都市伝説

登録日:2011/11/27 Sun 02:29:34
更新日:2025/04/25 Fri 19:21:29
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あのね


私の友達のお姉さんが実際に見たらしいんだけどね


アニヲタwikiっていうサイトがどっかにあるらしくてさ


それでね…そのサイトにはね…………









都市伝説とは、主に戦後社会において噂話に尾ひれ背びれが付く形で全国的に広まった俗説・口承のこと。


概要

都市と言えば機能的で明るく快適なイメージがあるが、都市伝説はそれとは対照的に闇の部分で蠢くものにスポットをあてている。

最近の日本では都市伝説=怪談というイメージがあり、実際「消えるヒッチハイカー」「ベッドの下の殺人鬼」「エイズ・メアリー」「白いソアラ」など、知名度が高い都市伝説は怪談が多いのも事実である。
だが都市伝説の本来の意味は「確かな情報源がないにもかかわらず事実のように語られている話」であり、怪談とは言えない話も多い。
例えば日本では知名度が低いが「バースデーパーティー」や「セメント詰めのキャデラック」などは(ブラックユーモア寄りではあるが一応)笑い話であり、
「猫レンジ」「カブトムシの電池交換」「地下鉄の線路は有事の際に自衛隊の戦車が走る」といった、怪談ではないが奇妙な話、
「なんちゃっておじさん」「有名人の死亡説」などの三面記事的な話も数多くある。
また物理学・医学・心理学・化学などに関する俗説や陰謀論も都市伝説とされることがある。

よく誤解されるが、「確かな情報源が示されない」という点が重要で、結果的に実話か創作かはあまり問題にならない。
また、特定の土地に根差した伝承と対比する意味での「都市」であるため、「くねくね」や「きさらぎ駅」のように地方を舞台としたものもある。

中でもアニオタ的に外せないのは漫画アニメに関する都市伝説だろう。
特に「サザエさん最終回」ネタと「ドラえもんの最終回」ネタは二大伝説体系と言ってもいいくらいで、詳細に調べれば相当なバリエーションがあると思われる。
また、ジブリ作品ポケモンもよく都市伝説のネタにされる。

それ以外では、

「ドラえもんの幻の回『タレント』」
クレヨンしんちゃんみさえが死んだ息子を主人公に書いた創作」

などが有名な部類。
他にオタクに関する都市伝説として、
「90年代初頭にとあるテレビ番組がコミケを取材し、その時リポーターが『ここに10万人の宮崎勤がいます』と発言した」
という話がある。
現在でもしばしば「事実」として語られることが多いが、放送時期・番組名・リポーターの名前ともにはっきり語られることがなく(語られてもソースによってバラバラ)、事実かどうかは怪しいとされている。
これを使うと、嘘つきになりますのでご注意ください。

怪談系の都市伝説の場合、小説並みのストーリーが仕立てられている事もあるが、基本的には「あたかも本当にありそうな怖い話」が主流。
アニヲタ的にはリアル都市伝説に遭遇したが記憶に新しい。
「真実を隠すため、大事な部分だけ作り話にしている」と言われることもあり、陰謀論とも相性が良い。
かつては子供たちの間で噂されていたものが雑誌の特集や付録冊子により広がったが、近年はネットの普及によりコピペなどの形で広がっている。



有名な都市伝説の一覧


医療・性

  • ピアス穴から白い糸
ピアス用に耳たぶに穴を空けると白い糸が出てくる。それは視神経で、引っ張ると失明する。
これはガセ。そもそも視神経は耳たぶを通っていない上に太いので、ピアスの穴から出てくることは医学的に有り得ない。ピアスの危険性を誇張した大人が言った嘘が都市伝説として流布したというのが一つの見解。
なおピアス穴から白い糸のようなものが出ることは実際あり、その正体は再生上皮である(「脂肪」としている文献もあるようだが)。ピアス穴と同じ長さだが皮膚なので伸縮性がある。白いといっても剥けた皮程度の白さ。
まぁどっちにしても衛生的にあんまりよくないのでピアスの穴はしかるべきところで空けて貰った方がいい。

余談だが視神経は首にも通っていない。この人のせいでこっちもある意味では都市伝説になっている、かも。


チョコレートを食べ過ぎると鼻血が出る」という有名な迷信。
しかし、これは医学的な根拠がなくガセ。食べ過ぎを防ぐため、チョコレートは栄養が豊富で行き場を失った栄養分が鼻血となって放出されると考えられていたなどの説がある。
なおチョコをたくさん食べた後に本当に鼻血が出たという経験をした人は単に栄養バランスが崩れていただけです。反省しましょう。


  • エイズ・メアリー
海外旅行が好きなとある男性が、バーで出会った一人の女性と意気投合した。
そしてその日の夜、男性は女性をホテルに連れ込み、共に一夜を明かす。
翌日、目が覚めた男性が部屋を見渡してみると、なぜか女性の姿はそこになかった。
ふと鏡を見てみると、そこには真っ赤な口紅で書かれた文字が。
「Welcome to the world of AIDS!(エイズの世界へようこそ!)」

更に男女が逆転した物語もある。こちらは「エイズ・ハリー」と呼ばれ、行きずりで一夜を共にした男性から渡された小箱を帰りの飛行機の中で開けたら、前述のメッセージが書かれた紙と棺桶型のブローチが入っていたというもの。
これらのエピソードはやや誇張が入っているものの、その多くが本当だとされる。
ちなみにイギリス、オーストラリア、カナダ、アメリカの一部、スウェーデン、ドイツ、バーレーン等では自身がエイズ感染者であることを隠してセックスした人間を性犯罪者として取り締まっている*1

エイズ(HIV)の感染を防ぐためには、不特定多数の人と性行為を行わないこと、また性行為に際はコンドームを着用することが重要である。
また、万が一エイズに感染しても、薬を服用し続ければ症状をコントロールできるようになっている。
ただし、現代の医療技術では完治させることは困難なので、きちんと予防することが好ましい。


  • I am AIDS!
とある商社に勤める男性が出張でニューヨークを訪れた時の話。
出発前に同僚から「ゲイにレイプされそうになったら『I am AIDS!(俺はエイズだ!)』と言え。そうすれば助かる」と教わった。
翌日、男性は実際にゲイにレイプされそうになる。とっさに「I am AIDS!」と叫んだものの、レイプ犯は途端に笑顔になり、耳元でこう囁いた。
「Me too.(俺もだよ)」

レイプ犯は黒人であるという設定がついている。黒人に同性愛者が多いという偏見が強かった時代に生まれたようだ。


  • 膝の中のフジツボ
ある時海岸の岩場で転び、膝をフジツボで切って怪我した男がいた。その時は絆創膏を貼るだけで済ませたが、後日膝に違和感を感じるようになり、やがて歩けなくなるほど痛くなった。
病院でレントゲン写真を撮り検査したところ、あの時フジツボの卵が傷口から体内に入ってしまい、そのまま膝の中で繁殖していたことが発覚した。
体内の塩分量と海水の塩分量ではあまりにも差がありすぎてそもそもフジツボが育たないためデマとされる。
なお、皮膚の内側で巻貝が育っていたという事例は実際にあるが、こちらも極めて稀な事例である。。
ただし、岩やフジツボなどに付着した細菌によって傷口が化膿したり、感染症にかかる恐れはある。
破傷風などの命に関わる感染症もある*2ので、野外で怪我をした際は消毒を済ませた後に病院を受診するのが望ましい。
基本的には皮膚科(傷が浅い場合)または整形外科(傷が深い場合や筋肉や骨の損傷が考えられる場合)を受診しよう。
また、傷口を海や川の水などで洗うことは非常に危険であるので控えること。


  • 天然痘の予防接種を発明したエドワード・ジェンナー医師は、最初に自分の息子でワクチンの実験をした
ジェンナーが最初に牛痘を摂取して天然痘を防げないか試したのは、使用人の息子であるフィリップスという8歳の少年であり、最初に自分の息子で実験をしたのではない。
明治時代に日本に伝わった情報に誤りがあったそうだが、いかにも「美談」的な都市伝説である。まぁそれにしたって現代の価値観では自分の息子を実験台にするなよという話ではある
ちなみに牛痘による種痘以前に「本物の天然痘(人痘)をそのまま元気な時にわざとかかり、治るまで安静にする」という荒療治の免疫取得方があり、
「これをイギリスに伝えたメアリー・モンタギューが(情報源のトルコではすでに行われてた方法とはいえ)自分の娘を人痘接種の実験台にした」という記録はある(1721年)。
ジェンナー自身も牛痘を知る前に自分の子供に人痘接種の方をやっているが、もう人痘接種がイギリスにもたらされてから半世紀以上が立っていたので「実験台」ではない。
ちなみに、日本では世界初の全身麻酔手術を成功させた華岡青洲に似たような美談(娘と妻が実験台になって完成させた)があり、これを基にした小説・映画が刊行されたが、こちらも明確な資料が見つかっていない。


  • 赤玉
「男性は限界まで射精すると『打ち止め』の合図として尿道から赤色の玉が転がり落ち、以降一生涯に渡ってEDとなる」というもの。
精液に血液が混じる何等かの病気説やパチンコで打ち止めの合図として赤色のパチンコ玉が出た事に由来する説など、謂れは諸説あるが何にせよ俗説であり「赤玉」に医学的根拠は無い。

令和の現代で本気で赤玉を信じている人は少ないと思われるが、「射精量の極限」を象徴する例えや表現として定着した感があり、その手の作品のタイトルや謳い文句に使われる事も少なくない。
またこの赤玉説をモチーフとした『クピドの悪戯 虹玉』という漫画がある。


食品

某有名チェーン店のパティは食用ミミズを使っているという噂。
ジャンクフード大国のアメリカで広まった都市伝説であり、1970~80年代にかけて大手ハンバーガーチェーン店に対する誹謗中傷として広く流布された。
食用ミミズ自体は存在するがとても高価であり、生産から加工までの技術が確立された牛肉の方がコストがかからないため、ミミズでパティを作っているというのはデマである

ミミズを美味しく食べるには、体内の土・糞を取り除いたり、独特の臭みを消したりする必要があるため、下処理が非常に難しく費用もかさんでしまう。
ある雑誌が誌上企画でミミズを使ってハンバーガーのパティを作ったものの、不味くてとても食えた代物にならなかったという話もある。
ネット上でも同種の記事や動画が公開されているが、肝心の味は賛否両論あるものの、下処理に手間がかかるという意見は概ね共通している。

牛肉は高額という印象や、製造工程でひき肉が機械から細くニュルニュル出てくる様子がミミズのように見えたことから広まったのではないか、とも言われている。
映画『THE WORM EATERS』の邦題が『ミミズバーガー』なのはこの噂のせい*3

別パターンとしてネズミの肉が使われているという話もある。


  • ファストフード店のハンバーガーは腐らない
ハンバーガーは保存料を大量に使っているから腐らない」というものだが、これも少し考えたらおかしいことがわかる。
そもそもハンバーガーの材料は、工場で大量生産された後、即座に冷凍or無菌パックされて店に配達され、調理後はすぐに食べることが前提になっている。
というか日本の法律で外食店は食品衛生管理者が責任持って作った料理を完成してすぐに客が食べる前提になっているので消費期限を提示する義務はない。
レストランで出てきた料理に消費期限が書かれていた ことがある人はおそらくいないだろう*4
テイクアウトもそこから長くて2、3時間で食べるのが大前提でそれを過ぎて腐らせてもそいつの自己責任。
数時間持てばいい食物に保存料を使用する理由が全くないのだ。
ファストフード店も営利企業なので、意味のない材料を入れて無意味にコストを引き上げるようなことをやるわけがない、というのは誰でもわかることだろう。

「長期間保存しても腐らなかった」というような実験結果もあるが、実際のところ、高温で加熱殺菌された後、乾燥された場所に置いておけばハンバーガーに限らず保存料なしでも割と腐らないものである。


  • マーガリンの危険性
「マーガリンが含むトランス脂肪酸と呼ばれる成分は人工物質であるため健康に悪い」
「マーガリンは言わば『食べるプラスチック』である」
「マーガリンは腐らない。腐らないのは危険な物質を使っているからだ」
……などと言われる。

まずトランス脂肪酸は全てが人工物質ではない
牛や羊などの体内でも生成されており、牛乳やバターにも含まれている。ただし含まれているトランス脂肪酸である共役リノール酸は心血管疾患のリスクにはならない。
それに対して工業生産された油脂の含まれる種類のトランス脂肪酸は心血管疾患のリスクになる。
人工物質であるためという理由ではないが、人工のトランス脂肪酸が健康に悪いのは事実なので、正しくはないが遠からずではある。
そのため2003年以降、WHOがトランス脂肪酸の摂取を控えるよう呼び掛けている。
そして当時は日本でも、毎日1食はファーストフードという食生活だと基準値をオーバーしやすかった。
しかし、日本国内の企業も2006年以降にトランス脂肪酸低減化に大きく取り組んでおり、マーガリンも昔に比べてトランス脂肪酸の含有量が減っている。(2006・2007年度調査:100g中8.7g)(2014・2015年度調査:100g中0.99g)
ちなみに、油脂含有率80%以上のマーガリン類がマーガリンであり、油脂含有率80%未満のマーガリン類はファストスプレッドに分類されており、家庭用のマーガリン類はほとんどマーガリンではなくファストスプレッドである。ファストスプレッドはマーガリンより油脂が少ないのでトランス脂肪酸も少ない。(2006・2007年度調査:100g中6.1g)(2014・2015年度調査:100g中0.69g)
なおトランス脂肪酸摂取量はマーガリンよりもパン・焼き菓子・揚げ物などに使われるショートニングの方が主になっている。
しかし、2006・2007年度調査:100g中12gだったのが、2014・2015年度調査:100g中1.0gに10分の1以下まで低減化され、さらにショートニング自体の使用をやめたり減らしたファーストフード店も多く、摂取量の様相はかなり変化している。
常識的な摂取範囲であれば健康にリスクを及ぼす様な事態にはなりにくい。
他の多くの添加物と同じく「そればかり毎日山の様に食べなければ問題ない」類である。

「マーガリンはプラスチックである」という主張は、 事実と言えば事実 である。
しかし当然ながら マーガリンは「石油から作られる合成樹脂(ベークライト)」ではない
そもそも「Plastic」の原義は「可塑性」、即ち 「熱や外力によって形を自在に変えられ、変わったら勝手に元に戻らない」 ことを指す。
例えばアメコミに『プラスチックマン』がいるが、これも身体に可塑性がある=伸縮変形自由自在のヒーローなんだよ、以上の意味はない。
なので、マーガリンのみならずバターも味覇も食べるプラスチックといえば食べるプラスチックという事になる*5

マーガリンが腐らないのは当然である。そもそも 油は腐らない
腐らないのはサラダ油もごま油もオリーブオイルも同じである。
酸化による劣化は起こるが、これもまたマーガリンに限った話ではなく油全般に言える事である。

総じて、マーガリンに格別の危険性は無いと言える。勿論食べ過ぎは良くないかもしれないが。


事実が曲解されて伝わっている都市伝説。
使われたのはコカインではなく、その原料となるコカの葉である。

コカインが禁止薬物として扱われているのに対し、原料にあたるコカの葉は似ているようで異なる用途に使われていた。
こちらは直接噛むことで精力を得られるもので、ちょっとした嗜好品程度のものだったという。
危険性も白人に見つかった当初から指摘されてはいたものの、20世紀までは問題なく流通していた。これは現在の日本において「大量摂取は危険だけどギリギリ嗜好品の範疇」としてストロング飲料やエナジードリンクが許されているのに近いだろうか(前者は一部企業が自主規制したが)。
しかしここから快感を得る物質だけ抽出したコカインが発明された結果、原料も流通させるわけにはいかなくなり、コカの葉も全面禁止となった。

そういうわけで、真相はクスリの快感で強引に客を釣っていたといったスキャンダラスなものではなく、単なる刺激的な嗜好品をコーラの原料に使っていたというだけの話である。


  • 鰹節は世界一硬い食品としてギネスに登録されている
そもそも「世界一硬い食品」という項目がギネスブックに存在しない
最も固い合金や木材などはギネスに載っているのだが、食品となると人の手で意図的に硬く作ることができてしまうためギネスの認定基準には適さないのだ。
「普通に食べることを前提とした食品の中で最も硬い」とするにしても、「どうやって普通に食べる状態とそうでないものを区別するのか?」という問題が発生する。

「鰹節のモース硬度*6は7〜8」などというもっともらしい話も出回っているが、実際には特に硬いとされる本枯節ですら2〜3。
一般的な鉄の硬度は焼きを入れた硬いもので5〜7程度なので、本当に7〜8だとしたら刃が鉄製の鰹節削り器で削れる時点でおかしいことになってしまう。


  • 味噌ラーメンの起源は「豚汁にラーメンを入れてほしい」という客からの注文
札幌の味噌ラーメン発祥の地「味の三平」における味噌ラーメンの誕生秘話としてよく知られている話だが、「味の三平」創業者にして開発者の大宮守人の息子である二代目店主はこの説を否定している。
味の三平公式サイトにはズバリ「都市伝説」というコラムが載っており、それによると味噌汁をヒントに大宮が自分で開発したもので、客のリクエスト説を見る度に首を傾げていたとしている。
開発過程で試作品を常連客に出して意見を募っていたという情報もあり、ここから情報が独り歩きしたものと思われる。


  • すしざんまいの社長はソマリアの海賊が釣ったマグロを買い取り、現地の治安向上や雇用の促進に貢献した
ソマリアの話が出ると少なからず挙げられる話で、社長自らがエピソードを語っていたこともあって多くのメディアで語られていたが、そもそもこの話は多くの間違いがある。
(1)すしざんまいの社長が向かったのは全土に退避勧告が出されているソマリアではなく隣国のジブチ。日本大使館だけでなく各国の軍隊が駐留しており、治安に問題が無くはないがソマリアに比べて遥かに安全である。
(2)ソマリアの海賊達が真面目に働き治安が回復したのは現地の自助努力によるもので、すしざんまいは無関係。
(3)ジブチで社長が行ったのは漁船の供与で、漁業の技術を教えた訳ではない。

すしざんまい本社のHPにも「ソマリアで海賊を撲滅した、という話が広まっていますが、正しくは現地で海賊が生まれる原因をなくし、海賊をしていた彼らが今後暮らしていくための手助けをしました。」と話にかなりの後退が見られる。
ソマリアとジブチは歴史的な経緯の違いがあるもののどちらもソマリ人による国であることや、舞台となる地が「ソマリア沖」であることが語り手の社長を含めた多くの人に誤解をさせたものと思われる。
とはいえすしざんまいの社長が現地の海賊を憂慮していたことは事実であり、ジブチ政府から勲章を授与されたことからも現地にとっては良い結果を生み出していると言えよう。


  • 津波や海難事故で大量の人間が海中に沈むとその地域の海産物が豊漁になる
何らかの理由で大勢の人間が海の藻屑になると、翌年はその海域の魚などがたくさん増える。
これは魚たちが遺体を食べて通常より栄養を取ったためなのでその海産物を食べてはいけない、というもの。
多少趣味の悪い仮定になるが、東日本大震災で津波による行方不明者、つまり遺体すら見つからず海に沈んだと思われる方の人数は約2500人である。
少し多めにして3000人×60kgとすれば遺体の質量は180トン、魚の養殖で体重を1kg増やすには約1.1kgの餌が必要とされるので
遺体を無駄なく魚たちが食べ尽くしたとしてもその分で増える体重は164トンなのだが、
宮城や三陸沖の漁港での年間水揚げ量は一つの港や一つの魚種に絞っても 数千や数万トン なので
遺体をまったく食べていないとは断定できないが、 仮に食べていたとしても誤差として切り捨ててもいい少量である。
東日本大震災は未曾有の津波災害なのでそれ以外の津波や海難事故の犠牲者数は桁一つ減ってしまう。
津波などの後に豊漁になる、少なくとも漁獲量や漁獲される魚の種類が変わるというのは漁師の経験談で多いのだが
少なくとも「遺体」という少数のタンパク質よりは 海底に広く沈滞している土壌成分が津波で引っ掻きまわされてかき混ぜられる効果 の方が大きいとされている。
少なくとも飛騨川バス転落事故(1968年発生)の際にこれを前提としたデマによる風評被害(要するに本事故の遺体を食べた魚が水揚げされているという誤解)*7が報告されているため、食品・料理関連の都市伝説の中では比較的古いものであるようだ。

教育

ゆとり教育批判でよく使われる。「2002年以降、小学校では円周率を3として教育するようになった」というもの。
正しくは 「手計算の場合、簡略化のために時と場合によって近似値の3を用いても良いとする」 であり、「円周率を3と教育している」訳ではない。

このようなデマが広がったのは、1999年に大手学習塾「日能研」が、
ウッソー!? 円の面積を求める公式
半径×半径×3!?
2002年、小学5年生は円周率を3.14ではなく、「およそ3」として円の求積計算を行います。ホントです。
(中略)
新学習指導要領の問題点は、これだけに留まりません。 2002年以降、小学校に限らず中学校でも、子どもたちの基礎学力は確実にレベルダウンしています。
だからこそ、 我が子の将来につながる中学校を選び取るための学力をそなえること は、もはや時代の必然と言っても決して過言ではありません。
といった広告を打ち出し、マスコミもこれを取り上げたため。

科学計算であれ作図であれ、計算で円周率のような無限小数を扱う場合、
計算方法や必要な計算速度・精度に合わせて小数点以下何桁まで使うかを吟味しなければならないのが実態である。
そもそも円周率は「3.14」ではない以上、「素早く計算したい時・ざっくりで構わない時すらも円周率を3.14とする」のは、
「精度を求めていて偉い」というより寧ろ杓子定規というものである。
それを考慮すれば2002年以降の「状況に応じて円周率の近似値を使い分けよ」とする方針は、
従来のものよりもレベルダウンどころかレベルアップしているとも言える。
日能研の広告内容は普通に受け取って誇大広告、良く取ればミスリード、悪く取れば虚偽・詐欺である。

何にせよ、「円周率は3」はゆとり教育・ゆとり世代を批判する上で非常に使い勝手が良い事もあり、事実の訂正は中々広まっていない。


  • アメリカの一部の州では、聖書を根拠として円周率を3と教えている
円周率は3」アメリカ版。非営利団体「New Mexicans for Science and Reason」が1998年4月1日に発行したニュースレターのエイプリルフール記事が元ネタであると判明している。
当時アラバマ州は進化論を学校で教えないとする州法案を議会で審議中であり、それに同団体のマーク・ボスローが反発して書いたネタだったのだが、ネットを回っているうちに事実だということにされてしまったようだ。

「円周率は3」の根拠になるであろう箇所は旧約聖書の「列王記上」第7章23節にある。
また海を鋳て造った。縁から縁まで十キュビトであって、周囲は円形をなし、高さ五キュビトで、その周囲は綱をもって測ると三十キュビトであった。
数学的には、文中に出てくる数値の有効数字が一桁であり、これらの数値から円周率を計算すると3にしかならないため、まさしく円周率を3で近似しても良い事例と扱われる。
しかし、そもそも聖書は教えや倫理について記載された本*8であって科学書ではないため、「聖書の数値から科学的な何かを算出する」という行為自体が不適切な目的外使用であるとする見方もある。


  • 手をつないでゴール
現代の小中学校の運動会では、ゆとり教育に因む「順位を付ける」事への忌避感や最下位になった子供への配慮から、
駆けっこに参加した子供たちを手をつないで同時にゴールさせ、「全員一位」とするのが全国的に一般的、というもの。
似たようなパターンで「学芸会で女子は全員シンデレラ、男子は全員王子を演じる」などというものもある。
上記の円周率の件と同じく、ゆとり世代を批判する意味合いで多用される噂。

実のところ具体的な実施例や目撃情報に関する報告がほとんど無く、デマか、実際にあったとしても一部地域・一時的なものだったと考えられる


妖怪・怪人

2000年代頃からネット上で囁かれ始めた都市伝説。
水田や海岸などで体を左右にくねらせるという、白または黒っぽい色をした人型の怪物。
これを見た者は精神が崩壊し、廃人になってしまうといわれている。

東北地方や北陸地方で目撃情報が報告されているが、いずれも真偽は不明。
一説には熱中症や精神病のために見る幻覚ではないかとする意見も。


人間の顔を持ち、人間の言葉を話す犬がいるという都市伝説。
話のバリエーションも様々で
  • 繁華街でゴミを漁っていたところに声を掛けると「ほっといてくれよ」「うるせえな」といった一言を残して立ち去る
  • 深夜の高速道路で猛スピードで疾走し、追い抜かれた車は事故を起こす
  • 人面犬に噛まれると犬になってしまう
などが語られる。

その発祥は
  • ティーンエージャー向けの雑誌編集部とジャーナリストが結託し、その雑誌に寄せられた読者投稿に尾ひれを加えて広めた
  • とある俳優の仲間内で冗談として話していた内容をあるラジオDJが耳にし放送で取り上げた
  • とある放送作家が以前お笑いコンビを組んでいた時の相方が広めた
などがある。
更に江戸時代にも、人の顔を持つ子犬が産まれたという話があったとか。
近年でも『妖怪ウォッチ』などに登場しアニメ版での扱いはお世辞にも良くはないが…、メディア媒体としての扱いは概ね近代妖怪の代表例である事が多い。


  • テケテケ
昔、真冬の鉄道事故で上半身と下半身が真っ二つになってしまった女性がいた。
しかし、寒さで出血が少なかったうえ、血管が寒さで収縮して出血が止まり、奇跡的に生き延びて上半身だけでしばらく這いずっていた。
やがてその女性は死亡し、誰にも助けてもらえなかった恨みから上半身だけの亡霊となり今も彷徨っているという有名な都市伝説。
発生場所は真冬の北海道・室蘭市だとする物が多い。
童謡「サッちゃん」の都市伝説にも、これに類似した展開がある。

これもほぼガセ。まず列車に跳ねられると高確率で内蔵損傷、全身粉砕骨折などで即死し、ひどい場合は全身がバラバラになる。
即死しなかったとしても意識があることはほぼありえない。
…とされているのだが、「日本昭和トンデモ事件大全」という本では「1935年5月19日午後10時頃、東京都でホステスの女性が電車に飛び降り自殺したが、上半身だけで5時間生存し、自分で自殺の経緯を語った後死んだ」という事件が紹介されており、事実ならばテケテケのモデルとして有力な可能性は高い。
ただ、ここまで日時と場所と事件の詳細がわかっている割にはこの本以外では検索しても全く情報が出てこないため、本当にあったことかどうかは不明。

話を聞いた人の所に1週間以内に上半身だけの女性が現れ、決まった呪文を唱えないと恐ろしい目に合う。
…というこういった話ではお決まりの設定が付与される場合もある。


  • ターボばあちゃん
深夜の高速道路で、自動車を追い越す程の速度で走る謎の老婆。
話によっては「ターボババア」や「ダッシュババア」、「ジェットババア」と違う名で呼ばれる。
車の窓を叩き割り、乗っている人を棺桶に入れて墓へ連れ去るなど、話のバリエーションは豊かである。
似た妖怪に道路を自転車で疾走する「高速サラリーマン」や、某県のトンネルに現れるという「ジェットジジイ」などがいる。


  • 首なしライダー
ある人が毎晩暴走族の暴走行為に頭を悩ませており、懲らしめる目的で道路を横断する形でピアノ線を張った*9
そこに猛スピードでバイクが突っ込んできて乗っていたライダーはピアノ線で首を切断されて死亡してしまう。
しかしバイクだけは首のない主を乗せたまま走り続けた。
そのライダーは首なしの亡霊となり、夜な夜な事件現場付近をさまよい続けている。


  • 赤マント
昭和15年頃に生まれたとされる都市伝説。
赤いマントを着た背の高い男が、道を歩いている少年少女をマントに包んでどこかへ連れ去ってしまうというもの。
「青マント」や「黒マント」といった、よく似た都市伝説も多数ある他、以下のようなバリエーションが存在する。
  • 「赤いマントはいらんかね?」と聞かれたときに、「いらない」と答えると、背中を刀で突き刺され、血を流しながら赤いマントを着ているようになって死亡する
  • 道を歩いている人に襲いかかり、首に噛みついて血を吸う
  • 「頭と腕と脚、どれがいい?」と聞かれ、答えてしまうと、その部位を切断されて死ぬ

明治39年に福井県で実際に発生した「青ゲットの殺人事件」が元ネタとされる。
また、陸軍将校の青年達のマント姿が、当時の子ども達の目に怪人として映ったのではとする考察も。


  • スプリング・ヒール・ジャック(バネ足ジャック)
1830年代頃からイギリスのロンドンで目撃され始めた怪人で、以下のような特徴がある。
  • コウモリのような羽のついたマントを着ている
  • 頭には角のような装飾が施されたヘルメットらしきものを被っている
  • 手の爪は鉤爪のように鋭い
  • 目は真っ赤
  • 口からは炎を吐き、甲高い声で笑う
  • 飛ぶように移動する

ジャンプ力が非常に高く、屋根から屋根へ飛び移って警察の追跡を振り切ったという目撃情報もある。
女性を誘拐して服を無理やり剥ぎ取ったり、口に炎を浴びせるといった変態チックけしからん行為を繰り返していたという。
1904年の目撃を最後に出現しておらず、正体については様々な説があるが真相は不明。

ちなみに、名前の「ジャック」とは本名ではなく、海外で姓名不明の男性につける俗称の一種。日本で言う「名無しの権兵衛」みたいなものである。
後にロンドンを震撼させることになる著名な殺人鬼にも「ジャック」の名がつけられている。


  • マッドガッサー
1933年の12月22日、アメリカのバージニア州・ヘイマーカータンで、街中に突然甘い臭いのするガスが充満するという出来事が発生した。
それを吸った人々はひどい喉の痛みやめまい、吐き気に襲われ、意識を失う者もいたという。
これと同時に、近隣では全身黒い服に身を包んだ謎の人物が目撃されていた。
同様の事件は数ヶ月に渡って発生し、「筋肉質の男が逃げ去るのが見えた」「女性物の靴の跡があった」などの情報が報告されたが犯人は特定されず、やがて事態は収束していった。

……かに思われた。
それから11年が経過した1944年の9月1日、今度はイリノイ州のマトゥーンでよく似た事件が起きた。
今回も、事件と同時に黒服の人物が目撃されており、ナチスの工作員の仕業だと騒ぎになった。
真相についてはアメリカ政府の人体実験、異次元から来た人物、集団ヒステリーなど様々な説がある。


怪談

  • NNN臨時放送
ある日の深夜。男性がテレビをつけると、国営放送の放送終了後に何故か廃墟(またはゴミ処理場)の写真をバックに人名を列挙したテロップが流れた。
そして最後は暗い画面に「明日の犠牲者はこの方々です。おやすみなさい」という文字が表示された。

2ちゃんねる発祥のガセネタだが、1985年の日航機123便墜落事故の犠牲者の氏名読み上げ(1995年の阪神・淡路大震災の際にも類似の放送があったとされる)、1986年の伊豆大島三原山の噴火映像、クロージングで流れるイージーリスニング系の音楽などの記憶がごっちゃになって生まれたという説がある。
またとちぎテレビなどのローカル番組では、「局の管内におけるおくやみ情報」、つまり亡くなった方のプロフィールを読み上げる番組を定期的に放送することがある。
旅行などで訪れた際に視聴した人が(地元では考えられないような内容だったため)元ネタにした、あるいは間違って記憶してしまった可能性は十分考えられるだろう。

余談だが、「NNN」というのは日本テレビをキー局とした民放ニュースネットワークであり、国営放送という形態も日本の放送事業者には存在しないNHKは公共放送)。

  • 白いソアラ
とある中古車販売店に白いソアラが数万円という破格の安値で売られていた。
有名な高級車がたった数万円+諸費用で手に入るということで早々に売れてしまった。しかし暫く経つとまた同じような値段でソアラが店頭に並ぶ、ということが繰り返されていた。
実はこのソアラ、乗った人全員が運転中の事故で首を切断され、死亡しているのである。
主人を失ったソアラはまた売りに出され、店先で新たなオーナーを待ち続けるのだ…。

ソアラというのはトヨタ自動車が1981年に発売したクーペモデル。それまでの高級車を凌駕する性能と先進的装備から、メーカーの予想*10に反しナンパ車として若者の間で大人気車種となっていた。

現実的に考えて、ドライバーが物理的に首チョンパになるような事態が走行中に起きたら、車の方もただでは済まないだろう。そもそも大半の車はドライバーの頭頂部より上までフロントウインドウやルーフが回っている。
発祥は不明だが、海外には「呪われたポルシェ」が似たようなストーリーで存在するため、それが日本でローカライズされたものと思われる。舞台は多くが群馬県内の国道沿いであるとされる。
地獄先生ぬ~べ~』にはこれを元ネタにしたエピソードがあり、こちらでは良くも悪くもぬ~べ~らしい・鵺野先生らしい結末が用意された。


  • 犬鳴村
福岡県の犬鳴峠の近くにある「犬鳴村」という村に関する伝説。
  • 村の入口に「この先日本国憲法は通用しません」という立て看板がある
  • 日本の行政記録や地図から完全に抹消されている
  • 全ての携帯電話が圏外となる。村の近くのコンビニの公衆電話は警察へ通じない
  • 面白半分で村に立ち入った若いカップルが惨殺された
  • 江戸時代以前から激しい差別に晒された村人は外部との交流を一切拒み、近親交配で子孫を残し、完全自給自足の生活を送っている。

これらは全部ガセ。確かに犬鳴という村はあったが、1691年に福岡藩城下町から人が移り住んで成立した村であり、それ以前は無人。
また犬鳴村とされる場所は現在ダムの底に沈んでいる。

しかし、中には実際に犬鳴峠の付近で心霊現象を体験したという人もおり、真偽は不明。


  • 見たら死ぬ絵
特定の絵画作品に、見た者を殺す呪いがかかっているという都市伝説。
「絵の作者は自殺した」「所有者が次々に亡くなっている」などと説明されることもある。
こうした噂のほとんどは裏付けが無く、ガセと判明したものも多い。

中でも有名なのは、「3回見たら死ぬ」とされる、ポーランドの画家ズジスワフ・ベクシンスキーの「荒野に置かれた椅子の上に、女性の生首が乗っている絵」だろう。
これも根拠不明のガセネタ(発祥は恐らく日本)で、少なくとも2007年頃には広まっていた模様。

作品に退廃的で不気味なものが多いこと、絵の意味付けを極端に嫌った(タイトルすらつけなかった)ために憶測を呼びやすかったこと、ベクシンスキー自身が凄惨な最期を遂げたことなどが、伝説につながったのだと思われる。


犯罪・事件

  • 消えた我が子
遊園地にある親子が遊びに来ていた。
しかし子供が迷子になってしまい、あるトイレの前を探していたところ、一組の子供連れが出てきた。
髪の毛の色・長さに服装こそ違っていたもののその子供は自分の子供と同じ靴を履いており、まさかと思って声をかけてみたら探していた我が子だった。
我が子を連れていた大人は臓器売買目的の誘拐犯で、子供を遊園地内で攫ってトイレへ連れ込み、そこで染髪、散髪を行って違う服に着替えさせていたのである。
舞台の遊園地がディズニーランドとされるパターンもある。


  • 置き去りにされた子供
ノルウェー発祥とされる都市伝説。
幼い子供のいる夫婦が長期旅行に行くため、ベビーシッターに子供を預けることにした。
ところが旅行当日、シッターの車が故障してしまい到着が遅れるという連絡が入る。シッターの到着を待っていたら間に合わない。そう判断した夫婦は子供をベビーチェアに座らせ、裏口のドアを開けて出かけた。
その後シッターが家に到着した*11ものの、風によって裏口のドアが閉じてしまい、中に入れなかった。
夫婦が子供を連れて行ったと判断したシッターはそのまま帰ってしまう。
夫婦が旅行から帰ると、子供は息絶え、死体は腐敗が始まっていた。

ベビーシッター文化が発達している欧米では、このような「シッターが(直接あるいは間接的に)子供を死なせる」という伝説がいくつか流布している。


  • ベッドの下の男
ある女性が自室で友人と過ごしていた。
夜中、電気を消して眠りにつくが、なぜか友人は「コンビニでも行こう」と言い出す。
理由を聞いてもとにかく「外へ出よう」の一点張り。
仕方なく外へ出ると、友人は慌てた様子で自分が寝ていたベッドの下に見知らぬ男が潜んでいたと説明する。

アメリカ発祥とされる都市伝説だが、日本でも平安時代の説話集に似たような話*12が出てくるため、どうやら昔からよくあるタイプの怪談らしい。


  • ルームメイトの死
ルームメイトと2人暮らしの女性が夜遅くに帰宅し、ルームメイトを起こさないよう電気をつけずに寝た。
朝目覚めると、部屋には殺されたルームメイトの死体と、「電気をつけなくてよかったな」という文字が残されていた。
女性が帰宅した時点でルームメイトは殺されており、犯人はまだ部屋に隠れていた。もし電気をつけていたら彼女も殺されていただろう…。

アメリカ発祥とされる都市伝説で、「忘れ物を取りに部屋を訪ね、後日警察から事件のことを聞く」というパターンも存在する。


  • 人間シチュー
風呂場で突然死した人間が、追い焚き機能で止まることなく煮られてしまい、シチュー状態になってしまうというグロい話。
昭和30年に長野県で起きた事件が元になっているという説がある。

ちなみに、古代アステカでは儀式的な意味を持つ「ポゾール」という人肉シチューがあったという。
また2008年のメキシコで、死体をドロドロに溶かして証拠隠滅する死体始末屋、通称「エル・ポゾレロ」(ポゾールを作る人、英語で言うとシチュー・メーカー)と呼ばれる人物が逮捕されるという事件も起きている。


  • オウム製アサルトライフル
オウム真理教の施設からAK-47アサルトライフルが押収されたというもの。
そもそもオウムはAK-47は密輸も製造もしていない。
ただしAK-74を密輸・製造しており、押収記録も残っている…が、記録を見る限りどうやら弾薬を製造できずにポシャってしまったようだ。*13
おそらくこの話がいつの間にか改変されてしまったのだろう。


  • 偽の警察官
マンションに住む女性が、ある日黒い服を着た男とすれ違う。
翌日、女性のもとに制服警官が訪ねてきて、「昨日、この付近で殺人事件があったのですが、何か知っていることはありませんか?」と聞いてきた。
女性はすれ違った男のことを思い出したが、見ていたTVが気になったので、とりあえず「知りません」と答えた。
警官はなぜか安心した様子でその場を去った。
それから数日後、殺人事件の容疑者が逮捕されたというニュースが流れた。
その犯人は、なんとあの警官と同じ顔。
犯人は警官に変装して聞き込みを行い、事件について何か知っている人がいたら口封じに殺そうと考えていたのだ。

この手の聞き込みは通常、制服警官ではなく刑事が2人1組で行うことがほとんど。
そして実際の警官は必ず警察手帳の顔写真がある面を提示して身分を明らかにする上、何か思い出した場合の連絡先として名刺を渡して帰る。
ゆえにこの警察官が偽物なのは明白……というツッコミに対応するためか、スーツ姿で刑事を名乗り偽の手帳を見せたとするパターンもある。
こちらの場合は見破るのが困難であり、現実にあってもおかしくない怖さがあると言えよう。


  • テロリストのお礼
ある人が困っている外国人を助けた。
その外国人は去り際に「しばらくの間、地下鉄には乗らないほうが良いですよ」という一言を残す。
後日、その告げられた地下鉄でテロが発生し、テロの実行犯が助けた外国人だったというもの。
いくつかパターンがあり、鉄道や飛行機と言った乗り物の他に施設名や地名の場合もある。


  • 当たり屋グループ
都市伝説と言うよりは不幸の手紙やチェーンメールに等しい性格のもの。
「当たり屋グループにご用心」という題のチラシが存在し、そこには車のナンバープレートが列挙され、これらの車と事故を起こした場合はすぐ警察に通報するようにと書かれている。
いくつかは実在する車両の
ナンバーだったが、大半は存在しなかったり既に廃車となった車のナンバーだったりという怪文書。

  • 事故物件は間に他の入居者を挟むと告知義務がなくなる
「事故物件消しのアルバイト」という都市伝説も合わせて語られることがあるが、少なくとも現在は事実ではない。
事故物件は法的には「心理的瑕疵物件」と称されるが、告知義務は「事案発生から3年以内に入居する場合」とガイドラインにハッキリ明記されており、これ以外に告知義務がなくなるケースはない。
ただ、このガイドラインの制定は令和3年のことであり、それ以前には告知義務こそあったものの、「どのぐらいの事案から告知するべきか」「いつまで告知するべきか」は慣例でやっていた部分があるため、一部の不動産屋でそのような基準で運用されていたケースはあるかもしれない。
なお、ガイドライン制定以前は逆に言えば「建物が消失するまで告知義務は存在し続ける」と強弁することも可能であったため、仮に告知されなかった入居者が不動産屋を訴えた場合ほぼ100%負けていたらしい(とはいえ、実際には事故物件とわかっても泣き寝入りか黙って引っ越すケースがほとんどで、訴えられた不動産屋はほぼいなかったとか)。


  • 訴訟大国アメリカ
確かにアメリカでは訴訟が日本に比べて多いのは事実。だが、その際引き合いに出されるエピソードには都市伝説めいたものも多い。

特によく語られるのは、
「電子レンジに猫を入れて温めたせいで猫を殺した飼い主がメーカーを訴えた」と
「マクドナルドのコーヒーをこぼして火傷して賠償金3億円」というエピソードだろう。
しかし、前者は完全な都市伝説であり、実際にそのような訴訟があった事実はない。

後者については概ね事実だが、被害者が皮膚移植を必要とするほど重度の火傷を負っていたこと、
マクドナルドの裁判での態度がかなり裁判官の心証を損ねたことなどの複合的な原因が重なっての判決であり、
決して「コーヒーをこぼしただけ」の事件ではない
また、最終的には和解しているため実際に3億円の賠償金が支払われたわけではないことにも留意。


陰謀論

詳しくは個別項目を参照。

  • アポロやらせ説
アポロ11号に行っておらず、写真や映像はスタジオで撮ったやらせ、というもの。
反論が非常に多く存在し、多くの人にとっては与太話となっているが、これを真面目に支持する人もキリスト教の保守派に多い。
これに限らずアメリカにおける陰謀論はキリスト教原理主義の影響がみられるケースが散見され(否定でほぼ固まっているものを挙げれば進化論やらせ・誤謬説など)、実際にあちらでも社会問題になっているケースが存在するようだ。


  • 9.11陰謀論
9.11アメリカ同時多発テロ事件はアルカイダのテロではなく、当時支持率が低迷していたブッシュ政権の支持率向上のためにアメリカが自作自演したというもの。陰謀論としては最もメジャー。


  • 日本のパチンコ屋は北朝鮮が営業している
パチンコは北朝鮮の資金源になっていて、打った分はミサイルになって返ってくる」というもの。パチンコの蔑称である「朝鮮玉入れ」はこれが語源。
実際にはほとんどのパチンコメーカーは日本企業。
仕事の一部を海外に発注していることはあるかもしれないが、北朝鮮の資金源になっているとまで断言するのは言い過ぎ。


  • どこでもドアは実現可能
地球上はもちろん光年単位の遠方まで一瞬で移動可能な、お馴染み『ドラえもん』のひみつ道具。
どこでもドアの基本技術は既に完成しており、作ろうと思えばいつでも作れるが、自動車などの交通手段を開発している企業が既得権益を失わない様、その一切を封印している……というもの。
この手の陰謀全般に言えるが、「一社でも裏切ってその技術を独占すれば競合他社を全て蹴落とせるのに、既得権益を守るためにそんな強固なカルテルを作り出せるか?」という点に極めて大きな疑問点が残る言説である。
一説にはF先生のSF短編で種明かしにこれに近い説明がなされている作品があるのが元ネタでは?とも。


  • 騒音おばさんの真実
00年代中期にお茶の間を騒がせた「奈良騒音傷害事件」の犯人である女性、通称「騒音おばさん」は実は被害者で、被害者夫婦とされていた側の方が実は加害者であったとする主張。
被害者夫婦は実は熱心な創価学会員で、おばさんを勧誘するも断られたためにその腹いせとして悪質な嫌がらせをするようになり、報道されたような騒音騒動はその報復であるというもの。にも関わらずおばさんが一方的に悪いかのように連日報道されていたのは創価学会の犬であるマスコミが学会員である被害者夫婦を庇うと共に勧誘を蹴ったおばさんに対する制裁であるとされていた。

結論から言えばこの話はほぼデマと言えるほど信憑性が極めて低く、最高裁まで三審争われた裁判においても裁判記録には創価の「そ」の字も出てこない。事件が起きた地域も創価や公明党との繋がりも特に強い訳ではなく、もちろん被害者夫婦が学会員であった根拠も証拠もない。前述の裁判においても三審全てでおばさん側が敗訴しており、創価学会が司法を捻じ曲げられるほどの権力を持っていると見るのはかなり怪しい。そんなことができるのなら公明党はとっくに第1党になっていてもおかしくないはずである。

こんな説が出回った背景には当時のマスコミに対する強烈なイメージの低さがあり、「マスゴミ」という言葉が流行ったのもこの時期。特に創価学会との癒着も強く疑われており、
「マスコミは創価学会の傀儡」とする風潮が当時のネットでは支配的であったことが強く影響している。


技術・科学

  • パトカーの廃車
役目を終えたパトカーは真っ黒に全塗装してから解体されるために他の一般車と見分けがつかなくなり、解体をカムフラージュしているというもの。
車の全塗装をやったことがある人は分かるかもしれないが、あれにも万単位のカネがかかる。
ただでさえ予算がそんなに多くない警察が解体されるだけの車両にそんな手間をかける必要がない。
そもそもパトカーの解体作業を見かけないのは払い下げを実施しないため、修理工場で見かけることが無いことから出てきた噂だろう。
なお、一部の車種は地元の公民館や警察関連施設・イベント用として保存されているものがある。


  • 水洗トイレの水は北半球では左回り、南半球では右回りに流れる
慣性力の一種である「コリオリの力」によって、台風は北半球では左に、南半球では右に渦を巻く。
だから水洗トイレや風呂の水の流れも同じなのでは…という説。
映画『大脱出』の劇中で、主人公はこの説を基に自分の現在位置を推理した。

コリオリの力は非常に小さい慣性力なので、水洗トイレのような小さなレベルの渦にはほとんど影響しない。
トイレやバスタブにおける水の流れは、容器のデザインでほぼ左右されている。


  • 日本では特急列車の事故をきっかけに客車が木造から鋼製に切り替わり、列車の重量増加で蒸気機関車のパワーアップのため3シリンダー機開発を始めた。
技術系は門外漢には分かりにくいうえ、大勢の人間で進める以上当事者でも真偽不詳なケースもままあるが、これはちょっと調べれば明確にガセと分かるケース。

日本の鋼製客車第一号のオハ31(当時はオハ44000)形は昭和2年(1927年)3月に試作が完成して量産が同年8月、そして該当の事故は前年の大正15年(1926年)9月23日に起きたものなのだが、
まず鉄道省の工作局長だった朝倉希一が当時鉄道雑誌で連載していた随筆で「自分が車両課長になった大正13年から鋼製車両計画があった」と証言していること、第二に、3シリンダー研究のために輸入したC52はアメリカの会社が大正14年11月に製造、日本到着でさえ大正15年2月であり、事故をきっかけに輸入したなら注文した鉄道省に予知能力者がいなければいけないことになる。

そもそも日本でも鋼製車体の客車は狭義の機関車に引かれるもの(オハ31)は1927年製造開始だが、電動客車(電車)の鋼製車は関西私鉄では大正期にすでに広がり始め、鉄道省もモハ30を1926年中に出していることからもわかるように、時代がちょうど鋼製車体切り替え時期。
また、仮に事故をきっかけに鋼製客車を約半年の急ピッチで設計・製造するほど安全性を急ぐ必要があるなら、鋼製客車を量産できた時点ですぐに危険な木造客車の使用を停止、もしくは鋼体化改造しなければいけないはずであるが、実際は戦後まで既存の木造客車は使われ続けている(戦時中に鋼材が必要なので省資材化のために木製に戻した、というのはあるが)。
このあたりは状況的に1949年の八高線の事故(木造車を組み込んだ普通列車が脱線、木造構体の客車が土手から転落したことで大破してしまい被害が拡大した)や60系客車の開発経緯*14とごっちゃにされている可能性もある。

一応1951年に起こった「桜木町事件」とも呼ばれる火災事故をきっかけに、防燃対策が進んだ…というのは事実。ただ電気配線の見直しや防火塗料の使用などにとどまり、ただに延焼しにくい鋼製車体への更新には至ってはいない。

  • 日本でコンクリートミキサー車を発明したのは桜井眞一郎
桜井眞一郎とはプリンス自動車→日産自動車で「スカイライン」の開発を長年にわたって担当した伝説的なエンジニア。
氏は学生時代から自動車メーカー志望だったが当時は求人が無く、将来求人があったら転職することを前提に清水建設に入社。
その間も腐ることなく研究熱心な姿勢を見せ、東京駅近くの工事現場を担当した際にミキサー車を発明したという。

…なのだが、これについての信憑性はかなり薄く、桜井の著書や研究書籍にそのような記述はない。
日本におけるミキサー車は架装メーカーの犬塚製作所と磐城コンクリート工業(現:東京エスオーシー)が共同開発したのが最初とされている。
ついでに言えば、清水建設は土木工事の元受けを行う老舗のゼネコン*15であり、工事用車両の架装もセメントの製造も事業範囲外である。

開発期間が桜井の清水建設時代とほぼ近い時期だったことや、自他ともに認める挑戦的な性格だった氏のエピソードに尾ひれがついてこのように伝わった可能性がある。

  • ソニータイマー
ソニーは製品の買い替えを促すべく、保証期限が切れた直後に壊れる様に寿命を設計している、というもの。
日本のみならず世界的に知られている話な様である。
ソニー自身も把握している様だが勿論明確に否定している。
一般論的に考えても、買い替えペースを上げさせる事による利益向上よりも「すぐに壊れる」悪印象による客離れの方が心配され、このようなものを仕込んでいるとは考えにくい。
保証期限がとっくに切れた令和になった今でもプレステ2や3が現役というゲーマーは少なくないことだろう。
よってこの話は完全なガセネタと言える。

……のだが、2022年に島津メディカル(島津製作所の子会社)の営業社員が自社製品に時限装置を取り付け、故障に見せかけて修理代を稼ぐという不正を働いていた事が発覚している。
この事はソニータイマーに準え「島津タイマー」などと報道される事となった。

  • 飛行機の着陸は衝撃が強い方が良い
飛行機の着陸時の衝撃は優しいよりも、寧ろドスンと叩き付けられる様な所謂「ハードランディング」の方が良い着陸法であるというもの。

実際には勿論衝撃が少ない方が良いに越した事は無い。
冷静に考えてみれば「最大数百人もの人間を運ぶ空飛ぶ精密機器」(≒事故即ち犠牲者3桁人の大惨事となる)というデリケートな乗り物である航空機にあって、
衝撃が強い方が良いなんて事があるはずもなく、むしろ下手に衝撃を与えると故障や破損の原因となり得る。
この様なデマが広まったのは、「着陸時の衝撃について乗客から指摘が入った際にCAがその様に言い訳をした事が原因」とする説がある。
ハードランディングでも基本的な安全性には影響がない、というのがハードランディングの方が安全というのにすり替わっていったのかもしれない。

但し、路面降雪・凍結時、追い風時等の様な短い距離で停止させる必要がある場合はスポイラーを早めに起動させるべく強めの衝撃を与える事があるともされる。
或いはこの時ような特別な条件下での言い訳が伝言ゲーム的に変形して行った可能性もある。


  • 天日干しした布団から香る所謂「お日様の匂い」の正体はダニの死骸の匂い
具体的な起源ははっきりしないまでもかなり広くに浸透している「ショッキングな話」であるが、
2020年のデンマーク・コペンハーゲン大学の研究者が行った実験により、
「お日様の匂い」の正体は「香料等に含まれるアルデヒド・ケトン、カルダモンに含まれるペンタナール、花や果実の香りのオクタナール・ノナナール」と判明しており、
その原因は、布の成分と大気中のオゾン及び紫外線が反応する事で、匂いの原因物質が合成された事によるとの事である。

実はこの実験から遡る事19年、2001年の時点で既に日本の化粧品メーカー、カネボウも実験を行っており、
この時は「紫外線により綿の繊維に含まれるセルロースが分解され、アルデヒド等が合成されたため」と、やはりコペンハーゲン大学の実験と同じ結論が出ている。
また「ダニ(の死骸)が無い条件下の実験でも『お日様の匂い』は生じる」事も判明したため、総じて「お日様の匂いはダニの死骸の匂いではない」。


ファンタジー

非常にややこしい事情があり、デマとも真実とも言えないが、「『ドラクエ』が日本において弱いスライムのイメージを確立させた」という意味合いならほぼ事実。
最古のTRPGと言われる『ダンジョンズ&ドラゴンズ(D&D)』ではスライム系モンスターは「オーカー・ジェリー」や「グリーンスライム」などの種類があり、種によって弱かったり強かったりした。なので「本来のスライムは強い」というより、「強いスライムもいれば弱いスライムもいる」が正解
D&Dはバージョンを変えながら現在でも続いているが、最近のバージョンでは最弱の種でも2~3レベルの冒険者がそれなりに苦労して勝てるくらいの強さであり、作り立ての1レベル冒険者にとっては危険な相手である。
なので、スライムが「最弱モンスター」にはなっていないのは確か。

しかし、ドラクエ以前でも、D&Dを電子化したような存在である「ウィザードリィ」の時点で最弱レベルのスライムは存在しており、「弱いスライムの元祖がドラクエ」という意味合いならばデマと断言していいだろう。
そして日本でスライム=雑魚を決定づけたのは『ドラクエ』ではなく『ドルアーガの塔(ただ、同作のスライムは移動中完全無敵やスペルなどで弱いわけではない)とされる。
ドル塔開発者のエベゾーこと遠藤雅伸は「日本版スライムA級戦犯」と自虐的に名乗る事がある。
その後『ドラクエ』で「形がしっかりしているスライム=弱い」というのが定着したというのが真相

むしろドラゴンにすら匹敵する様々な上位スライムが登場する『ドラクエ』はスライム優遇の作品である。


  • 日本刀は技術によって切断する武器だが、西洋のに術は存在せず、力で叩き斬る武器である
西洋剣にも刃は付いているし、「西洋剣術」を使って斬る。
というか「西洋の剣」の範囲は広くて色々ありすぎる。
その範囲内には確かに叩き斬るヘビー級の西洋剣も存在するが、マンガやゲームでもお馴染みの「細剣・レイピア」や「軍刀・サーベル」を見ればそれだけではないとすぐ分かると思うし、日本刀だって技術だけではなく力はいる(刀剣乱舞でもおなじみ、2mある熱田神宮の太郎太刀などの「そもそもサイズが大きい」ものはそれなりの重量があるため、当然自在に振るにはある程度の力がいる。
ただ、「極端に長い・大きい」ものは東西問わず実用するには重すぎるため「最初から奉納品として寺社教会に渡すためだけの非実用品ではないか」とする説もある。一例として新潟の弥彦神社には2.2mのもの、3.2mのものの2振りの大太刀が奉納品として収蔵されているが、金属製の棒を加工したもの、つまりある程度重量のある武器であることを考えると「力任せにフルスイングする」だとしても実用性はほとんどないであろう。

因みに創作作品で良く見られる「身の程以上の刀身を持った剣を上段に構える」というのは重心と金属の重量の関係で人間には不可能。


  • 剣よりも鈍器は使いやすく常人でも戦いやすい
上記の都市伝説に関連した伝説。
西洋剣に西洋剣術があるのと同様、鈍器にも「鈍器術」があり、何も習得していない常人が殺人をするのが簡単なわけがない。
ビール瓶と包丁、どちらが殺傷力が高いか等考えるまでもなくわかる事である。
「腕力さえあれば扱える容易な武器」などと言われることもあるが、
術理を知らず力だけで容易に撲殺できるような怪力男はどう考えても常人ではない
詳しくないものを「ない」とか「簡単」と思ってしまうのは人間の悪い癖。
鈍器が強いなら世間の騎士や侍は剣や刀じゃなくて棒を腰に差してる。

一応資料によっては「騎馬兵はランス+剣を携帯しつつ、馬の方にメイスをストックしていて、下馬時にはメイスと剣を使い分けていた」というのもある。
なんで「常人でも戦いやすい」の部分は嘘でも、「使いやすい」の部分は正しい可能性がある。
というのもこの頃は金属鎧が発展していた時期であり、剣では関節部分などの金属が無い部分を狙う必要があるが、
鈍器で殴れば脳震盪を誘発できたので効果的という説があるため。
ただちゃんと鎧下を着るような、完全なプレートアーマーの場合鈍器で殴っても効果が無いという意見もあり、専門家間でも別れている模様。

その後銃の発展により重装鎧が無くなる→ならサブウェポンはメイスでなく剣の方が殺傷力が高いよねで廃れた模様。
いわゆるメタゲーム的サムシングである。

都市伝説上では、「常人が調達しやすい(≠強い、使いやすい)から使っていた『簡便な武器』としての鈍器」と
上記の「訓練を受けた者が重装鎧をメタるため、ランスや剣とは別にわざわざ持ち込んだ『特殊兵器』としての鈍器」が混同されて
誰でも使えて鎧を貫通する空想上の超兵器が完成しているところがある。

確かに調達という面ではそれこそバットやほうき、或いはその場にある重いモノを掴んで殴ればいいので手ごろではあるが、じゃあそれらに刃物や銃並みの殺傷力があるかと言うとまた別の話で……
日本では刀剣や銃類の所持携帯が厳しく規制されているので、結果論的に鈍器になりうる重量物の方が手ごろな武器として使えてしまうのでは?とイメージしやすいだけだろう。

実際に常人でもハードルが低かったのは鈍器ではなく槍と火縄銃で、それも「皆で並んで槍衾を作るだけでなんとかなるので、ガチで振れないと役に立たない日本刀よりはまあ…」「慣れはいる。ただ、弓よりはエイムしやすいので慣れやすい」程度のもんである。
一応日本でも南北朝時代には、剣ではなく棒で戦っていたという記述がある。
こちらも槍と銃によって駆逐されるわけだが。


  • 聖職者は血を流す武器が禁じられているので戦場では鈍器しか使用できない
モデルになった歴史上の事実はあるかもしれないが、全ての聖職者がそうしていたわけではないようだ。
(「歴史上の聖職者」という範囲が広すぎるので、無いと断言することもできないが)
ゲームでは回復魔法を持つ僧侶が剣で高い攻撃力を発揮できたら困るのでバランスの都合。


  • は両手でないと振れないほど重く、片手で扱っても斬れない
刀の種類にもよるが、標準的な日本刀は片手でも振れるし斬れる。
というか片手で斬れなかったら二天一流とかなんなんだという話である。
「両手で持った方がいい(繰り返しになるが、金属の棒である事や重心が体の外側に来る以上、日本刀に限らずあの手の長い刀剣は結構重いし実際の重量よりも重く感じる)」と「両手でないと使えない」は全く違う。
ゲームでも見るバックラーのようなを使った武術がある西洋剣術に対し、日本剣術で盾の存在感が薄いことから、「日本には盾がない→日本刀は片手では扱えない」というイメージで生まれた都市伝説だろうか。


これも恐らくゲームバランスから生まれたイメージ。
射程が長い攻撃が威力まで高かったらバランスが崩れるから、だろう。
特に銃弾は初速を上げないと射程が伸ばせない&ダメージソースが運動エネルギーなので「長射程=高い初速=高威力」になる。というかそうだったら火縄銃があっという間に「高い加害能力を持つ兵器」として広まったのはなんなんだという話にもなる。
飛び道具が近接武器より確実に低性能なのは「持ち運びやすさ」であり、同系統同士に限ってもナイフと槍、ダーツと長弓、
(口径が同じ程度の)迫撃砲と榴弾砲、拳銃と小銃ではいずれも長射程な後者の方が大型化して運搬が大変になるのは分かるはず。
もっともこれは「長射程攻撃の方が敵から反撃されにくい」ので、ある程度隙が生じても目をつぶれることもある。


  • 貴族の一つ「辺境伯」は名前から田舎貴族として思われているが実は偉い
ファンタジーに登場する辺境伯は辺境=国境を守る領主であり、外敵に対抗するための強力な軍備と高い独立性を持つ高位の貴族であるとされ、
小説家になろう作品やファイアーエムブレム 風花雪月などでも採用されている人気の爵位である。
だが現実でどうだったかというと、「辺境」にも時代や国家によって色々ある、辺境伯を含めた日本語の爵位は訳語の一つであり、海外の爵位に厳密に対応しているわけではないなど、解釈の幅が広く、決め付けるのには少し危険なライン。
広大なヨーロッパで数百数千年単位で使われていた色々な爵位の扱いをにわか知識で扱うのは難しい。
辺境伯を誤解するより「辺境伯は誤解されてるが実はすごいんだぞ」と知識自慢をしてる人を見る方が遥かに多い。


ドワーフの項目を読んで欲しいのだが、妖精的な存在だったドワーフは伝承では普通に女も存在し、
それをオッサンやヒゲしかいない種族に設定したのは後世の作家によるもの。
美女ドワーフはむしろ原点回帰。


歴史

  • 墾田永年私財法は現在でも有効
奈良時代に発布された、新しく開墾した土地の永久所有を認める法律についての噂。
明確に廃止にされたことがないため、半ばジョークとして「現在でも有効」と語られることがある。
実際には、「明治維新に伴い旧体制の法律は否定されている」と解釈されるのが一般的
そもそも現行の法律では「誰のものでもない土地」は国有地になると定められているため、墾田永年私財法の対象となる「誰のものでもない(誰でも開墾可能な)未開地」そのものが存在しない。


  • 江戸の街は徳川家康が四神相応の土地として整備した霊的防御都市である
江戸から東京に至る街づくりに絡んで時折語られる伝説。これを計画したのが天海であると続くことも。
四神相応の土地というものに現実的な意味があるかは別として、徳川家康が本気でそれを気にして土地を整備したかというと限りなく疑わしい。
この伝説では、江戸城から見て西が東海道(白虎)、南が江戸湾(朱雀)、東が平川(青龍)に当てはめられており、ここまでは一見辻褄が合っているように見えるのだが、北の玄武に当てはめられているのがなんと富士山。当たり前だが江戸の北に富士山はない。
荒唐無稽な説であることを物語っている。

そもそも日本列島の形を考えると、太平洋側の開けた土地ならば大抵は南は海で北が山地、となれば道を伸ばしやすいのは東西方向で、北に山があれば大きな川も比較的近くにある…と、四神相応でない土地を探す方がむしろ難しかったりする。

また、北東の鬼門を寛永寺で、南西の裏鬼門を増上寺で封じた…という伝説もあるが、これもGoogleマップあたりで調べればすぐにわかるが、増上寺は江戸城(現在の皇居)のほぼ真南であり、どう見ても南西には対応していない。

また、そもそも初期の江戸幕府・徳川家がこの手の俗信を本気にしていたかといえば、これもかなり怪しい。
例えば家康には、江戸城の普請の際に、家臣に「この方角に門を作るのは風水的に縁起が悪い」と言われて、
「じゃあ、名前だけでも「筋違いの門」とでもしとけばいいんじゃないの?」と答えたという逸話が伝わっている。
同じく息子の二代目・秀忠にも、家臣に同様のことを言われた際に
「気にしない、気にしない。ウチに鬼門があるとすればそりゃ蝦夷地だよ」
と答えたという話が残っている。


  • 鎌倉武士蛮族説
ネット上でいつの間にか事実のように広まっていた「鎌倉時代の武士は蛮族の集団だった」という説。
実際にはその多くが2ちゃんねるのスレより前を辿れなかったり、出展とされる書籍に該当する記述がなかったり、特定個人のエピソードを全体化した物だったり、その特定個人が創作の登場人物(しかも悪役)だったり、はっきり言ってまともなソースと言えるものが殆どなく、2ちゃんねるのネタが独り歩きしたものである可能性が極めて高い。

…まぁ犬追物とかやっていたのは間違いないので、私生活からして血生臭かったのは事実だろうが。
というより、基本的には武士という戦闘職自体が時代と場所を問わず蛮族寄りな思考なだけとも言え、例えばあの水戸光圀公には若い頃何の罪もない浮浪者を斬り殺してみろと仲間にけしかけられて臆病者とバカにされたくないので斬り殺したという逸話があったりする。
平和な時代に生きる我々と武士とでは根本的に感覚が違うのだから、時として異様に見える部分も多々あるだろうが、鎌倉武士という時代と場所に限定されるものではないだろう。


  • 鉄道忌避伝説
  • 我田引鉄
どちらも鉄道と政治、特に鉄道路線の敷設にまつわる噂。
大まかに言うと、「あの鉄道が納得しがたいルートを通っているのは…鉄道忌避伝説→元々の計画線の沿線住民が反対運動をやったのが原因でその計画が中止されたせいだ/我田引鉄→元々計画になかったのに政治家が横やりを入れて無理矢理敷設計画を捻じ曲げたせいだ」という噂であり、時にはその噂が地方史研究や政治、学校教育などの場においてさも事実であるかのように流布されることもある。
交通インフラというのは規模の小さいものでは市区町村道の敷設から大きいものでは空港の建設に至るまで関係地域にとっては重大な関心事であり、往々にしてそれに基づく利害の対立や政争が勃発するため、鉄道に限らずこの手の政治介入の噂は交通政策においてしょっちゅうついてまわる。

一応日本では大船渡線という我田引鉄の典型例が実存すること、リニア中央新幹線において静岡県の一部党派が強硬に反対したケースが著名になったため実例が存在する。そのため個別の事例を見てそれぞれで判別する必要があるが、そういった鉄道のルートにまつわる政治介入の噂については、根拠の浅い俗説であることが往々にして存在する。

特に明治~戦前あたりの「鉄道忌避伝説」に関しては、実際には鉄道建設反対運動が起こるどころかむしろ激しい誘致合戦が繰り広げられていたとする史料が多数確認されており、鉄道黎明期において鉄道路線のルートが沿線の有力都市や市街地を避けたルートになる原因は、沿線住民の反対によるものよりも技術的・経済的制約や敷設者側による沿線の軽視が原因であることが圧倒的に多い。


  • アメリカ大統領のケネディとリンカーンには、不可解なほど多数の共通点がある
第16代大統領のエイブラハム・リンカーンと第35代大統領のジョン・F・ケネディには、「在任中に暗殺された」という共通点があるが、この2人にはそれ以外にも多数の共通点があり、単なる偶然とは考えられない。ケネディはリンカーンの生まれ変わりだったのではないか……というもの。

具体的には以下のような「共通点」、もしくは関連が挙げられている。

  • ケネディはリンカーンのちょうど100年後(1960年)に大統領に就任した
  • どちらの大統領も、後任はアメリカ南部出身の「ジョンソン」という人物
  • ケネディにはリンカーンという名前の秘書が、リンカーンにはケネディという名の秘書がいた
  • 金曜日に夫人の目の前で後頭部を銃で撃たれて死亡と、暗殺時の状況も酷似している

これについては、以下のような説明が可能である。

  • アメリカの大統領は、日本の首相などと違って必ず4年おきに選出されるので、ある大統領の就任の100年後に別の大統領が就任するのは当たり前
  • ジョンソンは、アメリカでは極めてありふれた名前。2人が南部出身なのは本当だが、リンカーンの後任のアンドリュー・ジョンソンはノースカロライナ州で、ケネディの後任のリンドン・ジョンソンはテキサス州と、場所が全く違う*16
  • ケネディにリンカーンという秘書がいたのは事実*17だが、リンカーンにケネディという秘書がいた記録は無い
  • 暗殺日がどちらも金曜なのは本当。しかし7分の1の確率で一致するので驚くにはあたらない。また大統領を暗殺するのなら、公式行事で市民の目の前に出てくる時を狙うのが自然であり、その場にはファーストレディー(妻)を伴っていることが多い。銃を使う場合、相手の死角から狙えて一撃で致命傷になる頭部を狙うのも合理的である

このように、「そもそも事実ではない」「一致していても珍しくない」「くくりが大きすぎて一致しているように見えるだけ」といったものがほとんどである。

参考までに2人の相違点も挙げておく。

  • リンカーンの生没年は1809~1865年で南部ケンタッキー州出身。ケネディの生没年は1917~1963年で北東部マサチューセッツ州出身。
  • リンカーンの軍歴は陸軍で、所属政党は共和党。ケネディの軍歴は海軍で、所属政党は民主党。
  • リンカーンの前任大統領はジェームズ・ブキャナンで北部ペンシルバニア州出身。ケネディの前任大統領はドワイト・D・アイゼンハワーで南部テキサス州出身
  • リンカーンは至近距離から短銃で、ケネディは遠距離からライフルで撃たれている

このように一致しない要素もかなりあることがわかる。


  • ケネディ大統領は就任時、日本人記者団に「尊敬する日本人は誰か」と質問されて「上杉鷹山」と答えた
上杉鷹山は江戸時代中期の大名で、出羽国米沢藩(現在の山形県米沢市)9代目藩主。
質問した記者は鷹山を知らなかったため困惑したとされる。
ケネディ大統領の長女であるキャロライン・ケネディ氏が、駐日大使だった2013年に「父は上杉鷹山を敬愛していた」と講演で述べたことで有名になった。
キャロライン氏は2014年に米沢市を来訪、市内の松が岬公園にはそれを記念する石碑が建てられている。

古くから語り継がれている話であり、上記の経緯もあって山形県では事実のように扱われているが、実は明確なソースが一切見つかっていない。
公立図書館による調査報告が複数挙がっているものの、いずれもインタビューの出所を確認できず「真偽不明」という結論になっている。
なので与太話の可能性が限りなく高いのだが、この話が都市伝説の域を超えて日米両国の交流に貢献したのは紛れもない事実である。

補足すると、内村鑑三の著作『代表的日本人』(上杉鷹山を含む5人の人物が紹介されている)はアメリカでも広く読まれたので、ケネディが鷹山を知っていたとしても一応不思議ではない。


  • テカムセの呪い(0の呪い)
1840年以降、20年おきに選出されるアメリカ大統領は在任中に不慮の死を遂げている。その原因は、18~19世紀のアメリカで起きた先住民と白人開拓者との戦いにある。
当時先住民たちのリーダーを務めていたのはテカムセという若者で、開拓者を率いる将校のウィリアム・ハリソンと敵対していた。
1813年のテムズ川の戦いでテカムセは戦死。敗北した先住民は強制移住を余儀なくされてしまう。
これに怒ったテカムセの弟のテンスクワタワが、アメリカ大統領を20年ごとに殺す呪いをかけた。
その結果、先の功績で第9代大統領となったハリソンは、1840年の就任後わずか1ヶ月で急死。

それ以降も、

  • エイブラハム・リンカーン(1860年就任)→暗殺
  • ジェームズ・ガーフィールド(1880年就任)→暗殺
  • ウィリアム・マッキンリー(1900年就任)→暗殺
  • ウォーレン・ハーティング(1920年就任)→心臓発作で急死
  • フランクリン・ルーズベルト(1940年就任)→脳出血で急死
  • ジョン・F・ケネディ(1960年就任)→暗殺

と7人連続で大統領が死んでいる。
これこそが恐るべき「テカムセの呪い」なのだ。

…という呪いの伝説。
暗殺された大統領4人全員が当てはまることもあり、本国では割と信じられているようである。
しかし以下の通り、呪いと呼ぶには不自然な点も多い。

  • テカムセの戦死は1813年で、ハリソンの死は1841年。実に28年も間がある
  • 第23代大統領のベンジャミン・ハリソンはウィリアム・ハリソンの孫であり、呪いの対象にされてもおかしくないが、在任中に亡くなることはなかった
  • 7人の内、リンカーンとマッキンリーは2期目、ルーズベルトは4期目、他4人は1期目に亡くなっており、大統領就任から死去までの間隔に一貫性がない
  • 2023年現在、呪いに当てはまる大統領はケネディ以降3人(ロナルド・レーガン、ジョージ・W・ブッシュ、ジョー・バイデン)いるが、いずれも在任中に亡くなってはいない
  • そもそも20年周期で殺す理由が謎。普通なら「就任するアメリカ大統領が皆死ぬ呪い」にするのではないだろうか?

これらを見る限り、大統領が20年ごとに亡くなったのは単なる偶然*18と考えて良さそうである。


  • 東郷ビール
「フィンランドは親日国であり、日露戦争で日本がロシアを破った記念に東郷平八郎提督の肖像をラベルにしたビールを販売した」というもの。

フィンランドのビール製造会社が、東郷をラベルに使ったビールを売り出したこと自体は本当。
しかし、これは全24種からなる「世界の提督」シリーズの一つだったにすぎない
要は、そういうコンセプトのシリーズを企画する時に、日本人代表として東郷(と山本五十六)が選ばれただけである。
実際にこのシリーズには、史上最も有名な提督であるホレーショ・ネルソンはもちろん、東郷のライバルであったロシアのロジェストヴェンスキー提督もラインナップに入っている
日本や東郷に対して、特に深い思い入れがあったわけではない証拠だろう。
また、このシリーズが売り出されたのは第二次世界大戦後の1970年であり、「日露戦争での日本の勝利を記念して」売られたというのも間違いである。

この「世界の提督」シリーズは2004年に販売が中止されたものの、東郷ラベルの物のみ日本ビール株式会社が引き継いで日本人向けに販売している。


  • コロンブスは「地球は平らだから西廻りでインドに辿り着けるわけがない」と批判する人に「地球は丸いから辿り着ける」と反論した
「地動説」「天動説」と「地球球体説」「地球平面説」がごっちゃになって生まれた混乱の一つ。
実際のところ、コロンブス当時のヨーロッパの少なくとも知識人階級の間では「地球は丸い」は一般常識だった。というか、「地球が丸いこと」それ自体は古代ギリシャの時代に既に証明されている。
例えば水平線の向こうに進む船を、陸地に立つ男が見送っている所を想像してほしい。
男の身長が2mで、立つ高さが海面とほぼ同じであれば男から見た水平線までの距離は約4.8kmでその先に進んだ船は水平線から消える。
男が立っているのが海面から10m上の位置であれば水平線までの距離は約12.3kmである。
これは地球の丸みから計算できることであり、 帆船で長距離航海ができる技術があれば気づかないはずがない。 *19
ではコロンブスは何を批判されていたかと言うと、前述の地球の大きさの推定値からして
「ポルトガルからアジアの東の玄関口である日本までは19000キロもあるのに、無補給で辿り着ける訳がない」ということである。
これに対するコロンブスの反論は「19000キロという計算が間違っていて実際には4800キロしかないはずだ」という理屈であった。
……世界地図で測ってみればわかるが、この指摘に関してはコロンブスの反論の方が明確に間違っており、どう考えても無謀無茶なのはコロンブスである*20
要は、「計算間違いによる行き当たりばったりな航海で偶然アメリカ大陸に辿り着いた」というのがコロンブスの実態である。


  • ナポレオンはチビ
ナポレオンをモチーフにしたキャラは大体チビであり、低身長の男性が抱く劣等感を指して「ナポレオンコンプレックス」と呼ぶ心理学用語すらあるほど定着している言説。
しかし、確認できる限りではナポレオンの身長は170センチ程度であり、偉丈夫とは言えないが当時のフランス人の平均身長から言えば平均以上ではある。
ただ、一般社会よりは高身長の男性が多く集まる軍隊の中にあっては、確かに低い方と言えなくもない。「軍隊の中ではチビと見られがちだった」ことが転じて、過剰に低身長に描写されるようになったのかもしれない。
また、ナポレオンを「チビを跳ね返すために支配欲に満たされた侵略者」と揶揄したイギリスが広めたプロパガンダの影響も大きかっただろう。

逆に、見上げるような大男だったと伝えられる加藤清正(当時の平均身長が155センチ程度だったのに、190センチあったと言われている)は、残されている鎧兜のサイズからすると160センチ程度が実際の身長だったと推察されている。
兜がものすごく長い烏帽子兜だったため、遠目からは高身長に見えていたらしい。


  • 古代エジプトのピラミッド建設労働は、現在の日本よりもホワイトな職場だった
「二日酔い」「ペットのヤギを獣医に見せるため」「兄をミイラにするため」といった理由で仕事を休んでいたことを示す文書が見つかったことから、日本人の間で広まっている話。
実際にこのような文書が発見されたのは本当であり、そのため「従来思われていたよりは」いい労働環境だったことは明らかになったのだが、現代日本よりもホワイトというのは明らかに言いすぎである。

というのも、この時代には「定休日」の概念が無い*21ため、いったん動員されたら原則休みなしで働かないといけなかったのだ。
そのため、上記のような理由を申し出ないと休ませてもらえなかった、というだけの話。
申し出れば休ませてもらえる時点でホワイトと感じる人もいるかもしれないが、それは比較対象が悪いだけである

また、上に引用した具体的な休む理由にしても、体調が悪い時に重作業をするのは危険なので避けるべきであるし、ヤギなどの家畜はこの時代の市民の重要な資産である。
ミイラづくりは、当時のエジプトの人々にとってとても大切な宗教行事であった。
なので、「現代日本人から見ればふざけた理由で休んでいるように見える」だけで、当時の人々にとっては、このようなことで仕事を休むのは当然の権利だっただろう。

逆に明治時代の製糸工場で働いていた女性(工女)は、毎日長時間休日も無く、余程の大病でなければ休ませても貰えず、それでいて低賃金で働かされていた超絶ブラック環境だったと語られることが多い。
これも何から何まで間違いという訳ではないので都市伝説と言い放ってしまえるものではないのだが、「あまりに過酷だった話」ばかりが強調され過ぎている感がある。1979年に公開され大ヒットした映画「あゝ野麦峠」の影響が大きいだろう。

例えば、少なくとも開業直後の富岡製糸場は「1日8時間労働」「週休1日」「夏冬に10日間の休暇」「食費・社宅家賃は会社負担」と、現代基準でも極端なブラック企業という訳ではなかった*22
また低賃金とはいっても当時の貧農はそれ以上に貧しかった上に作物の出来不出来により収入が安定しない事から多少大変で低賃金でも安定している分まだマシと言える状況だった他*23、時期を経るごとに賃金は増して行き中には年収100円(当時の価値で家が一軒建つ金額)稼ぐ人もいたという。
「余程の大病でなければ休ませて貰えなかった」といっても農家は「余程の大病」でも休めないので、やはりどうしようも無い時は病欠できる分まだ楽と言える面はある。
野麦峠のある岐阜県は「野麦峠の館」という資料館を開設したが(現在は閉鎖)、映画の影響から来場者の大半がブラックな職場だと思っている人が多く、そのイメージを払しょくする資料の収集・展示を心がけたという。

  • ギロチンの発明者は、自らもギロチンによって処刑された
「歴史の皮肉なめぐりあわせ」の好例として有名な話だが、これは全くの作り話である。
ファラリスの雄牛のエピソード(これもおそらくは史実ではないが)と混同されたのかもしれない。

似た例で、魔女裁判の犠牲者を増やした一因として悪名高い「スイミング」(犠牲者の手足を縛って水に沈め……というあれ)を考案したマシュー・ホプキンスも、最期は自らが「スイミング」の犠牲になって死んだという俗説もあるが、これも事実ではないようである。

ちなみに日本では「自分で確立した手配写真制度で自分が逮捕された政治家がいる」という似たような話がある(こちらは事実)。

軍事

ミリタリー趣味に関してはサブカルチャーに関する都市伝説の項目を参照。

  • 灯台と軍艦
アメリカ国籍の軍艦(空母とも)が進行方向に別の船を発見、「ただちに進路を変えるように」と警告するも「それは無理だ。そちらが進路を変えろ」と返されたため激高し、
「こっちはアメリカ合衆国の軍艦だぞ、わかってるのか!!」と恫喝したら、冷静に
「こちらは灯台です」
と返された、という話。
1990年代ごろから「実話」として広まったが、実際に起きたという根拠は見つかっていない。
また、軍人や船員からは「いくらなんでも灯台と船を誤認することは無い」と疑問が寄せられている。
アメリカ発祥のジョークらしくアメリカ内で沢山考察されているが、
そもそも灯台とは 船に気付いてもらうために置かれた構造物 であり、
軍艦が「なにか」を発見してそいつと無線か手旗信号で会話までしているのにその「なにか」が灯台であることには気づかないのは
無能とかそういうレベルはないそうで、それだと自軍の港から出港できず障害物にぶつかるらしい。


  • 軍事用語に「ゼロ距離射撃」と呼ばれるものは存在せず、正しくは「接射」と呼ぶ
接射の項目を参照。


何かとトンでもない米軍の攻撃機A-10と、輪をかけて超人的な対地エースであるルーデルの両者の凄さを強調する意味でよく語られるエピソードであるが、
実際には著書の記述を参考にした程度で、ルーデルがA-10の開発に直接口を出したとかルーデルに意見を募ったといった事実は無いとされ、おそらくこれに尾鰭が付いたのが上記の逸話と思われる。


  • ヘタレイタリア(ヘタリア)
近世に於けるイタリア軍は「弱い」という印象を受けるエピソードには枚挙に暇がなく、エスニックジョークではイタリアのイメージといえば「軍隊が弱い」が代表例の一つとなっている。
日本のネット上でも「ヘタレイタリア」、略して「ヘタリア」と呼ばれネタにされている*24が、このヘタリアエピソードには誇張やそもそもエピソードそのものがジョークであるものが多い。
例えば有名なものに「砂漠でパスタを茹でて貴重な水を浪費していた」というものがあるが、実際には「水不足でそもそも作れなかった」「物資に比較的余裕のある後方司令部ではスープごと食べる煮込みパスタを作っていた(ので水を無駄にはしていない)」が正しいとされる。

尚、これらのイメージの根強さから21世紀の現代のイタリア軍も軍事力が低いように思われがちだが、実際には現代のイタリア軍はヨーロッパ各国の軍の中でも特に精強で、2022年の軍事費は世界12位、ヨーロッパ6位である。質としても山岳特殊部隊*25など他のEUメンバーからの評価の高い部隊も多い。
むしろ近年ではドイツ軍の稼働率低下(空軍で即応可能なユーロファイターが4機しかいないなど。現在はさすがに解決)が問題視されており、実際のヘタレ軍はドイツとする意見も増えてきている。


  • グロック17は空港の持ち物検査を素通りする
グロック17は樹脂素材を多用したいわゆるポリマーフレーム銃で、プラスチックが主であるため金属検査にもX線検査にも引っ掛からない、そのためハイジャック犯が飛行機内に持ち込み放題であるというもの。
ダイ・ハード2を始め創作でも時々そのような描写や言及があるが、実際には勿論そんな事は無く、銃身を始め金属パーツも含まれているため金属検査でしっかり反応する。
よしんばもし全身プラスチックであっても弾倉や弾丸が金属製であるためやはりそちらが反応するため、機内に易々と持ち込める銃というのは誤解である。
とはいえメーカー側もこのような評判を意識し、後にポリマー部分に造影剤を混ぜてX線検査にかけると一目で拳銃と分かるようにしている。

また、グロック17はポリマーフレーム拳銃の代表例という評判が高まりすぎて、まるでその元祖であるかのような印象を持たれがちであるが、実際には「全身ポリマーフレームとしては最初」というだけで、フレームに樹脂製パーツを組み込んだ銃としてはH&K VP70という先例が存在している。


  • フィンランドの海防戦艦ヴァイナモイネンはジョージ6世戴冠記念観艦式に参加した際、スウェーデン軍の海防戦艦に曳航してもらった
海防戦艦とはその名の通り自国の海岸線を防衛するための軍艦であり、その性質上長距離航海する必要がないため航続距離は概して短い。
フィンランドのイルマリネン級海防戦艦は殊更に航続距離が短く、同時期のデンマーク海軍の海防戦艦ヘアロフ・トロレ級海防戦艦の実に1/4弱という短さである。
それ故に自力ではフィンランドからイギリスまで行けず、外洋能力を持つスウェーデン軍の海防戦艦に曳航してもらったのだ……と語られるが、実際にはそのような記録は無い。
おそらく普通に道中の港に寄港しつつイギリス・フィンランドを往復したと思われる。


  • 呪われた純白の幽霊戦艦、シャルンホルスト
第二次世界大戦中のドイツ海軍のシャルンホルスト級戦艦のネームシップ、シャルンホルストには「呪われているかのような不吉・不気味なエピソード」が多いと言われる。
実の所元ネタは戦後のアメリカのラジオ番組で語られた怪談とされ、ほとんどが創作か別の艦のエピソードとの混同、果てはドイツ軍からすれば普通に誉れ高い武功を連合軍視点で悪し様に表現しているだけでしかない。

有名なエピソードについても、
「建造中に何の前触れもなく突如船体が横転、巻き込まれた工員60人が犠牲になった」
 →実際には大型艦の割にかなり順調に進んでいた(一時期建造中断していた時期自体はある)

「進水式にて抽選で選ばれシャルンホルストの洗礼親となった14歳の少女が数日後、ルーン文字で『私は魅せられました』『護りなさい』などと書き残して謎の自殺」
 →実際の洗礼親は先代シャルンホルスト最後の艦長、シュルツ大佐の未亡人(当時推定50歳以上)。勿論自殺などしていない

「船台を滑り降り進水した際、係留されていた筈が何故か独りでに沖の方へ流されてしまい、その際に繋がれていた装飾船をその乗員諸共海に沈めてしまった」
 →シャルンホルスト級二番艦グナイゼナウのエピソードの誇張と見られる。あちらもあちらで勢いが付き過ぎて岸壁にぶつかった程度。 

「実戦としては初の艦砲射撃時(ダンチヒ港砲撃時とも)に主砲が謎の爆発事故を起こし乗員数名が死傷、同時に別の主砲でも空調が故障しまた数名が窒息死」
 →ダンチヒ港砲撃の時期にシャルンホルストはドック入りしている

「霧の中から突然現れたシャルンホルストの砲撃で英海軍空母グローリアスが撃沈された」「イギリス本土とフランスの間のごく狭いドーバー海峡を悠々と突破」
 →これは史実通りなのだがドイツ軍からすれば大戦果&作戦大成功なので呪いというより祝いではなかろうか?

「1943年12月24日、曇り空の中で港に停泊中のシャルンホルストを突如雲の切れ目から陽の光が照らす」
 →当時シャルンホルストが停泊していた12月末のアルタフィヨルドは極夜なので雲の切れ目以前に一日中陽が差さない

「撃沈時の生存者は乗員約1700人中2名、その2名も陸に上がった直後に暖を取ろうと使用したヒーターが爆発し死亡」
 →実際の生存者は36人

と、大体デタラメである。
そもそも当のドイツ軍からは上記の戦果に加えて、最後まで僚艦を失った事が一度もないなど、むしろ殊勲艦・幸運艦として人気が高かったという真逆の印象を持たれていたという。


  • Su-34はコックピット内に簡易キッチンとトイレが設置されている
ソ連空軍の攻撃機Su-34は、長距離侵攻に備えて攻撃機としては居住性がかなり高く確保されており、食事を用意する為の簡易的なキッチンや用を足すためのトイレが設置されていると言われていた。
実際には保温ポットとヒーター、それと尿瓶程度でしかない。
一応、戦闘機としては珍しくキャビン内が与圧されているため一定高度まで酸素マスクが不要とか、軽くストレッチができる程度に戦闘機としては広々としているなど、キッチンやトイレとまでは行かないまでも居住性の高さ自体は間違いない様子。

ソ連製兵器は情報に謎が多く、日本を含む西側諸国には情報が正しく伝わっていない部分も少なくないためこういった誇張が生まれやすい面も少なからずある。


  • フランス軍の自動小銃FA-MASはその外見から「トランペット」の通称で呼ばれている
実際の愛称は「クレロン」。
信号ラッパのことで、広義では所謂「トランペット」の一種みたいなものだがFA-MAS自体の愛称はあくまで「クレロン」。
「トランペット」という呼び名が広まっているのは日本限定な様子。


更に「イギリス軍は狙撃銃で反撃したが効果が無かったため仕方なく対戦車ミサイルを持ち出したが、費用対効果が悪過ぎたため大口径ライフルの評価が向上、バレットM82はこの戦訓から生まれ、対物ライフルが誕生した」と続く事も多い。

アルゼンチン軍の機関銃陣地からの掃射にイギリス軍が手を焼かされたこととそれに対抗してミサイルを撃ち込んだのは事実の様だが、この逸話に於いてはM2で「狙撃」を行ったとか対物ライフル開発の切っ掛けがフォークランド紛争とする資料は日本語のものしかなく、実話ではなく日本で尾鰭が付いて生まれた話の可能性が高い。
ベトナム戦争では米兵がM2によってベトコン相手に2300m弱という長距離狙撃を成功させた例があるので、これとの混合と思われる。

「対物ライフルがこれで誕生した」という話についても、対戦車ライフルなら第二次大戦の頃には既に存在していたため「評価が見直された」ならまだしも「大口径ライフルはフォークランド紛争を切っ掛けに誕生した」というのは誤りである。
更に言えば、バレットM82の開発の切っ掛けが「開発者がM2(が使用する12.7mm弾)に惹かれたから」なのは確かだが、それはフォークランド紛争開戦の三ヵ月前の1982年1月の話なのでこれも時系列が合わない。
おそらくフォークランド紛争に於ける「伝説」がM2繋がりで合流してしまったと考えられる。
因みにフォークランド紛争で対物ライフルが急激に高評価を集めた訳でもなく、本格的に評価を上げるのは湾岸戦争を待たねばならない。


機関銃を持たずミサイルが主力の「ミサイルキャリアー」という当時としては斬新な発想で開発されたF-4はベトナム戦争で満を持して初陣に挑むも、
敵機を視認するまでミサイルを使用禁止する規定の存在やミサイル自体まだ信頼性が低かった時代故に真価を発揮できず、旧式ながらも運動性に優れていたミグを相手に思うように戦えず苦戦を強いられたり、空軍型は380機以上、海軍型も73機が撃墜されているためベトナム戦争を通してF-4は少なからぬ被害を出している。ここまでは事実である。

ただ、どちらも空戦での被撃墜数に対してその3倍以上のミグを撃墜している上、海軍・空軍共に撃墜されたF-4の9割程は対空射撃や地対空ミサイルによるものなので、
F-4にとっての脅威はどちらかと言えば対空砲と言え、「旧式のミグを相手にボロ負けした、大量に撃墜された」というのは誤りとなる。
米軍側がこれを問題視した結果投入されたのが現在でも残る「ワイルド・ウィーゼル部隊」、すなわち敵防空網撃滅専門の対地攻撃部隊であるほか、実際にはF-4よりさらに旧型かつ目視できる距離での空戦が苦手なF-105ですら一定数のミグ系戦闘機を撃墜しているとむしろ米軍機は(戦争の最終結果はどうであれ)果敢にミグに戦いを挑んだとするのが正確。


  • フィラデルフィア計画(フィラデルフィア実験)
第二次世界大戦中に米軍がフィラデルフィアで極秘で行ったステルス性に関する実験と言われる。
駆逐艦エルドリッジに対して何らかの実験を実施したが、その結果エルドリッジは突如として消滅、フィラデルフィアから300km以上離れたノーフォークに出現し、その数分後にフィラデルフィアに戻って来たが、
乗組員は全身が発火したり炭化してしまった者、壁と一体化してしまった者、硬直したまま呼吸が停止した者、生きていても発狂してしまった者ばかりの地獄絵図と化してしまっていた、という話が有名。

実際にはエルドリッジはフィラデルフィアに入港した記録は無く、実験当時はニューヨークに居た事が判明しており、これらの話はデタラメと見て良いだろう。

ネタとしてはミリオタにもけっこう有名であり、例えばスマホゲーム『アズールレーン』におけるUSSエルドリッジのキャラ造形は大部分がこのフィラデルフィア実験のお話がモチーフにされている。ビリビリしてたりしなかったりするあれとか。


  • 戦艦武蔵の残骸が発見されないのは、海流に乗って海を漂っているため
リアル艦隊これくしょんマイクロソフト創業者の一人、ポール・アレンが2015年に発見するまで長らく語られていた説。
第二次世界大戦末期、米軍の集中攻撃で撃沈された武蔵の残骸は沈没地点を探しても発見されなかった。
これは、船体に残された浮力と重量が海中で吊り合ってしまった上に海流に乗ってどこかに行ってしまったためで、武蔵は今尚世界中の海のどこかを彷徨い続けている……という話がしばしば語られていた。
武蔵の残骸はフィリピン沖のシブヤン海で着底していた訳だが、沈没地点の記録とは位置が少しずれており世界中を漂っているとは言わずとも海流に流された影響は多少はあった様子。


  • 駆逐艦雪風自身は幸運艦だったが、代わりに周囲の艦が撃沈される事が多かったため、周囲の幸運を吸い取る艦として疎まれていた
雪風は戦果に加えて何かと幸運に見舞われ、終戦まで生き残った数少ない日本海軍艦艇の一つだが、その代わりに雪風の僚艦が沈んだり損傷したりしがちだったため、周囲からは疫病神扱いされていたという話。
より直接的に「『死神』と呼ばれ忌み嫌われていた」とまで言われる事もある。

実際には雪風の「死神」エピソードは多くがデマか誤解、或いは戦後の創作で、雪風の戦歴や関係者の証言をまとめると「雪風のみならず周囲の艦も無事に帰還した事の方が遥かに多い」「『死神』の通称は2000年頃に突然出現した」と判明している。
「雪風と駆逐艦夕暮が位置を交代したら直後の戦闘で夕暮が(まるで雪風の身代わりの様に)沈んだ」という話もあるが、実際にはこの時に沈んだのは清波という別の艦で、夕暮撃沈はその後なのでやはりデマである。

なお雪風に纏わる逸話には「死神」エピソードのみならず幸運エピソードについてもデマが多い。
雪風に限らず、なまじ「実在する不沈艦」というものは、往々にして有名で実話の中にも面白いエピソードが多い艦故に様々な意味で「盛られがち」かつ「盛りやすい」のだろう。
…もっともエピソードの大半が事実とされる駆逐艦HMSジャービスみたいなやつ*26もいるが。


  • ドッグタグの下部の切り欠きは戦死者の口をこじ開け、歯に固定して挟むために空けられている
自衛隊に於いては規則に明記されていた事実
しかし米軍関係者によるとドッグタグの切り欠きは刻印時に位置を固定するためでしかないとして、「歯をこじ開けるため説」は都市伝説でしかないと否定されている。
実際、1970年代ごろから米軍のドッグタグには切り欠きが無くなっている。
現在の自衛隊でも規則の小変更をしているうちにいつの間にか「歯をこじ開ける」という記述がカットされた。(切り欠きは今も残っている)
「歯をこじ開けるための切り欠き」というよりは「自衛隊は切り欠きを使って歯をこじ開けるつもりだった」というべきか。


ショーシャは当時としては画期的な一人で扱える軽機関銃だったが、軽過ぎて反動が強烈、当時としては最先端のプレス加工技術を多用した結果壊れやすい、特徴的な半月型の弾倉もこれまた壊れやすい上に残弾数を確認しやすいように大きく取られた開口部から砂や小石が入り放題で動作不良しやすい、製造しやすいように敢えて部品の精度を下げた結果品質そのものがかなり低下しやはり壊れやすい、冷却機構にも問題があり動作不良を招く……といったとにかく故障と動作不良のオンパレードという悪評でよく知られている。
そういった欠陥があったこと自体は事実ではあるが、これはフランスのオリジナル版ショーシャと、米軍が独自に改造した『M1918ショーシャ』の悪評との混同ではないかという見方が強まりつつある。
M1918ショーシャは米軍の弾薬に合わせて再設計されたものだが、本来の弾薬と比べて米軍の弾薬はパワーがあり過ぎたために銃自体が耐えきれず故障を多発させており、これが「ショーシャは繊細過ぎる」というイメージや、名前繋がりでオリジナルのショーシャ自体の問題のように受け取られてしまったのではないか、ということである。
オリジナルのショーシャも問題が多発したのはそもそも本来想定された運用法で使用されなかったからとの見方もある。
よってショーシャの悪評の数々は事実といえば事実なのだが、「珍兵器」として半ばネットミームと化したことで欠陥があるにしても誇張され過ぎている感がある。

また本銃では仇になってしまったが、「部品の精度を敢えて下げる」という発想自体は理に適ったもので、特に一刻も早く火力を出せる銃を多く揃える必要があったフランスとしては致し方ない面もあった。
「泥に浸けても動くほどの堅牢さ」で評判のソ連軍の自動小銃AK-47、この遊びの多さゆえに多少雑に組み立てても問題なく、そのへんの銃後で集めてきたスタッフでも初日から十分動作するものを量産できたイギリスのステンガンあたりはこの発想の代表的成功例と言える。後者は外見が露骨に「戦時設計」過ぎたため評判はよくなかったけど。
逆にドイツ軍の拳銃、ルガーP08は造りが緻密過ぎたため、一つ一つの性能は高かったものの埃の侵入に弱い、同じルガーP08同士でも部品の互換性が無いなどの問題があった。


その他・ジョーク

  • カブトムシの電池を入れ替えようとする子供
子供が死んだカブトムシを「電池切れ」だと思い、電池を取り換えて動かそうとしていた……という話で、80年代頃から語られ出したとされる。
自然に触れる機会が減った近頃の子供を揶揄する、もしくは命の尊さと死の重大性の理解度が下がっている事を嘆く意味で用いられるが、いずれも「そういう事があったらしい」で止まっており、明確な起源やその正確性については不明。
そもそも命の尊さなどは勝手に身に付くものではなく親が教育する物である。これを 情操教育 と言い、仮に子供がこのようなことを言い出したなら 今時の子供はと嘆くより自身の不明さを恥じるべきではないだろうか?

似たような例に「魚に触れる機会が減ったため、『魚は切り身のままで泳いでいる』と勘違いしている子供がいる」という物がある。
これに関してはお笑いコンビ・爆笑問題の田中裕二氏が幼少期はそう思っていたと公言している。
こちらも都市伝説としてならかなり有名で、『ひろがるスカイ!プリキュア*27』のようにこれを前提にしたギャグシーンが挟まれた創作物が散見される。


  • ドロップベア
オーストラリアに生息する、プランメタス種チラルクトス属の動物。
その姿はコアラに似ているが、身長は120cmとかなり大きい。
性格は凶暴で、樹上から外国人旅行者を待ち伏せる。
そして、そこを通りかかった人の頭上から飛びかかって、衝撃で倒れて気絶しているところを首に噛みついて仕留めるという。
防ぐには「ベジマイト」という野菜を発酵させたジャムを髪の毛などに塗るしかない。

…という都市伝説。
よくできた話だが、これらはすべてオーストラリア博物館がエイプリルフールの日に掲載したジョークである。
これに限らず広義の英連邦では公的機関・施設がぶっとんだエイプリルフール・ジョークを公開することは珍しくなく、BBCの「ビッグ・ベンの時計がデジタル時計に換装される計画が立てられた」という虚構新聞の社会派ネタ的なノリのものから「パスタのなる木の収穫期*28」というファンタジックなものまでさまざまなウソニュースなどが著名。


  • カーネルサンダースの呪い
1985年、阪神タイガースの日本一に浮かれるファンは「バースにそっくり!」という理由からケンタッキー・フライドチキンの店舗に置いてあったカーネル像を道頓堀川に放り込んでしまった。
一夜明けてKFC側が捜索するも見つからず、カーネルは歴代府知事が「およぐな!!」と演説するほどの汚いドブ川に沈んだままになってしまう(ここまでは完全に事実)。
すると以降80年代後半~2000年代初頭まで阪神タイガースは非常に長い暗黒期に入ってしまい、これは沈められたカーネルの怒りによるもの、とする説がまことしやかに流布されたことで都市伝説となった。
一応当時の阪神が泣きたくなるほど弱かったの自体は事実なのだが、ちゃんとした理由として「そもそも85年V戦士の加齢による引退と重なった」「フロントがあまりいい状態ではなく、選手の離脱や入団拒否が極端に多いため*29戦力の定着・確保が困難だった」「新戦力補強・調査があまりに杜撰な者であった(特に外国人関係)」ととてもじゃないが次世代戦力を用意できる状態ではなく、そのため他球団に張り合える選手を揃えられなかった、というものがある。
結局フロント改革や新戦力体勢の見直しが行われたこと、トレード加入組のみならず生え抜きでもしっかり芽が出る選手が出てきたこともあり、2003年の優勝以降は極端な暗黒は33-4を除いて*30無くなっている。

また当たり前だがこの時期でもちゃんと活躍した選手も存在しており、結果はどうであれMLBで投げた藪恵壹・井川慶が在籍したことは特筆すべきだろう。

MLBでも「ヤギの呪い」と呼ばれ、観客席にペットのヤギを連れて入ろうとした所警備員が拒否、それ以降71年間ほど当該のシカゴ・カブスはリーグ優勝すらできないという似たようなネタがあった。
この呪いを解呪するのに必要だったのが「ニホンからやってきた面白外人*31」というのは某所を中心にネタとなった。

ちなみに、沈んだカーネルは2009年の河川保全のための調査でダイバーが入った際、磁器探知機→ダイバーによる目視確認で発見。KFC側に返却され、老朽化によるお祓いおよび廃棄処分が行われるまでの15年間、甲子園球場に近い店舗で展示された。


  • サッカーは元々捕虜の首を用いて行われていた
よくオカルトなどで語られるサッカーの起源の伝説。
信ぴょう性というと、捕虜の首でサッカーというのはあり得るものの起源と言うには根拠が弱い。
そもそも球をける遊びは世界各地に存在し、人の首をける行為が起源と言うのは無理があると言うのが大方の見解である。

そもそも人の頭というのは固い上に結構重いため、ボール代わりに使うのは中々しんどいと思われる。


  • 自転車の世界チャンピオンは翌年スランプに陥る
「マイヨ・アルカンシェルの呪い」という名前で、その筋では非常に有名なネタ。
日本どころか英語版やフランス語版のwikipediaにすら掲載されている、都市伝説の中でも極めて範囲の広い代物。
実際には「世界チャンピオンは特別なジャージを着るので注目されやすく、1位を取れないというだけで目立ってしまう」「単なる成績の揺り戻し」等が挙げられている。
とはいえ何故か男子ロード・エリート部門のジャージだけ呪われたりだとか*32、2015年に男子ロード・エリート初優勝から怒涛の3連覇を達成したペテル・サガンなんかもいるので、呪いもかなり曖昧だったりする。


  • エイプリルフールで嘘をついていいのは午前中だけ
午前中に嘘をつき、午後にネタバラシをするのが本来の慣習だという都市伝説。
主に欧米圏で広まったとされる。
幾つかの説*33が存在し、「地域によっては~」とされる場合もあるが、実際の所ハッキリしておらず*34
誰かがエイプリルフールでついた嘘かもしれない」という見解が多数を占めている。


  • かつて在校生がミッキーを池に突き落としたせいで出禁になり、ディズニーランドに行く事が出来ない
全国各地の中高生が聞いた修学旅行でディズニーランドに行けない理由だという都市伝説。
実際のところはパーク内に現れたミッキーを突き落とせそうなエリアは無いと言ってよく、
そもそもあちこちの学生によってミッキーが落水しまくっているという事実自体がおかしいのでつまる所の方便だと分かる。
どちらかといえば都市伝説になっているのはこの方便の出どころで、地下鉄サリン事件の影響で行き先を関東方面から変えざるを得なくなっために作った言い訳という説もある。
一般的には「東京・千葉方面には行くが、予算の都合でディズニーランドには連れて行きたくない」時の言い訳という説もあるようだ。
同じような例としては「9・11事件が起こった直後、修学旅行の行き先として北海道と沖縄が敬遠された」というのは実際に起こった事。
やはり飛行機は危ない、新幹線は安全という心理が働いたのだろう。

なお「イキった修学旅行生がディズニーランドで事件を起こして問題になった」事件は万引き等で多少実在している。
ビッグサンダーマウンテンで機関車に登ってはしゃいだ上にブログに掲載までして炎上した事件が有名だが、
問題の学生は卒業生であり学校行事ではあるが修学旅行生ではなかったりする。




個別項目のある都市伝説




概要項目のある都市伝説



アニメ・漫画・特撮・ライトノベルなどの作中で広まっている都市伝説



最後に…信じるか信じないかはあなた次第。
だが信じたとて嘆いてはいけない。
なぜなら、都市伝説があるならば対抗神話もあるのだから。

怖くて眠れなくなった時は、寺生まれのTさんに「破ぁー!」と解決してもらいましょう。
「寺生まれってすげえ」、そう思えるはず。



追記・修正をするかしないかはあなた次第。

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最終更新:2025年04月25日 19:21

*1 日本においても傷害罪に問われる可能性がある。

*2 破傷風ワクチンを適切に接種していれば、ほぼ防ぐことができる。有効期間は最後の接種から10年程。

*3 実際のストーリーは「ミミズ好きの老人が町の人を次々とミミズ人間にしていく」というもので、ミミズバーガーそのものはチラッとしか登場しない

*4 一部の刺身などでは、何分以内にお召し上がりくださいという指示が出される場合もある。

*5 似た様な誤解をされているものにプラスチック爆弾ことC4がある。これも合成樹脂でできているのではなく、粘土の様に形を自在に変えられる特性から「プラスチック爆弾」と呼ばれているのだ

*6 鉱物の硬さを示す尺度。石膏やダイヤモンドといった10種類の標準鉱物を定め、「どの標準鉱物で引っ掻くと傷がつくか」で硬さを判定する

*7 最終的な遺体未発見者は8名だが、「損傷が激しく、身体としての大部分が発見されないまま」のケースが多数存在すること、また知多半島付近に本事故被害者の遺体が漂着しているのが発見されたのが報告されていることから、現在の記録を読み解く限りでは「この事故の犠牲者の遺体は海に流された」自体は事実としてよいと思われる。ただしこのデマはそういった事故調査・検証がまとまるより前から流れていたため、「この風評被害については完全な虚偽とみなすべき」としたほうがよいであろう

*8 テモテへの第二の手紙第3章16節「聖書は、すべて神の霊感を受けて書かれたものであって、人を教え、戒め、正しくし、義に導くのに有益である。」

*9 別の暴走族グループが、リーダーを殺されたことへの報復として行ったなどとするパターンも。

*10 BMWやメルセデスベンツのGTモデルに対抗して開発された車種で、購買客も定年の近いシニア層を想定していた。

*11 家に着く前に交通事故で死亡するというパターンもある

*12 『今昔物語集』の「東国より上る人、鬼に値う語」。旅人の一行が空き家を見つけ、そこに泊まろうとするものの、室内に鬼がいることに気づき、「外につないである馬の様子を見てくるか」と言って逃げ出すという内容。

*13 銃に詳しい読者ならご存知だろうが、現代銃の「マトモに使用できる」ライフル弾を作るにはそれなりの技術能力が要求される。工場設備のないオウム拠点では難しかったのだろう。

*14 終戦後の輸送力ひっ迫で「ガラスを突き破るほどの満員列車が常態化しており、木造車体では危険」として急遽車体のみ鋼製に変更することになり製造。木造車全廃の目的のみならず、システムや交渉結果上GHQの承認なしで製造できたことから大量導入された。

*15 桜井の入社時点で既に創業100年を超えている。

*16 ちなみにノースカロライナ州とテキサス州は直線距離にして約2000キロも離れている。

*17 イヴリン・リンカーン。ケネディの個人秘書官を12年務め、彼の暗殺後には回顧録も出版している。

*18 ちなみに20年周期ではないが在任中に亡くなった大統領には、第12代のザカリ―・テイラー(1849年就任。1850年死去)がいる。

*19 もっと簡単な「水平線の向こうから来た船はマストから見えてくる。いっぺんに全体が見えてこないのを説明するには海面が弧になっているとするのがもっとも合理的で、これはすなわち地球は球形であることの根拠」を挙げているバージョンもある。

*20 例は少ないながらこちらの正しい指摘も『パワプロクンポケット13』裏サクセスにおけるカリムーとレッドの物語などで引用されている。こちらはまさに「先行者は補給を計算できずに多数のクルーを失った」「次に挑んだものはそれを知っていたため補給が厳しいのを前提にした計画を立てることができた」と正しく再現していた。

*21 安息日を定めたユダヤ教に始まる一神教が成立するのはずっと後の時代

*22 その後民営化されてからは労働時間は大幅に伸びてはいる。

*23 これについては「あゝ野麦峠」の原作ルポにも書かれている。

*24 日丸屋秀和の国家擬人化漫画『Axis powersヘタリア』も元々はこのスラングとしての「ヘタリア」に由来している。

*25 海側からの侵攻は海軍や陸軍の運用で対策できる、じゃあアルプス側からは?ということで創設された部隊。訓練や想定条件が厳しすぎるため、代々山暮らしなのを活かして一族でずっと入隊することになっている家系の兵士が多数存在する(ほぼ事実とのこと。全員ではない)など、違う意味で強烈なエピソードも存在するほど

*26 「WW2欧州戦線のほとんどを現役にあったのに、所属クルーの戦死者が一人も出ないまま終戦の日を迎えた」「枢軸側の魚雷や機雷がことごとく調整ミス・外れた・不良品などで効かなかった」「対艦ミサイルのHs293の直撃に耐えたうえ、自力での退却に成功」など。最後は『艦これ』においてジャービスの運ステータスが非常に高く、また同型艦がモデルのジェーナスの運ステータスが非常に低い(駆逐艦ジェーナスはこの際にHs293か航空魚雷どちらかの直撃を受け戦没)のの元ネタ。

*27 異世界生まれでそもそもシャケや切り身の塩焼きを初めて見た主人公が「これが泳いでいる。この料理は丸焼き」と勘違いする、という流れ

*28 特撮セットを設営して実際に収穫するレポートVTRが制作・放映された。いわく「トマトソースの缶に種を入れて日に当てれば生育する」そうな…

*29 一部は野球ファンにより「入団拒否があった」ことが事実として確認されているほど。

*30 ただしこの時も始まるまではロッテナインからも「おそらく拮抗する」「阪神が日本一になってもおかしくない」と判断されていたとのこと(里崎智也氏などが認めている)。

*31 川崎宗則。現地でもムードメーカーおよびファングリーディング担当者として高く評価されていたと同時に、大量のイチローのファンとしての語録から「イチを狙うホモ」扱いされていたとのこと。日本以上に同性愛に厳しい国じゃないか…たまげたなぁ……

*32 例えば男子トラックレースのスプリント部門で10連覇した中野選手や男子ロード・タイムトライアルで2連覇を2度達成しているファビアン・カンチェラーラがいる。

*33イギリスのオークアップルデー(王政復古の記念日で、午前中だけオークアップルの小枝を身に着ける風習がある)と混同された」という説が有名だが、これも確証はない。

*34 そもそもエイプリルフールの起源自体が諸説ある。

*35 当たり前だが、漫画版でも引き続き「一般知名度はこのレベル。ヒーローとして認められてはいるけど、正体を知ってる人はガチ関係者だけ」なのが守られている

*36 ピラザウルス戦。

*37 迷惑YouTuberの乱入もだが、コメディリリーフオンリーだったころの加治木がわかりやすく・初期から描写されている