俺の屍を越えてゆけ

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俺の屍を越えてゆけ - (2014/08/21 (木) 17:30:16) の編集履歴(バックアップ)


登録日:2010/06/11(金) 09:55:57
更新日:2023/10/05 Thu 16:33:26
所要時間:約 7 分で読めます




積まれ、重なるの上に立つ一族よ
流したの川に立つ一族よ
に閉ざされし明日
――歪められた刻に足く一族よ――



我らの敵は
安寧のが欲しくば
ともに朱点をぼさん――


俺の屍を超えてゆけはアルファ・システムが開発したプレイステーション用RPG。ゲームデザインは桝田省治
世代交代をテーマとしたゲームで、その世界観や独自のシステムで発売から10年以上経った今でも人気が高い。
ゲームアーカイブスで販売されている。
PSPでリメイクされ、続編である「俺の屍を越えてゆけ2」も2014年7月に販売された。


【あらすじ】
時は平安、舞台は京の都。
朱点童子を頭目とする鬼の襲撃により、京の都は衰退の一途を辿っていた、
名だたる武士が討伐に向かうが、ひとりとして帰ってくるものはいない。
誰もが朱点打倒を願うなか、朱点童子の居城、朱点閣にたどりついた一組の男女がいた。
そのふたりの名は、源太とお輪。
朱点童子に戦いを挑んだふたりだが、源太は朱点の卑劣な罠の前に倒れ、お輪は人質に取られた子供の命と引き換えに囚われの身となってしまう。
このとき、種絶の呪い短命の呪いを子供に刻んで解放した朱点童子は、その子供の子孫に自らの存在が脅かされることになると知る術はなかった……
(「俺の屍を越えてゆけ 新説・公式指南書」より引用)

あらすじは大体こんな感じだが、正直このゲーム、ストーリーらしいストーリーはあまりない。
勿論本筋の物語は存在する。
だが、あらすじにも登場した短命の呪いによって操作キャラクターがわずか2年で死に至り、今度は生前に残しておいたその子どもを主力として物語を進めていく……という仕様なため、特定のキャラを主役に据えるストーリーと比べると主人公サイドのストーリー上でのキャラ立てがとてつもなく薄くなっている

しかし、それが逆に功を奏して、
「朱点童子倒した時のうちの当主モヒカンだったwww」
「うわあああ子どもが死んだああああ! 親が反魂して生き返ったけど親死んだし…、あのボス絶対許さねぇ! 子どもの代で倒してやる!」
「偶然かもだけどうちの拳法の家系みんな面食いwww剣士の家系は気づけばケモノとの交神率たっけぇwww」
など、プレイヤーそれぞれの一族史が楽しめるようになっている。

世界観や各キャラクターも良い味を出しており、ゲームで語られなかった謎や真相は攻略本や小説や桝田氏のTwitterやインタビューなどで補完されている。

なお、ある意味リアルな制限がある。
一か月単位の探索だが、この間ずっと走ると確実に死ねます
製作者「人間が一ヵ月走ったら死ぬでしょ?」
リメイク版では解消され、健康度が下がりはじめたら走れなくなる。

本作は何をやるにしてもひと月と言う時間が流れる。
キャラクターはせいぜい2年しか生きられないので計画的に事を進めないと一族が滅んでしまう危険性がある。


以下システムの概要

◆討伐
各地に点在するダンジョンに赴き、最奥地に存在するボスを倒すことが目的。シンボルエンカウント。敵を倒すと戦勝点とそれと同値の奉納点が手に入る。戦勝点は経験値と同義でレベルアップすれば各ステータスも上がる。奉納点は後述する交神に関わってくる。1回の討伐でひと月の時間が過ぎる。


◆交神
2年しか生きられないので、神様と子どもを作って子孫を残さなきゃいけない。本作の肝。強い神様と交われば強い子どもが生まれる。より強い神様と交神するにはより多くの奉納点を必要とする。各種ステータスに関わる遺伝情報と隔世遺伝など最強のキャラクターを作り出すにはそれなりの知識と経験が必要。未熟児や双子等も出来る。子どもを作るのだがエロ描写は一切ないのであしからず

討伐で奉納点を貯める。より強い神様と交神。より強い敵を倒し、より多くの奉納点を稼ぐ。大体この繰り返し


◆戦闘システム概要
本作はターン制のバトルシステム。だがターンが回ってくるのは敏捷に依存しており、敏捷が高ければより多く行動出来る。簡単に言えばFF10と一緒。討伐に連れていけるのは4人まで。また当主または隊長以外はそのキャラクターが提案する3つの行動の候補から選ばなければならない。(候補は心のステータスに依存し、変化する。)提案を無視し命令通りに操ることも出来るがやり過ぎると忠誠心が下がりスネて家出とかしちゃうので、なるべくキャラクターの意向にそってあげよう。

所謂魔法だが、本作の特徴として「合わせ」と「重ね掛け」がある。
合わせは攻撃系の術で使え、他のキャラクターと同じ術を使用することで通常よりも強力な術にすること。
重ね掛けは主にステータスの増減に関わる術に使え、簡単に言えばDQのスクルト重ね掛けと一緒。だが、俺屍の場合は攻撃力、防御力、敏捷、回避力等ほぼ全てのステータスの重ね掛けが有効なので、戦闘においては欠かせない要素である。

  • ステータス
心技体の3つそれぞれに地水火風の4つに分化した12個のステータス、それとは別に体力、技力、攻撃力、防御力、素早さのステータス(どれも12個のステータスのいずれかに依存している。)。健康度と呼ばれるステータスもある。

■心
キャラクターの忠誠心の変化や、戦闘で提案してくる選択肢の傾向に影響する。この他、奥義や術の習得にも影響する

■技
術関連に影響する。術習得にも関係しており、朱の指輪(忠誠心が下がるが技ステータスが上昇する)を装備して無理矢理術を習得する荒技も存在する。寿命に影響されず、年を取る程成長時のノビが良くなる

■体
体力、攻撃力、防御力、敏捷等に関わるステータス。寿命が近づくと減少していく。

■健康度
今作の肝と言えるほどのステータス。キャラクターの命と直結していて討伐中に走ったり、奥義を出したり、戦闘不能になると減少する。特に大ダメージを受け戦闘不能になるとその場では復活するが帰還すると高確率で死ぬ。寿命が近づくと減少する。


◆職業
生まれた時に決める。生涯変えることが出来ない。どの職業もキャラクターがある程度強くなると強力な奥義を習得する。奥義は子孫に受け継がせることが出来る。継承出来なくても自力で覚えることは可能。初期職業以外は指南書をダンジョンで入手しなければならない。

■剣士
初代当主の男の職業。攻撃力、防御力に優れ、装備出来る防具も多い。反面、単体に、しかも前衛でしか攻撃出来ない。奥義は並。リメイク版では強力な効果が付けられる形見刀の登場でゲーム後半では主力になる。刀を育てればの話だが。

■薙刀士
初代当主の女の職業。前衛なら敵一列に攻撃出来る序盤に必須な職業。女専用の武器が多い。防御力は低め。

■弓使い
後衛からどの敵にも攻撃出来る。攻撃力が高く、防御力が低い。奥義は最も強力。その為使う機会が多く、弓使いは短命になりがち。リメイク版で奥義が弱体化したが、奥義を憶えるのが全職業最速。

■槍使い
攻防共に優れ、前列なら敵を貫通し後列にも攻撃出来る。奥義は弱いが、リメイク版で強化された。

■拳法家
攻撃も防御も並だが一定確率で連続攻撃が出来、回避率も高い。全職業中最も素早い。リメイク版で紙装甲に。

■壊し屋
全職業中最も攻撃力、防御力が高い。反面命中率が低く、素早さも最低な上に術も弱い。リメイク版では、奥義「脳潰し」がボスすら眠らせる鬼畜性能に。

■大筒士
単発銃と散弾銃の2種類の武器がある。単発銃は弓とほぼ同じ。散弾銃は攻撃力は低いが後列なら敵前列に攻撃出来、前列なら全ての敵に攻撃出来る強い職業。反面、防御力は最低で装備出来る防具も少ない。性質上、複数の武器を持ち歩く場合が多く、盗まれる危険性もある。

■踊り屋
攻撃力は最低だが、後列、前列に攻撃出来る。回避率が高く、素早さも高い、装備出来る防具も多い。術の威力が高く、習得も早い。男がこの職業になるとキモい。リメイク版では併せの強化により、術主体のパーティには欠かせない存在となった。

どれも得手不得手がある為、家族で弱点を補い合う必要がある。特に大筒士は前列の守りがいないと即死しかねない脆さがある。


■リメイク版
以下の変更点がある
  • グラフィック、操作性、UIの向上
  • 奥義や術、武器、併せなどの威力や効果の修正
  • 奥義の併せが可能に
  • オリジナル武器の製作
  • 結魂による通信プレイ
など。序盤から有寿の宝鏡など販売されていてダンジョン攻略は楽になったが、陽炎の弱体化を筆頭に戦闘の難易度が上がっている


本作の主題歌。短命と言う宿命を背負った一族の必死に生きる健気さと、短く儚い命を「花」に喩えた、力強くも切ない神曲
作詞・作曲・歌 全てピアニストの樹原涼子



以下縛りプレイ、やり込みの例

  • 初代当主で鬼朱点撃破
プレイしたことがあるならば、このやり込みのハードルの高さがお分かりいただけるであろう

  • 昼子越え
最強の神である太照天昼子を越える氏神を作り出すこと。交神のシステムを理解していないと難しいが案外簡単

  • どっぷりモードクリア
最高難易度どっぷりモードをクリア。どっぷりモードですら鬼畜な難易度にも関わらずこれに時間制限を付ける縛りプレイをする猛者も存在する

岸部一徳出演のCMは神がかっている




追記・修正を遂げる日まで
安らかに眠るなかれ


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