岩谷尚文

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岩谷尚文 - (2022/11/23 (水) 00:12:02) の編集履歴(バックアップ)


登録日:2019/02/07 (木) 22:11:18
更新日:2023/05/12 Fri 10:06:59
所要時間:約 6 分で読めます






だから誤解だって言ってるじゃないですか! 俺はやってない!


出典:盾の勇者の成り上がり、6話「新しい仲間」、キネマシトラス、盾の勇者の製作委員会、
2019年1月9日~6月26日まで放送、©2019 アネコユサギ/KADOKAWA/盾の勇者の製作委員会


概要

岩谷尚文(いわたになおふみ)』とは『盾の勇者の成り上がり』の主人公であり『盾の勇者』。
および外伝作品『槍の勇者のやり直し』『真・槍の勇者のやり直し』の主要人物。

CV:石川界人(アニメ) 、鈴木達央(ドラマCD)

ごく普通の現代日本*1から異世界に召喚された青年。20歳の大学2年生。
容姿は平均以上のイケメンで、穏やかな目つきと表情が特徴。
ごく普通の家庭に生まれたが、オタク文化にどっぷり浸かっており、彼の部屋には美少女フィギュアやポスターが大量にある(アニメ版では少数)。
そのため両親から早々に見放されており、甘やかしという名の放任主義の元で育った。
その影響で自由に過ごすことはできたものの、家事などは全て自分でこなしていたため、主夫でやっていけるくらい家庭的。

基本的に広く浅くゲームなどをやっているが、とあるネットゲームのサーバー三位のギルドで幹部になるほどだった。
ネット上での交友関係はとても広く、いわゆる「ネト充」。このへんは天木錬とは対照的。
ファンタジーものの作品が大好きで、元々動物好きだったのか、特に亜人や獣人に強い関心を示している。これが盾の勇者に選ばれた理由の一つ。

本人は自覚がないが、弟からは就職せず調理の専門学校に行けと言われているくらい料理が上手く、味覚も鋭い。
その味覚は一度食べただけで使われている食材を把握し、ある程度再現ができるほど。
彼が作る料理はかなりの美味らしく、店が開けるレベルと称されている。
一度尚文の料理を食べると外食より尚文の料理を食べたくなるが、当の尚文は料理の腕に自覚がなく、大勢の料理を作るのが面倒なので外食しに行ってくれと思っている。

また『酔い無効』というべき程、とにかく“酔い”に強い耐性を持っており、乗り物酔いやお酒に異様に強い。
生まれて一度も酔った事がないらしく、異世界で登場する「ルコルの実*2」をいくら食べても平然としていた。
(この「ルコルの実」を食べた元康(漫画版ではラルク)は一粒食べただけでくちから泡をふき気絶している。)
この体質のため、友人たちと飲みに行き皆が酔いつぶれても自分だけが酔えず会話を楽しめないため、酒はあまり好きではない。

このほか、いわゆるクラフト技術に長けており、薬の調合やとある商人から教わった宝石のアクセサリー類の制作技術を会得してからは、それを行商などに役立てている。

上記のギルド幹部の経験で商才も開花させており、ギルドの一員であった経営者からスカウトを受け、大学卒業後の進路は内定していた。


本来の尚文

性格は比較的穏やかで、お調子者。他の勇者からは「チャラい系」と思われていた。
口調はぶっきらぼうな感じだが、一度他人を信用すると口調も真面目で幼い系の口調に変わる。
信条は「やられたらやり返す」。それが善意であれ悪意であれ、されたことはかならずやり返す。
これらのことから《槍の勇者》の元康から「世界を映す鏡の様な方」と評されている。
つまり、人や世界が尚文に優しくすれば尚文はとことん優しくなるが、尚文に厳しく接すると彼もまた冷徹な人間へと変貌してしまう。

本編・外伝でも彼の周囲にはいろんな幼女があらわれるが、本人の好みのタイプは「自分を守ってくれる年上の女性」。
外伝では、サディナ、ラーサズサ、エクレール=セーアエットなどが尚文の好みのタイプである。
特にサディナの母性にメロメロになりやすく、外伝では幾つものループで彼女と恋仲になり、彼女に性的な意味で食われている。
反面、本編の尚文は後述の影響により「女性」というだけで警戒心を持っているため、上記の好みは封印されている。
また外伝では尚文は元々オタクなため、自分をロリコンだと思っていたが、実際に幼女と触れ合うと恋愛感情を抱くことは一切なく、
むしろ父性愛が湧き出て来たため、自分はロリコンではなかったことに自覚し驚いていた。
ただし、特殊なパターンだとガチでロリコンに目覚めるという展開もあるらしい……*3


本編の尚文

『盾の勇者』として異世界に召喚されるも、王女である「マルティ=S=メルロマルク」に裏切られ、身ぐるみを剥がされた上、“強姦魔”の汚名を着せられる。
他の勇者である北村元康天木錬川澄樹もマルティのウソ泣きに騙され、尚文を庇う者は誰もおらず、尚文は無一文で過酷な異世界に放り出されてしまった。
ちなみに、他の勇者が尚文を庇わないのはお互いの性格を知らず、仲も良くなかったため。
そして何故仲が良くないのかというと、王族が裏から手を回し、勇者の仲間たちが勇者間の信頼関係が出来ないようお互いに接触させないようにしていたからであった。
勇者同士だと武器の反発により経験値が入らない仕様になっているのも、勇者同士が接触しなかった理由の一つ。

これ以降、尚文は王族や勇者への憎しみにより極度の人間不信に陥る。
目付きは悪くなり性格も捻くれ、嫌悪する相手の不幸を喜ぶ悪癖が付いてしまった。
さらに精神的・身体的に余裕のない状態に置かれたストレスにより、一時的に味覚障害を患い、何を食べても味を感じなくなった。

上記の一件から世間に悪評が広まったことと人間不信に陥ったことで、信頼できる仲間をつのるなど到底望めない状況だったが、
自身の武器が『盾』であることと、ほかの武器を所持できないという勇者の特性により、攻撃手段が非常に乏しかった。
街周辺の草原に現れる弱い魔物でさえもやっとの思いで倒せる程度の攻撃力しかなく、
レベルアップして強くなるためにはほかの誰かに攻撃を担当してもらう必要があった。

そんな詰みかけの状況の尚文に、「奴隷商」を名乗る怪しい男が話しを持ちかける。
その男の提案に乗り、尚文は「ラフタリア」という持病のある亜人の少女の奴隷を購入する。
なお、他にも男の奴隷がいたのにわざわざ女のラフタリアを買ったのは、マルティに騙されたことに起因する女に対する屈折した感情からである。

やさぐれていた尚文は、怯えるラフタリアに魔物との戦闘を強要するものの、
彼女に死なれては元も子もないため、食事や薬など必要な処置はきちんと与えていく。
ほしがる料理や道具を買い与え、持病を治す薬を飲ませたり、トラウマの影響で夜泣きする彼女を抱きかかえ一晩中あやしたり、伸びた髪を切って整えてあげるなど、
保護者のように接していった。

一方のラフタリアは見捨てられさらに無体な主人に転売されることへの恐れもあり、はじめは尚文に不信感を抱きつつ彼の言うことに従っていたが、
面倒見のよい尚文の本質に気づいてからは、徐々に心を開き笑顔を取り戻していく。
戦闘にも徐々に慣れていき、ある一件を経て精神的にも大きく成長。尚文のために戦うことに前向きになったことで、急速にレベルアップを重ねていく。
同時に、レベルが上がれば身体年齢も比例して上がるという獣人の特性によって幼女から美少女へと急成長するが、
ステータスしか見ていなかった尚文はストレスによる認識障害もあったのか、身体的成長は認識できておらず、
ラフタリアが心身ともに成長していることにほとんど気付いていなかった。

そんな中、ラフタリアの美貌に目を付けた元康から『自分が勝ったらラフタリアを奴隷から解放しろ』という条件でいきなり決闘を申し込まれる。
自身に何もメリットがないため拒否する尚文だったが、国王の鶴の一声で強制的に決闘に参加させられる。
攻撃手段に乏しい尚文は『盾』のスキルをトリッキーに用いて有利に戦闘を進めるが、不可視の風の魔術を用いたマルティの不意打ちを喰らい、敗北を喫してしまう。

物言いも認められず、ラフタリアは奴隷契約から強制解放されるが、独善的で一方的な言い分で自身を尚文から奪おうとする元康たちをラフタリアは拒絶。
彼らから聞かされる尚文の悪評も一蹴し、絶望から錯乱する尚文自身から拒絶されても、ラフタリアは尚文の《剣》として傍にいることを宣言する。
自分と、自身の無罪を心から信じ、一緒に居ようとするラフタリアの信頼を受けた尚文は、信じられない心地で改めてラフタリアを直視する。
そこにいたのは、やせ細りすべてを諦めた目の幼い獣人ではなく、美しい容貌の強い意志の籠った目をした獣人の少女だった。

そんな彼女からもう一度、自分を信じ一緒にいたいと望む言葉をかけられた尚文は、気付けば彼女に縋り付いて涙していた。
こうして初めて心から信頼し信頼してくれる人を得た尚文はトラウマから解放され、
ラフタリアと共に立ち上がり、《盾の勇者》として戦っていく。

その後も言葉上はそれまでとあまり変わらず、損得勘定でしか動かないなど、偽悪的に振る舞うものの、
生来のお人よしから危機に陥っている村を助けたり、他の勇者の尻拭いなどもついついやってしまったり、
ゲーム感覚で派手な活躍はしつつも足元やアフターフォローには意識が回らない他の勇者たちよりも、世間から信頼されるようになっていった。


+ 物語の終盤では……(ネタバレ)
物語の終盤では「神を僭称する存在」を倒すため、ラフタリアと共に“神”に等しい力を得る。
最後の敵を倒した後、同じくさまざまな世界を侵略しようとしているほかの神を倒すべく、分身を残し旅立っていった。
分身の一体は異世界に永住し、もう一つの分身は現代の日本へラフタリアと共に帰還した。
異世界の尚文はラフタリアを第一夫人とし、メルロマルクの女王となったメルティ、サディナとの間に子供を作る。
日本に帰った尚文はラフタリアと結婚したが、諦めきれないアトラとの三角関係になっている。


なお、ラフタリア以外にも2名ほど奴隷の購入候補がいたが、それらを選ぶか否かは尚文追放の主導を元康がするか、それ以外がするかで変わる。
いずれも尚文とラフタリアとの関係に勝るとも劣らない信頼関係を築くことになる。なお、ラフタリア以外は男なのでホモっぽい関係になる。
恋愛面は上記の通り冤罪の一件で女性不信になっており、また全てが片付いたら早々に元の世界に戻りたいと思っていたため、関心はまったくない。
ラフタリアをはじめ、何人かの女性に好意を寄せられているものの、当の本人はそれが好意だと全く思っていないほど鈍感になっているが、
とある一件以降は、ラフタリアたちからの想いに向き合うようになった。

また、キチンと自己紹介をしていない相手の名前はまともに覚えようとせず、相手の役職や言動からくるイメージで妙なあだ名をつけるくせがある。

例:
エクレール→「女騎士」(女騎士のテンプレのような姿から。)
ウィンディア→「谷子」(魔物を庇おうとしたときの姿が『風ののナウシカ』のあのシーンを連想させたため。)
フォウル→「アルプス」(妹が立てるようになった時のセリフがまんま『アルプスの少女ハイジ』のあのシーン。)*4

書籍版では周囲からのフォローもあり、ちゃんと名前を呼ぶようになっている。


槍の勇者のやり直し


《槍の勇者》・北村元康が過去に戻ったため分岐した世界。
基本的には未来の知識を持つ元康によって、王女に裏切られる際に助けてもらい、
自分を信じてくれる者が最初からいるため人間不信になることはなく、目つきも悪くならない(稀に元康の脳内に登場してツッコミを入れることはあるが)。
ただし、キレた時は本編の尚文のような威圧感を見せている。むしろ普段のギャップもあって余計に怖く感じる。
正気の尚文は奴隷を買う事に抵抗感があり、そもそも元康やフィロリアル達が仲間になっているため、奴隷を求める必要性も無かったため、
終盤のループまでラフタリアと出会う事はなかった。

シルトヴェルト編では元康とエクレールと共に脱出、メルロマルクからの刺客を倒しつつ盾の勇者を信仰する亜人の国に向かう。
しかしその後タクトと戦う事になり、最終的にはメルロマルクとの戦争にまで発展する。
このループではエクレールといい雰囲気になっていた。が、恋仲になるという事はなく、その後のエピソードで途中から一緒にループを継承してきたガエリオン(♀)と親しくなる。
手を出さないようにと何度も念を押した元康の願いもむなしく、ガエリオンと関係を持ってしまったため、その腹いせに次のループで元康はとんでもないことをやらかしてしまう……。

メルロマルク編では本編に沿った行動をするものの、本編以上に善行を行い過ぎた結果、メルロマルク国内で革命が起こるほどの大騒動になってしまう。
この騒動を抑え革命軍を納得させるため、国民の支持の厚い尚文がメルロマルクの新しい国王となる。
なお、その騒動の弊害でエクレールは獄中死してしまう。
その後は元々敵対関係だった樹に加え、中立的な立場だった錬とも関係が悪化。四霊が全て復活してしまう大惨事となってしまう。

フォーブレイ編ではついに錬・樹も冤罪事件の時点で仲間にすることに成功し、四聖勇者勢ぞろい(とエクレール)でフォーブレイへと旅立っている。
ここでは持ち前のリーダーシップから自然と四聖勇者のリーダーとして活躍し、
周りが見えない錬にアドバイスしたり、樹の空回りしがちな正義感を抑えたり、暴れる元康を鎮めたりしている。

帰還編では元康が本編を再現しようとする話だが、その際にやりすぎてしまうと奴隷すら買わず、決闘時点でカーススキルを発現させてしまう。
また元康が頻繁に足長おじさんとしてラフタリアに接触し過ぎると、決闘時にラフタリアが正体を見破ってしまい、
元康に親しげに話しかけたせいで尚文がラフタリアを寝取られたと勘違いしてしまい、暴走してラフタリアを殺してしまう。
最終ループでは奴隷を買う事が出来ず、魔物と戦えないため釣りで生活しようと別の村に移動するため、近隣にいたサディナと出会い奴隷にする。
そして肉食系のサディナに決闘後に襲われてしまう。


伝説の盾

尚文が異世界に召喚された時から持っている、伝説の盾。
「盾」と呼ばれてはいるが、可能性を信じることで「壁」や「城」など様々に変化させることができる「守り」のチカラ。
装備した者は自身の防御力が極めて強化され、身体に直接攻撃されても受けるダメージは大きく減少し、
強化していけば他の勇者の攻撃すら正面から受け止められるほど強固なものとなる。
反面、攻撃力は全然伸びなくなり、攻撃魔法やアイテムなどの間接的な攻撃方法も使用不能。
『他の武器を持てない*5』という四聖勇者共通の特性もあって、攻撃性能はからっきし。
関節技の威力も攻撃力依存のため、当初の尚文が行える攻撃手段は、相手を押さえつけたり殴ったりすることだけだった。
のちにカウンタースキル付きの盾が使えるようになり、以降はそれで攻撃している。

相性がいいのは『弓の勇者』である樹で、彼が遠距離攻撃に集中し、尚文が樹への攻撃を防ぐのがベストな戦法。
過去の盾の勇者は多少の攻撃力を有しており、尚文ほどの防御特化では無いことが明らかになっている。

適性魔法は「回復」と「補助」。
勇者専用の魔法は「オーラ」系で、味方の全能力バフという優れもの。
なお、回復系魔法にはダメージを与えるものもあるらしいが(『ダイの大冒険』の「マホイミ」みたいなもの?)盾の勇者である尚文には一切使うことが出来ない。

◇おもな使用スキル
  • エアストシールド
一定時間、周囲の空間の任意の位置に盾を1枚出現させる。空中に出現させて足場にしたりなど、防御以外の活用も可能。
つづけてもう一枚盾を出現させる「セカンドシールド」、さらに一枚出現させる「ドリットシールド」というスキルもある。

  • シールドプリズン
一定時間、対象の周囲に盾でできた檻を出現させる。対象を外部の攻撃から守ったり、逆にとらえたりできる。

◇強化方法
  • エネルギーブースト
勇者専用のEP(エネルギーポイント)を使用し、スキルや魔法、武器を強化する。
勇者以外の存在も「気」を習得することで同様の力を発揮出来る。

  • 強化方法の共有
この強化の存在を認識することで、他の武器の強化を利用した時の倍率が上がる。

+ 強化方法について(ネタバレ)
勇者の武器の中で、盾のみ独自の強化方法が不明のままだったが、
その強化方法とは「人々を信じる事――信頼を受ける事」であった。

実は、この強化方法はヘルプに載っていなくても自動で発動するという特殊な強化方法だった。
三勇教」の教皇戦で他の勇者たちよりもレベルが低いにもかかわらず、実力は他の勇者たちとほとんど変わらなかったのは、
尚文以外の勇者が好き勝手やった結果信頼を落として弱体化し、逆に尚文は信頼を得ていったため。
『槍の勇者のやり直し』では、元康がその可能性に感付いている様子が見られる。


余談

作者の別作品『ディメンションウェーブ』では、『ウェーブ』の主人公絆†エクシードが宝箱から見つけたキャラとして、絆が雇用するようになったペンギン型生物『ペックル』の盾の勇者『ブレイブペックル』が登場。
ディフェンスに長け装飾細工や料理も出来る優れた従者で、絆が乗騎を得た際ついでにひよこ乗騎に乗っているが、ストレスが溜まりやすくグレやすいという欠点が存在。
入手から少し後絆の妹がダンジョンで入手した赤髪の人形を無理やり押しつけられ続けた結果一回暴走して「ダークフィロリアル」を使うボスキャラ化し、激戦の末正気に戻された後、アライグマっぽい「ラフぬいぐるみ」を得て心が癒された。
ちなみにブレイブペックルが発見された場所には盾・剣・槍・弓が記されており、盾以外の武具を身に着けた生き物がいる可能性が示されている。
どう見ても尚文です。ありがとうございました。

追記・修正は強姦魔にされてからお願いします。

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