東京メトロ

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東京メトロ - (2024/03/07 (木) 14:01:48) のソース

&font(#6495ED){登録日}:2011/05/30(月) 20:28:19
&font(#6495ED){更新日}:&update(format=Y/m/d D H:i:s) &new3(time=24,show=NEW!,color=red)
&font(#6495ED){所要時間}:約 6 分で読めます

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&font(blue){東京メトロ}とは、2004年に帝都高速度交通営団(営団地下鉄)から地下鉄事業を継承して発足した鉄道会社である。正式名称は東京地下鉄株式会社。

*【&font(#00a7d3){概}&font(#00457d){要}】
東京の地下鉄は政府および[[東京都]]が出資する営団地下鉄と、東京都が運営する都営地下鉄の2事業者で運営されてきた。
このうち行政改革の一環として営団地下鉄の株式会社化が1995年に決定し、2004年に誕生したのが当社である。

株式会社後は規模と収益の高さから16番目の大手私鉄にカウントされている。
が、営団地下鉄時代と変わらず、政府と東京都が全額出資しているので純粋な私鉄かと言われたら怪しい所。
2020年代以降は完全民営化に向けた動きが進んでいる。

ロゴマークはメトロ(METRO)の頭文字から"M"。

([[狸>タヌキ]]の顔みたいに見えるのは気のせいなのか…)
 
因みにデザインを手掛けたのは、アテネオリンピックのシンボルマークを作った会社である。

*&color(#F54738){【前身の帝都高速度}交通営団について】

営団と言う名称は本来は「経営財団」の略語で採算を取るのが難しい産業を担う官民出資の特殊法人の形式として設立された物(鉄道事業で言うと現在の貨物の臨海鉄道に近い)である。

1930年代、東京市(現在の東京都区部)には民営地下鉄の東京地下鉄道と東京高速鉄道の二社が存在しており、互いに勢力争いを繰り広げていた。
しかし公共交通と言う観点から見たら良い状況とは言えなかった為、政府が仲介し「陸上交通事業調整法((乱立していた交通事業者の統合を推進し経営の安定化と公共交通の利便性向上を図る為に1938年に施行された法律。現行法である。))」を根拠に両社が統合され「帝都高速度交通営団」となった。
こうした経緯もあり、公的な組織でありながらも私鉄の業界団体である日本民営鉄道協会に加盟する等、名実ともに異色の組織であった。
略称はTRTA(Teito Rapid Transit Authority)。但し対外ではほとんど使われず、駅の表示は団章である「Sマーク」と「&bold(){地下鉄 SUBWAY}」を組み合わせたシンプルなものだった。

第二次世界大戦時中は他にも住宅営団や食糧営団等、多くの営団が生まれたが、戦後全て廃止もしくは公団に改組されることになった。
只、帝都高速度交通営団は他の営団とは違い戦争遂行目的で誕生した組織では無かった為、日本を占領していたGHQも問題視せず、唯一存続する「営団」になったのであった。
もっとも戦後は民間資本が排除された結果、国鉄と東京都のみの出資となり、実態としては公団に近い形となっている。
また復興の過程で営団だけでは地下鉄建設が間に合わない事から、営団に出資している東京都も独自で地下鉄に参入する事になった(都営地下鉄)。東京に2つの地下鉄運営組織があるのはこれに由来している。

大都市・東京の地下鉄のみを運営しているだけあって、国鉄とは違い財務基盤は安定していたが、首都高速道路公団も特殊会社化(株式会社形式になる)されるのに合わせて現在の形となった。

#center()*【&font(#00a7d3){保有}&font(#00457d){路線}】
[[&font(#ff9500){銀座線}>東京メトロ銀座線]]
[[&font(#f62e36){丸ノ内線}>東京メトロ丸ノ内線]]
[[&font(#b5b5ac){日比谷線}>東京メトロ日比谷線]]
[[&font(#009bbf){東西線}>東京メトロ東西線]]
[[&font(#00bb85){千代田線}>東京メトロ千代田線]]
[[&font(#c1a470){有楽町線}>東京メトロ有楽町線]]
[[&font(#8f76d6){半蔵門線}>東京メトロ半蔵門線]]
[[&font(#00ac9b){南北線}>東京メトロ南北線]]
[[&font(#9c5e31){副都心線}>東京メトロ副都心線]]
と9つの路線を保有する。(路線名をタップ・クリックすると各路線の詳細を閲覧可能)
銀座線・丸ノ内線を除く7路線は他社との相互直通運転を実施している。
なので、ケースによっては[[神奈川県]]中央部から地下鉄経由で[[栃木県]]の手前まで運転する電車や、[[東京都]][[多摩]]地域から利根川を越えて[[茨城県]]まで運転する電車もある。

当初は副都心線の開業を最後に新線の建設を実施しない予定であったが、その後方針転換し新線建設を行うことが明らかにされた。
今後は有楽町線の豊洲~住吉間・南北線の白金高輪~品川間の建設が予定されている。

駅によってはEchika-エチカ-等、東京メトロが運営する商業施設もあったりする。
技術の進歩のお陰で、新しい路線ほど深い場所に建設される様になった(当たり前だが)。
地上から最も深い駅は-37.9mで、千代田線の国会議事堂前駅。海抜が一番深いのは-31mで、住吉駅である。
 
*【&font(#00a7d3){所有}&font(#00457d){車両}】
営団時代から電機子チョッパ制御やボルスタレス台車、着席区分付きの座席など日本初・業界初となる装備を数多く導入してきた。特にアルミ合金製車両の導入に積極的で、日本の大手私鉄では唯一、所有する全ての営業用車両がアルミ合金製の車両となっている。

最近の車両は&font(red){LCD}が付いていたり、空調も良く効いて快適。だが古い車両になると、冷房が全く効かなかったり、また騒音がひどい。

日比谷線脱線事故の影響から、メトロ発足後に開発された車両はごく一部を除き輪重調整や管理の容易なボルスタ付台車を採用している。
安全面のため仕方がないとはいえ、前身の営団地下鉄がボルスタレス台車を開発して普及に貢献したことを考えると何とも皮肉な結果となっている。

個人的に好きなのは日比谷線の車両。&font(#008cff){座席フカフカ}+&font(#808080){静か&揺れない}+&font(#ffc0cb){案内放送の声が可愛い}+&font(#0000ff){効きすぎる空調}、と素晴らしいスペック。

ちなみに、営団時代は1980年代中盤まで&bold(){車両冷房率0%}というある意味奇跡的な状況が続いていた((すでに大手私鉄では冷房化率80%以上、あるいは完全達成した会社も出始めていた時期である。))。これは、車両よりも駅構内やトンネル内を冷房した方が良いという営団地下鉄の方針からで、乗り入れてくる国鉄・私鉄の冷房車両も地下鉄内では冷房を切らせるという徹底ぶりだった。
しかし時代の流れもあって1987年からは方針を切り替えて車両冷房の搭載を開始、1996年までに全車の冷房化を達成した。


それでは路線別に簡単なプロフィールを紹介しよう。
※右のアルファベットは路線記号

**&font(#ff9500){〇銀座線 G} 渋谷~浅草 
16メートル車6両編成。
銀座線と丸ノ内線は第三軌条集電方式を採用しており、3本目のレールから電力を供給するため、パンタグラフを持たない。

・01系(全廃)
旧型車を置き換えイメージアップを図るために導入された、いわゆる最初の「0x系シリーズ」。ローレル賞受賞車両。
保安装置の近代化も相まってスピードアップにも貢献した。照明も走行中に消えたりすることはなくなっている。
熊本電鉄に一部が譲渡されて現在活躍中。

・1000系
そんな01系も登場から30年近くが経過し、新型車に置き換えられることになった。2012年4月11日に営業運転開始。
開業当時の車両、1000形を倣って車体はレモンイエローをメインとした配色のレトロな外見ながらも、10000系や16000系などにも搭載された最新技術を搭載。
内装は沿線名所の数々をモチーフとした意匠が取り入れられている。
2編成のみ特別仕様車となっており、より1000形に近い外観・内装となっている。
地下鉄車両初のブルーリボン賞受賞車両である。


**&font(#f62e36){〇丸の内線 M} 池袋~中野坂上~荻窪
***&font(#f62e36){〇方南町支線 Mb} 中野坂上~方南町
18メートル車6両編成。
・02系
丸ノ内線の冷房化と旧型車の置き換え用に導入された。
更新工事を受けた車両はかつての500系列のトレードマークだったサインカーブが描かれている。

・02系80番台(全廃)
方南町支線用の車両で1996年に導入。
誤乗防止のため本線の02系とは微妙に帯のデザインが異なっている。

方南町支線は元々原則線内のピストン輸送が主流で、車両も銀座線からの転属車など本線とは一線を画していた。
2019年7月5日のダイヤ改正より本線からの直通列車が運行されるようになり、2022年8月27日のダイヤ改正で全列車が6両に統一され、区間運転列車および専用車両は姿を消した。

・2000系
2019年にデビューした最新型の車両で、真っ赤な車体にトレードマークのサインウェーブが描かれている。
丸窓を含めデザインに「丸」を多く採用したり、車内無料Wi-Fiや充電用のコンセントも採用されている。


**&font(#b5b5ac){〇日比谷線 H} 中目黒~北千住
・03系(全廃)
18メートル車8両編成。
日比谷線の冷房化と旧型車の(ry
一部は両端の2両ずつ計4両のドアが5ドアの編成がある。
13000系の導入に伴い2020年2月までに全車引退。
そのサイズの手ごろさから廃車後は地方私鉄に引っ張りだこで、熊本電鉄に譲渡された車両は銀座線01系・三田線6000形((後継の6300形とは直通先の東急東横線・目黒線の並走区間で並んで走ったことがある。))と並ぶという東京でもありえなかった光景を繰り広げることに。

・13000系
20メートル車7両編成。
ホームドア整備にあたって[[東武鉄道]]と(主に準急が停車する北越谷以北の駅での)足並みを揃えるために導入された。
03系と異なり4ドア車で統一されているため、全体編成の長さは若干短くなった。ドア数は5ドア編成と3ドアのみの編成の間を取る形になった((03系は編成長144mで5ドア編成がドア総数32、3ドアのみの編成はドア総数24。13000系は編成長140mでドア総数28。))。


**&font(#009bbf){〇東西線 T} 中野~西船橋
20メートル車10両編成。
・05系
導入が長期間に渡ったため、2000年以降に新製された編成はデザインが変更された。
他にも一部の車両のドアの幅が広いワイドドア車や、旧型車から捻出したアルミをリサイクルして使っている車両もあり、バリエーション研究だけで一冊同人誌が作れる程に。
初期車は早くも置き換えられ、千代田線に転属したほか[[インドネシア>KRLジャボタベック(鉄道会社)]]へ輸出されている。

・07系
かつては有楽町線で運用されていたが、ホームドアに対応できず東西線に転籍したが((東西線にもホームドアが設置されているが、ワイドドア車にも対応する幅広の開口部を設けており問題なく運用されている。))、暫定的に千代田線を走ったこともある。
6000を参考にした7000系同様、大部分は06系と共通している。

・15000系
混雑緩和のためオールワイドドア車として導入された。
この車両から方向幕がフルカラーになった。


**&font(#00bb85){〇千代田線 C} 代々木上原~綾瀬
***&font(#00bb85){〇北綾瀬支線 C} 綾瀬~北綾瀬
本線は全て20メートル車10両編成。
支線専用は20メートル車3両編成。

・[[6000系>営団地下鉄(東京メトロ)6000系電車]](全廃)
「21世紀の電車」を目指し当時の最新技術をつぎ込まれた車両。ローレル賞受賞車両。
その後改良・改修を重ねて実際に21世紀まで生き延びたが、さすがに限界が来たらしく置き換えが進み2018年11月までに全編成の運転が終了した。
尚、一部編成はインドネシアで[[余生>KRLジャボタベック(鉄道会社)]]を送っている。
北綾瀬支線には試作1次車(通称ハイフン車)も運用されていた。

・06系(全廃)
増発用に導入された1編成のみ存在したレア車両。6000系よりも前に廃車となってしまった。

・16000系
エネルギー効率を高めた新システムを搭載した新車両。ローレル賞受賞車両。
当初は貫通扉が中央にあったが、最近新製された車両は左寄りになっている。また後次車の編成はラインカラーが微妙に異なっている。

・05系(北綾瀬支線用)
東西線で走っていた車両を北綾瀬支線用に改造した。

・5000系(全廃)
千代田線開通当時には本線で運行されており、常磐線にも乗り入れていた。その後は東西線で主に使用されていたが、それも2006年までに廃車。結局最後まで残ったのはこの支線用だった。


**&font(#c1a470){〇有楽町線 Y} 和光市~小竹向原~新木場 
**&font(#9c5e31){〇副都心線 F} 和光市~小竹向原~渋谷
20メートル車8両編成・10両編成。
車両は共用だが8両編成は副都心線のみの運用。有楽町線は全車両が10両編成での運用となる。

・10000系
「東京メトロ」としては初の新型車。
それにふさわしく省メンテナンス・省エネルギー・安全性の強化など新しい試みが多い。
丸みの帯びた車体が特徴で、銀座線や丸ノ内線の旧型車に導入されていた空気笛が復活している。

・17000系
7000系の置き換えを目的に導入された。
これまでの副都心線を強調したラインから、有楽町線のも取り入れたカラーリングになっている。
2022年には18000系とともにローレル賞を受賞している。

・7000系(全廃)
大部分は6000系と共通している。
登場時は黄色のラインだったが、副都心線対応のため10000系と同じ色に変更された。

・07系(転属済み)
増発用に導入された有楽町線の車両だが、ホームドア絡みの件もあって、全て東西線に転属した。


**&font(#8f76d6){〇半蔵門線 Z} 渋谷~押上
20メートル車10両編成。

・8000系
6000&7000系をさらに改良し、80年代らしい近代的なデザインに。
&s(){同時期に登場した地下鉄烏丸線の車両とはまさかのデザイン被り。}
一部の編成は05系までの繋ぎとして東西線を走ったことがある((その際、運転台も現在のT字型ワンハンドルマスコンではなく、2ハンドル型の運転台を使用していた。また、期間が短いため紫色の帯のままだった。))。

・08系
押上開業&東武線乗り入れに対応するため導入。
「営団地下鉄」としては最後の新型車で、Sマークをつけていたのはほんの束の間。

・18000系
8000系の置き換えを目的に導入された。設計の大部分は17000系と共通している。というか、だいたい同じ。
ローレル賞を取ったところもだいたい(ry


**&font(#00ac9b){〇南北線 N} 目黒~赤羽岩淵
20メートル車6両編成・8両編成。

・9000系
落成当時は営団→東京メトロ唯一のクロスシート装備車でもあった。
地下鉄線内はホームドアで姿が見えにくい。
最終増備車はデザインが一新されたほか、リニューアル車も斬新なデザインとなっている。
東急新横浜線~[[相鉄線>相模鉄道]]への直通対応のため、一部編成は8両化が開始された。

*【&font(#00a7d3){余}&font(#00457d){談}】
乗降客数のランキング(2021年度)では、
駅名/ 路線 /人員
一位:[[池袋]] 40.3万人
二位:大手町 23.8万人
三位:[[北千住>北千住駅]] 19.8万人
 :
二十四位:[[秋葉原]] 8.6万人


因みにコロナ禍前は、北千住駅の他社線含めた乗客数は[[名古屋駅]]と同じくらいだった。


&font(#009bbf){葛西駅}には地下鉄博物館があり、銀座線の初代1000形や丸ノ内線の300形・前身の東京高速鉄道100系のカットボディ等既に引退した車両を見る事ができる。
地下鉄ファンの&font(#FFDC00){聖地}として名高い。

営団時代は特殊法人ということでテレビCMなど対外広告はほとんど実施していなかったが、駅構内に掲示されるマナーポスターは初代林家三平や[[寅さん>男はつらいよ]]、[[ウッチャンナンチャン]]((当時、東京の地下鉄各路線を対決させるというショートコントを持ちネタにしていた。))といった人気タレントを起用したもの、名作映画や絵画のパロディなど豪華なものが多数制作されていた。
チャップリンの「独占者」など現在の目から見ても秀逸な作品が多数あるので、一度検索されることをお勧めしたい。

鉄道趣味界隈では長らく、前身の営団時代から東京メトロ線内は写真撮影が禁止という噂話が流れていた。
実際、Nifty-Serveの鉄道フォーラムでは2012年までメトロ構内で撮影した写真の投稿が禁止されていた。
尤も、全線自社区間である丸ノ内線・銀座線の写真は普通に鉄道雑誌に投稿されていたため、実際は他の鉄道会社と同じレベルでの撮影禁止だったと見るべきだろう。


 

―――東京という大都会の下には、広大な地下鉄の世界が広がっている
   そこには引っ切り無しに、あらゆる立場の人を乗せた電車が休む事なく暗闇の世界を疾走しているのだ
   今日も、眩い地下鉄の光が、暗い地下の世界を駆け抜けて行く――


アナウンス"まもなく1番線に、冥殿町行きが参ります。追記・修正でお待ちください"

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- 絶望先生だかでこれのマークがエロスに見える、と描いてあってもうそうとしか見えなくなった。どう見てもM字です本当にありがとうございました  -- 名無しさん  (2014-03-01 23:01:28)
- リンクあるけど禁止じゃなかったか?  -- 名無しさん  (2015-02-10 01:00:16)
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}