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サガフロンティア2

登録日:2012/03/25 Sun 17:22:40
更新日:2026/06/05 Fri 15:59:26
所要時間:約 10 分で読めます






木々が花を咲かせるのは術の力ですか?
鳥が空を飛べるのは、
術が使えるからですか?
術が使えなくても、あなたは人間なの。
人間なのよ、ギュスターヴ!



『サガフロンティア2』(SaGa Frontier 2)とは、スクウェアから発売されたゲーム作品の一つ。
サガシリーズの8作目。
1999年4月にPlayStation向けに発売された。

●『概要』
前作『サガフロンティア』のGB三部作を思わせるSFチックかつファンタジーごちゃ混ぜな世界観から『ロマンシング サ・ガ』と同様のファンタジー路線の世界観に戻った。
今作では『ロマンシング サ・ガ2』のような一つの国家に纏わる歴史を深く掘り下げたストーリーとなっており、
歴史の教科書を紐解くように、記されたそれぞれの出来事を追体験していく「ヒストリーチョイス」と呼ばれる構築型のフリーシナリオが最大の特徴となっている。
最初はプレイできるシナリオは少なく、エピソードをクリアしていく度に次のシナリオが選択できるようになっていく。中にはバトルやダンジョン探索が一切発生しないエピソード閲覧のみのシナリオも見られている。というかギュス編はだいたいそればかりである

BGM担当の浜渦正志氏の「場面転換ごとに全く違う曲が必要なのか?」という疑問への一つの答えとして作られた3つのメロディーモチーフによるBGMと、水彩画のような2Dグラフィックは評価が高い。
しかし発売当初はBGMがお馴染みイトケンこと伊藤賢治でないことや街とダンジョンを自由に行き来できずパーティメンバーも次々に移り変わるためキャラ育成の必要性が薄めであるなど、サガシリーズらしく一般的なRPGとは大きく異なる作りなどから賛否両論を呼んだ。

ハマりやすいことを除けば難易度はサガシリーズの中では基本的には易しめだが、ナイツ編・ギュス編ともに最終シナリオの難易度が非常に高く、心を折られた人が続出した。

2025年3月27日のNintendo Directでは本作のリマスターが発表されたが、(ニンダイではたまにある)「ダイレクト終了後配信開始」のサプライズ付きで、Nintendo Switchを皮切りに、翌日までにPlayStation4/PlayStation5、Steam、iOS、Androidの各ストアで順次配信開始されている。

●『ストーリー』

世界に存在する全てに宿る『アニマ』
それを用いた術が一般の生活においても当然の世界『サンダイル』の一国に生まれた、
王族であるにもかかわらず『アニマ』の素養を一切もたなかった『ギュスターヴ13世』。

そして、その歴史の裏で強大な力を秘めた過去の遺物『エッグ』に立ち向かう『ウィリアム・ナイツ』。

彼等を中心に約100年に及ぶ物語を両者の視点から描く。


書籍によって設定が大きく違うのも特徴で、設定資料集の「パーフェクトワークス」と攻略本の「アルティマニア」の2種と考えていいだろう*1。
「作中時代から長い時が経った時代における資料」として本作を捉えるのもアリ。

●『主な登場人物』

〇ギュスターヴ編

【ギュスターヴ13世】
主人公の1人にして風雲児。
術社会の中、アニマを一切もたなかった為にフィニー王家を追放される。
後に自らと同じくアニマを阻害する性質を持った素材『金属』に可能性を見いだし、それをきっかけとして一時代を築き『鋼の13世』と呼ばれる。
彼の固有装備『ギュスターヴの剣』は時代と共に成長し、全武器でトップクラスの性能を誇るようになる。

遠征先で謎のモンスター軍団に襲撃され、護衛のヨハンの奮闘虚しく炎の中に消えてしまう。
史実では彼はここで死亡したが、遺体が見つからなかったために、後継者と名乗る者が続出した。
なお、上記の情報は当時の発売前アナウンスで仄めかされ、衝撃を呼んだという…。

【ソフィー・ド・ノール】
ギュスターヴの母。
王家を追われるギュスターヴとともに王妃の立場の立場を捨て城を出た。
そして優しく厳しくギュスターヴを見守り続けた。
冒頭の名台詞も彼女のもの。彼女の存在なくして鋼の13世は存在しえなかったに違いない。

【フリン】
気弱な術不能者の少年。
似た境遇のギュスターヴの気持ちを理解し、荒みがちだった彼を支えた。
ギュスターヴもまたフリンの良き理解者であり、壮年期になっても二人のやりとりからそれが伺える。

【レスリー・ベーリング】
名家ベーリング家の娘。
当初は荒れていたギュスターヴを恐れていたが、彼女もまた彼を支える理解者となる。

【ケルヴィン】
ヤーデ伯爵の息子。
最初は面倒を引き起こすギュスターヴをやっかんでいたが、後に盟友となる。
特に空気だったりはしない。
「別に変な意味じゃないぞ。誤解するな。」


〇ウィル・ナイツ編

【ウィリアム・ナイツ】
主人公の1人、通称『12個入りウィル』
新米のディガー。
両親のヘンリーとキャサリンは幼い頃に他界しており、叔母のコクラン夫婦に育てられた
父ヘンリーの死の真相を探る内にエッグとの因縁に巻き込まれてゆく。

ディガーとして一人立ちする為に家を出た時、彼の長い物語が始まる。

初登場時は15歳だったのだが、孫娘ジニーとともにエッグとの最後の戦いに出た時はなんと85歳! RPG有数のおじいちゃん主人公である!

【コーデリア・エメリー】
通称『コーディー』
ディガーの護衛役であるヴィジランツの新米の少女
足りないのは経験だけ。カワイイ

【ナルセス・ピローニ3世】
熟練の魔術師。冷え症疑惑。
口が悪く初対面の相手には良い印象を与えないが、面倒見がよく、頼りにされる。
早い話がツンデレ
初期習得の範囲術『ブッシュファイア』はプレイヤーにとっても頼りになり、当時のサンダイルにおける術の優位性を実感させてゆく。

【タイラー・スティーブンソン】
体格が良く世紀末な外見だが、紳士的な人物。
良く仲間を助け、自分の実にならない事でも仲間の為ならば進んで引き受ける漢の中の漢。
ゆえにプレイヤーからも兄貴と呼ばれて慕われる。

【リチャード】
新米の冒険者で女好きのナイスガイ、通称リッチ。
ある時は初対面の女性と一山当てに、またある時は別の女性の為に故郷の虹を蘇らせるべく走り回る。
実はウィルの息子でジニーの父となる男、本名リチャード・ナイツ。
彼もまたナイツ家の宿命か、エッグとの因縁に巻き込まれていく。
愛する家族を守る為、彼はたった一人でエッグに戦いを挑み…。

【ヴァージニア】
新米ディガーの少女、通称ジニー。]]
基本的に『元気』『天然』『お転婆』という娘さん。可愛い。
ジニーちゃん可愛いけど勝利ポーズで剣持ったまま飛び上がるのはやめようね。
本名ヴァージニア・ナイツ。
リッチの娘にしてウィルの孫娘、14歳。
ナイツ家のエッグとの因縁からは逃れられず、エッグとの最後の戦いに巻き込まれていくことになる。

【プルミエール】
ヴィジランツの女性。
勝気な性格ながら、どこか気品や育ちの良さを漂わせる。
その正体はカンタールの23番目の娘。
母代わりであるカンタールの最初の娘である実姉ヌヴィエムにより「プルミエール」の名を与えられ彼女の私怨もあってオート候カンタールの娘にふさわしい生き方を強要されていたが、反発し家を出る。

【グスタフ】
鉄製の剣とクヴェルである炎の剣、二つの剣を扱う剣士。
愛想は無いが腕は立つ、変わった頭のイケメン。
その正体はフィニー王位の最後の継承者、そしてファイアブランドを受け継いだ真の『ギュスターヴ15世』。
後に亡きギュスターヴ13世の剣をも受け継ぎ、デーヴィドを護るために自らの使命を果たす為にサウスマウンドトップの戦いに陰ながら参戦、更にそれを経てジニー達に同行する。
グスタフとプルミエールの共闘は、世代を超えたギュスターヴとカンタールの和解とも言える。


●『キーワード』

【アニマ】
世界のほぼ全てに宿るもの。
特にゲーム内では他のRPGでいう元素や魔力といったものに相当する。
これを扱う素養を一切もたなかったギュスターヴは石ころ以下とまで罵られた。
(フリンのような術がうまく扱えない術不能者は存在するが、ギュスターヴのように一切の素養をもたない者は極めて稀)
ゲームシステム的にも勘違いされがちだが『アニマ』は一種類しかない。
様々な道具を経由して違った形で発現させるため、その道具の種類だけいろいろなアニマがあると誤解されている。
なお、アニマの作用について研究が進み、多くの事柄がアニマにより説明できるようになった結果、サンダイルでは神という概念が忘れ去られて久しいというファンタジー世界には珍しい設定がある。
作中でも「神」というワードは避けられており、シリーズ他作品から輸入した言葉も改名されていたりする(活殺獣神衝→活殺獣閃衝、聖歌→清歌など)。

それとは別に魂の意味で使われることもある。

【術】
サガシリーズでは魔法を意味する言葉として使われることが多いキーワード。
本作ではアニマに特定の意味を与えて発現させる仕組みになっている。
そのため、アニマを引き出すための道具が別途必要になり、対応する装備がないと使うことができない。
ただしアニマの属性に対立しているものはないので、従来作のような「火と水は相反する」といった要素はなく、
複数の属性のアニマを扱える高等な装備があれば1人で全部の系統の術を扱える。
系統は火・水・石・樹・獣・音の6種で、従来作に比べると独特である。

ここまでがゲームとしての解説だが、世界観としては狭義の術。
広義の術としては、アニマを込めて発動するものすべてが含まれる。
武器はもちろん、日用品までこの考えが浸透しており、
たとえば包丁は「なまくらの石の板」に「斬るというアニマの力を与える」ことで包丁として機能させる。
我々が目にする包丁は「形状としての切れ味」が重視されるが、この世界では「術を引き出しやすく切れ味を出しやすい」ものが重視される、といったところか。
シリーズ屈指のハイファンタジー設定である。

防具に関しても同様で、術と親和性の高い材料の防具であれば、本人の術力が優れているほど防具にバリアのような膜を張り、防御性能を高める。
そのため術に優れた貴族などは、優雅な衣装に術を帯びさせて防具としている。
本作では魔法使いこそが前衛向きの頑丈なユニットなのだ。

そのため、アニマを効率的に引き出して使いたい形に発現できる道具であるほど、優れていることになる。
原理上は道具なしでもアニマを引き出して発現はできるが、無色透明の大気から元素を見つけ出すに等しい無理な試みであり、
人類のスペックでは仮にできたとしても消耗が激し過ぎて現実的な選択とは言えない。

【術至上主義】
今作の世界観。
かつて古代帝国で腐敗した貴族が支配していた歴史の反動として、術の才能が社会的地位に直結するようになった。
ただし影響が少なかった地域では術至上主義の考え方も比較的薄く、
術がなくともなんとがなる鉄(御術)が発達してる地域では、
差別が少なかったことから実は区別ではないのか再評価され始めた。
最底辺にいるギュスターヴの出世物語において重要なポジションを占める。

【クヴェル】
現在の技術では造りだす事ができない、強力なアニマを秘めた過去の遺物。
アルティマニアによると無限のアニマを内包し、何らかの特定の機能を持つ。そのため装備品としては耐久度を気にせず使い倒せる。
かつての古代帝国時代は人々がクヴェルを通してしか術を使うすべを知らなかったので、クヴェルの所持イコール身分であった。
この頃に生まれた職業がディガーであり、クヴェルを探しだし一山あてるいわばトレジャーハンターのようなもの。
ただし使い方を間違えると所持者のアニマを変質させられる極めて危険なリスクを持つ。
スペックの高さからこのリスクが大き過ぎて人類にどうやっても扱えないクヴェルも多数。
パーフェクトワークスではこの設定を、使い手のアニマを増幅させて術を放つ仕組みであるとし、
術を使う意思がないと増幅したまま体内に逆流、身体がそれに耐え切れなくなるのがリスクの正体であると解説されている。

古代帝国時代はクヴェル本来の機能を活用した文明もあったが、帝国崩壊の戦乱のさなかにほとんどの技術は失伝した。

【ツール】
クヴェルの汎用品。クヴェルが発見されなかった術至上主義の考えが薄い地域で代用品として作られた。
ごく普通の自然物から作られるほか、その自然物のアニマを抽出して術を放つだけなので、危険はないがほとんどが消耗品。
術を使うのにはクヴェルかツールが必要なのはこの設定に拠る。
アニマが一種類しかないのに「火・水・木・音・獣・石」の六属性に分かれているが、
これは現実でいう、特定の色だけを通す色付きセロファンみたいなものを想像するとわかりやすいだろう。
術はこの特性を利用している。

耐久力を失ったツールは壊れ、チップと呼ばれる破片になる。
ツールの材料としてつなぎのような形で再利用されるため、これを買い取るリサイクル業者が存在する。
本作では所持金管理がパーティではなく一個人で別々に行なわれるので、主人公扱いされているキャラが変わるだけで財布が別々になるのだが、チップだけは共通。
チップを換金する店が時に重要になるほか、チップの入手経験が多いと市場に広くチップが出回る設定になっており、性能の高いツールを製作できる店に商品が陳列されるようになる。
補充の目途がつきやすいツールは計画的に、積極的に使い潰していくことが大きなプラスになるという珍しい方向性である。

【メガリス】
クヴェルと同じ時代の物と思われる巨大な建造物。
建物自体が力を秘めており、建物型のクヴェルと表される事もある。
クヴェルが多く発見されるが、建物自体がクヴェルと同じ危険性を持っており、力に惹かれるのかモンスターも集まる危険な場所。
アニマを変質させられた異形のモンスターがしばしば出没するのはそのため。
それだけにここを踏破したディガーは、正体不明の建造物の仕組みを体を張って解き明かしたことになり、世の中から賞賛される。

【金属】
アニマをもたずアニマを阻害する素材として忌み嫌われ*2、この世界では特別な意味を持つ。
術が不得手な者が簡単な道具に加工して使ったりと、完全に生活からかけ離れたものではない模様。
最もアニマを遮断する鉛、加工が比較的容易な鉄、あまりアニマを阻害しないことからツールやクヴェルにも使われている銀、例外的に一切アニマを遮断しない金などがある。
ギュスターヴ13世が立ち上がれたのはこの金属文明のポテンシャルに着目したからである。
ゲーム上ではツールよりも頑丈な傾向にあるが、術方面を弱体化してしまうデメリットをどうやって抑えるかが運用の鍵になる。
だがギュスターヴ13世なら話は別。

【エッグ】
卵型の手のひら大のクヴェル。
まがまがしいアニマを放ち、通常のクヴェルよりも強い力を秘めている。
ウィルの両親の死に関わっているらしいが…詳細は当該項目にて。




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最終更新:2026年06月05日 15:59

*1 シナリオを最終的に書き上げた河津プロデューサーがインタビューに答えているのはアルティマニア。そのためか、派生作のソシャゲなどだとアルティマニアの設定をベースに、それを妨げない形でパーフェクトワークスの設定を補完していることが多い。

*2 内部設定では石甲やセラミックなどにも微量ながらアニマを阻害する効果を持つ