アットウィキロゴ

Steam

登録日:2011/06/30 Thu 18:08:28
更新日:2026/08/12 Wed 07:11:34
所要時間:約 11 分で読めます




Steam(スチーム)」とは、PCゲームのダウンロード販売、マルチプレイのサポート、ユーザーの交流、著作権管理などを目的にしたプラットフォームである。運用開始は2003年9月13日。*1
開発・運営は米国ワシントン州ベルビューに拠点を置くValve Software社*2


◆概要


日本ではPCゲームが浸透していなかった頃から、既に海外ではPCゲームのDL販売サービスは非常に大きな市場・業界となっており、なかでも飛び抜けて売り上げを伸ばした最大手といえるのがSteamである。
ゲームを販売するサイトにログインするよりも、専用のクライアントアプリをインストールして、そこから購入・プレイを行うのを主体とするシステムを採用している。
ストアに固有の名前は付いておらず、単に「Steamストア」と呼ばれることが多い。

最大手だけあってゲームの質・量ともに充実しており、配信・発売しているゲームは120,000本を超える(2025年12月時点)。
Valve社自作のゲームを始め、Activision(CoDシリーズ等)、Bethesda(FallOut,TES等)、Rockstar(GTAシリーズ等)、他多数の大手、
日本からもカプコンスクウェア・エニックス、コーエーテクモ、セガなど有名処がそろっている。
また、近年は小規模な開発スタジオからのインディーズゲームや同人ゲームというべき意欲作も多数販売されている他、
発売から約1年以上経ったPS4/PS5からの一部タイトルを移植販売すべくPlayStation Studiosも参入しており、もはや大抵の非任天堂ゲームのほとんどがここにあると言っても過言ではない市場となっている。
基本無料のオンラインゲームやソーシャルゲームのPC版なども一部配信されている。

またゲームパッド特化UI「Big Pictureモード」を搭載しており、ゲーム専用機に近いUIでPCゲームを扱うことができる。
安定動作環境としてSteam特化の専用OS『SteamOS*3』、及びそれを搭載した自社開発のUMPC『Steam Deck』やミニPC『Steam Machine』も登場し、PCゲーム初心者でも手に取りやすい環境作りも模索している。

なお、エロゲーは一部だが販売されている。特に『屋上の百合霊さん*4が販売された際には結構な話題となった。
まだ数は少ないものの、無修正のエロゲーの販売が公式に許可された。ただ日本では……(後述)
また、制度が変わる前からも元18禁の作品を(当該シーンを削除した)全年齢向けに販売し、外部サイトの公式パッチで18禁化するなどの抜け道も用意されており、この形は運営側からも黙認されている。

◆説明


ゲームの購入にはアプリケーションをインストールした後にアカウントを作成する必要がある。
購入したゲームはすぐにそのアカウントの「ライブラリ」に登録され、ダウンロード終了後にプレイできる。
すぐダウンロードしなくてもライブラリ一覧に並んでいていつでもDLできるため、とりあえず入手だけしておく「積みゲー」も可能。
この管理方法により、Steamをインストールして自分のアカウントにログインすれば、異なるPCからでも一度購入したゲームはダウンロード、プレイ可能である。
クラウドセーブ対応ゲームならセーブデータの引き継ぎも可能。
一応規約上は「2つのPCで同時にログインしなければOK」となっている。
(アカウントの売買は規約で禁止されている)

通常のPCゲームでは面倒なインストール・アップデート、セーブデータのバックアップといった作業をSteamクライアント側で全部やってくれるのが最大のメリット。
それ以外にも、プレイヤー同士のフレンド、コミュニティ、実績機能など、現代の他の家庭用ゲーム機もこぞって採用している機能はだいたい持っている。
もちろん各ゲームに対してのPCスペック条件は満たす必要はある

また発売前のゲームをプリロード(起動に必要な一部を除き、ほとんどのデータをダウンロードしておく)することにより、
発売日が来た瞬間に残りの少しをダウンロードしてすぐにプレイすることも可能である。
ただ、予約しても(結構ギリギリまで)プリロード不可のタイトルもかなり多い。

最近のPCゲームはパッケージ版でもSteamなどのオンラインサービスに登録と認証を済まさないとプレイできないものも相当増えてきたため、PCゲーマーには不可欠なオンラインサービスとなっている。

◆価格


Steamストアはかつては米ドル(USD)建てだったが、2014年8月あたりから日本からの購入は円(JPY)建てになっている。
現在は(主に後述の理由で)販売元が個別に価格を設定している場合は別だが、1USDは101JPY~105JPYで設定されており、換算手数料も掛からない分市場レートより若干有利。「2,050円」とかいう中途半端な値段設定はその証拠(USDだと$19.99)。
2018年4月からドル円レートが120~130円以上と年々円安ドル高になってきているので、常に2~3割引販売と考えるとかなり太っ腹だった。
事実上海外通販だったという理由から、VISAやMasterなど国際かつドル対応のクレジットカードが必須になっていて、
日本ローカルのクレジットカード(JCB)への対応は非常に遅かったが2014年についに対応するようになった。

Steamの値段設定は基本的に新しいものほど高価、という傾向にあり、作品にもよるがリリースから半年も経てば割引セールが行われるようになる。
最終的には定価が永続的に半額以下になることもあり、セール時は更に安価で購入が可能。
いわゆる往年の名作は1000円切るレベルで購入可能なものも少なくないため、一般的な店舗で購入するより格安である。

特にValve自社ゲームはセール時にとんでもない割引をかけることも多く、いわゆるAAA級タイトルでも75%以上割引されることも。
またサマーセール・ウィンターセールでは上記よりももっと大規模にセールを行う。
この規模のセールとなると、発売から相応の年月がたったり、オンラインの旬が過ぎ去った古いタイトルには「-90%」や「-95%」等の滅茶苦茶な値引きがつくことも。
セールがきっかけで再び盛り返すオンラインゲームなんかも結構多い。

会社やシリーズとかの複数タイトルをまとめたお得パックも存在する。このセット販売には大抵多少の割引がついている。
例えば「Valve Complete Pack」と呼ばれるValve社製ゲーム全部入りパックでは、単品で個別に買うよりも約169USDくらい割安になる。さらにこれらの収録作は上述の大型セールで凄まじい値引きが行われるものも多いので…。
近年から、パックの一部をすでに持っている場合その分の値段が差し引かれる「バンドル」というタイプも追加導入されている。

セット販売とは別の制度として、新発売の製品に強気なおまけをつけるとか、予約/早期購入特典として一部DLCなどの製品を同梱するということにも対応している。(例:『Portal2』は予約特典として前作Portalがタダでついてきていた)
ちなみにすでに持っている場合に重複購入をやってしまったとか、あるいは友達に超おすすめのゲームを投げつけたい場合はギフトアイテムの一つとして購入し、フレンドにプレゼント(ゲームの所有権を譲渡)することも可能。
かつてはゲーム本体とそのコピーのギフトアイテム×1~3個をセット販売するようなマルチ対応タイトルもあったが、今の新作には殆ど見かけない。
ちなみにギフトは拒否することも可能であり、その場合はゲームを送った側のユーザーに返金処理がされる

さらに外部サイトでSteamゲームのキーのみを正規に販売や配布などをしていることもあり、場合によっては格安で購入できる場合もある。
(中には一部怪しい販売サイトもあるため信頼のできる所を選ぶ必要があるという点には十分注意しよう。)


◆問題点


便利さを強調してきたが、ダウンロード専売やPCゲーム故の問題点も多々あり、
  • ネットに接続しないとオフ専ゲームでも起動できない場合がある。
    • 現在は「一度オンラインでゲームを起動して認証すればオフラインでも起動可能」に緩和された、もちろんクラウドセーブは使用不可。
  • ゲームのアップデート・パッチを自動かつ強制的に行うため、新パッチに問題があった場合問題を食い止めることが困難。
    • 時期不定だが強制アップデートではなくなった。もちろん新規DLの場合は最新パッチが当たった状態でDLされる。
  • 様々の事情により、ストアから削除されるタイトルも存在する。
    • 利権問題など、パブリッシャーなどの問題で予告なくストアから削除される場合がある。すでに購入済であればストアから下げられてもライブラリには残るので、何度も再インストールは出来る。
    • ウィッシュリストに入れたまま、後々のセールに備えて買い控えていたらいつの間にかストアから消えてた、と言うケースも起こりうる。
    • ただし、後述のウイルスや悪意あるプログラムを仕込んだゲームなど、違法性が確認されたタイトルを下げるのは然るべき措置ではある。
  • 地雷をつかんでも中古販売不可。
    • とはいえ、購入2週間以内かつプレイ時間2時間未満なら返金可能であり*5、またレビューなどを参考にして購入の判断が可能。
  • PCへの最適化が出来ておらずプレイに支障が出るゲームの存在(家庭用ハードの移植作やマルチプラットフォームに顕著)
  • (今のところ心配はなさそうだが)Valveが倒産した場合(またはSteamのサービスが終了した場合)買ったゲームはどうなるのか
  • そもそもSteamクライアント自体が実はx86互換アプリのままであり、スマートフォンやLinux(=SteamOSないし Steam Deck、Steam Machine)で本当に互換性が取れるか怪しいゲームが多いこと
  • ログインIDとパスワードが漏れるとアカウントを乗っ取られる危険性がある(スマホ二段階認証などでセキュリティを上げることが可能)
  • 配信されているゲームやMODに悪意のあるプログラムが紛れ込んでいる可能性がある
    • 基本的にはSteam側で検査されて弾かれるため過度に心配する必要はないが、中には検査をすり抜けたマルウェアが混入したゲームが販売されていた事件もある*6。もっともPCに何かをダウンロードする際に警戒するのは基本中の基本ではあるのだが。
  • SteamやValveの問題点とは言えないが、古いオンラインゲームやマイナーなオンラインゲームの場合は過疎化が進行していることがある。
    • 過疎化したオンライン専用ゲームを自動的に除外する機能や強制的に販売停止になるといった措置はないのでユーザー個々で判断する必要がある。

また販売(メーカー)側のモラルの問題でもあるが、「アセットフリップ」に代表される粗製濫造なゲームも多数販売されている。
このようなゲームはValve側からも悪質と判断されて、結構な数が削除されたが根絶には至っていない。

◆おま(くに)

他の問題はユーザー側で対処できる場合も多いのだが、特にどうしようもなくて問題視されるのが、特定の国向けに販売を制限する「ジオブロッキング」(geo-blocking)である。
レーティングなどの法的規制の国ごとの違いという、利用者側にはどうすることも出来ないケースも少ないながらあるものの、日本人視点で見ると、かなり有名なタイトルはおろか、むしろ国産タイトルにも平気でかかっている(CoDWaW、BFBC2、テイルズやNARUTO、ドラゴンボールなど)ことが多い。
このような日本での購入が海外での購入より扱いが悪いこと全般を指して、「売ってるがお前の国が気に入らない」もしくは「お前の国には売ってやんねーよ」などの略で、「おま国」という言葉が使われており、根強く残っている。

これらには更に派生があり、
  • お前の国にはDLCだけ売ってやる/DLCは売るけど本編は売ってやらない
  • お前の国には絵だけ見せてやる(※セール開催のバナーがあるのに肝心の対象ソフト掲載数が0)
  • お前の国には割高で売ってやる。(※「おま値」と呼ぶ場合のケース)
  • お前の国の言語だけ抜いてやる(※日本語版は家庭機用のみ)
  • お前の国の言語はアプデで消してやる
  • お前の国の言語だけ有料追加DLCで売ってやる
  • お前の国の言語でPVは流すけどゲームには入れねー(同人ゲームの海外パブリッシャに顕著)
といった多数のバリエーションがある。

おま国については外部キー購入などで突破できる場合もあるが、この場合もリージョン制限が掛かっている場合も少なからずあり、リスクはある。
CALL OF DUTY MODERN WARFARE 2』のキーが通らない、VPNでごまかしてギリギリ、そして強制アップデートで日本語化という事件は深い闇を残した。Xboxのようにキー自体のリージョンロックがない媒体はむしろ少ないのである。
英語しか分からない在日米軍の人がガチギレしたとか…(日本か海外かはIPでしか判断されなかったため)。

この手の問題はバンナムとセガが悪名高く、日本発のゲームなのに日本では買えない、無理矢理キーを通しても日本語が入っていない等がザラだった。
今では『テイルズ オブ アライズ』や『スーパーロボット大戦30』、ソニックとかの代表シリーズ新作はCSと同時発売、同価格になっているとかでだいぶ緩和されてはいるが、定期的に出てくる中身が空っぽのドラゴンボールのセールページはもはや風物詩。というかバンナム絡みの集英社版権ゲーはほとんど日本人締め出し仕様である。
コエテクは結構前からSteamに参加している。老舗PCゲーの意地といったところだが、PS4/PS5版と同時発売しない、PCだけやたら不具合が多い等結構微妙なとこが今ほど増えてきて、やる気が無いとか言われる事も。
それ以外の国産大手企業のタイトルも十中八九、為替相対的な値段が軒並み相当高めになる「おま値」が日常茶飯事である。
家庭用ハードとSteamでのソフトの価格観の違いや、国内市場における様々な利権などから来るしがらみが影響しているとされるが、これによって国内のユーザーが損を被るとして、多くのユーザーから批判されている。

また販売側に非はないため「おま国」とは少々異なるが、無修正アダルトゲームが許可され、意外なことに日本からも購入できるが「日本では刑法175条の影響で性器にモザイク修正されていない作品の販売が不可であるため、日本からは商品として登録できない」という新たな問題が浮上した。
そういう作品のレビューなどで「何とは言わないけど手動のパッチがあります」とかで公式パッチへの外部リンクが貼られているのはだいたいそのせい。
また、日本在住のユーザーへの注意点として、アダルト作品のスクリーンショットなどを(Steam内も含む)SNSなどにアップロードすると、アカウントの凍結や最悪わいせつ画像の頒布*7として取り締まられる可能性があるので注意すること


追記・修正はマイゲームが数百本ある方にお願いします。

この項目が面白かったなら……\ポチッと/

最終更新:2026年08月12日 07:11

*1 ソースは公式サイトの記述によるもの。同日にクライアントソフトの正式版もリリースされている。

*2 同地域に本社を置いているゲーム企業にはSIE傘下のバンジーやサッパーパンチプロダクションがある。

*3 正確にはLinuxの一種。

*4 タイトル通りの百合ゲーであり18禁。マイノリティに関するあれこれが厳しい海外向け販売ということもあって。

*5 ただし、返金を何度も繰り返すと悪質なユーザーとして却下される可能性があるので注意。

*6 基本的に安全なのはSteam内でダウンロードしたもののみであり、外部サイトからMODやパッチを導入する際は注意は必要。

*7 特に無修正のもの。