怨み屋シリーズ

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怨み屋シリーズ - (2020/03/01 (日) 23:30:47) の編集履歴(バックアップ)


登録日:2012/09/20(木) 17:36:59
更新日:2024/02/14 Wed 23:51:26
所要時間:約 7 分で読めます




あなたの怨み、晴らします




怨み屋シリーズとは現在グランドジャンプで連載中の漫画である。作者は栗原正尚。
現在まで
怨み屋本舗(以下、無印)
怨み屋本舗 巣来間風介
怨み屋本舗 REBOOT
怨み屋本舗 REVENGE
怨み屋本舗 EVIL HEART
怨み屋本舗 WORST
の六シリーズが出ており、「REVENGE」以前はビジネスジャンプで連載していた。
現在は雑誌合併により、グランドジャンプに移籍。


・概要

復讐代行業、“怨み屋”が怨みを抱える人々からの依頼を受け、様々な方法で怨みを晴らしていくというもの。


・怨み屋のルール


復讐手段は大きく分けて“社会的抹殺”と“実質的殺害”の二つであり、基本的に後者の方が依頼料が高い。
しかしこの依頼料にはかなりばらつきがあり、基本的には依頼人から搾り取れるギリギリの料金を請求することが多い。
(例として、広大な土地を持つ老夫婦からは五千万円。年配の独身サラリーマンからは五十万円で、どちらも“実質的殺害”の依頼を請け負っている)
また支払い能力の無い依頼者に対しては依頼料に相当する価値のあるもので払わせる。
依頼料の踏み倒し、存在を公にしようとする、騙して依頼を遂行させるなど怨み屋に害を為した(為そうとした)場合は報復を行う。
あくまでも“怨み屋”であり、殺し屋ではないので怨みの無い依頼(依頼人の逆恨みやただの妬みなども含む)は受け付けない。

「社会的抹殺」では「ターゲットに対し死以外の方法で制裁を加える」という形となっている。以下は一例であるが、下に行くほど(執筆者の個人的な基準ではあるが)きつい・凄惨な物と言えよう。
  • ご近所付き合い程度での悪事がバレる
依頼者に仕掛けていたイタズラや悪さが自分に返ってくる。また、その過程でそれまで依頼者に罪を着せていたのも自分だとバレてしまう。
その後は丸くなって過ごすか、地域に居づらくなって引っ越すあたりだろうが、十分軽度な物といえる。
  • 解雇・降格・左遷
悪事がばれた結果会社をクビになったり、クビにならなくても僻地へ飛ばされてしまうというケース。
立場を失い、収入が減るという制裁ではあるが、まだ五体満足なだけマシか。
  • 逮捕・収監
行っていた悪事がバレることや、怨み屋が仕掛けた冤罪(これ自体は引っかけであり、それを元に本当の悪事を引き出す)によって逮捕される。
当然社会的地位は失い、場合によっては刑務所内でもイジメに遭うことも…
  • 巨額の損失・強制労働・売春
詐欺などで蓄えた財産を失う。逮捕で失うならまだしも、アブない方々のお金とは知らずに手を付けてしまい、賠償としてとんでもない金額を要求された結果、タコ部屋での労働を強いられたり、男女問わず売春宿に飛ばされることも… 世間からは「失踪」とみなされるため、まさに「抹殺」である。*1
  • 身体の欠損・改造 精神の破壊
「ターゲットと同じ目に遭わされる」という形式で、全身やけどを負わされたり、アソコを切られたりと体の機能を破壊される。身体だけでなく、精神を病み、一生正気に戻らないまま生き続けるというものも。苦しみながら生き続ける様はターゲットにとって「むしろ死んだほうが良かった」と思うに違いない。

「実質的殺害」はずばり「死を持って償わせる」という形である。もちろん殺人と関知されるのはリスクが高いため、事故や自殺に見せかけることも多い。
時には依頼者(実際には死亡した人の仇を取りたい依頼者)と同じ目に遭わせたり、自らが犯した業にちなんだ仕掛けで死ぬことも*2

・登場人物


◎怨み屋本店


怨み屋
無印、REBOOT、REVENGEの主人公。
20代後半と思われる女性で容姿はかなり美麗。
詳細は怨み屋の項目で。

情報屋
関東一と呼ばれる情報屋。30代ぐらいの男性であり、こちらは容姿的な意味で連載初期と中期以降で大きな違いがある。
関東一の名は伊達ではなく、一般人から裏の人間まで様々な人間の情報を集めることができる。
彼曰く「金さえ貰えりゃ総理大臣の口座番号だって調べてやる」らしい。
裏の人間としての冷徹さは持つものの極めて義理堅く、仁義を重んじるために理不尽なことにははっきりと怒りを示す。
怨み屋と違って身体能力は高くないが、ピッキングなどの小技が得意で標的の家に忍び込むのは大体彼の役目。
ちなみに正確には怨み屋本舗の工作員ではなく協力者である。

杉河 里奈
内気な性格の高校生(「巣来間風介」以降は大学生)。
怨み屋に入る前は母の再婚相手に幾度も乱暴されており、集団自殺を思い立った折に怨み屋と出会う。
その時は(結果的に)怨み屋に命を救われ、後に養父の社会的抹殺を依頼。
養父の抹殺後は依頼料500万を払うために怨み屋の工作員となった。
工作員になってからも何かとひどい目に遭っており、標的に拉致される、爆弾の爆発に巻き込まれて意識不明の重体になる、丸坊主にされるなどかなり不遇。
工作員としてはまだまだ未熟だが、怨み屋が直々に彼女を鍛えているところを見ると将来は有望と見られていた。
+ REVENGEでは...
工作員としての修行のために泡森のもとで修行を積むが、腕を磨くのと同時に増長していき、「怨み屋は甘い」と反抗するようになっていく。
早乙女の私設刑務所に滞在していた際に鎧塚の襲撃を受け、孤軍奮闘する早乙女を助けるために前線に出る。
だがそれは若さ故の、「自分が死ぬことなど絶対にありえない」という慢心から来る行動だった。
結果、泡森と早乙女は殺害され、自身も右手を切断される重症を負う。
咄嗟の機転で鎧塚の左目を潰して一矢報いるものの、胸をナイフで貫かれ、17年という短い生涯に幕を閉じた。
彼女の死は怨み屋のメンバーに深い悲しみを齎し、普段は私情で動くことのない怨み屋も「妹分を殺されて黙っていることはできない」として、自らを依頼人とすることで鎧塚への復讐を決意した。
その死体は、怨み屋によって埋立地に遺棄される。
これは「死体が発見されなければただの行方不明者として忘れられるだけ。死体が発見されて初めて死者となり、その死を悲しんでもらえる」という気遣いによるもの。
REBOOTの辺りからは「相手の悪意を本能的に察知する」才能が開花しており、素人のパンチくらいなら簡単に避けられる。
口癖は「不安だわ」。

十二月田 猛臣
絵に描いたような見た目のオタク。名前は「しわすだ たけおみ」と読む。
里奈よりも前からちょくちょくと登場しており、その濃いキャラからか一番人気があるらしい。
見た目によらずかなり運動神経が良く、尾行の腕前もかなりのもの。万一標的に気付かれた時でも挟み撃ちに遭ったりなどしない限りはほぼ確実に逃げ切る健脚を持つ。
怨み屋曰く“相手をイラつかせる才能”があり、後述の“改心光線”はその最たるもの。
基本的にはその才能で相手を怒らせて殴られることで囮になったり、殴られる瞬間を録画して破滅させたりする。
話が進むにつれて「単なる厄介者」から「おだてれば何でもする奴」くらいには当てにされるようになり、直接的に役に立つシーンも増え始めた。
彼を語る上で外せないのが“光線”であり、拳を握った状態から指を何本か立てたポーズを行ってから使用する。が、役に立たないものが多い。
0本指:コナゴナ光線
役に立たない技その1。トゲ付きのメリケンサックを装備して殴る。どう見ても光線じゃないとか言ってはいけない。
見た目ではかなり痛そうだが、実際は全然痛くないらしい。
1本指:ラブラブ光線
役に立たない技その2。相手に好意を込めた念を送る。
2本指:改心光線
役に立たない技その3。相手を改心させる念を送る。もちろん改心はしないが、一応イラつかせる効果はある。地味に使用回数が一番多い。
3本指:ストップ光線
役に立たない技その4。相手の動きを止めるとか。
4本指:死ね死ね光線
袖に仕込んだ筒からプラモ用接着剤をシンナーで薄めた液を発射する。主に目潰しに使われる。
5本指:ミサイル光線
両手にはめた鋼鉄製の義手を射出する。光線じゃないとか(ry
恐らく一番威力が高い光線。
よく語尾に「〜チュ」と付ける癖がある。

シュウ
怨み屋の実の弟。熟女専門のホストであり、職業柄標的が女の場合によく駆り出される。
彼も情報屋と同じく正式な工作員ではなく、ホストの方が本業であるらしい。
その立場から姉にはこき使われており、「本業で稼いでるから」と言う理由で報酬の取り分も少なめ。
また姉に比べると直情的で熱い性格であるが、女には手を上げない主義。
主な役目は尾行。また標的が女の場合は本業での経験を活かして言葉巧みに相手に近付き、情報を聞き出したりもする。通信教育でボクシングを習っているので腕っぷしが強く、標的を直接的に気絶させるなどのこともやってのける。


◎横浜支店


巣来間 風介
「巣来間風介」の主人公。名前の読みは「すくるま ふうすけ」
怨み屋本舗横浜支店の工作員であるが、普段は役所で働いているために休日以外は依頼を受けられない。
亡き父親がマジシャンであり、自身も元マジシャンであることから、主に手品のトリックを応用して標的を抹殺する。
正義感が強く、依頼人の境遇に同情してやや低い料金で依頼を受諾することがある反面、標的が外道であればあるほど冷酷になるため、店長の荒羽からは上記のことと合わせて度々諌められている。
ただ、怨み屋本舗の“自分を正義と勘違いしないこと”という大原則は守っており、自分の人生を狂わせた張本人としてずっと憎んでいた人間を(自らが手を下せる状態にあったにも関わらず)依頼人の希望通り社会的抹殺にしている。
口癖は「〜には同情しないぜ」。

荒羽 天馬
横浜支店の店長。サングラスに革ジャンとミュージシャンのような出で立ちをしている。
怨み屋と後述の相果川とはかつて共に修行した中であり、彼もまた琉球空手の使い手。
昔は共に修行した3人の中で最も優秀と言われていたが、とある弱点から支店長止まりとなった。
音楽に天才的な才能が有り、絶対音感の持ち主でもある。そのためか、抹殺には主に音に関わる手段(心身に悪影響を与える音を出したり声帯模写で惑わせるなど)を用いる。
何かと「シェケナ」と口走るのが癖であり、他のメンバーと違って依頼を受諾する際も「シェケナべく」と答える(他のメンバーは「しかるべく」と言う)。

曽武川 由香
横浜支店の工作員で表向きの顔は調香師。目を見張る美女だが、その裏では腹黒く策を巡らせている。
怨み屋とは取る手段の関係でしばしば反目するが、お互いに実力を認め合っている。
抹殺の際は自作の香料を用いて標的の感情を操作し、ワザと自分を襲わせて冤罪を仕掛ける手段を主に取る。確実を期すために自己暗示や女の武器も駆使する。ただ、この関係で度々負傷入院する。
自身の過去から保険金関係の悪行を激しく嫌悪しており、それらが関わる復讐に私情を挟むことあるが、怨み屋の大原則はきちんと守っている。

◎沖縄支店


相果川 剛志
沖縄支店の店長。見た目は爽やかな青年だが、オネエ言葉でしゃべるオカマ。
怨み屋、荒羽とともに後継者として先代怨み屋に育てられた1人であり、同じく琉球空手を習得しているので腕っぷしはかなりのもの。
怨み屋と比べると少し甘く、報酬として貰った宝石を落とした振りをして依頼人に返したことも。しかし怨み屋の大原則はしっかりと守っている。
どういう訳か女性が非常に苦手であり、女性の裸を見ると吐き気を催すほど。
抹殺の際は主にハブやサソリなどの生物に相手を襲わせるのが彼のやり方。ただし、海での抹殺や死体の遺棄をしないというポリシーを持つ。
しかしある回では男の大事な部分に至近距離から全力で膝蹴りを入れ続けるという、世の男性諸君にとっては非常に恐ろしい方法で標的を殺害している。

知念 夕子
相果川の助手を務める女性。彼の標的相手に起こしたトラブルをきっかけに相果川に協力、その後助手となる。
貞操概念が低く大雑把な性格で、そもそも標的とのトラブルはこれが原因である。
そんなこともあって相果川は当初嫌っていたが、次第に改善されてパートナーとなってゆく。

◎警察


寄木 聡
警視庁松島署の刑事で、刑事課課長代理でもある。階級は警部。名前の読みは「やどろぎ さとし」
正義感の強いリアリストで部下や後輩からは慕われているが、当然上層部からは快く思われていない。
担当する事件に怨み屋が関わっているものが多く、そこから怨み屋の存在を感じ取って迫ろうとするが、彼女の策で都度都度取り逃がしてしまう。
EVIL HEART序盤でついに死亡し、これがEVIL HEARTの物語に大きい影響を与えることとなる。

秦野 誠一
警視庁松島署の刑事で寄木の部下。階級は巡査長。
当初は寄木を内心では軽視していたが、後に考えを改めて尊敬するようになった。

◎その他の人物


漆原 正太郎
大ヒット漫画「電脳探偵K」の作者である漫画家。自分が受けたある被害から怨み屋と関わっていく。その後も度々何らかの形で関わりを持つこともある。
精神的にタフで、身の周りに起きた事を漫画のネタにする事も。
怨み屋は何だかんだで漆原の作品が好きらしく、新刊が出るとちゃんと買っている。

ヨシエ
シュウの上客である未亡人。シュウのいるホストクラブに通い詰めるほど彼にゾッコンで怨み屋と火花を散らしたことも。
都内に24軒のアパートを所有する資産家でもあり、シュウを通して怨み屋にアパートを提供したこともある。


・ドラマ化


これまで3回ドラマ化されており、舞台が現代社会だからかそれなりに再現はできている。
怨み屋を演じたのは十六夜アキデカイエロー、最近ではスカイダインでもおなじみの木下あゆ美。
十二月田を演じた前田健の怪演も話題を呼んだ。




「チュチュ〜ン! 追記・修正光線注入〜!」

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