女邪神ヌヴィア(遊戯王OCG)

登録日:2012/05/10 (木) 21:07:27
更新日:2025/04/26 Sat 16:12:40
所要時間:約 3 分で読めます





効果モンスター
星4/闇属性/悪魔族/攻2000/守800
召喚された場合、このカードを破壊する
相手が1体でもモンスターをコントロールしていた場合、
攻撃力は相手フィールド上のモンスター1体につき200ポイントダウンする。



Spell of Mask −仮面の呪縛−で登場した闇属性悪魔族の下級モンスター。
ちなみに「女邪神」は「おんなじゃしん」ではなく「めじゃしん」と読む。

下級モンスターにして攻撃力2000という破格の数値を持つものの、それを活かせない致命的なデメリットが二つもあり扱いにくい。



非常に扱いにくい。



大事な事なので二回言いました。
このカードゲームを触ったことがある人なら、恐らく初めて効果を見たときこう思っただろう



なぁにこれぇ?


と。

詳細を説明する。


出しやすさがウリのはずの下級デメリットアタッカーでありながら、単独では裏側守備表示で出した後反転召喚させるしかなく、
攻撃表示のままフィールドに出すには《ゴブリンドバーグ》や《レッド・リゾネーター》、《召喚僧サモンプリースト》、《ダーク・クリエイター》、《暗黒界の援軍》等で特殊召喚するか、《スキルドレイン》や《エンペラー・オーダー》等で召喚時の誘発効果を無効化するなど、他のカードの助けが必要。
一応《エンペラー・オーダー》や《補給部隊》、機皇帝あたりの効果を発動させるトリガーとなれるが、同じことは別にスクラップ・コング》にも全部できる上、《スクラップ・コング》は攻撃力ダウン効果も無く、テーマ「スクラップ」にも属している為、使いやすさではあちらの方が遥かに上である。

この時点で「あの《スクラップ・コング》の下位互換」の一言で説明を放棄したくなるが冷静に行こう……。

※なお、登場から2016年に行われた裁定変更までの15年以上の間、この自壊効果は「効果外テキスト*1」つまり効果じゃなかったため、上記の内、効果を無効化したり、効果による破壊を活かす類のフォローは不可能だった
つまり以前と比べればまだマシになっている


二つ目の効果は説明がくどいので分かりづらいが、端的に言えば「相手の場のモンスターの数×200ポイント攻撃力がダウン」する永続効果。
その為、 モンスターとの戦闘では基本的に攻撃力1800以下で運用される事になる

攻撃力しか取り柄がない癖にその攻撃力が活かされるのは直接攻撃時のみであり、
相手のモンスターが1体でもいるとすごく出しにくいだけの1800打点となってしまう。
当時でさえ通常モンスターに攻撃力1900の《ヂェミナイ・エルフ》、1850の《メカ・ハンター》と言ったモンスターが居たので、
直接攻撃時の100ポイントの為にこのカードを採用する意味は無かった。

第3期では種族・属性が同じで「デーモン」カテゴリに含まれる《デーモン・ソルジャー》(攻撃力1900)も登場。
第5期には、通常モンスターで攻撃力が2000の《ジェネティック・ワーウルフ》が登場し、現環境に於いては《アレキサンドライドラゴン》や《メガロスマッシャーX》と言った攻撃力2000の通常モンスターも増えている。
闇属性にも《幻殻竜》や《ジョングルグールの幻術師》が存在しているが、2024年7月現在は悪魔族で攻撃力2000の通常モンスターは存在していない。

デメリットアタッカーと比較しても、より攻撃力が高く維持も容易な《地雷蜘蛛》や《ゴブリン突撃部隊》が登場当時から存在しており、同等の攻撃力においても《漆黒の豹戦士パンサーウォリアー》《ダーク・エルフ》などが存在している。

こいつの先輩であり似たような効果を持つ《ボアソルジャー》がいるが、こいつは攻撃力のダウン値が1000とかなり大きいため、《あまのじゃくの呪い》を使って超パワーアップさせてワンキルを狙ったり、送りつけて《転生炎獣ヴァイオレットキマイラ》で殴りかかったり、逆に《燃え竹光》と《竜星の極み》で無理矢理《転生炎獣ヴァイオレットキマイラ》を殴らせて大ダメージを狙うデッキを一応作れるには作れる。
だが《女邪神ヌヴィア》の場合ダウン値も中途半端なため、同様の事をしても《ボアソルジャー》の方が火力が出る。

闇属性のデメリットアタッカーが欲しいだけならば、登場当時のカードプールで考えても《ダーク・エルフ》が存在しており、維持も容易かつ攻撃力が下がることもない。
現代のカードプールだと《ストームサイファー》《アックス・ドラゴニュート》《ジャイアント・オーク》など、もっと扱いやすいカードがある。
特に《ジャイアント・オーク》は種族・属性も同じであり、デメリットも軽く、非常に強力なライバルといえる。
《スキルドレイン》や《愚鈍の斧》を使うことでデメリットを打ち消すことを考えても、攻撃力が2400もある《ストームサイファー》のデメリットを打ち消す方が有用だろう。

自壊できる闇属性・悪魔族」という点を活かすにも、レベル・属性・種族・守備力が同じで攻撃力も高く、もっと緩い条件で自壊できる《ジェネラルデーモン》が存在する。
フィールド魔法を投入する必要があるが、こちらの方が維持も容易である。
ただし、《ジェネラルデーモン》の自壊効果は永続効果であるため、《エンペラー・オーダー》とのコンボで差別化はできる。

他の闇属性デメリットアタッカーと強引に差別化を図るとしたら、
・召喚成功時の誘発効果で自壊でき、特殊召喚で自壊しない悪魔族モンスター
・比較的緩い条件で攻撃力を下げることができる
といった点を活かす必要があるだろう。

纏めると、このカードを活かす手段はあるが、他のカードでも似たような事ができるというのが実情だろう。



……しかし上記の内容も、今から述べる更に恐ろしい事実に比べれば屁でもない。

このカード、初収録時のレアリティは何と





ウルトラレアである。




ウルトラレアである。




これも大事な事なので二回言いました。
はっきり言ってしまえば遊戯王史上屈指のハズレアである。
こつこつ貯めた小遣いで買ったパックからこのカードが出てきて泣きそうになった人達も多いだろう。
また、ウルトラパラレルレアも存在している。

寄生虫パラサイド》という同じくどうしようもないハズレアが存在するが、
あちらはみんな大好きHA☆GAの使用したカードなので、ネタ的にはこちらが劣る。

ただこのカードが収録されたSpell of Mask −仮面の呪縛−には皆大好き《青眼の白龍》がアルティメットレアとして再録されていたため、青眼欲しさに大量にこのパックを買っても青眼が当たらず、このカードが大量に手に入るということも決して珍しくはなかった。
また案の定、《女邪神ヌヴィア》も再録されるたびにレアリティを落とし、最終的にはノーマルにまで落ちていった。

このカードを有効活用できるカードが出るなんてこともあり得るので、コレクションがてらウルパラを3枚集めておくのも一興か。
またデメリットアタッカーを光らせられるのは、《スクラップ・コング》や《ジャイアント・オーク》無い利点と言える……かもしれない。


また、このカードはアニメにも登場している。
使用者は勿論闇の仮面……ではなく、なんとGXで佐藤先生がプロ時代に闘っていたプロデュエリスト。

場には他に《リザード兵》と言ったごく一部の人しか覚えていないようなマイナーカードが並んでおり、
万丈目で無くとも「こいつ本当にプロか?」と言いたくなるような戦術を取っている。

ちなみに、原作では……なんと《漆黒の豹戦士パンサーウォリアー》や《地獄詩人ヘルポエマー》(←ヤツに至っては原作でも効果モチ、デメリットじゃないよ!)同様デメリット無しな☆4攻撃力2000の通常モンスターとして登場している。
なお、アニメ版でのこのシーンは無理にOCGで再現しようとした結果《ホーリー・ドール》(☆4攻撃力1600)に置き換わった
一応、オープニングには登場しているが。


なお、GBA版の遊戯王DM8では上の性能を再現しており、ラスボス裏ボス(闇バクラしか使わないが…)が主力として使用してくる。
しかもフィールドが闇なので攻撃力は3割増の2600である。
召喚魔族も弱点が少ない黒魔族のため脅威…のはずなのだが、併用している《秒殺の暗殺者》も同じ黒魔族のせいで、「暗殺者を幻想魔族で倒される→とりあえず最も攻撃力が高い《女邪神ヌヴィア》出したけど突破できず立ち往生」というパターンもよく発生する。
それでもラスボスよりかなり早い段階で登場する闇の仮面が使ってくる時は流石に怖い。そのせいか《闇と光の仮面》を使う相方と異なり、《女邪神ヌヴィア》どころか《シャイン・アビス》にも劣る某上級モンスターを3枚も抱えさせられているが。

ネタにされるだけましかもしれない。


御茶女邪神ヌヴィア

遊戯王ラッシュデュエルに登場した 《女邪神ヌヴィア》を幼女化 したというとんでもカード。
読みもちゃんと「おちゃめじゃしん」である。

効果モンスター
星4/水属性/水族/攻1000/守800
【条件】自分フィールドの表側表示モンスター(水族)が3体の場合、デッキの一番上のカードを墓地へ送って発動できる。
【効果】自分フィールドの全ての表側表示モンスター(水族)の攻撃力はターン終了時まで200アップする。
その後、自分の墓地の「アメガロポリス」1枚を選んで手札に加える事ができる。

サルベージ出来るアメガロポリスの効果は以下のもの。
フィールド魔法
【条件】このカードは、自分フィールドに表側表示モンスター(水族)が2体以上いる場合に発動できる。
【効果】このカードがフィールドゾーンに表側表示である限り、
お互いのフィールドの表側表示モンスター(水族)の攻撃力は200アップし、
お互いのフィールドの表側表示モンスター(水族以外)の攻撃力は200ダウンする。

効果は本家のものを全く反映させず、水族全体強化とサルベージ効果を持つため利便性に富む。
《御茶女邪神ヌヴィア》だけの効果だと上昇値低めだが、アメガロポリスと合わせれば実質600の攻撃力アップになるので水族全体強化としてはなかなかに強力なものになる。

カード化より先行してアニメ「遊戯王ゴーラッシュ!!」にて安立マニャが使用。
彼女は遊戯王OCGの女性イラストカードの幼女化オマージュで固めているのだが、さすがに《女邪神ヌヴィア》を幼女化したものが出てきたのは視聴者も困惑を隠せなかった。

DM4

DM8やラッシュデュエルの話題で前後してしまった感はあるが、ゲーム作品ではゲームボーイカラーのDM4にて初登場していた。
3バージョンのうち海馬デッキのみが使用可能。

その際は当時の漫画における最新エピソードからの出展という事で、OCGに先駆けての先行登場という形になっていたのだが、
OCG化される前という事もあってか効果は存在しておらず、星6かつ黒魔族の上級バニラモンスターであった。

だが侮るなかれ、同作での攻撃力2000は上級モンスターの中でも最高とも言える数値で、しかも弱点となる幻想魔族の数が非常に少ない。これにより、OCG登場前のカードでありながら、海馬デッキの主力モンスターの一角として大活躍する事になった。

なお、今作発売の後にOCG版が登場したのだが、反応は上述の通りお察し。
というか、カードに書いてあるパスワードをゲームで入力すればお手軽に強力なモンスターを手に入れられる事から、もはや「 このカードのレアリティ=パスワードの価値 」という様な状況になってしまっている。


追記・修正はこのカードのウルトラレアを持っている人にお願いします。

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最終更新:2025年04月26日 16:12

*1 そのカード専用のルールと言えるテキスト。非公式用語で、ルールブック等では「効果以外のテキスト」と解説されている。