きさらぎ駅

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きさらぎ駅 - (2020/05/28 (木) 22:29:36) の編集履歴(バックアップ)


登録日:2012/09/15(土) 00:51:16
更新日:2023/09/22 Fri 00:32:21
所要時間:約 3 分で読めます




私鉄を利用して行くことができる無人駅。
周囲に何もないことから利用者が非常に少ない、その沿線で一、二を争うほどマイナーな駅として知られる。






……なんてのは嘘で、某掲示板において現れた奇妙な駅、またはその話のこと。

話を大まかに言うと、

スレを建てたはすみという人物は帰宅のため某私鉄(遠州鉄道だと思われる)に夜乗車したが、いつになっても停車しない。
おかしいと思い先頭の運転席を見たらそこには誰もおらず、さらには他の乗客が皆眠りこけているという不可解な状態であった。

その後ようやく停車したので降りたものの、その駅は『きさらぎ駅』という聞いたことのない駅名で、降りたのも自分一人だけであった。

きさらぎ駅は無人駅で、周りには住居もタクシーも何もないという殺風景な場所にあり、電車の時刻表もないため、
はすみ氏は夜中、見知らぬ土地(駅)に一人取り残されるという状況に置かれてしまった。

これはまずいと判断したはすみ氏は警察に連絡するもイタズラと思われ相手にされず、携帯電話のGPSもエラーで作動しない。
はすみ氏の親は真剣に対応してくれたが、地図にも駅名が乗っていないらしく迎えに行くのは困難だったため、来た道(線路)を歩いて帰ることにした。

線路を歩いている最中にも、深夜にも関わらず遠くから鈴や太鼓の音が聴こえたり、
後ろから「線路を歩くのは危ない」と声を掛けられ、振り向いたら離れたところに片足の無いおじいさんがいたがすぐに消えてしまったりと、
数々の怪奇現象に見舞われたはすみ氏だったが、やがて見えてきた『伊佐貫』というトンネルを目指し、近付いて来るかのような太鼓の音を無視しながら歩き続けた。

そしてトンネルを抜けたはすみ氏は、深夜にも関わらず何故か線路上にいた人と遭遇。
どう考えても怪しいとスレ住民に止められながらも、はすみ氏はホテルが近くにある最寄り駅まで車で送るというその人物の申し出を受け、車に乗ることに。

はすみ氏は車中で件の最寄り駅を尋ねたが、元々乗った新浜松駅から遠く離れた『比奈駅』であると答えられ、「そんなはずはない」とはすみ氏は困惑。
駅に向かっているはずの車はどんどん山道を進み、運転手も話に応じることなく意味不明な単語を呟き始めたため、不安になったはすみ氏は逃げることを決意。

しかし、「バッテリーがピンチなので一旦書き込みを止める。隙を見て逃げようと思う」という書き込みを最後に、はすみ氏からの書き込みは途絶えてしまった――

というもの。


妙に真剣そうに語るスレ主のはすみ氏や話全体の不気味な雰囲気から、その後広まり話題となった。
釣り宣言も無いまま終わったため(もっとも話の締め方は典型的だが)話の真偽も謎で、「きさらぎ駅」の有無もまた不明のままである。

なお、駅名については「如月」や「鬼」という漢字をあてるのではないかと考察されることもあるが、基本的にはひらがなで表記される。
また、車に乗せた人物のいう『比奈駅』という駅は実在するが、はすみ氏が通ったという『伊佐貫』という名前のトンネルは(少なくとも書き込み時点では)存在しない。


その後、同じくきさらぎ駅に着いたと報告した人物も現れたが、話を盛り上げるために出した写真によりガセと判明。
これによってきさらぎ駅、ひいてははすみ氏の書き込みそのものもガセだと主張する人もいるが、あくまでこの人物の書き込みがガセというだけで、
はすみ氏は一切関係していない(と思われる)ため、そちらまでガセとする証拠にはならない。

もっとも、はすみ氏もはすみ氏でかなり危機的状況なのに割と頻繁に掲示板に書き込む余裕があったり*1
10m以上離れた場所に立っている片足の人物を(声で判断したのかもしれないが)おじいさんと認識したり、
深夜にも関わらず線路上に立っている、どう見ても不審者の「車に乗せていく」という提案を受けたり*2と、
冷静に読み返すとツッコミどころがあるが(スレの書き込みでもそれらの点に突っ込むものがある)。

それに加え、乗車中に「いつもは5分か長くても7、8分で停車するのですが」と書き込んでいるが、
実際の遠州鉄道は全線単線の各駅停車であり駅の間隔はだいたい1、2分で、7分どころか5分も掛かる区間はない他、
「乗り間違えたかもしれない」とも書き込んでいるが、遠州鉄道は上述の通り単線かつ各駅停車しかなく、
乗り換えも始発駅の「新浜松」*3と終点の「西鹿島」しかないためまず乗り間違えることはないなど、
遠州鉄道を頻繁に使っている人物にしてはおかしな点がみられる。

あまりに焦って混乱したという可能性もあるが……。


「いつも通りの生活から、急にわけのわからない状況に放り込まれる」という恐怖感から、
事実、創作は別として秀逸な怪談として語り継がれるようになり、毎年夏頃になるときさらぎ駅関連の話題が掲示板に上るようになった。
(ただし、本スレが立ったのは冬である)

ちなみにこの都市伝説は遠州鉄道の中の人にも認知されており、担当者は「さぎの宮駅をきさらぎ駅と見間違えたのでは?」と語っている。



追記・修正は片足のおじさんに注意されてからお願いします。

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