&font(#6495ED){登録日}:2011/06/07(火) 22:20:06 &font(#6495ED){更新日}:&update(format=Y/m/d D H:i:s) &font(#6495ED){所要時間}:約 3 分で読めます ---- &link_down(▽)タグ一覧 &tags() ---- 『茶碗の中』(本によっては『茶わんの中』)は、小泉八雲編纂の『骨董』によって紹介された怪談である。 この怪談の一番の特徴は何といっても&font(#ff0000){未完である}という事だろう。 しかも、かなり中途半端な形で終わっており、小泉八雲は作者が途中で終わらせてしまった理由を、 ・作者が途中で飽きた ・版元と仲違いした ・仕事で呼び出されて書けなくなった ・途中で死んだ と、いう風に仮定している。 ≪お は な し≫ 天和三年(1683年)の1月4日、中川佐渡守(なかがわ さどのかみ)は年始の挨拶をして歩いている途中、従者たちと江戸の本郷白山辺りの茶屋で休憩していました。 みんなでお茶を飲んで休んでいたところ、従者のひとりである関内(せきない)は、自分の茶碗の水面に男(&font(#ff0000){イケメンの若侍})の顔が映っているのに気がつきました。 しかし、自分の顔でもないし、茶碗の底の模様でもありません。 しかも、そのお茶を捨てて別の茶碗にお茶を注いでも顔が映っています。 「やべえ、俺の茶碗に幽霊が映ってる……」 って感じでビビりつつも、関内は&font(#ff0000){その映った顔ごとお茶を飲み干しました。} その日の夜、中川候の屋敷の詰所に詰めていた関内のところに、あの茶碗の水面に映っていた顔にそっくりな若侍・式部平内(しきぶ へいない)という者が音もなく現れました。 今朝方、自分に関内が重傷を負わせたと言い立てる平内に、関内はとっさに切りかかりますが、&font(#ff0000){平内は霧のように消えてしまいました。} そのことを報告すると、その時間に外から入ったものもいなければ、「式部平内」なる人物を知っているものは誰もいませんでした。 次の日、関内は非番だったので家で両親と過ごしていました。 その日の夜も更けた頃、見知らぬ客が来たと取りつがれた関内が刀を携えて玄関に出ると、三人の男が関内を待っていました。 三人は昨日の平内の家来だと名乗り、昨日切りつけられたせいで平内は湯治に行っていると言い、帰ってきた暁には恨みを晴らすでしょうと言ってきました。 これまたとっさに関内は三人に切りかかり、右に左になぎはらったものの、三人は隣家の土壁の側へ飛び退き、まるで影のように跳びこえてそのまま……。 ↑こんな感じで、三人がそのまま……どうなったんだよ? 状態で「茶碗の中」は終わっている。 類似した話に、三谷幸喜がよくドラマの脚本で使う「赤い洗面器の男」がある。 必ずオチの前に邪魔が入って、結局洗面器を頭に乗せた男がなぜそんなことをしているのかわからずじまいになる小話である。 追記・修正は、&font(#0000ff){お茶碗の中の幽霊を飲み干す}か&font(#008000){この話が未完の理由を説き明かす}かしてからお願いします。 #include(テンプレ2) #right(){この項目が面白かったなら……\ポチッと/ #vote3(time=600) } #center(){&link_toppage(-アニヲタWiki-)} #openclose(show=コメント欄){ #comment }