インファナル・アフェア(映画)

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インファナル・アフェア(映画) - (2020/08/08 (土) 10:47:06) の編集履歴(バックアップ)


登録日:2012/03/23(金) 02:20:41
更新日:2024/02/06 Tue 20:45:25
所要時間:約 1 分で読めます




インファナル・アフェア(無間道)は2003年公開の香港映画。

香港映画にしては珍しくノワール的作品。早い話、どっちに転んでもバッドエンド。
アンディ・ラウとトニー・レオンのダブル主演であり、主にアニメしか見ない諸兄でもご存知の方はいるはず。

話は潜入捜査官としてマフィアに入るヤン(トニー・レオン)と、そのマフィアから警察に入るラウ(アンディ・ラウ)の二人が織り成す物語になっている。

ヤンは潜入捜査とは言えマフィアの仕事をこなすことに葛藤し、ラウはそのまま組織から足を洗い、警察官となって善人になりたいと望んでいた。
この描かれ方が非常に対照的で何ともいえない感情を呼ぶ。

また各所に伏線が多く、一回で理解するのは至難の業。

なにより、この映画はノワール映画と言う分類である。つまり、退廃的かつ悲観的、挙げ句虚無的なのだ。
この三重苦な映画だが評価は高い。

またOPとEDに仏教の教えからいくらかの文を引用しているのが本作の大きな特徴でもある。



後にアメリカや日本でリメイク的な作品が製作された。ハリウッド版はジャック・ニコルソンやレオナルド・ディカプリオの豪華共演が話題となりアカデミー賞作品賞を受賞するなどリメイクとしては大成功を収めたものの、作風の違いや肝心の結末が単純化されてしまっているなどの理由から原作ファンの評価は低い。
日本版は香川照之と西島秀俊がそれぞれ主演を務め、小日向文世や角野卓造など大物俳優が主要人物を演じた。前後編に別れており、前半の「潜入捜査編」では西島演じる潜入捜査官、後編の「偽装警察編」では香川演じる潜入ヤクザに焦点を当て、各々が抱える葛藤や叶う、友情や愛をオリジナル展開を交えて描いた。物語の結末は、「一度ヤクザの世界に足を踏み入れたら2度と抜け出すことはできない」という、文字通り「無間地獄」を体現した本家以上に後味の悪いバッドエンドである。


◆あらすじ
1991年の香港。香港マフィアのボス、サムは新しくファミリーに迎えた青年のラウをスパイとして警察学校に送り込む。
一方、香港警察組織犯罪課のウォン警視は、優秀な成績を収める訓練生のヤンの素質を見出し、潜入捜査官として香港の裏社会に送り込んだ。
ヤンは表向きはマフィアとして様々な犯罪行為に手を染め、仲間の警察から追われながら自身の立場に葛藤し、ラウは警察学校卒業後何度も表彰を受け、若くして出世していった。

10年後、マフィアの情報を利用して警部の地位にまで上り詰めたラウは恋人とも結婚間近で順風満帆の人生を送っていたのに対し、ヤンは長年の心労で潜入の任を解かれることを切望し、精神科医のリーを相談相手としていた。

ある日、サムの組織が大規模な麻薬取引を実行し、ヤンの情報からウォン警視は摘発を計画する。しかし、ラウが情報をサムに流したことによって計画は失敗。警察とマフィアが内通者の存在に気付き捜索に乗り出す。

警察に戻りたいヤンとマフィアから足を洗いたいラウ、二人の人生の行方は…。


◆登場人物

  • ヤン(トニー・レオン)
マフィアの幹部、実は潜入捜査官。
警察学校での優秀さをウォン警視に見込まれ香港マフィアのサムの組織に10年以上潜入している。
組織内での地位は高く部下にも慕われおり、ボスのサムからの信頼も厚い。
一方、長年の潜入捜査の中で何度も犯罪行為に手を染めたことで精神的に疲弊しており、女医リーの存在を支えとしている。

自身の正体を知る唯一の存在であるウォン警視を失ったことで警察に戻る方法を画策するが・・・

  • ラウ(アンディ・ラウ)
サムに見込まれ警察学校に送り込まれた香港マフィアの一員。マリーと婚約している。
警察官としても優秀で警部に昇進し、公私共に充実していたが、同時に彼も善人に生まれ変わることを望んでいる。自身の指示で結果的にウォン警視を死に追いやった罪悪感からマフィアから足を洗うことを考えるようになる。

  • ウォン警視(アンソニー・ウォン)
組織犯罪課のボス。ヤンの正体を知る唯一の上司。
ヤンとは主にビルの屋上で連絡を取っている。
香港マフィアのサムとは古くからの付き合いであるが、現在では敵対している。
ラウの流した情報により追い詰められサムの部下によって殺害される。その遺体はビルの屋上から投げ捨てられ、タクシーで乗り付けたヤンの前に変わり果てた姿となって転落する。


  • サム(エリック・ツァン)
香港マフィアのボス。
若い頃のラウを警察の内通者に育て上げ、彼の情報によっていくつもの捜査の目を掻い潜ってきた。
組織犯罪課のウォン警視とは古くからの付き合いだが、現在は敵対している。
麻薬取引が潰されたことで組織内部にも内通者がいることを知り内通者探しを始める。
しかし、ヤンと手を組んだラウに裏切られ、射殺される。

  • Dr.リー(ケリー・チャン)
女性精神科医。
ヤンの相談相手。ヤンの死後、遺品から警察官である証拠を見つけ、名誉を回復する。

  • マリー(サミー・チェン)
ラウの婚約者。小説家志望。
馴れ初めは次回作で描かれる。

  • キョン(チャップマン・トウ)
サムの部下でヤンの弟分。
ヤンを純粋に慕っている。


◆余談
台本には役者の演じる部分しか書かれておらず、アンディ・ラウは最後までラウのことを純粋な警察官だと思い込んで演技していたという。
台本がその日の分しか用意されない*1香港映画ならではの粋な製作エピソードである。


ヤン「早く追記・修正しねぇと俺が冥殿になっちまう」

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