スクラップ・コング(遊戯王OCG)

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スクラップ・コング(遊戯王OCG) - (2015/03/31 (火) 17:08:18) の編集履歴(バックアップ)


登録日:2011/02/12 (土) 12:27:41
更新日:2024/05/02 Thu 15:57:28
所要時間:約 6 分で読めます




―せめて生きた姿を見てみたいもんだが、残念ながらこいつはすぐ壊れちまうのさ―


スクラップ・コングとはEXTREME VICTORYで登場したモンスターカードである。
スクラップはDUELIST REVOLUTIONから登場したカテゴリーで、その後も関連カードが生み出されている。

毎回専用シンクロモンスターがウルトラレア枠に収録されていたり、
限定パックにカテゴリーモンスターが入れられていたりとKONAMIから新規テーマとしてかなりプッシュされている。

今回のパックでスクラップカードはこれ1枚。
今までと比べるとやや寂しいが、同時期に登場した「エレキ」が関連カード0であることを考えれば贅沢は言えない。
関連カードを出してくれるだけでも有難く、マトモな効果であれば1枚だろうと使う側としては何も問題ない。







……そう、マトモな効果であれば。



スクラップ・コング
星4/地属性/獣族/攻2000/守1000
このカードが召喚に成功した時、このカードを破壊する。
このカードが「スクラップ」と名のついたカードの効果によって破壊され墓地へ送られた場合、「スクラップ・コング」以外の自分の墓地に存在する「スクラップ」と名のついたモンスター1体を選択して手札に加える事ができる。





……うん?
何かテキストがおかしかったような。
もう1回よく見てみよう。









このカードが召喚に成功した時、このカードを破壊する。



このカードが召喚に成功した時、このカードを破壊する
このカードが召喚に成功した時、このカードを破壊する……
このカードが召喚に成功した時、このカードを破壊する…………


…なぁにこれぇ(棒読み)

全てのスクラップ使いが絶望したことは言うまでもない。

壮絶な出落ちモンスター。出ただけで死ぬ。
「スクラップ・コングを召喚!」
と宣言したら最後、ゴリラはそのまま墓地へ送られるのである。
「スクラップ・コングのモンスター効果発動!このカードは召喚した時破壊される!」


一応「スクラップ」と名のついたカードの効果によって破壊されているのでサルベージ効果は発動される。
つまり自身と召喚権を引き換えに墓地のモンスターを回収することになる。

「うーん、墓地回収出来るんならそこまで酷評することもないんじゃない?」

と、思われる方もいるだろう。では、このカードを見ていただきたい。

スクラップ・オルトロス
チューナー
星4/地属性/獣族/攻1700/守1100
このカードは通常召喚できない。
自分フィールド上に「スクラップ」と名のついたモンスターが表側表示で存在する場合、このカードを手札から特殊召喚する事ができる。
この効果で特殊召喚に成功した時、自分フィールド上に表側表示で存在する
「スクラップ」と名のついたモンスター1体を選択して破壊する。
このカードが「スクラップ」と名のついたカードの効果によって破壊され墓地へ送られた場合、
「スクラップ・オルトロス」以外の自分の墓地に存在する
「スクラップ」と名のついたモンスター1体を選択して手札に加える事ができる。 

これが絶望の正体。
このカードは頭に説明した限定パックに収録されたモンスター。
召喚権を使わず場に出せて、自身を含むスクラップを自由に破壊できる。おまけにチューナー。
つまりスクラップ・コングはスクラップ・オルトロスのほぼ下位互換
しかもこのパック、応募者全員に配布されるためそこまで高レアリティという訳でもない。



攻撃力2000の下級アタッカーとしてもものすごく使いにくい。だって召喚したら死ぬんだもん……
しかもスクラップには攻撃力2100のスクラップ・シャークがいる。
(こちらも「カードの効果が発動されたら自壊」という異常な脆さから「敏感鮫」とネタにされていた)
スキドレでも使えば自壊は避けられるが、スクラップとスキドレの相性は微妙である。

限定パックに関連モンスターが収録されて
「きた!KONAMI様のプッシュきた!これで勝つる!」
と、テーマとしての繁栄を確信したと思ったところでこのゴリラ……。
コンマイにうんこでも投げつけてくれようか。
かくして、ゴリラは召喚された途端スクラップ使いの希望、ギャラリーの腹筋、そして自身を破壊する存在となったわけである。
まさに「3つ」の絶望を体験したアポリアの登場するゴッズ時代を象徴するカードである事は間違いない。

効果が判明した途端、TCG板の遊戯王本スレの話題はゴリラ一色に。
ゴリラの話でスレ数本を消費する異常事態と化した。

かたやスクラップスレはお通夜状態。
「もう海外新規に懸けるしか…」
「強いのは最初だけだったな…」
「コングって文字見るだけで悲しくなってくる…」
と絶望に満ち溢れていた。



ちなみにあのデュエリスト御用達サイトであり、どんなカードでも基本的にポジティブな書き方を推奨する方針で有名な「遊戯王Wiki」ですらも流石にこのカードのフォローは出来なかったらしく「採用の余地無し」と一蹴している。おまけに
「ゴリラは警戒心が強く、またストレスに非常に弱いので心臓の負担から死にいたることが明らかになっている。
このカードがすぐに自壊してしまうのはそれを意識したのだろうか。」
と、Wikiを見に来た人の哀愁を誘う考察を述べている……。


さらに後輩ともいえるカラクリは新しいパックが出る度に超強化されスクラップ使いの目の敵にされてるとか。

しかし、酷評の原因たるこの効果も、実は先駆者がいた。
かつてspell of maskに収録された「女邪神ヌヴィア」がそれである。
「このカードは召喚された場合破壊される」…、攻撃力とレベルは同値。
しかしこのヌヴィア…。なんとウルトラレアだった。
ノーマルのゴリラもウルトラのヌヴィアも等しく投げ捨てられる効果を持つとは珍しいことである…。小学生の頃、少ない小遣いで買ったらコイツが来たときの衝撃はもう…。
だがこのヌヴィアの登場はあくまでまだ遊戯王初期に近い時期であり、その失敗があったにも係わらずゴリラがこの体たらくとは……まるで成長していない。

一応、ヌヴィアは『このカードは召喚された場合破壊される』という『召喚ルール効果』であるのに対し、コングは帝などと同じく『誘発効果』である。
「エンペラー・オーダー」で自壊を無効にしつつ1ドローできるぞ!
…他にこの効果を活かせるスクラップはいないけど…。

タッグフォース6では、プレイヤーが禁止カードを投入した際のNPC制限解除デッキにてホモコーン……ゲフンゲフン! 直感的カードプレイングセンス♂なアンドレが使用している。
主役では無いが、自壊効果持ちの獣族として目を付けられ、オルトロスやビースト等、他の獣族スクラップと共に、結束型グリーンバブーンの特殊召喚トリガーという役割を担っている。

ゴリラがゴリラを引っ張ってくるという、かなりシュールな戦法だが、油断するとボコボコにされるので注意しよう。




だが奴は……弾けた


スクラップ・ファクトリー
フィールド魔法
このカードがフィールド上に存在する限り、フィールド上の「スクラップ」と名のついたモンスターの攻撃力・守備力は200ポイントアップする。
また、フィールド上に表側表示で存在する「スクラップ」と名のついたモンスターがカードの効果によって破壊され墓地へ送られた時、
自分はデッキから「スクラップ」と名のついたモンスター1体を特殊召喚できる。
「スクラップ・ファクトリー」のこの効果は1ターンに1度しか使用できない。

補給部隊
永続魔法
(1):1ターンに1度、自分フィールドのモンスターが戦闘・効果で破壊された場合にこの効果を発動する。
自分はデッキから1枚ドローする。


時は経ち、”モンスターが破壊される事”がトリガーとなるフィールド魔法や永続魔法が増えて来た。
それらのカードの効果を発動する為に、条件も無く出せて条件も無く自壊するこのゴリラは実にうってつけのカードだったのだ。

ゴリラ1枚がローンファイア・ブロッサムになったり成金ゴブリンになったり……
癖の強いカードではあるが、決して「どう足掻いても使えないカード」「文字通りの産廃(スクラップ)」などと揶揄出来るようなカードでは無くなったのだ。

これからも破壊をトリガーとするカードが出る度にこのゴリラは使い道を増やしていくのだろう。
頑張れゴリラ、君は産廃界の希望の星だ!


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コング「……駄目じゃんッ!」ガビーン

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