を下ろし、鋼鉄の時代が始まった。

  • 兄妹再会
フィニーの実権を握ったギュスターヴのもとへ使者が次々と訪れ、
ノール領からは領主フィリップ自らが、オート領からは妹マリーが使者として訪れた。
母を奪った兄を憎み剣を向けるフィリップだが、母から託された遺言と兄に宿る母ソフィーのアニマを見て泣き崩れ、兄弟は和解したのであった。

この際、主義主張の都合や前ワイド侯と同じ轍を踏まぬためにも腹違いの弟は処刑しているが、
ギュスターヴ自身も母を弟妹から奪ってしまった負い目があるので、彼らに対しては弾圧や抵抗などはしていない。

「いざとなったらマリー様にも一肌脱いでもらわねばなるまいな……変な意味じゃないぞ、誤解するな」 ──何故か動揺するケルヴィン

「変なのはお前だ、ケルヴィン」  ──そんな親友に対して

(ゲーム内ではロクに描かれないが、ケルヴィンは後にオート候と離婚したマリーとくっつく*4

  • 1249年
東大陸南部への進行を始め、拠点都市ハン・ノヴァの建設に着手、歓楽街の帝王を見出した(かもしれない)。

「ついでに君を、その歓楽の都の主に任命しよう。市長として、何とかしてくれ。」 ――歓楽街を押しに押してきた設計担当者に対して素晴らしいと言いつつ丸投げした様子

「ああ、我が一生に悔いなし! これで歓楽街の帝王だーー」 ――ギュスターヴの命で市長に就任することとなった設計担当者


《壮年期》


  • 1250年
フィニー国の実質支配者であるギュスターヴだが『ファイアブランド』の儀式に失敗した彼を認めない者は多かった。

フィリップは兄の代わりに儀式を受けるも失敗し大火傷を負う。
儀式はアニマの弱い子供のうちに行い、慣れさせなければなければアニマが暴走してしまうからである。
落ち込むフィリップに対し、ギュスターヴはフィリップの息子フィリップ2世に儀式を受けさせてはどうかと勧める。

  • 1255年
フィリップ2世の儀式は無事に成功した……かに思われた直後、暗殺者の凶刃に倒れる。
息子の死に唖然とし激昂したフィリップは、アニマの暴走を厭わずファイアブランドを振るい暗殺者を焼き払う。
その代償にドラゴンへ変貌。息子の亡骸を抱え飛び去っていった。

後には、ファイアブランドだけが残った……。

「何故だ!なぜ、こんな事になったんだ!!誰か教えてくれーー」 ──慟哭するギュスターヴ


  • 1256年
ギュスターヴはフィリップ2世暗殺を当時流行っていたアニマ教徒の犯行と断定。
教団の本拠地を襲撃し、弟を殺された怒りと彼らのアニマ至上主義に対する怒りが合わさり信者達を虐殺した。
術不能者が人として生きる為に必要な行動でもあったが、これにより市民・国際社会・歴史上での彼の評価はより極端なものとなった。

ギュスターヴ36歳。

  • 1260年
一人の暗殺者がいた。名はヨハネ、暗殺集団サソリの一員だ、いや、だったというべきか。
組織を脱走したヨハネ、サソリは裏切りを許さない。
体に仕込まれたサソリの毒と執拗な追っ手がヨハネの命を狙った。
諦めかけた時、ある男に救われた。

「ヨハン、一緒に来い」

この男は何者なのか。
なぜ、サソリの術を見破ったのか、興味が湧いた。
だが何より、この人の声に従うのが心地良かった。

なお、この時シルマールの弟子であり敵の術中にはまっていた術師のヴァンアーブルに対しては、アニマに頼りすぎだとアドバイスしている。

  • 1264年
猛将ネーベルスタン将軍も病には勝てず、ギュスターヴの元へ最後の挨拶に赴く。
そこで、彼は自分の若かりし日々の思い出を語るのであった。

「将軍!さ……ありがとう」 ──去る将軍に

  • 1269年
大陸南部進出は順調に進み、東大陸はすべて彼の統治下に置かれる。
ギュスターヴが統治領の南端にある砦へ視察に赴いた日の夜、砦は謎の魔物たちの襲撃を受ける。

部下の安全を優先するために退避させ、自身は最後まで砦に残るギュスターヴ。
毒が回り死ぬ寸前の病身を押して、鬼神の如く門を守り続けるヨハン。
そしてギュスターヴの命を果たした後に、国の重鎮ではなく子分として彼の元へ戻るフリン。

崩壊した砦には、彼が生涯をかけて鍛えた鋼の剣だけが残されていた。


覇王ギュスターヴ、49歳没。


覇王という呼び名と敵対者への苛烈な行動や威光とは裏腹に、個人としては最後まで努力を欠かさず友人想いで気さくな人物であった。

一方で、公的には子どもはおらず、後継者も指名していなかったことから、彼の没後には覇権を奪おうとする勢力が頭角を表したり、子孫を名乗る者たちが続々と現れるなど、波乱の世が続くことになる。

彼の突き進んだ生涯と、その生涯をかけて鍛えた剣は、彼がいなくなった後も物語に影響を与える。

【ゲーム中の性能】

グラフィックが少年期、青年期と壮年期(覇王)に別れるが、総じて言えることは「術が使えない」「その代わりに術に対する耐性が高い」
『サガフロンティア2』は範囲攻撃のほとんどが術や術技のため、基本的に単体攻撃になる(一部の技を覚えれば範囲攻撃可能)。
得意な攻撃は剣と体術。

[少年期]
最初はあまり強くない、彼の生涯と同じく下積みの時代と言える。
固有武器の『ギュスターヴの剣』はまだ弱く、店に売ってる武器と大差ない。
とはいえ、彼の剣は使用回数に制限がなく彼自身の成長も速いためにあまり問題にはならない。

[青年期]
青年期のギュスターヴの剣は圧倒的な強さではないが、
この時点で出回っている武器よりは一回り強いので、この時にもなると一流の戦士である。
バケットヒルの戦いではケルヴィン・ネーベルスタン共々前線に赴いている。
戦場にいた兵士によれば「ギュスターヴ様が分身したように見えていつの間にか敵が全員倒れていた」「突然敵に向かって剣を振るったかと思うと衝撃波で敵が全員倒れていた」「それより炎の嵐を振り撒いて敵を虐殺していくヤーデ伯の御曹司の方が恐ろしかった」といった証言があったりなかったり。

[壮年期(覇王)]
加入時期と期間が短く、活躍する機会はあまりない。
だが、それを補う、あまりある強さと格好良さを誇る。
固有武器『ギュスターヴの剣』は世界最高峰の攻撃力を叩き出し、アニマを持たずして、
自身の天武の才と努力により突き詰められた身体から放たれる一撃は、まさに覇王と呼ぶに相応しい。剣は魔法より強いのである。
本当の漢との共闘シナリオではその力が思う存分発揮される。
彼の成長を知るプレイヤーには感慨深いものがあるだろう。



「うん、追記・修正は任せる。また会おう、ヨハン」

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