都市伝説

登録日:2011/11/27 Sun 02:29:34
更新日:2022/08/04 Thu 22:07:12
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あのね


私の友達のお姉さんが実際に見たらしいんだけどね


アニヲタwikiっていうサイトがどっかにあるらしくてさ


それでね…そのサイトにはね…………










概要

都市伝説とは、主に戦後社会において噂話に尾ひれ背びれが付く形で全国的に広まった俗説・口承のこと。

都市と言えば機能的で明るく快適なイメージがあるが、都市伝説はそれとは対照的に闇の部分で蠢くものにスポットをあてている。


最近の日本では都市伝説=怪談というイメージがあり、実際「消えるヒッチハイカー」「ベッドの下の殺人鬼」「エイズ・メアリー」「白いソアラ」など、知名度が高い都市伝説は怪談が多いのも事実である。
だが都市伝説の本来の意味は「確かな情報源がないにもかかわらず事実のように語られている話」であり、怪談とは言えない話も多い。
例えば日本では知名度が低いが「全裸でバースデーパーティー」や「セメント詰めのキャデラック」などは笑い話であり、
「猫レンジ」「カブトムシの電池交換」「地下鉄の線路は有事の際に自衛隊の戦車が走る」といった、怪談ではないが奇妙な話、
「なんちゃっておじさん」「有名人の死亡説」などの三面記事的な話も数多くある。
また物理学・医学・心理学・化学などに関する俗説も都市伝説とされることがある。

よく誤解されるが、「確かな情報源が示されない」という点が重要で、結果的に実話か創作かはあまり問題にならない。
また、特定の土地に根差した伝承と対比する意味での「都市」であるため、「くねくね」や「きさらぎ駅」のように地方を舞台としたものもある。


中でもアニオタ的に外せないのは漫画アニメに関する都市伝説だろう。
特に「サザエさん最終回」ネタと「ドラえもんの最終回」ネタは二大伝説体系と言ってもいいくらいで、詳細に調べれば相当なバリエーションがあると思われる。
また、ジブリ作品ポケモンもよく都市伝説のネタにされる。

それ以外では、

「ドラえもんの幻の回『タレント』」
ムーミンは核戦争後の世界が舞台でムーミントロールは放射能の影響で生まれた変異種」
クレヨンしんちゃんみさえが死んだ息子を主人公に書いた創作」

などが有名な部類。
他にオタクに関する都市伝説として、
「90年代初頭にとあるテレビ番組がコミケを取材し、その時リポーターが『ここに10万人の宮崎勤がいます』と発言した」
という話がある。
現在でもしばしば「事実」として語られることが多いが、放送時期・番組名・リポーターの名前ともにはっきり語られることがなく(語られてもソースによってバラバラ)、事実かどうかは怪しいとされている。


怪談系の都市伝説の場合、小説並みのストーリーが仕立てられている事もあるが、基本的には「あたかも本当にありそうな怖い話」が主流。
アニヲタ的にはリアル都市伝説に遭遇したが記憶に新しい。
「真実を隠すため、大事な部分だけ作り話にしている」と言われることもあり、陰謀論とも相性が良い。
かつては子供たちの間で噂されていたものが雑誌の特集や付録冊子により広がったが、近年はネットの普及によりコピペなどの形で広がっている。


有名な都市伝説の一覧


医療・性

ピアス用に耳たぶに穴を空けると白い糸が出てくる。それは視神経で、引っ張ると失明する。
これはガセ。そもそも視神経は耳たぶを通っていない上に太いので、ピアスの穴から出てくることは医学的に有り得ない。ピアスの危険性を誇張した大人が言った嘘が都市伝説として流布したというのが一つの見解。
なおピアス穴から白い糸のようなものが出ることは実際あり、その正体は再生上皮である(「脂肪」としている文献もあるようだが)。ピアス穴と同じ長さだが皮膚なので伸縮性がある。白いといっても剥けた皮程度の白さ。

チョコレートを食べ過ぎると鼻血が出る。
医学的な根拠がなくガセ。食べ過ぎを防ぐため、チョコレートは栄養が豊富で行き場を失った栄養分が鼻血となって放出されると考えられていたなどの説がある。
なおチョコをたくさん食べた後に本当に鼻血が出たという経験をした人は単に栄養バランスが崩れていただけです。反省しましょう。

  • エイズ・メアリー
旅行先の外国で行きずりで一夜を共にした女性が翌朝姿を消しており、風呂場の鏡に口紅で「これであなたもエイズ」と書かれていた。これは日本国外が舞台の場合で、舞台が日本国内の場合は「ルージュの伝言」という名前がついている。ユーミンの楽曲とは多分無関係。
更に男女が逆転した物語もある。こちらは「エイズ・ハリー」と呼ばれ、行きずりで一夜を共にした男性から渡された小箱を帰りの飛行機の中で開けたら「エイズの世界にようこそ」というメッセージが書かれた紙と棺桶型のブローチが入っていたというもの。

これらのエピソードはやや誇張が入っているものの、その多くが本当だとされる。
ちなみにイギリス、オーストラリア、カナダ、アメリカの一部、スウェーデン、ドイツ、バーレーン等では自身がエイズ感染者であることを隠してセックスした人間を性犯罪者として取り締まっている。

  • I am AIDS
とある商社に勤める男性が出張でニューヨークを訪れた時のこと。出発前に同僚から「ゲイにレイプされそうになったら『I am AIDS』と言え。そうすれば助かる」と教わり、実際にゲイにレイプされそうになる。とっさに「I am AIDS!」と叫んだものの、レイプ犯は「Me too(俺もだよ)」と囁いた。
レイプ犯は黒人であるという設定がついている。黒人に同性愛者が多いという偏見が強かった時代に生まれたものだそうな。

  • 膝の中のフジツボ
ある時海岸の岩場で転び、膝をフジツボで切って怪我した男がいた。その時は絆創膏を貼るだけで済ませたが、後日膝に違和感を感じた男が病院で検査したところフジツボの卵が傷口から体内に入ってしまいそのまま膝の中で繁殖していたことが発覚した。
体内の塩分量と海水の塩分量ではあまりにも差がありすぎてそもそもフジツボが育たないためデマとされる。
なお、皮膚の内側で巻貝が育っていたという事例は実際にある。

  • 天然痘の予防接種を発明したエドワード・ジェンナー医師は、最初に自分の息子でワクチンの実験をした
ジェンナーが最初に牛痘を摂取して天然痘を防げないか試したのはフィリップスという8歳の少年であり、最初に自分の息子で実験をしたのではない。
明治時代に日本に伝わった情報に誤りがあったそうだが、いかにも「美談」的な都市伝説である。

食品

某有名チェーン店のハンバーガーの肉は食用ミミズを使っているという噂。
ミミズは牛肉に比べて手間がかかるため使えない。ある雑誌が誌上企画でミミズを使ってハンバーガーのパティを作ったものの、不味くてとても食えた代物にならなかったという。
ひき肉の製造工程で、機械から細くニュルニュル出てくる様子がミミズのように見えたことから広まったのではないか、とも言われている。

他にも「ハンバーガーは保存料を大量に使っているから腐らない」というのもあるが、これも少し考えたらおかしいことがわかる。
そもそもハンバーガーの材料は、工場で大量生産された後、即座に冷凍or無菌パックされて店に配達され、調理後はすぐに食べることが前提になっているため、根本的に保存料を使用する理由がまるでないのだ。
ファストフード店も営利企業なので、意味のない材料を入れて無意味にコストを引き上げるようなことをやるわけがない、というのは誰でもわかることだろう。
「長期間保存しても腐らなかった」というような実験結果もあるが、実際のところ、高温で加熱殺菌された後、乾燥された場所に置いておけばハンバーガーに限らず保存料なしでも割と腐らないものなのである。

  • マーガリンの危険性
「マーガリンが含むトランス脂肪酸と呼ばれる成分は人工物質であるため健康に悪い」
「成分を鑑みると、マーガリンは食べるプラスチックと言える」
「マーガリンは腐らない。腐らないのは危険な物質を使っているからだ」
……などと言われる。

そもそもトランス脂肪酸は牛や羊などの体内でも生成されており、人工物質ではない。

トランス脂肪酸が人体に悪影響で、WHOが摂取を控えるよう呼び掛けているのは事実である。
しかしマーガリンに含まれている分量からして、常識的な使用範囲であればマーガリンが原因で健康に害を及ぼす様な事態にはならない。
他の多くの添加物と同じく、「そればかり毎日山の様に食べなければ問題ない」類である。
またトランス脂肪酸はマーガリンに限らず、牛乳やバターにも含まれているため、マーガリンだけ控えてもトランス脂肪酸は摂取する事になる。

「マーガリンはプラスチックである」という見方は、 事実と言えば事実 である。
しかしマーガリンの場合は 「石油から作られる合成樹脂」を意味しない
そもそも「Plastic」とは「可塑性」、即ち 「熱や外力によって形を自在に変えられる」 という意味である。
例えばアメコミに『プラスチックマン』がいるが、これも身体に可塑性がある=伸縮変形自由自在のヒーローなんだよ、以上の意味はない。
その意味では、バターや味覇も食べるプラスチックといえば食べるプラスチックという事になる*1

マーガリンが腐らないのは当然である。そもそも 油は腐らない (ただし酸化による劣化は起こる)。
腐らないのはサラダ油もオリーブオイルも同じである。

総じて、マーガリンに格別の危険性は無いと言える。


教育

  • 現代の小学校では円周率を3と教わる
ゆとり世代/ゆとり教育批判でよく使われる。「2002年以降、小学校では円周率を3として教育するようになった」というもの。
正しくは 「手計算の場合、簡略化のために時と場合によって近似値の3を用いても良いとする」 であり、「円周率を3と教育している」訳ではない。
このようなデマが広がったのは、1999年に大手学習塾「日能研」が、
ウッソー!? 円の面積を求める公式
半径×半径×3!?
2002年、小学5年生は円周率を3.14ではなく、「およそ3」として円の求積計算を行います。ホントです。
(中略)
新学習指導要領の問題点は、これだけに留まりません。 2002年以降、小学校に限らず中学校でも、子どもたちの基礎学力は確実にレベルダウンしています。
だからこそ、 我が子の将来につながる中学校を選び取るための学力をそなえること は、もはや時代の必然と言っても決して過言ではありません。
といった広告を打ち出し、マスコミもこれを取り上げたため。

何にせよ、「円周率は3」はゆとり教育・ゆとり世代を批判する上で非常に使い勝手が良い事もあり、事実の訂正は中々広まっていない。

科学計算であれ作図であれ、計算で円周率のような無限小数を扱う場合、計算方法や必要な計算速度・精度に合わせて小数点以下何桁まで使うかを吟味しなければならないのが実態である。
それを考慮すれば、2002年以降の「状況に応じて円周率の近似値を使い分けよ」とする方針は、「いかなるときでも円周率を3.14とする」という従来のものよりもレベルダウンどころかレベルアップしているとも言え、日能研の広告内容は良く取ればミスリード、悪く取れば虚偽と言える。

なお、聖書に円周率は3であると取れる記述があることから、「円周率3は聖書原理主義者が広めている」というジョークも存在している。実際に該当箇所*2を読んでみると、まさしく円周率を3で近似すべき事例である。

  • 手をつないでゴール
現代の小中学校の運動会では、ゆとり教育に因む「順位を付ける」事への忌避感や最下位になった子供への配慮から、駆けっこに参加した子供たちを手をつないで同時にゴールさせ、「全員一位」とするのが全国的に一般的、というもの。
上記の円周率の件と同じく、ゆとり世代を批判する意味合いで多用される。

実のところ具体的な実施例や目撃情報に関する報告がほとんど無く、デマか、実際にあったとしても一部地域・一時的なものだったと考えられる。


妖怪・怪談

人間の顔を持ち、人間の言葉を話す犬がおり、深夜の高速道路で人面犬に追い抜かれた車は事故を起こす、繁華街でゴミを漁っていたところに声を掛けると「ほっといてくれ」の一言を残して立ち去る。などが語られる。
その発祥は
  • ティーンエージャー向けの雑誌編集部とジャーナリストが結託し、その雑誌に寄せられた読者投稿に尾ひれを加えて広めた
  • とある俳優の仲間内で冗談として話していた内容をあるラジオDJが耳にし放送で取り上げた
  • とある放送作家が以前お笑いコンビを組んでいた時の相方が広めた
などがある。更に江戸時代にも人面犬の話があったという。
近年でも妖怪ウォッチなどに登場しアニメ版での扱いはお世辞にも良くはないが…、メディア媒体としての扱いは概ね近代妖怪の代表例である事が多い。

  • てけてけ
真冬の鉄道事故で下半身が引きちぎられた人間が、寒さで出血が少なかったため、死にきれずに上半身だけでしばらく這いずっていた。
発生場所は真冬の北海道室蘭だとする物が多い。
童謡「サッちゃん」の都市伝説にも、これに類似した展開がある。
これもほぼガセ。まず列車に跳ねられると高確率で内蔵損傷、全身粉砕骨折などで即死する。即死しなかったとしても意識があることはほぼありえない。
話を聞いた人の所に上半身だけの女性のが笑顔のまま凄まじい速度で追いかけてきて決まった呪文を唱えないと恐ろしい目に合う…というこういった話ではお決まりの設定が付与される場合もある。*3

  • ジェットババア
深夜の高速道路で、自動車を追い越す程の速度で走る謎の老婆。
話によってはターボババア・ターボばあちゃん等と違う名で呼ばれたり、老婆以外の存在だったりとバリエーション豊か。
いわゆる現代妖怪の一つで、その多くは単に人を驚かすだけの無害な類型。

  • 首なしライダー
ある人が毎晩暴走族の暴走行為に頭を悩ませており、懲らしめる目的で道路を横断する形でピアノ線を張った。そこに猛スピードでバイクが突っ込んできて乗っていたライダーはピアノ線で首を切断されて死亡してしまう。しかしバイクだけは首のない主を乗せたまま走り続けた。ライダーは亡霊となり、夜な夜な事件現場付近をさまよい続けている。
この都市伝説にも元になった事故が存在し、暴走族の暴走行為に頭を悩ませていた住民が道路にロープを張ったところ、走ってきたバイクが転倒するという事故が変質したもの。
映画『マッドストーン』や『大脱走』などにも似たような描写が存在する。

  • NNN臨時放送
ある日の深夜、国営放送の放送終了後に、廃墟の写真をバックに人名を列挙したテロップが流れ、最後に「明日の犠牲者はこの方です。おやすみなさい」と表示される、というもの。
画面に表示される人名は受信料未払い者の名前だというバリエーションも存在する。

2ちゃんねる発祥のガセネタだが、1985年の日航機123便墜落事故の犠牲者の氏名読み上げ(1995年の阪神・淡路大震災の際にも類似の放送があったとされる)、1986年の伊豆大島三原山の噴火映像、クロージングで流れるイージーリスニング系の音楽などの記憶がごっちゃになって生まれたという説がある。

  • 白いソアラ
とある中古車販売店に白いソアラが数万円という破格の安値で売られていた。
有名な高級車がたった数万円+諸費用で手に入るということで早々に売れてしまった。しかし暫く経つとまた同じような値段でソアラが店頭に並ぶ、ということが繰り返されていた。
実はこのソアラ、乗った人全員が運転中の事故で首を切断され、死亡しているのである。主人を失ったソアラはまた売りに出され、店先で新たなオーナーを待ち続けるのだ…

現実的に考えて、ドライバーが物理的に首チョンパになるような事態が走行中に起きたら、車の方もただでは済まないだろう。
発祥は不明だが、海外には「呪われたポルシェ」が似たようなストーリーで存在するため、それが日本でローカライズされたものと思われる。舞台は多くが群馬県内の国道沿いであるとされる。
ちなみにソアラはトヨタが発売していた高級クーペ(1981~2005)。発売後、それまでの高級車を凌駕する性能と先進的装備から、ナンパ車として若者の間で大人気車種となっていた。

地獄先生ぬ~べ~」にはこれを元ネタにしたエピソードがあり、ポルシェ911カレラに取り付いた女性の霊を成仏させるべく、ぬーべーが乗り込んで奮闘するというストーリー。
……が、実際は車の運転ができないぬーべーが成仏を手伝う代わりに運転を教えて貰おうとしていたのだった。しかも事情を知らない生徒の活躍で霊の未練が晴らされてしまい……

  • 犬鳴村
福岡県の犬鳴峠の近くにある「犬鳴村」という村に関する伝説。
  • 村の入口に「この先日本国憲法は通用しません」という立て看板がある
  • 日本の行政記録や地図から完全に抹消されている
  • 全ての携帯電話が圏外となる。村の近くのコンビニの公衆電話は警察へ通じない
  • 面白半分で村に立ち入った若いカップルが惨殺された
  • 江戸時代以前から激しい差別に晒された村人は外部との交流を一切拒み、近親交配で子孫を残し、完全自給自足の生活を送っている。
これらは全部ガセ。確かに犬鳴という村はあったが、1691年に福岡藩城下町から人が移り住んで成立した村であり、それ以前は無人。
また犬鳴村とされる場所は現在ダムの底に沈んでいる。

  • 見たら死ぬ絵
特定の絵画作品に、見た者を殺す呪いがかかっているという都市伝説。
「絵の作者は自殺した」「所有者が次々に亡くなっている」などと説明されることもある。
こうした噂のほとんどは裏付けが無く、ガセと判明したものも多い。

中でも有名なのは、「3回見たら死ぬ」とされる、ポーランドの画家ズジスワフ・ベクシンスキーのとある作品*4だろう。
これも根拠不明のガセネタ(発祥は恐らく日本)で、少なくとも2007年頃には広まっていた模様。
作品に退廃的で不気味なものが多いこと、絵の意味付けを極端に嫌った(タイトルすらつけなかった)ために憶測を呼びやすかったこと、ベクシンスキー自身が凄惨な最期を遂げたことなどが、伝説につながったのだと思われる。


犯罪・事件

  • 消えた我が子
遊園地にある親子が遊びに来ていた。しかし子供が迷子になってしまい、あるトイレの前を探していたところ、一組の子供連れが出てきた。髪の毛の色・長さに服装こそ違っていたもののその子供は自分の子供と同じ靴を履いており、まさかと思って声をかけてみたら探していた我が子だった。我が子を連れていた大人は臓器売買目的の誘拐犯で、子供を遊園地内で攫ってトイレへ連れ込み、そこで染髪、散髪を行って違う服に着替えさせていたのである。
舞台の遊園地がディズニーランドとされるパターンもある。

  • 置き去りにされた子供
ノルウェー発祥とされる都市伝説。
幼い子供のいる夫婦が長期旅行に行くため、ベビーシッターに子供を預けることにした。
ところが旅行当日、シッターの車が故障してしまい到着が遅れるという連絡が入る。シッターの到着を待っていたら間に合わない。そう判断した夫婦は子供をベビーチェアに座らせ、裏口のドアを開けて出かけた。
その後シッターが家に到着した*5ものの、風によって裏口のドアが閉じてしまい、中に入れなかった。
夫婦が子供を連れて行ったと判断したシッターはそのまま帰ってしまう。
夫婦が旅行から帰ると、子供は息絶え、死体は腐敗が始まっていた。

ベビーシッター文化が発達している欧米では、このような「シッターが(直接あるいは間接的に)子供を死なせる」という伝説がいくつか流布している。

  • ベッドの下の男
アパートの自室で友人と過ごしていたら、しきりに友人が外へ出たがる。
友人はベッドの下に見知らぬ男が潜んでいるのに気づいていたのだ…。
アメリカ発祥とされる都市伝説だが、日本でも平安時代の説話集に似たような話*6が出てくるため、どうやら昔からよくあるタイプの怪談らしい。

  • ルームメイトの死
ルームメイトと2人暮らしの女性が夜遅くに帰宅し、ルームメイトを起こさないよう電気をつけずに寝た。
朝目覚めると、部屋には殺されたルームメイトの死体と、「電気をつけなくてよかったな」という血文字が残されていた。
女性が帰宅した時点でルームメイトは殺されており、犯人はまだ部屋に隠れていた。もし電気をつけていたら彼女も殺されていただろう…
アメリカ発祥とされる都市伝説で、「忘れ物を取りに部屋を訪ね、後日警察から事件のことを聞く」というパターンも存在する。

  • 人間シチュー
風呂場で突然死した人間が、追い焚き機能で煮られてしまい、シチュー状態になってしまう。
昭和30年に長野県で起きた事件が元になっているという説がある。

ちなみに、古代アステカでは儀式的な意味を持つ「ポゾール」という人肉シチューがあったという。
そして2008年のメキシコで、死体をドロドロに溶かして証拠隠滅する死体始末屋、通称「エル・ポゾレロ」(ポゾールを作る人、英語で言うとシチュー・メーカー)と呼ばれる人物が逮捕された。複数のフィクション作品で彼をモデルにした「エル・ポゾレロ」あるいは「シチュー・メーカー」と呼ばれるキャラが登場している。

  • オウム製アサルトライフル
オウム真理教の施設からAK-47アサルトライフルが押収されたというもの。
そもそもオウムはAK-47は密輸も製造もしていない。
ただしAK-74を密輸・製造しており、押収記録も残っている…が、記録を見る限りどうやら弾薬を製造できずにポシャってしまったようだ。*7おそらくこの話がいつの間にか改変されてしまったのだろう。

  • テロリストのお礼
ある人が困っている外国人を助けた。その人は去り際に「暫くの間、○○には乗らないほうが良い」という一言を残す。後日、その告げられた乗り物でテロ事件が発生し、テロ実行の容疑者が助けた外国人だったというもの。乗り物の他に施設名や地名の場合もある。

  • 当たり屋グループ
都市伝説と言うよりは不幸の手紙やチェーンメールに等しい性格のもの。
「当たり屋グループにご用心」という題のチラシが存在し、そこには車のナンバープレートが列挙され、これらの車と事故を起こした場合はすぐ警察に通報するようにと書かれている。
いくつかは実在する車両のナンバーだったが、大半は存在しなかったり既に廃車となった車のナンバーだったりという怪文書。

  • 訴訟大国アメリカ
確かにアメリカでは訴訟が日本に比べて多いのは事実。だが、その際引き合いに出されるエピソードには都市伝説めいたものも多い。

特によく語られるのは、「電子レンジに猫を入れて温めたせいで猫を殺した飼い主がメーカーを訴えた」と「マクドナルドのコーヒーをこぼして火傷して賠償金3億円」というエピソードだろう。
しかし、前者は完全な都市伝説であり、実際にそのような訴訟があった事実はない。
後者については概ね事実だが、被害者が皮膚移植を必要とするほど重度の火傷を負っていたこと、マクドナルドの裁判での態度がかなり裁判官の心証を損ねたことなどの複合的な原因が重なっての判決であり、決して「コーヒーをこぼしただけ」の事件ではない。また、最終的には和解しているため実際に3億円の賠償金が支払われたわけではないことにも留意。


陰謀論

詳しくは個別項目を参照。

  • アポロやらせ説
アポロ11号に行っておらず、写真や映像はスタジオで撮ったやらせ、というもの。
反論が非常に多く存在し、多くの人にとっては与太話となっているが、これを真面目に支持する人もキリスト教の保守派に多い。

  • 9.11陰謀論
9.11アメリカ同時多発テロ事件はアルカイダのテロではなく、当時支持率が低迷していたブッシュ政権の支持率向上のためにアメリカが自作自演したというもの。陰謀論としては最もメジャー。

「パチンコは北朝鮮の資金源になっていて、打った分はミサイルになって返ってくる」というもの。
実際にはほとんどのパチンコメーカーは日本企業。
仕事の一部を海外に発注していることはあるかもしれないが、北朝鮮の資金源になっているとまで断言するのは言い過ぎ。

地球上はもちろん光年単位の遠方まで一瞬で移動可能な、お馴染みドラえもんのひみつ道具。
どこでもドアの基本技術は既に完成しており、作ろうと思えばいつでも作れるが、自動車などの移動手段を開発している企業が既得権益を失わない様、その一切を封印している……というもの。
この手の陰謀全般に言えるが、「一社でも裏切ってその技術を独占すれば競合他社を全て蹴落とせるのに、既得権益を守るためにそんな強固なカルテルを作り出せるか?」という点に極めて大きな疑問点が残る言説である。


ファンタジー

非常にややこしい事情があり、デマとも真実とも言えないが、「ドラクエが日本において弱いスライムのイメージを確立させた」という意味合いならほぼ事実。
最古のTRPGと言われる『ダンジョンズ&ドラゴンズ(D&D)』の時点では「オーカー・ジェリー」や「グリーンスライム」はそれなりに危険なモンスターと見做されており、最初期から雑魚扱いだったかというとそこまでは断言できない(D&Dの時代は今のTRPGやCRPGとゲームバランスが違うことも考慮する必要がある)。

しかし、ドラクエ以前でも、D&Dを電子化したような存在である「ウィザードリィ」の時点で最弱レベルのスライムは存在しており、「弱いスライムの元祖がドラクエ」という意味合いならばデマと断言していいだろう。
そして日本でスライム=雑魚を決定づけたのはドラクエではなくドルアーガの塔。(ただ、同作のスライムは移動中完全無敵やスペルなどで弱いわけではない)
ドル塔開発者のエベゾーこと遠藤雅伸は「日本版スライムA級戦犯」と自虐的に名乗る事がある。
その後ドラクエで「形がしっかりしているスライム=弱い」というのが定着したというのが真相。

むしろドラゴンにすら匹敵する様々な上位スライムが登場するドラクエはスライム優遇の作品である。

  • 日本刀は技術によって切断する武器だが、西洋のに術は存在せず、力で叩き斬る武器である
西洋剣にも刃は付いているし、「西洋剣術」を使って斬る。
というか「西洋の剣」の範囲はちょっと広くて色々ありすぎる。
その範囲内には確かに叩き斬るヘビー級の西洋剣も存在するが、マンガやゲームでもお馴染みの「細剣・レイピア」や「軍刀・サーベル」を見ればそれだけではないとすぐ分かると思うし、日本刀だって技術だけではなく力はいる(刀剣乱舞でもおなじみ、2mある熱田神宮の太郎太刀などの「そもそもサイズが大きい」ものはそれなりの重量があるため、当然自在に振るにはある程度の力がいる*8)。
因みに創作作品で良く見られる「身の程以上の刀身を持った剣を上段に構える」というのは重心と金属の重量の関係で人間には不可能。

  • 剣よりも鈍器は使いやすく常人でも戦いやすい
上記の都市伝説に関連した伝説。
西洋剣に西洋剣術があるのと同様、鈍器にも「鈍器術」があり、何も習得していない常人が殺人をするのが簡単なわけがない。
ビール瓶と包丁、どちらが殺傷力が高いか等考えるまでもなくわかる事である。
「腕力さえあれば扱える容易な武器」などと言われることもあるが、
術理を知らず力だけで容易に撲殺できるような怪力男はどう考えても常人ではない
詳しくないものを「ない」とか「簡単」と思ってしまうのは人間の悪い癖。
鈍器が強いなら世間の騎士や侍は剣や刀じゃなくて棒を腰に差してる。

一応資料によっては「騎馬兵はランス+剣を携帯しつつ、馬の方にメイスをストックしていて、下馬時にはメイスと剣を使い分けていた」というのもある。
なんで「常人でも戦いやすい」の部分は嘘でも、「使いやすい」の部分は正しい可能性がある。
というのもこの頃は金属鎧が発展していた時期であり、剣では関節部分などの金属が無い部分を狙う必要があるが、
鈍器で殴れば脳震盪を誘発できたので効果的という説があるため。
ただちゃんと鎧下を着るような、完全なプレートアーマーの場合鈍器で殴っても効果が無いという意見もあり、専門家間でも別れている模様。

その後銃の発展により重装鎧が無くなる→ならサブウェポンはメイスでなく剣の方が殺傷力が高いよねで廃れた模様。
いわゆるメタゲーム的サムシングである。

実際に常人でもハードルが低かったのは鈍器ではなく槍と火縄銃で、それも「皆で並んで槍衾を作るだけでなんとかなるので、ガチで振れないと役に立たない日本刀よりはまあ…」「慣れはいる。ただ、弓よりはエイムしやすいので慣れやすい」程度のもんである。
一応日本でも南北朝時代には、剣ではなく棒で戦っていたという記述がある。
こちらも槍と銃によって駆逐されるわけだが。

  • 聖職者は血を流す武器が禁じられているので戦場では鈍器しか使用できない
モデルになった歴史上の事実はあるかもしれないが、全ての聖職者がそうしていたわけではないようだ。
(「歴史上の聖職者」という範囲が広すぎるので、無いと断言することもできないが)
ゲームでは回復魔法を持つ僧侶が剣で高い攻撃力を発揮できたら困るのでバランスの都合。

  • は両手でないと触れないほど重く、片手で扱っても斬れない
刀の種類にもよるが、標準的な日本刀は片手でも触れるし斬れる。
というか片手で斬れなかったら二天一流とかなんなんだという話である。
「両手で持った方がいい(繰り返しになるが、金属の棒である事や重心が体の外側に来る以上、日本刀に限らずあの手の長い刀剣は結構重いし実際の重量よりも重く感じる)」と「両手でないと使えない」は全く違う。
ゲームでも見るバックラーのようなを使った武術がある西洋剣術に対し、日本剣術で盾の存在感が薄いことから、「日本には盾がない→日本刀は片手では扱えない」というイメージで生まれた都市伝説だろうか。

  • 近接武器より飛び道具の方が威力が低い
これも恐らくゲームバランスから生まれたイメージ。
射程が長い攻撃が威力まで高かったらバランスが崩れるから、だろう。
少し調べればわかるが昔から戦争というものは飛び道具が強い事を前提として行われている。
矢は簡単に鎧を食い破ったし、銃の存在は鎧という物自体を過去のものにした。
そして砲弾とまで行けば人が装備出来る物では防御自体が不能である。

  • 貴族の一つ「辺境伯」は名前から田舎貴族として思われているが実は偉い
ファンタジーに登場する辺境伯は辺境=国境を守る領主であり、外敵に対抗するための強力な軍備と高い独立性を持つ高位の貴族であるとされ、
小説家になろう作品やファイアーエムブレム 風花雪月などでも採用されている人気の爵位である。
だが現実でどうだったかというと、「辺境」にも時代や国家によって色々ある、辺境伯を含めた日本語の爵位は訳語の一つであり、海外の爵位に厳密に対応しているわけではないなど、解釈の幅が広く、決め付けるのには少し危険なライン。
広大なヨーロッパで数百数千年単位で使われていた色々な爵位の扱いをにわか知識で扱うのは難しい。
辺境伯を誤解するより「辺境伯は誤解されてるが実はすごいんだぞ」と知識自慢をしてる人を見る方が遥かに多い。

ドワーフ(種族)の項目を読んで欲しいのだが、妖精的な存在だったドワーフは伝承では普通に女も存在し、
それをオッサンやヒゲしかいない種族に設定したのは後世の作家によるもの。美女ドワーフはむしろ原点回帰。


その他・ジョーク

  • 軍事用語に「ゼロ距離射撃」と呼ばれるものは存在せず、正しくは「接射」と呼ぶ
接射の項目を参照。

  • パトカーの廃車
役目を終えたパトカーは真っ黒に全塗装してから解体されるために他の一般車と見分けがつかなくなり、パトカーの解体作業を見かけることが少ない。
これもガセ。車の全塗装をやったことがある人は分かるかもしれないが、あれにも万単位のカネがかかる。ただでさえ予算がそんなに多くない警察が解体されるだけの車両にそんな手間をかける必要がない。

  • 墾田永年私財法は現在でも有効
奈良時代に発布された、新しく開墾した土地の永久所有を認める法律についての噂。
明確に廃止にされたことがないため、半ばジョークとして「現在でも有効」と語られることがある。
実際には、明治維新に伴い旧体制の法律は否定されている、と解釈されるのが一般的。そもそも現行の法律では「誰のものでもない土地」は国有地になると定められているため、墾田永年私財法の対象となる「誰のものでもない(誰でも開墾可能な)未開地」そのものが存在しない。

  • サッカーは元々捕虜の首を用いて行われていた
よくオカルトなどで語られるサッカーの起源の伝説。
信ぴょう性というと、捕虜の首でサッカーというのはあり得るものの起源と言うには根拠が弱い。
そもそも球をける遊びは世界各地に存在し、人の首をける行為が起源と言うのは無理があると言うのが大方の見解である。

午前中に嘘をつき、午後にネタバラシをするのが本来の慣習、という都市伝説。
主に欧米圏で広まったとされる。
幾つかの説*9が存在し、「地域によっては~」とされる場合もあるが、実際の所ハッキリしておらず(そもそもエイプリルフールの起源自体が諸説ある)、
誰かがエイプリルフールでついた嘘かもしれない。

  • 水洗トイレの水は北半球では左回り、南半球では右回りに流れる
慣性力の一種である「コリオリの力」によって、台風は北半球では左に、南半球では右に渦を巻く。
だから水洗トイレや風呂の水の流れも同じなのでは…という説。
映画『大脱出』の劇中で、主人公はこの説を基に自分の現在位置を推理した。

コリオリの力は非常に小さい慣性力なので、水洗トイレのような小さなレベルにはほとんど影響しない。
トイレやバスタブにおける水の流れは、容器のデザインでほぼ左右されている。


個別項目のある都市伝説



概要項目のある都市伝説



アニメ・漫画・特撮・ライトノベルなどの作中で広まっている都市伝説



最後に…信じるか信じないかはあなた次第。
だが信じたとて嘆いてはいけない。
なぜなら、都市伝説があるならば対抗神話もあるのだから。

怖くて眠れなくなった時は、寺生まれのTさんに「破ぁー!」と解決してもらいましょう。
「寺生まれってすげえ」、そう思えるはず。



追記・修正をするかしないかはあなた次第。

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最終更新:2022年08月04日 22:07

*1 似た様な誤解をされているものとしてプラスチック爆弾ことC4がある。これも合成樹脂でできているのではなく、「粘土の様に形を自在に変えられる」という特性からプラスチック爆弾と呼ばれている

*2 「列王記上」第7章23節より『また海を鋳て造った。縁から縁まで十キュビトであって、周囲は円形をなし、高さ五キュビトで、その周囲は綱をもって測ると三十キュビトであった。』文中に出てくる数値の有効数字が一桁であるため、これらの数値から円周率を計算すると3にしかならない。

*3 創作などではこちらの上半身だけの霊という現代妖怪としての扱いの場合も多い

*4 荒野に置かれた椅子の上に、女性の生首が乗っている絵

*5 家に着く前に交通事故で死亡するというパターンもある

*6 『今昔物語集』の「東国より上る人、鬼に値う語」。旅人の一行が空き家を見つけ、そこに泊まろうとするものの、室内に鬼がいることに気づき、「つないである馬の様子を見てくる」と(鬼に聞こえるように)言って逃げ出すという内容

*7 銃に詳しい読者ならご存知だろうが、現代銃の「マトモに使用できる」ライフル弾を作るにはそれなりの技術能力が要求される。工場設備のないオウム拠点では難しかったのだろう。

*8 ただ、「極端に長い・大きい」ものは東西問わず実用するには重すぎるため「最初から奉納品として寺社教会に渡すためだけの非実用品ではないか」とする説もある

*9 「イギリスのオークアップルデー(王政復古の記念日で、午前中だけオークアップルの小枝を身に着ける風習がある)と混同された」という説が有名だが、これも確証はない