戸田奈津子

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戸田奈津子 - (2019/06/08 (土) 16:03:40) のソース

&font(#6495ED){登録日}:2010/06/05(土) 10:45:54
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&font(#6495ED){所要時間}:約 4 分で読めます

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ファンからの愛称はなっち。1936年7月3日生まれ、東京都出身。津田塾大学学芸学部英文学科卒業。

日本で最も有名な女性翻訳家であり、映画字幕翻訳の先駆けとなった一人。翻訳業界の重鎮。
戦前から字幕翻訳を務めた清水俊二の弟子。
その多大な実績から大作ハリウッド映画の翻訳は彼女に任されることが多い。
最近では超翻訳版という新たな試みにも挑戦している。

しかし
・若い役のセリフでも「せにゃ」などの年寄り口調を使う
・「ファック野郎」のような不自然な単語
・体言止めを多用する
等の戸田語と呼ばれる癖の強い文章は人を選ぶ。

それに加えて
・誤訳が多いこと
・作品の設定や独特な固有名詞を無視した翻訳も多いこと
・それらを指摘されても自分こそが正しいと言い張る姿勢
という欠点もある。

二番目の問題点の影響で世界観が壊れて没入感が霧散し易いことから、特にSF界隈では倦厭される傾向にある。
当wikiで例えるなら、ガンダムシリーズの「ニュータイプ」という単語を「超能力者」などと訳してしまうようなものである。
ハートマン軍曹で有名な「フルメタル・ジャケット」の訳も最初は彼女の担当だったが、
彼女の訳の再英訳を見たキューブリックに「汚さが出ていない」と交代させられたとか。


誤訳ばかりと思われがちだが、その一方で名訳も多い。

・『ターミネーター』
「Hasta la vista, baby」→&bold(){「地獄で会おうぜ、ベイビー」}

・『スターウォーズEP3』
「I have the high ground!」→&bold(){「地の利を得たぞ!」}

などは、格好良さでもネタ的な意味でも広く知られている。

「仕事は選ばず、回ってきた仕事は大小問わず全て引き受ける」というスタイルを貫いているため、
作品の規模や知名度に関わらずバンバン仕事をこなしていく姿勢については、翻訳者自体が人数の少ない専門職であるため評価すべき点である。
加えて1970年から半世紀近く精力的に活躍し続け、翻訳した作品は映画.comに登録されているだけで)688本。
翻訳者、通訳者として80歳を超えて尚現役である。




以下、有名な誤訳
&font(#ff0000){×戸田訳} 
&font(#0000ff){○正訳}
:映画タイトル
解説

&font(#ff0000){×情熱のプレイ}
&font(#0000ff){○受難劇}
:オペラ座の怪人
原語はpassion-play。これは成句で、全てで「(キリストの)受難劇」という単語を意味するが、passion playとハイフンを無視して訳してしまった凡ミス。
&del(){でもクリスティーヌの情熱のプレイはちょっと見たいかも}
  
&font(#ff0000){×大尉から准将}
&font(#0000ff){○大佐から代将(准将)}
:パイレーツ・オブ・カリビアン
原語はそれぞれ「Captain」と「Commodore」。
より正確には「勅任艦長から戦隊司令」(この時代ではCommodoreは役職名であって階級では無い)。

他の映画訳でも「中佐」(LieutenantColonel)の呼びかけ「Colonel」を直訳して大佐とするなど、軍の階級が訳しきれないようだ。
また『地獄の黙示録』では50口径と50ミリを誤訳する((普通は50口径=0.50インチ口径=12.7mm。50mmでは4倍近くになってしまう))など、軍事系には誤訳が目立つ。

&font(#ff0000){×韋駄天}
&font(#0000ff){○馳夫}
:ロード・オブ・ザ・リング
原語は「Strider」
原義は「大股で歩く者(アメンボ)」。原作世界に存在しない仏教の神様の名前を出してしまったことで世界観が崩れた。((但しこれは吹き替え担当の平田勝茂氏が「ハセオ」から馳男の漢字が想像しにくい、という理由からこの言葉を提案した、と自身のtwitterで語っている。これについては以下のページも参照 https://togetter.com/li/1067579))

&font(#ff0000){×わしは生命の創造主、秘密(アノル)の炎に仕える者だ!}
&font(#0000ff){○わしは神秘の炎に仕える者、アノールの焔の使い手じゃ!}
:ロード・オブ・ザ・リング
原語は「a servantof the Secret Fire, wielder of the flame of Anor!」
原語にはない「生命の創造主」をつけ足し、さらにSecret Fireとflame of Anorを混同している。
もちろんこの翻訳は原作の設定と異なっている。アノールの焔は太陽のことであり、原作の中で強いて「生命の創造主」にあたる存在を探すと創造神イルーヴァタールになる。この作品において、新たな生命の創造は神にのみ可能な御業である。
原文に無い単語を付け足すという、戸田奈津子の誤訳の中でも特に凄まじいものである上、文章としても「わし=生命の創造主」という誤解を招きかねない悪文である。
//特に「生命の創造主」たる神に仕えることを誇りにしているキャラクターにも関わらず自らを「生命の創造主」と称するのは「私こそが神だ!」と主張するも同然であり、酷い誤解を招く。
他にも『ロード・オブ・ザ・リング』ではボロミア関連で誤訳が目立ち、高潔で責任感の強い人物であったが故に、祖国と民を守れる力を欲して指輪の魔力に囚われてしまった彼が、指輪目当てに裏切った悪人と受け取られかねない事態になっている。
このあたりに関しては、激しい抗議運動の結果、上記も含めてDVDであらかた修正された。

&font(#ff0000){×66回の流産}
&font(#0000ff){○66年の流産}
:リング
訳してる途中で気づきそうなものだが……
66回ってビッチ通り越して妖怪だよ…


&font(#ff0000){×バッキングハム}
&font(#0000ff){○バッキンガム宮殿}
:レッドドラゴン
原語はBuckingham。
  
&font(#ff0000){×SOS}
&font(#0000ff){○CQD}
:タイタニック
タイタニック号が氷山に衝突した当初、タイタニック号は旧遭難信号CQDを発信した(史実・映画共に途中からSOSに切り替えた。これが世界で初めてのSOS打電とされる)。
監督はリアリティを考慮してわざわざ古い遭難信号を使ったのだが、それをSOSと訳してしまった。((戸田氏は「わかりやすい翻訳」を心がけていると発言しているが、タイタニックの場合はむしろ「ん?」と思ってもらうことにこそ意義があったのではないかとファンからは批判されることがある。))

&font(#ff0000){×入れろ(open)⇔切れ(close)}
&font(#0000ff){○切れ⇔入れろ}
:アポロ13
電気回路の勘違い。
電気回路は回路の一部をスイッチとしてわざと「開放(open)」、つまり繋がっていない状態にしてあり、
これを「閉じる(close)」と回路が完成して電気が流れ、機器が作動する。

&font(#ff0000){×マグルの母}
&font(#0000ff){○穢れた血の母}
:ハリー・ポッターと秘密の部屋
マグル(非魔法族)を「穢れた血」と呼んで侮辱するシーンだが、毒気が完全に消えた。
主人公達が不当な差別に対して憤る場面でこうした変更をしているので、主人公達の方が突如怒り出す頭のおかしい人寸前となってしまっている。
侮辱語や差別語がなくなるのは戸田訳ではよくあること。
  

&font(#ff0000){×バトルシップ艦隊}
&font(#0000ff){○戦艦隊}
:スターウォーズエピソードI
スターウォーズおなじみの、冒頭のあらすじでいきなり飛び出てくる珍訳。
これに限らず、訳すべき部分で不必要なカタカナ語を使うことが多く、手抜きと受け取られかねない仕事も多い。

&font(#ff0000){×ボランティア軍}
&font(#0000ff){○義勇軍}
:スターウォーズエピソードI
原語はA Volunteer。
他にも「ローカルの星人(正しくは原住民)」「ジャバ・ザ・ハット族」など、EP1では誤訳が多い。

&font(#ff0000){×ネビュラ星雲}
&font(#0000ff){○クラードゥ星雲}
:ギャラクシー・クエスト
原語klaatu nebula。「星雲」を表すのはnebulaのほうであってklaatuは固有名詞(星雲の名前)。
つまり、戸田の訳だと「星雲星雲」となってしまう。

&font(#ff0000){×キリル語}
&font(#0000ff){○キリル文字}
:ハンティング・パーティ
架空の言語を作ってしまう。

&font(#ff0000){×2ヶ月}
&font(#0000ff){○2週間}
:13デイズ
タイトル通りほぼ2週間、それをテーマにしているのに2ヶ月と勘違いしてしまう。

&font(#ff0000){×脱出装置}
:トップガン
空母の「カタパルト(catapult)」は脱出装置ではない(艦載機を離艦させるための装置)。
これも軍事ネタの翻訳ミス。
  
&font(#ff0000){×デスマスク}
&font(#0000ff){○レクイエム}
:アマデウス
原語はdeath mass。
この誤訳によって「まずデスマスク(遺体から型をとって作るマスク)を手に入れてから、彼を殺す」という矛盾したセリフが出来上がった。
DVDでは字幕担当が松浦美奈氏に変更、この部分は訂正されている。

&font(#ff0000){×鳥ではなくウサギを}
&font(#0000ff){○鳥ではなくチーズトーストを}
:ゴスフォード・パーク
ウサギ(Rabbit)ではなくウェルシュ・レアビット(Welsh Rarebit)。
ウェルシュ・レアビットはチーズトーストの一種。
なお、この台詞はベジタリアンに食事を出すシーンなので、ウサギを出すわけがない。

 
追記・修正せにゃ

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- 66回の流産だけはいつ見ても笑う。気づけよ  -- 名無しさん  (2017-01-13 00:06:01)
- どうやってもこの人の場合誹謗中傷は出てくるから、肯定意見しかダメだってんならコメント撤去したほうがいいと思うが。  -- 名無しさん  (2017-01-13 10:06:15)
- なまじ本人ができる人オーラ纏ってるから余計にみっともない  -- 名無しさん  (2017-02-10 17:08:37)
- シャツを脱いで。お願い、シャツを脱いで。マジ? 写真屋のポスターのモデルみたい!  -- 名無しさん  (2017-02-18 02:51:11)
- 当人はよくても悪名も歴史に残ってしまうんだからミスと自覚したら早めに謝った方がいいと思うんだがな  -- 名無しさん  (2018-02-28 16:58:56)
- 記事そのものが誹謗中傷の塊。だのにコメントで中傷は書かかないでって無理にゃ  -- 名無しさん  (2018-11-25 23:29:40)
- 「特に「生命の創造主」たる神に~」の文、直していい? さすがに「生命の創造主」は「秘密の炎」にかかっていると解釈すべきだろう。「生命の創造主=秘密の炎」という意味のセリフのはず。  -- 名無しさん  (2019-05-12 03:00:34)
- ↑直すというかそういう注釈は入れて良いだろうね  -- 名無しさん  (2019-05-12 07:40:45)
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