SCP-2798

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SCP-2798 - (2016/11/19 (土) 11:22:26) のソース

&font(#6495ED){登録日}:2016/11/13(日) 14:50:12
&font(#6495ED){更新日}:&update(format=Y/m/d D H:i:s) &new3(time=24,show=NEW!,color=red)
&font(#6495ED){所要時間}:約 10 分で読めます

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#center(){&font(#ff0000){&bold(){世界規模の緊急プロトコルを実行中です。}}}



SCP-2798とは、シェアード・ワールドの一つである怪異創作コミュニティサイト「[[The SCP Foundation]]」に登場するオブジェクト。
項目名は『This dying would』日本語訳は『この死にゆく世界』

[[オブジェクトクラス>オブジェクトクラス(The SCP Foundation)]]は&bold(){Thaumiel}。
世界規模の危機であるKクラスシナリオが発生した場合のいわば最終兵器的な位置づけであり、同時に財団からしても出来れば使いたくない、毒に対する毒のようなクラスである。

だが、SCP-2798には、財団の奥の手というべき[[SCP-2000>SCP-1422/SCP-2000]]などの他のThaumielクラスとは全く異なる特徴が三つ存在する。
外見や存在形態、ではない。

ひとつは、これは見方を変えると、&bold(){財団が作り上げたSCPオブジェクトである}ということ。
そしてもう一つは、[[SCP-001]]に直接関連するオブジェクトであるということだ。



もう一度言う、&bold(){[[SCP-001]]である。}



あのSCP初心者殺し、正体不明の存在不明、所在不明で詳細不明、原理不明な意味不明オブジェクトのSCP-001と大きく関わっている、どころかSCP-001ありきのオブジェクトなのである。
そして、三つ目。
ある意味一番重要なこのSCPの特徴、それは、

#center(){&font(#0000ff){このSCPオブジェクトは、2016年11月現在、存在しない}}

ということである。
それはどういうことなのか、そもそもコイツとSCP-001はどう関係しているのか。
以下がその概略である。


*概要
まず、SCP-2798というSCPオブジェクトについて説明しておく。
コイツは、1971年から地球の磁場に紛れて存在している特殊なエネルギー場である。ただし、これ自体がSCPオブジェクトになったわけではない。

実はこのオブジェクトは、地球の磁場に紛れて存在している特殊なエネルギーを、1951年からSCP財団が複数のSCPを利用して、ある目的のために1971年に完成させた、地球全体を覆う力場なのだ。
つまりこのSCP-2798とは、収容リストを見ても類を見ない、財団が自ら作り上げたSCPオブジェクトなのである。

それでもSCPには違いないため、特別収容プロトコルが設定されている。
その内容を簡単に記すと、

・天然ガスの採掘活動に偽装せよ

に尽きる。SCP-2798はその特性上、財団が独占する一定の技術なくしては観測不可能であるが、地質学・地震学の観点から間接的に存在を知られる可能性は残っている。
さらにこのオブジェクトは、ある副作用を持っている。それはあくまでも副次的なもので、直ちに財団と結び付けられることはないとされており、情報資源は観測の封じこめに優先的に回すよう指示されている。


さて、財団がそこまでして作り上げ収容したSCP-2798。それは、何のために作られたのか。
それは、&bold(){SCP-001を封じ込めるため}である。

ここまで記せばお分かりかと思うが、SCP-2798の報告書には、SCP-001の特性や存在形態についての記述が多くみられるのである。
SCP-001は本Wikiの記事を見ていただければわかると思うが、カノン的には真相を隠匿するためのデコイとして、メタ的にはみんながこれについて書きたがるため、内容の一定しない大量の記事が存在する。つまり、どれが真相でどれがデコイかは全く判別できないのだ。

しかし、これについてはそうも行かない。
SCP-2798は、SCP-001と深くかかわっているが、SCP-001そのものではない。別のオブジェクトである。
そして、財団が認定したオブジェクトクラスが存在し、特別収容プロトコルが設けられ、報告書が正式に存在する以上、SCP-2798は「このSCPはSCP-001を封じ込めるための力場である」と認定され収容されていることになる。

これはとりもなおさず、SCP-001がどういう形で存在しているのか、どういうものなのかを間接的に認めたことになる。
SCP-001そのものについての報告書ならば、今まで通りデコイの海に溶けるのみである。が、「それと関わる全く別のオブジェクトの報告書」という形で、かつSCP-001の「正体」に深く切り込んだ記事は他に類を見ない。

それが真か偽かという論究はここでは行わず、SCP-2798についての解説を続けることにする。


SCP-2798は前述のとおり、SCP-001を封じ込めるため、地球のエネルギーを利用して財団が作り上げた力場である。これにより、SCP-001による干渉を部分的に封じることに成功した。
だがこれは、2005年以降強度が加速度的に低下しており、近い将来消滅すると予想されていた。

さて、このオブジェクトは具体的にどう作用するのか?
箇条書きにしてみる。

・SCP-001に対し、地球を単一の生命体と認識させる
・これにより、SCP-001の意思による作用が一点に収束するのを防ぎ、実体を封じ込める。
・副作用として、不特定多数の人間にミーム災害が発生している

となる。図らずもこの時点で、「SCP-001が明確な意思を持ち、かつ生命体に敵対的ななにがしかの意識を持つ、地球外の存在である何らかの実体」ということが読み取れる。


*プロジェクト・セラピス
SCP-2798を作り上げるこのプロジェクトが立ち上がったのは、SCP-001が発見・分類された1953年のことである。
このSCPを封じ込めるため、緊急指令部によりSCPオブジェクトの利用が許可されたが、これにあたってほとんどがSafeとはいえ実に6つものSCPオブジェクトが駆り出されることになった。

・SCP-158 - 魂抽出器
・SCP-310 - 永遠の炎
・[[SCP-447]] - 緑のスライム
・SCP-1714 - 無駄を嫌う物理学者
・SCP-1921 - 黒いわたあめ
・SCP-2570 - MCA & ハートブレイク

である。
その詳しいプロセスや原理はここでは省略する。重要なのは、このSCPはSCP-001の知覚を妨害し、その実体を実質的に封じ込めるための力場だ、という点である。
ただ、この力場の完成後、世界中の人々や太陽系に影響が表れている。

・超越性同一性障害
ミーム汚染の変種と思しきこの症状は、60年代からたびたび観測されている。
どういう症状かというと、全く別の個人に由来する記憶、感情、経験、思考、感覚を定期的に共有するというものだ。
症例の大部分はザンベジ超深度掘削坑に偽装されたサイト-2の周辺で起きているが、治療法は現状存在しない。

・組織的行動に関わる信念の減衰
SCP-2798の強度変動に連動するようにして、各地で社会的不安に端を発するとみられる政治異変が多発している。
SCP-2798の将来的な消失に伴って沈静化すると予想されていたが、2010年以降はどうも恒久的に影響を与えているらしいことが判明している。

・異常エネルギー場の他天体への伝播
SCP-2798を観測・検出するための機器があるのだが、この機器が太陽系内に微弱ながら同種のエネルギー場を観測している。
79年に月、81年に火星、92年には土星にも観測されている。
しかし、2005年になって月のエネルギー場が急速に減衰、消失した。原因は不明。


*機密情報
SCP-2798はその副次効果に伴い、情報漏えいのリスクを多数発生させている。これは、強度が強くなった際に多く見られる現象であり、SCP-2798の遍在性(ざっくり言うと「どこにでも存在する」)と集合意識における不明な作用が原因とみられている。
以下にその一例を示す。

#openclose(show=事例その1・UPI通信社の新聞記事){
オンタリオ州キッチナー 8月30日 (UPI)

通行人からの通報を受け、キッチナー市警は土曜の夜に市のBreithaupt Park近くの駐車場に10フィートもの深い穴を掘っていた男性を拘束した。

現場の目撃者は、男は夜遅くに鋤を持ち出して非常に興奮しながら一心不乱に穴を掘り始め、あらゆる対話の試みを無視したと語っている。男はやがて携帯型オーガードリルを穴の中に持ち込み、この時点で警察が呼ばれた。後に穴の中では未知の化合物が発見され、非常線が張られ緊急対応チームが召喚された。

ウォータールー地域警察の広報担当者は男の名を明かさなかったが、精神鑑定のために拘留中であることを認めた。
}

#openclose(show=事例その2・某鉄道模型の会の会報){
会員の技術者様方へ

フレッド・マンロー様、センテニアル公園での第5回一般公開日を企画してくださりありがとうございました!私達が取り組んできた携帯路線を展示するにはとても良い日で、イベントは本当に途方もないものでした!
&bold(){私達の足下数マイルの地下では、私達の知る全てのものが、生とは呪われたものであると教えてくれています。}
カブスカウト隊479のみんな、準備を手伝ってくれてありがとう!

あなた方も私と同じように、風景素材から模型に至るライオネル製の新しいNゲージ、”Scenic Vistas”には興奮していることと思います。私はビルのゲーム&ホビーショップにこの新しい一流路線が入荷されると聞きました!
&bold(){復讐が訪れるまで我々がしがみつく不愉快な物を創造するために、八千の魂が溶かされました。}
会員であることをビルに伝えれば、5%の割引が受けられます!

ジム・ルーカス様、瓶詰工場に30年勤め上げられたことを祝福いたします。&bold(){終末が訪れる前に死ぬことができるのは幸運なことでしょう。}
日当たりの良いフロリダでの、彼とシンシアの新しい人生に幸運を祈ります。彼の居間にある格好いいサザン・パシフィック鉄道を見に行くことを忘れないで下さい!

&bold(){捕食者を惹き寄せるであろう腐った死体について知っていますか? ただ一度の叫びと共に死ぬよりも、後の百世代のために腐り果てるほうが望ましいことなのでしょうか? }
この春に誕生日を迎えたハリー・S様47歳、ジョージ・B様55歳、ドワイト・E様42歳、おめでとうございます!
}

#openclose(show=事例その3・ウルドゥー語のチラシ){
注目せよ

全人類はただ一人

墓は地球の中心に

慈悲有るならば門を開け

全は一にして、爪有る限り私は棺の蓋を掻き続ける

それは私を見ている

門を開け
}

事例はもう一つあるが、内容が内容なのでここでは省く。
それも含めて共通しているのは、何がしかの啓示を受けたかのような言動や行動であり、神的・霊的な何かの干渉を思わせるものがある。さらにそれらの内容からは、いわゆる終末論に類する思考が見て取れる。

SCP-2798がなくなった後、SCP-001にどう対処するべきなのか、とO5評議会は何度も会議を行っている。
が、

・その1:近隣の惑星への避難
→「技術的に無理です」というわけで否決。

・その2:SCP-001と交渉する
→「意味がありません」というわけで否決。

・その3:体系的な異常存在兵器化計画
→2015年12月には一旦承認されたが、翌年1月に全会一致で「無理ですから! 出来ませんから!」というわけで否決。

・その4:プロジェクト・セラピスをやり直す
→「副作用が収拾不可能なレベルになるから無理です」というわけで否決。

・その5:全世界への青酸カリ散布
→投票保留中。

……SCP-001はかなりヤバい代物のようだ。




そして、対応策の見つからないまま迎えた、2016年11月2日。




#center(){&color(#ff0000,#000000){&bold(){SCP-2798は機能を停止しました。SCP-001は未収容です。世界規模の緊急プロトコルを実行中です。}}}



ついに、SCP-2798は消滅した。


O5評議会はただちに議会を招集したが、世界人口に対する効果的自殺手段の配給と、それに伴うSCP-001との利害関係を持つ一般人の救済計画については、賛成7、反対4+棄権3という形で動議否決となった。

彼らがそこまでして警戒しおびえるSCP-001とはなんなのか?
それについてのレポートは存在するが、SCP-001の記事の一つに「Kalininの提言」として紛れ込んでいるためその真偽を判別することは不可能となっている。






#center(){&sizex(4){&bold(){&font(#ff0000){SCP-2798 - This Dying World (この死にゆく世界)}}}}





追記・修正はSCP-001の対応策が可決されてからお願いします。

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#right(){
SCP-2798 - This Dying World
by Kalinin
www.scp-wiki.net/scp-2798
scpjapan.wiki.fc2.com/wiki/SCP-2798(翻訳)
この項目の内容は『[[クリエイティブ・コモンズ 表示 - 継承3.0ライセンス>https://creativecommons.org/licenses/by-sa/3.0/deed.ja]]』に従います。
}

#include(テンプレ2)
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#openclose(show=▷ コメント欄){
#areaedit()
- これ「-D」じゃないのか・・・  -- 名無しさん  (2016-11-13 16:35:21)
- Dが廃止されてからの記事だぜ?あとそもそも本部でも各国支部でも人気のオブジェクトだし消しようがない  -- 名無しさん  (2016-11-13 16:51:33)
- あとこれ[[SCP-001/Kalinin's Proposal]]がないとわけがわからんな…誰か作って欲しいけど関わるオブジェクトの数がおびただしいしあと解釈も難しい…共同作業で項目作成できたら面白いのにな  -- 名無しさん  (2016-11-13 17:07:30)
- 大統領選でトランプが当選したからあいつも月の蛇に襲われるなって思ったらKalininの提言で大統領が巨石を召喚&操作出来るように改変されてた  -- 名無しさん  (2016-11-13 17:32:55)
- ↑×2そもそもまだ翻訳が途中な時点で...  -- 名無しさん  (2016-11-13 17:35:24)
- ↑それな 英語読める人がいないと作れない しかもちょっと内容が高度すぎて英語だと何書いてんのかわかんない…  -- 名無しさん  (2016-11-13 18:08:57)
- ↑6なるとしたらNeutralizedだろ  -- 名無しさん  (2016-11-13 18:26:33)
- 2798を認めた場合いくつかの非生物系SCP-001提言は当然嘘、ということになるが一方で2798が実は他のものに対するデコイという可能性もありうるというのが面白い  -- 名無しさん  (2016-11-13 18:31:59)
- ちなみに「後天的に異常性を持ってしまっただけで元々は普通の物体」とはいえ、財団が作っちゃったSCiPなら日本支部にもSCP-1000-JPがあるね  -- 名無しさん  (2016-11-13 18:33:41)
- 出たな今現在一番ヤバいオブジェクト。最後の一文が本気でおっかねぇ  -- 名無しさん  (2016-11-13 19:13:10)
- 提言が当初「Kanlininの提言」に空目した。カリーニンの提言、ね。  -- 名無しさん  (2016-11-13 19:34:44)
- これに限らず結構な数のSCP記事がkalininの提言に合わせた内容に改訂されてるし001の中でも色々異例よね  -- 名無しさん  (2016-11-13 21:05:16)
- プロジェクト・セラピスⅡってたった24時間で過去五年分の死者が出るよりもっとやばいってどゆことよ  -- 名無しさん  (2016-11-13 21:32:33)
- 「延長化された討議」があまりに絶望すぎて、O5-2と3を美少女化妄想して楽しんでた。しかし最後の描写で打ち砕かれた。現実は非情である  -- 名無しさん  (2016-11-13 23:42:43)
- ↑財団職員がみんな人間とは限らんのやで?  -- 名無しさん  (2016-11-14 00:10:03)
- ↑まぁそうなんだけど、人類の運命決めるのは人間であってほしいやん?  -- 名無しさん  (2016-11-14 00:35:15)
- これとkalininの提言の001は、現実の世界情勢の混乱をSCPの影響として創作の中に取り込んで、直近のアメリカ大統領選挙らへんで2798の効果が無くなって、SCP世界で終末に向かいかねない重大事象が次々起きてるのをリアルタイムに近い感じで体験できるようにしてる項目って理解でいいのかな?滅茶苦茶トンチンカンなこと言ってたらごめん…  -- 名無しさん  (2016-11-14 07:50:02)
- ↑2798の記事は大統領選にずっと前からあったけど?トンチンカンすぎて片腹痛いわ  -- 名無しさん  (2016-11-15 20:51:23)
- ↑そうなんだ、じゃあ財団の収容が段々破られていってる様子を見られる記事ってことで楽しめばいいのか。001が仮にこういうもので対策が破られたらこうなるっていう一つのifって理解する感じ?他のSCPにも影響が出まくってるらしく書かれてて混乱したけど、あくまで2798とkalininの提言でのif世界なのかな  -- 名無しさん  (2016-11-19 11:22:26)
#comment
#areaedit(end)
}