大魔神カノン

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大魔神カノン - (2019/04/16 (火) 12:08:12) のソース

&font(#6495ED){登録日}:2012/03/17(土) 22:06:16
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本作は2010年に[[テレビ東京]]で放送された深夜特撮テレビドラマ。
『[[仮面ライダー響鬼]]』を途中降板し、角川書店に移籍した[[高寺重徳プロデューサー>高寺重徳(プロデューサー)]]が久々に手懸けた作品でもあり、『クウガ』・『響鬼』の文芸担当で『響鬼』前半の脚本家でもあった大石真司がメイン脚本家だった。

制作費10億円という深夜特撮としては異例の高予算が投入され、この点も放送前には大々的に宣伝された。

なお、タイトルこそ往年の特撮時代劇映画『[[大魔神]]』の名を冠してはいるが、舞台設定が現代であることや『オンバケ』 『イパダタ』など元の映画に無い要素も多いことから、実質的に別物になっている。



【あらすじ】

古くから人間に大切にされてきた物に魂が宿った存在『オンバケ』。
彼らは人間の邪心の塊『イパダダ』と長年に渡って戦い続けてきた。

田舎育ちの少女・カノンは進学後に上京して一人暮らしを始めるが、都会の環境に馴染めず自分を見失っていた。
しかし、都会に生きるオンバケ達と出会ったカノンは、彼らとの交流を経て心を癒していく。

やがてカノンは、自分の故郷にかつて巨大なイパダダを倒した石像のオンバケ『大魔神』が眠っていること、そして大魔神を目覚めさせる鍵が自分にあることを知る…
 


【評価】

&font(#ff0000){はっきり言って悪い。}


「『響鬼』の前期プロデューサーが久々に手がけた作品」という前情報から、『響鬼』前半の作風が好きなファンの多くも期待していたのだが、その数多くのファン達でさえも微妙な評価を下している。

実際、『響鬼』のファンである漫画家の吉田戦車も放送前にはこの番組に期待していたものの、全話視聴後にはツイッターに微妙な感想だったことが伺えるコメントを残した。

また、[[ニコニコ動画]]で番組の有料配信を行った際も他の番組と比較するまでもない、&bold(){ぶっちぎりで低い売上を記録した}。
無料配信から8年以上経った現在では第一話の再生数も4万5000程度とそこそこの数字に落ち着いている。
とはいえ、二話は再生数が二万にも満たず、三話以降からどんどん右肩下がりになって&bold(){最終的には1000にすら届かなくなっている}ことに変わりは無い。

おかげで今では「&font(#ff0000){良い所が少なすぎて探すのが難しい}」とまで言われている。



作品の問題点を簡単に挙げると、


▲物語の進行がゆっくり過ぎて間延びした感じがする

 ↓

▲さらに、特殊効果やアクションなど、特撮作品の命である「エンターテイメント性のある映像」を作り出す要素も足りない

 ↓

▲結果、映像面での迫力や物語面での盛り上がりに欠け、作品全体に退屈な雰囲気が漂う
 

という感じになるだろう。


この点は『響鬼』前期の作風にも見られたことではあるが、『響鬼』は仮にも特撮ヒーロー番組であるがゆえに

「戦闘などで描かれるヒーローや怪人のアクションシーン」

「武器・変身グッズやディスクアニマルなどの玩具連携アイテム」

などの要素が製作で必須であったため、結果として賛否両論となりながらも見所があったのだが、

『大魔神カノン』の場合は、

▲深夜番組なので『響鬼』のように玩具の宣伝などヒーロー番組としての制約に縛られる必要がなく、予算もタップリある

 ↓

▲細部の作り込みにこだわる癖がある高寺プロデューサーが労力・予算・時間を好きなように注ぎ込み、自分の趣味を追求した

 ↓

▲全体的にNHKの『[[朝の連続テレビ小説>連続テレビ小説(朝ドラ)]]』のような作品、酷くいえば「&font(#ff0000){&bold(){そもそも特撮番組である必要がない}}」作品に仕上がってしまった



という状態なのだ。

また、高寺プロデューサーが『響鬼』の製作から降板した理由として
 
「制作費の上限を無視して細部の作り込みにこだわった結果、東映の経営陣に『金食い虫』として危険視された」

「仮面ライダーシリーズの主な視聴対象である児童層を置いてきぼりにしかねない作風になってしまい、玩具展開の行方に危機感を抱いたスポンサーに睨まれた」

などの説が存在するのだが、『大魔神カノン』の評価が良くないことによって、この仮説の説得力がかなり強まることになってしまった(実際、『[[星獣戦隊ギンガマン]]』の製作に加わった際も巨大ロボを廃止させて星獣メインのバトルにしようとしてスポンサーから猛反対にあった前科がある)((この通説は間違いで、実際にはギンガマンのロボット廃止案はプレックス/バンダイの当時の重役でデザイナーの村上克司氏からの提案であり、星獣のデザインも村上が手がけている。
「いつまでもロボットでもないだろう。新しいことをやったらどうか」との提案だったとのこと。
その理由として、ギンガマン放送当時の98年前後は怪獣作品が活況であり、
(95年から平成ガメラ3部作がスタートし、96年から平成ウルトラマン3部作がスタートし、その両方がヒットし、代わりに戦隊物は苦戦中の状況だった。
また、ゴジラシリーズは一旦は終了したものの、96年からは平成モスラシリーズがスタートし、ギンガマンと同年の98年には初のハリウッド版ゴジラが公開されている)
むしろロボット物の作品は新世紀エヴァンゲリオン以外は軒並み苦戦中の状況であり、96年の機動新世紀ガンダムXを最後に平成ガンダムシリーズも打ち切りとなり、97年の勇者王ガオガイガーを最後に勇者シリーズも終了し、当時のテレビ朝日は長年続いていたロボットアニメの看板シリーズ枠二本も立て続けに終了させ、「次は戦隊終了ではないか」と戦々恐々とした状況だった。
スーパー戦隊シリーズも96年の激走戦隊カーレンジャー、97年の電磁戦隊メガレンジャーと2年続けて苦戦中の状況にあり、ガンダムや勇者シリーズとは違い終了には追い込まれなかったものの、メガレンジャーではついに放送時間帯と曜日移動もさせられている。
ヒットしていたエヴァンゲリオンもロボットアニメというよりはウルトラシリーズや怪獣映画の影響が濃い。
また、村上克司氏はゴジラvsビオランテ~ゴジラvsデストロイアまでの平成ゴジラvsシリーズのキャラクターデザインと商品展開のプロデュースも担当していたキャリアがあり、平成モスラシリーズも同様に手がけていた。
こうした状況下で、戦隊物にロボットよりも好調だった怪獣要素を柔軟に取り入れようというのがバンダイ側からのギンガマンの企画方針だった。
また、星獣とギンガマンの絆を大切にしよう、という方針で1号ロボットをパワーアップさせて最後まで戦わせるというアイデアも、当時の村上克司の部下の野中剛氏(のちに平成仮面ライダーシリーズでも活躍することになるプレックス所属のデザイナー)のアイデアによる。
この案はのちの「デジタルモンスター」シリーズのアイデア源流となっている。
(デジタルモンスターシリーズ自体も90年代後半当時の怪獣人気とポケモン人気の影響で企画が始まっている)))。


一応、主人公カノンの成長などの物語的要素はきちんと描かれているので、特撮番組として見なければ案外そこそこいける…かもしれない。
フォローになってないかもしれないけど…。
あとOP・EDソングは普通に良い曲なので必聴。
 


【メディアミックス】
角川書店から漫画版が出ているが、話を追うならコレを読んだ方が早い。
さらにドラマ版の不満点の一部が改善されているとしてこちらのほうが好評価でもある。
ちなみに乳首券もあるよ!!
 


【登場人物】

■巫崎カノン
主人公。『響鬼』で言う明日夢ポジションにあたる。祈りの歌の歌い手だが・・・
あらすじに書いてある通り、物語前半は色々とあり非常に暗い性格だったがオンバケ達との出会いにより徐々に明るさを取り戻していく。
笑顔が可愛い。兄貴はオダギリジョー。


■タイヘイ
兜のオンバケ。『響鬼』で言うヒビキポジション。
純粋バカな正義漢。
物語後半では他のオンバケたちがイパダタを追うため別行動を取る中、タイヘイはカノンの傍にいる事となったため、&bold(){必然的に戦わなくなる}。
おいおい…。


■オンバケたち
イパダダと戦う正義の妖怪たち。基本的に全員が善人。

金魚のイケチヨや犬のトモスケ、埴輪のブチンコなどがいる。登場が数話だけのオンバケも多い。
『響鬼』は怪人っぽいと言われつつも、まだヒーロー然としたデザインだったが、こちらは完全に怪人なデザインである。

余談だが、演じた役者に柴田理恵やブレイク前の鈴木福がいたりとかなり豪華。
 

■ブジンサマ
別名オオマヒト。見ればわかるように大魔神である。
その昔、人々の為に尽力を尽くしたが、ある事件により迫害を受けてしまい、以降引きこもりとなってしまった。
存在そのものは序盤から明示されているが、動きだすのは何と最終回だけである。
確かに映画の大魔神も最後の最後でようやく動き出すけど…。


■後根幸太郎
カノンの元カレでバンド「0℃(レイドシー)」のリーダー。
カノンの性格を暗くさせた元凶にして&bold(){どうしようもないクズ}。
高寺特撮によくある分かり会えない敵役ポジションにして&bold(){何の擁護も出来ないクズ}。
物語途中でイパダダに憑依されるが、その事を本人含めて知る者は誰一人いなかった。活かせよ…。
漫画版だと一応改心する。


■イパダダ
オンバケたちの宿敵にしてラスボス…&bold(){というか、こいつ以外に敵が登場しない}。
恨みを残して死んだ人間の成れの果てであり、別個体のイパダダも存在していた事が示唆されている。『響鬼』で言う魔化魍のポジション。
 

追記・修正はほどほどにお願いします

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