SCP-CN-756

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SCP-CN-756 - (2017/07/05 (水) 22:35:49) の編集履歴(バックアップ)


登録日: 2016/12/25 Sun 17:11:53
更新日:2024/03/05 Tue 18:21:07
所要時間:約 6 分で読めます










SCP-CN-756*1The SCP Foundation中国支部のオブジェクト(SCiP)。
オブジェクトクラスはEuclid(一応は収容できているが予断を許さない)…だったのだが、
後にKeter(収容が著しく困難、あるいは不可能だがほっとくと世界が滅びる)に格上げされた。

項目名は『数量之书』。日本語名は『数字の本』。

概要

SCP-CN-756は一冊の本であり、開くと左側のページに文章が書いてある。
20*30cmの左とじの本で、《一から不可説不可説転》というタイトルと
《よくわかるヒンディーの数量単位》というサブタイトルが全て黒のブロック楷書体で印字されている。

現在までに開かれたことのあるページから、すべての左側のページには
「数字」「助数詞」「対象」という形で中国語で文章が書かれていると予測されている。
たとえば、1ページ目は「一匹马」(「1」「ひきの」「馬」)であった。

この本はどういうわけか、1ページ目から順番にしか開くことができず、
すでに開いたページには異常性はもはや存在しない。
つまり、異常性が存在するのはまだ開いていないページにのみである。
そして異常性はすごくわかりやすく、「開いたページの文章通りのものが出現する」である。
だから「一匹马」なら馬が一匹ヒヒーンと飛び出たらしいのだが、もう再現できない。

ちなみにこれが発見されたのは空港の簡易販売所で、海外での仕事を控えた財団のエージェントが、
多分暇だったと思われ、本を購入して開いた所、空港の中を馬が駆けまわったという経緯である。
空港のセキュリティによって馬は射殺され(空港セキュリティが有能過ぎる)
駆けつけた財団のスタッフと当該エージェントによって空港にいた人には記憶処理が行われた。

ちなみに不可説不可説転とは約10の37澗乗という馬鹿みたいにでかい数字である。
数字として書くと指数の中に指数が登場する時点で頭がおかしいが、これは勿論実用数字などではなく、
華厳経に登場する数字で、「普通の数字では言い表せないほどの功徳の大きさ」を示したものである。
もちろん、省略抜きで普通に十進表記でかけるわけがない。

開いた結果

  • 10杯のチャーハン
開いたDクラスの前に10杯の皿に盛られたチャーハンが出現。
チャーハンに普通のチャーハンとの違いは見られなかった模様。

  • 100tの銅球
純度100%の銅球が出現。財団は売りさばいて運営資金の足しにした。

  • 1000本の針
空中に多数の針が出現し、開いたDクラスが軽傷を負った。
磁石を使って1000本あることが確かめられた。

この事例から、ものを取り出すメカニズムを解明すべきと一人の職員が提案し、
他の職員もそれに賛同したため、直接特定のページを開けないか試みることになる。

  • 真ん中のページを直接開かせる
Dクラスは、普通の紙であるはずなのに接着剤でくっついたように開かないと主張した。

  • 巻末を直接開かせる
やはりDクラスは、どうやっても開かないと主張した。

  • 本を破壊する
上記2つと同じDクラスが命じられる。だがSCPオブジェクト特有の謎耐火性・謎耐水性・謎対先鋭性を発揮。
爆発実験は意図しないページが開かれる可能性があるため実行されなかった。

  • 仕方ないから次のページ開いてくれ
やはり同じDクラスが命じられる。開いた結果、「20000Lの二酸化炭素*2」が出現。
Dクラスは呼吸困難に陥り即死した。他の職員はすぐに実験室から避難した。
この時次のページが開きかけていた模様。

Keterへの格上げ

この時点で次の「億」のページを開くべきかという議論がかわされ、結果これ以上の実験は凍結しようということになった。
本をより厳重な収容を行うために移送すべきということになった。…がサイト-CN-79から移送する際に
ポーターがミスって本を落っことしてしまい、「億」そして「兆」のページが誤って開かれてしまった。

そこに大量のゴキブリの雨が降ってきて、サイト-CN-79にいた人が全滅した。

ゴキブリを対処するためにサイト-CN-79目掛けて財団は空爆を承認、その後サイト跡地に立ち入るも、
一気に職員及び巻き込まれた民間人が死亡。
どうやら後で調査した所、「億」は「一億匹のゴキブリ」で、「兆」は「一兆株の炭疽菌」だったことが判明。
ゴキブリに埋もれながら炭疽で死ぬ…まだクソトカゲに喰われたほうがマシじゃないのかこれ。
しかもゴキブリの大量発生と空爆にもかかわらず本自体は無事。

消毒こそなされたものの、もはやサイト-CN-79は使い物にならず、現在は
Site-CN-100内に位置する天山山脈地下1kmの深度に設けた施設に収容され、
ありとあらゆる厳重な立ち入り禁止及び外部要因で開かれないように点検作業を行うことになっている。
何かあった時のために水爆まで用意してある。

恐らく次のページは「京」、そして最後のページは「不可説不可説転」であることはいうまでもなく、
仮に不可説不可説転であった場合に、それが「紙上に10進表記で書かれた不可説不可説転」であったとしてすら
もはや地球が受け止めきれる質量ではなく、しかも管理してないと勝手に開く可能性があるため厳重管理、
それですら正直何かの拍子で開きかねないためKeterとなっている。

なんでこんな本空港に売ってたんだよ。

余談

実は原文にはあるミスがある。
この報告書のラストには、O5-CN評議会(中国支部限定のO5。日本支部に置ける日本支部理事みたいなもん)がこのような通達を出している。

恐らくSCP-CN-756の最後の項目は「不可説不可説転」だろう。仮にこのページの文章が「不可説不可説転個の、紙上に記載された零」だったとしてこれを通常のA4用紙に書き込むには両面に1000個書いたとしてその総質量は1.488735352*10^35グラム、太陽の約74.8倍の質量である。そしてこの数字はあくまでも我々の想定の中で最も被害が小さいものでしかない。

だが実際に本当にA4用紙に書き込んだ場合、太陽どころか全宇宙の質量すら超える。

あれ余計に危険になってる…?




不可説不可説転回の追記・修正をおねがいします。



SCP-CN-756 - 数量之书
by Dr. Fujino(原文)/BrRd_Kakeru(翻訳)
scp-wiki-cn.wikidot.com/scp-cn-756
scpjapan.wiki.fc2.com/wiki/SCP-CN-756
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