響を除く小学生達が全員殺され、美咲が白塗りの男に連れ去られてしまった。
絢香は合流した響と共に洞窟へと向かうと、お約束と言わんばかりに白塗りの男と美咲が待ち構えていたが、美咲を殺さなかったのは絢香をおびき寄せるためであった。
まだわかんないのかなあ? お前、美咲ちゃんを見つけただろ?
実は絢香は以前美咲と出会っていたのである。
だが、当時の絢香は小学生で美咲は今と変わらない姿であった。
小学生だった絢香は好奇心で侵入した怪しげな家で美咲と出会ったのだが、そこにいた彼女は猿轡をされて身動きができない状態であり、思わず絢香は猿轡を外した。
美咲の口から、日常的に義父にDVの虐待を受けている事、家に監禁され続けている事を聞かされ、悲惨な境遇を見かねた絢香は美咲を助け出そうとしたが、ちょうど帰ってきた義父に「誰にも言わなければ家に帰してやる」と刃物を突き付けられて気絶し、そのまま外へと放り出されてしまった。綾香のその後に関しては不明であるが、追い出された後は警察に通報することなく逃げ出したと思われる。
そして、救いのチャンスを失った美咲はその後も暴行を受け続けて瀕死の状態となってしまう。ちなみに母親は現在家にいないらしく、おそらく「義父のDVで逃げ出した」か「既に亡くなっている」かのどちらかであると思われる。
義父が一旦部屋から出た後に白塗りの男が美咲の目の前の現れ、自身に同情してくれた白塗り男から「僕にどうしてほしい?」と質問された美咲は…
あの子も…外で遊んでる子供達も…私を苦しめるみんな
みんな…みんないなくなればいい…!
自身を虐げる義父や自身を見捨てた絢香だけなく、みんなという不特定多数に対しても憎しみを抱いた美咲の願いを聞き届けた白塗りの男はさっそく義父をナイフでメッタ刺しにて殺害。
1人目の復讐相手を始末した事を報告しに美咲がいる部屋へと戻ったが、虐待で衰弱していた彼女は既に息を引き取っていた。
美咲の死で泣き崩れた白塗りの男は「約束は守るよ」と残りの願いを実行する事を誓って現在に至る。
探すのに苦労したよ。ずるいなあ…お前、あの時の事全然覚えてないんだもん
結論から言ってしまえば、美咲は既に死亡しており、絢香達の前に現れた美咲はこの世の者ではない存在になり果てていたのであった。
成人した絢香は過去の事などすっかり忘れており、白塗りの男に真実を聞かされるまで美咲が命を落とした事すら知らずに平穏に生きてきたのである。
全てを知った絢香は、(状況的に仕方ないとはいえ)美咲に対する謝罪よりも命乞いを優先する体たらくであり、その様子を目の当たりにした美咲は…
……と口にし、美咲の言葉の意味を理解した白塗りの男は絢香には目もくれず、その場にいた響を殺害。
その後、ようやくすみれが警官を連れてキャンプ場に戻ってきたが、そこには血まみれとなった響のそばで座り込んでいる絢香しかおらず、白塗りの男と美咲の姿はなかった。
オカルトにありがちな因果律操作によって現場からは何故か絢香の指紋が検出されたため、絢香は運悪くキャンプ場連続殺傷事件の容疑者として逮捕されてしまう。
三ヶ月後、全てを失った絢香は、
無実を訴えても誰にも信じてもらえない絶望から取り調べ中に自殺未遂を起こして入院。
この頃には
「私がいるとみんな不幸になる(意訳)」と自分を責めると同時に白塗りの男の存在におびえ続けていた。
そして、クライマックスではこの時を待っていたと言わんばかりに白塗りの男が現れて絢香を惨殺。
場面は変わり、夜の街を徘徊する白塗りの男と美咲の姿が映し出される。
絢香の最期を見届けた2人はいずこかへと消えていった。これからも標的を探す事を暗示するかのように……