SCP-2419

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SCP-2419 - (2017/03/06 (月) 06:39:32) の編集履歴(バックアップ)


登録日:2017/03/05 Sun 22:52:54
更新日:2024/04/23 Tue 17:11:43
所要時間:約 7 分で読めます




SCP-2419はシェアード・ワールドThe SCP Foundationに登場するオブジェクト(SCiP)である。
オブジェクトクラスはEuclid。

概要

SCP-2419はイギリスはサルフォードに住んでいたアビゲイル・タサムという名前のおばあちゃん。
アルツハイマー型認知症を患っており、財団施設のことを長期介護施設だと思っている。
職員はこの間違いを正してはいけない(つまり介護士を装うように)と指示されている。
で、右耳が聞こえないため左側から話しかけないといけない。

基本的に普通のおばあちゃんである。趣味は編み物で、編み物をしていないと片頭痛や抑鬱症状に苛まれる。
そのため職員も毛糸と針を提供し、編み物をさせている。

…まあこの時点で多くの人が気付いたと思うが、その編み物がどいつもこいつもどういうわけかアノマリーになってしまうのだ
おばあちゃんは会った人にたいして、その人や動物(財団内では職員や生物系オブジェクトということになるが)を想いながら編む。
その結果、その人や動物のニーズに応じた異常性を獲得した編み物ができてしまう、というわけだ。

おばあちゃんが収容される前には、二点の編み物実例が確認され、Anomolousアイテムとして管理されていた。
三点目の実例およびおばあちゃんの収容にともなって、新たにナンバリングをし直しておばあちゃんともどもSCP認定されたわけである。

現在財団は、おばあちゃんが編んでくれたものを実験に用いて、その後異常性によって何かの収容に役立てたり、
職員が自分の私物にしたり、あるいは焼却したりしている。

実験例


  • SCP-2419-A-4
説明:カラフルなカーディガン。着ている間、その人の視界の中にいる人間の脳内にピエロのイメージが投影される。
SCP-2170の収容サイトで研修を受けていた職員に向けて編まれたものと考えられている。
SCP-2170ってなにかというと、ミーム実体群とかいう、まあ要はミームを撒き散らすよくわからないものの集まりで、
まわりの人を精神的に病ませる面倒くさいなにかなのだが、どういうわけかピエロが大ッキライらしく、そのため職員は収容のためにピエロの絵をみている。

つまりこのカーディガンを着ていればみんなピエロを脳内に浮かべることができるねってことで収容のために役立てられないか検討しているというのである。
すごくニッチなニーズに対応してる…。


  • SCP-2419-A-12
説明:ビーニーキャップ(ニット帽)。着ているとまわりに鱗翅目(蝶とか蛾とか、要はエーミールが好きなあれ)を出現させる(ただし実体はない)。
現在はキリュウ研究員がオフィスに保管している。私物化第一号。


  • SCP-2419-A-14
説明:黒い手袋一組。つけると指が伸びてモグラみたいな爪が生える。
どういうわけかカオス・インサージェンシーのエージェントに盗まれたらしく、彼らは地下にトンネルを掘っていた。
彼らを拘留し、「で?お前らはなんでトンネル掘ってたの?」と尋問するために移送されている。
財団内にスパイでもいたんだろうか。


  • SCP-2419-A-16
説明:ワンちゃん用のセーター。着ているとなんだか愛に満たされた気持ちになるらしい。
おばあちゃんが「こういうワンちゃんに着せてあげたいのよ」と言った特徴を財団が解釈した結果
SCP-1424(子犬のパッチ)に着せてあげることにした。このパッチというワンちゃん、子犬らしい振る舞いをするが、
どういうわけか内蔵機関は生命の兆候は示していないうえ、大量にアンモニアを出し続ける厄介な性質を持ち、
眠れず、更に複数の特異な性質を見せる。なんだこのワンちゃん。なんでも、飼い主が安楽死に失敗した模様。

どうやら愛されていないことでストレスが溜まっていたらしいが、セーターを着ると行動は変わらないながらも
移動の際に尻尾をふるようになったという。よかったねパッチ。


  • SCP-2419-A-56
説明:靴下のペア。つけると足が変形し、器用さが格段に向上する。この変化に痛みはなく、脱ぐと戻る。
おばあちゃん曰くSCP-2338-10(未訳。”An Unorthodox Adoption”)に向けて編まれたものらしい。
このSCP-2338-10は子供なのだが、ドラゴンの二人羽織で動かす人形に結合しており、脱げないし手も出せないため意思疎通ができない。
そんな彼が靴下を履くことでなんということでしょう、足で手紙がかけました!SCP-2338-10はおばあちゃんにありがとうの手紙を書きました。
よかったねSCP-2338-10。


  • SCP-2419-A-62
説明:セーター。着ていると人に見られているような感覚を覚える。

財団「閃いた」

このセーターは、SCP-173に着せられました。例の見てないと首へし折るあいつですよ、ええ。
で、彫刻くんは一時期は誰も見てなくても動かなくなった。目の前でDクラスが瞬きしたりよそ見しても動かなくなったのだ。
やったぜ!

…ただ、流石に彫刻くんも嫌になったのか、数週間経ったある日セーターは排泄物に塗れて無力化していた
無力化しているってわかったってことは糞まみれのセーターを誰か着たんだろうか。
それとももうビリビリになっていたんだろうか。


余談

このオブジェクトの項目名は『Cross Stitch』。意味は「糸を交差させて編むこと」である。
しかしただ交互に編むというだけにとどまらず、この項目名は掛詞になっている。

上述の実験記録を見ればわかるが、この編み物、いろんなオブジェクトに対して「クロステスト*1」をされている。
一見普通のオブジェクトに見えるだろうが、実は一時期「クロステストは基本的には忌避されるべき」という風潮があった*2
最近になってGrand Crosslinking(もっとオブジェクト同士の関連性を描こうぜというプロジェクト)がはじまったことがこのオブジェクトの誕生を認めるに至ったとも言える。

このことから、日本語訳名は『交差編み試験』となっている。



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