El Shaddai

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El Shaddai - (2023/08/19 (土) 07:05:32) の編集履歴(バックアップ)


登録日:2010/09/23 Thu 22:02:19
更新日:2024/04/19 Fri 04:07:25
所要時間:約 7 分で読めます




「そんな装備で大丈夫か?」


「大丈夫だ、問題ない」


「El Shaddai ASCENSION OF THE METATRON(エルシャダイ アセンション オブ ザ メタトロン)」とは2011年4月28日発売のアクションゲーム。
開発はイグニッションエンターテイメント・リミテッド。

対応プラットフォームはPS3とXbox360とWindows(Steam)。

バイオハザードや大神に関わったスタッフが開発している。

無名会社の完全新作だがゲーム雑誌では大きく取り上げられ、イベントでもブースが大きい。

プレイヤーは主人公「イーノック」を操りルシフェル等の守護天使達の力を借りて堕天使達を捕縛・浄化していく。

HD機ならではの美麗なグラフィックや攻撃を受けた場所の鎧が剥がれていく、武器を奪い取る等の特徴を持つ。
また、体力ゲージ等一目でゲームに見える要素は削除していく方針。

その特徴的すぎる台詞回しやイーノックの顔等からネット上では様々な意味で期待を集めている。
というかもう早速ネタにされている。
しかしオプーナやNieRといったネタにされながらも、出来が良かった例もある為ただのネタゲーと決めるにはまだ早い。

まさかのEDWINとのコラボでジーンズが発売する。
12月上旬発売予定で36万ではなく13650円。

因みに開発期間は3年らしいが大丈夫か?

評価

ゲーム性がやや単調であること、ストーリーが途中からかなり端折られていたことを理由に、売り上げと評価はあまり振るわなかった。

その裏事情にはリーマンショックによる資金提供元であるイグニッションが開発の早期終結を求めてきたことがある。
ちなみにこの時点でスタジオの閉鎖が決定、つまりゲームが完成したらスタッフは総退職という絶望的な状況だった。
本来はアセットを利用し、シリーズ化して展開する予定だったが、その計画の全て破綻、最悪発売中止もあり得た。
しかし指揮を取っていた竹安佐和記の奔走もあって、内容は開発側目線からも不満を残しながらもなんとか発売にこぎつけた。

と、こういった背景はあれど、ユーザーからは出てきたものが全て。PVで散々盛り上げたこともあり、当時の期待値の高まりは凄まじかった。
厳しい評価はその期待感との落差が大きいと思われる。
が、独特なアートデザインとBGMと世界観は発売10年たっても色褪せず、未だ根強い人気を持っている。

2017年にはPSV向けにスピンオフ作品であるRPG「The Lost Child」が発売されており、制作者はまだまだ神話構想の拡張をあきらめていない。
そうした動きは後にとんどん繋がっていく。

HDリマスター版

発売から約10年後の2021年9月2日、まさかのWindows版(Steam版)が配信された。
権利を持っていたイグニッションから竹安佐和記が個人で権利を買い付けた。(会社としては竹安が運営するグレム名義)
PS3/XBOX 360版の権利を除いて、作品の版権は全て竹安が所持しており、今後の展開は全て竹安主導で行えるようになった。
ちなみに費用の捻出は10年以上に渡るエルシャダイカフェの売上が大きいらしく、ファンの活動の賜物である。
完全版のクラウドファンディングを求める声もあると言うが、竹安曰く「Steam版をクラウドファンディングと考えて欲しい」とのこと。

なお移植の出来も良好で、約10年前の作品とは思えない美麗なグラフィックで、高いスペックでなくてもサクサク遊べる。
一番いい装備だ。問題ない。
特典として小説やサウンドトラックが付属しているセット売りも行われている。
ちなみにHDリマスターというタイトルは、バグ取り等が全て終わった後付与されたものである。

また、さらにこれを元にしたNintendo Switch版が開発進行中。
神は言っている、ここで死ぬ定めではないと………。

その後


それから更に時が経ち、2023年2月にDMMGAMESで配信されている「天啓パラドクス」でまさかのコラボ出演することになり
イーノックとルシフェルが期間限定コラボユニットキャラとして登場する事となった。


【ストーリー】


「遥か昔、天使は人間を羨んだ……」

ヒトの言葉や思想が離れる遥か昔……。
神はグリゴリの天使達に地上の監視を命じた。
彼らは長い間監視する内にヒトへの憧れを抱き堕天という禁忌を犯してしまう。

天界は激怒し地上を一掃する洪水を計画するが、
ヒトでありながら天界の書記を勤めるイーノックの嘆願により、
堕天使達の捕縛を条件に洪水計画の執行を待つことにした。

今、地上界の命運を賭けたイーノックの長い旅が始まった。

それは語り継ぐことを許されなかった遥か古の物語……。


【登場キャラクター】


イーノック
CV:三木眞一郎
清く強い心を持つ神に選ばれた青年。
人間。
洪水計画を阻止する為に地上に降り立つ。
「アーチ」という弓にも糸鋸にも見える独特な形状の武器を駆使して戦う。
72通りの名前があるらしい。

E3にて公開されたPVでルシフェルの忠告に、
「大丈夫だ、問題ない」
と自信満々に答えた直後にフルボッコにされ、ルシフェルの力で時を戻されると今度は、
「一番いいのを頼む」
と力強く弱気に答え、一番いい装備を与えられる。
その装備で女にも見える。
人の話を聞かない。


ルシフェル
CV:竹内良太
ベジータみたいな髪型の男。
天界でも一、二位を争う大天使で時を操る能力を持つ。
イーノックを個人的に気に入っているらしい。
現代的な衣装やらビニール傘やら携帯電話やら雰囲気を見事にぶち壊してくれる。
時を操る力を持つにしては時間に対してアバウト。
30万年程度の誤差は気にしないくらいアバウト。
セーブ、ロード、ポーズ等は彼の能力という設定。
「そんな装備で大丈夫か?」


【ここまで話題になった経緯】


開発途中だがプロモーションビデオが公開される。
 ↓
シリアスな笑いの詰まったPVがふたばで話題に。
 ↓
ニコニコ動画にアップされる。
 ↓
発売前のPVのくせに再生数がミリオン突破しランキングに常駐、ゲームPVとしては異例の再生数を獲得。
 ↓
様々なMADが制作されルシフェルの声優まで視聴に来る。

 ↓

3.11震災後、ニコニコ動画にて、
竹内良太もといルシフェル本人が、被災地の方々に熱いエールを送った。

これは、短い動画だが本当に感動する。

「紅い眼のお兄さん」
で検索すれば出るはず。



【PVのツッコミ所】


  • ルシフェルが過去を話し始めるが36万年前なのか、1万4000年前なのかはっきりしない上に時間差がありすぎる。

  • イーノックがルシフェルさんの心配に自信満々に大丈夫だと答え、格好良く敵に向かうも鎧から剣からぶっ壊されてぼろ負け。

  • しかし時間が巻き戻りまたルシフェルさんの忠告の場面。今度は「一番良いのを頼む」と答え装備を新調するも剣だけは砕け散った。

  • 足場を飛び越えるシーンで足をくじく。

  • 云万年も前の話なのに携帯電話で神様と話すルシフェルさん。

  • ルシフェルさんがビニール傘を回してる。

  • 途中でマウスカーソルが登場(2:59頃)。

  • 初めぼろ負けしてたイーノックが装備を変えただけで一変し、キリッとした表情で敵を挑発したり「ウェハハハハ」と余裕。

  • 武器がつまようじ。

  • イーノックがゴリラとすり替わる。

  • 空中に浮かぶ顔。

  • でも結局「今回もダメだったよ」



オト-トノカタキヲトルノデス



ちなみにPHPから小説版も発売されている。
著者は「大神」等にも関わり、本作の総指揮を取る竹安佐和記。

何故ルシフェルがいきなり過去話を語り始めるのか、何故イーノックが天界に居るのか、
その他ゲームでは語りきれなかった部分や新章「ルシフェルの堕天」も書かれているため、
一番いい物語が気になる方は手にとってみるといいだろう。


【ゲーム性】

7名の堕天使を捕まえるために、堕天使がいるステージをクリアしていくのが主な流れ。
オーソドックスな3Dアクションゲームで一言でいえばシンプルながらも奥深い。 攻撃・ジャンプ・防御・武器の浄化と方向キーだけというアクションゲーム初心者でもとっつきやすい操作性になっている。
主人公であるイーノックは以下の武器のどれかを一つ装備できる。

●アーチ
イーノックが操る武器。
変形すると浄化する刃が出てくる。

ルシフェルがPVで紹介したが、興味がないので詳しいことはアークエンジェルに丸投げした。

ルシフェル曰く神々は爪楊枝に使っているらしい。
ルシフェル自身は見たことがないが。

装備中は短時間の滑空可能。

●ガーレ
某GNファングのように物体を飛ばす射撃武器。
ルシフェルはこれが好きなようだ。

●ベイル
普段は盾の形をしているが折り紙のように折ることで形状を変化させる。
パワーとディフェンスに最も優れたタフガイな武器。

武器は敵から奪った後に浄化する事で使用できる。これらの武器を敵に合わせて使い分けていくことやジャストガードを使用する事で、戦闘を有利に進めることができる。
世界観に没入できるようHPケージといったHUDの類は一切ない。イーノックのHPは身に着けている衣服の破壊具合で判断するようになっている。


【ステージ】

各種ステージは堕天使を模したテーマに沿って描かれている。ビジュアルやアートワークは非常にすばらしく、まさに遊べるアートといった感じか。
BGMや演出も素晴らしく、見た目のバラエティー性は空きが来ない。ステージの構造自体は複雑ではなく、ひたすら奥に進んでジャンプで障害物を乗り越えたりするなどシンプルなレベルデザインとなっている。
また、ステージによっては横スクロールアクションのような2Dステージも存在する。 ただ、ステージには探索要素は一切なく、奥に進む→戦闘→奥に進むの繰り返しになってしまい、ゲームとしては飽きやすいのが玉に瑕。



【El Shaddai ceta】

ゲームの発売から3周年を目前に控えた2014年。
『El Shaddai ceta(エルシャダイ セタ)』として、ディレクター兼デザイナーの竹安佐和記氏自らが描くコミカライズを、
突如「pixivコミック」内の月刊Gファンタジー上で連載することが決定、同年2月から開始された。
原作小説版をベースに追加エピソードを加えたものになるようで、冥界に降りたルシフェルが、
イーノックの事や本編の出来事を回想してベリアルに聞かせている形に(現在は)なっている。

中身の方はというと、流石に書き込みなどは本職の漫画家に及ばないものの、製作者本人の作というだけあってなんというか、
非常に独特な空気や「間」を形成しており、それでいて「これはエルシャダイだ」と思わせる雰囲気を持ったものになっている。
ファンタスティック!

シュールギャグのような一面もあるがそれを抜きにしても割と普通に面白い。
毎月更新で1話と最新話のみ閲覧できる形態で2014年11月27日に突然の2巻同時発売で書籍化もされた。
本作のキャラクターや世界観に惚れ込んだ人は是非一度見てみることをオススメする。

クリム公式HP内ではアシスタントを募集中。
「そうだな、次はこれを見ている奴にも付き合ってもらうよ。」

尚、狙ってか偶然か、作品ページのURLに振られているナンバーが『801』である。
そんな数字で大丈夫か?


そんな追記・修正で大丈夫か?

→大丈夫だ、問題ない
「神は云っている……こんな追記・修正ではダメだと……」



→一番良い追記・修正を頼む

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