ブータン

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ブータン - (2013/01/04 (金) 01:02:52) の編集履歴(バックアップ)


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更新日:2024/04/09 Tue 06:51:21
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ヒマラヤ山脈に位置する九州程の大きさの国・ブータン王国…良い意味で独特の道を進んでいる数少ない国である。

「どゆこと?」と思った人の為に、少し例を挙げると…

①GNP(国民総生産)ではなく、GNH(国民総幸福量)を増やす為に国を動かしている。
GNHの概念を生み出したのはワンチュク前国王。いくらお金があっても、使う人の心が貧しければ国は発展したとは言えない…という訳である。
ちなみに、荒川区もブータンを手本に幸福度の充実に力を入れている。
だが近年では近代化が進み、国内には高層ビルが乱立し始めている。

②外国との交流は最低限
国交を持っている国は僅か24ヵ国(+EU)。国連加盟国の約1/10である。オーストラリアとは2001年に、カナダとは2003年に国交を樹立したばかり。
アメリカや中国、イギリスやロシアやフランスやドイツ等の大国とは国交が無いが日本とは深い絆で結ばれている(後述)。
またインドは2007年まで外交に助言を与えていた特殊な関係である。
観光客の入国も厳しく制限されており、ジーンズやスカートは御法度。
外国人も民族衣装の着用を義務付けられる。

③国王自らが民主化憲法を作成
普通の国ならば国王の横暴に国民が耐えられなくなり、「民主化しろゴルァ!」となるのが一般的だが、2008年にワンチュク国王が新憲法を制定。内容は以下の通りである。

  • 政治の実権は首相に。選出方法も大臣の輪番制ではなく選挙にします。
  • 国会は国王を辞めさせる事が出来ます。また国王の定年は65歳までとします。

見ての通り国王が圧倒的に不利な内容だが、隣のネパール国王が好き放題やったおかげで王政そのものが廃止になった事を考えると妥当な判断かもしれない。
ちなみに、国民は全くそんな事は考えておらず、まさに寝耳に水だったらしい。
更に、ワンチュク国王はなんと定年前の50歳に退位している。

④健康・環境国家
2004年に世界初の禁煙国家を実現。国内でタバコの販売が禁止になり、外国人が持ち込む時は100%の税金がかかるようになった。
また、山あいにあるという地の利を生かし水力発電所を建設。電力を輸出し、得たお金は医療費や教育費に当てられ、病院や学校は無料。
同じタダでもナウルとはワケが違う。

  • 日本との関係
1964年に農業技術者の西岡京治が同国に派遣された。翌年よりブータンの収穫量は劇的に増え続け、1980年に西岡氏は国王より「最高の人」を意味するダショーの称号を授与されている。
また昭和天皇の大喪の礼と今上天皇の即位の礼には国王自らが民族衣装姿で来日しており、日本からも皇太子殿下(当時は徳仁親王殿下)と秋篠宮殿下がブータンを訪問しており、2011年には国交樹立25周年を迎えている。
また、東北地方太平洋沖地震にも国王自らが8000万円の義援金を送った。
ちなみに、アジアで唯一(北朝鮮や台湾を除き)日本に大使館が無い(在インド大使館が兼轄)

  • ブータンの問題点
〇同国南部はインドからの独立を求めるアッサム州のゲリラが侵入しており、治安は悪い。
また、南部に住むネパール系住民に対しては拷問が行われており、彼らが設立したブータン共産党等のテロ組織も活動を行っている。
〇地球温暖化により氷河が決壊し始めており、30年も経たないうちに国内だけでなくインドやバングラデシュ等にまで影響が出る可能性がある。
〇若年層の失業率は9.7%と高く、仕事を求め都会にやって来る若者が後を絶たない。
かつてNHKの取材に応じた若者は「幸せなんて解らない」と、GNH政策に否定的とも取れる発言をしている。
かつては存在しなかったホームレスも増え始めている。

  • ブータンの文化
チベットやモンゴル系の顔をしている為、外見は日本人に近い。国内では英語が普通に通じており、官民問わずインターネットが盛ん。
また男根信仰があるため国内のあちこちでチ〇ポの形をしたシンボルが見られる他、近年まで夜這いの習慣があったとか…
人気のあるスポーツは民衆がアーチェリー、武器の使えない僧侶が石投げだったが最近はサッカーがブームになっている。
2002年にはイギリス領の島・モントセラトと世界最下位決定戦を行った。なお、試合は4-0でブータンが勝利。
試合後、両国はサッカーを通じた友情をたたえ合い、「双方とも勝者」を意味する半分に分けたトロフィーを両代表チームに授与された。
ちなみに、2007年から2009年まで日本人がブータン代表の監督を務めていた。

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