アグロ(TCG)

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アグロ(TCG) - (2017/09/07 (木) 00:30:11) のソース

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アグロ/Aggroは、トレーディングカードゲームにおける[[アーキタイプ>アーキタイプ(TCG)]]の一つである。

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*概要
トレーディングカードゲームには[[アーキタイプ>アーキタイプ(TCG)]]と呼ばれるいくつかのデッキの類型が存在する。
これは『デッキタイプ』と呼ばれるものよりもっと上位の概念で、
デッキタイプが例えばMtGなら【スライ】と【白単ウィニー】のような具体的な部分までを指摘したものであれば、
アーキタイプは『ビートダウン』とか『コントロール』とか『[[コンボデッキ>コンボデッキ(TCG)]]』のようなものが存在する。
上記で言えば【スライ】と【白単ウィニー】は両方共、相手を殴り倒すことを目的とするのだから「ビートダウン」ということになる。

しかし、ビートダウンと言っても、「さっさと殴り切る」ビートダウンもあれば、
「盤面有利」を意識して、良質な戦力で粘り強く攻め続けるビートダウンだってある。
また「ビートダウン」と「コントロール」は相容れないもののように見えて、実際には
「ビートダウンだけど相手の妨害は入れる」とか「コントロールだけど時々殴れるならちょっとダメージ入れとく」とかということも在り得るわけである。
それこそ『クロック・パーミッション』のように「ビートダウンすることが最大のコントロール」とかいう、「攻撃は最大の防御」のようなデッキもある(撹乱的アグロ)。
そういう「ビートダウン」「コントロール」の境目を区分するために、MtGのR&Dは「6つのアーキタイプ」を考案した。

そのなかで、「アグロ」は「小さい脅威で素早く攻めかかり、相手の準備の整わないうちに勝つ」ことを意識したデッキである。
基本的に速度で勝負を仕掛けに行く一方で、凌がれてしまうと一気に窮地に陥ることになる。
相手に対する妨害手段は大きい物は用意できず(あるいは、開き直って『用意せず』)、潔く負けるしかないことも。
一方で、「軽いんだから一回仕切りなおすってのもありだよね」とばかりに相手を巻き込んでリセットをしかけることも
(《ハルマゲドン/Armageddon》《神の怒り/Wrath of God》など)。

*言葉の定義とTCGごとの定義
…で、それはいいのだが、アーキタイプという概念もぶっちゃけ結構アバウトな部分があり、
同じMtGプレイヤーでも「ビートダウン=アグロ」くらいの勢いで使う人もいる。
そういう人にとっては「そもそもウィニーだろうがストンピィだろうがスライだろうがまず早いのしかビートダウンって呼ぶ気ねえよ」みたいなパターンだったりして、
ミッドレンジと呼ばれる遅めのデッキは「コントロール」扱いしてたりすることもあったり、そもそもアーキタイプを意識しないというパターンすらある。
そういう人はアグロなんて概念をとり込んだりはしないわけである。

MtGは歴史が長いので、後発の概念を全て受け入れるプレイヤーばかりでなく、
「むしろ前の概念のほうが明確だ」と主張する人もいるし、「もっと別の分類ができるはずだ」という人もいるわけだ。
このへんは、その人がどんな文脈でどんな言葉を使っているかということも注視しないと誤読したりすることも。

またアーキタイプは多くの場合MtGプレイヤーが考えたものを他ゲームプレイヤーが概念を輸入したりするわけだが、
他ゲームでは輸入されないパターンもあるわけである。
例えば遊戯王でビートダウンを「アグロ」「ミッドレンジ」「ランプ」などに分類する必要性はあるだろうか?
『そもそも遊戯王の「ランプ」ってなんだろう?「高速」だったら相手の妨害札を持てないってことはあるのだろうか?』
となってしまうので、遊戯王ではそもそも「アグロ」という概念は必要ないわけだ。
同じような類として、例えばデュエル・マスターズでは後述のように、デッキタイプレベルの分類として「速攻」というものが存在する。
高速ビートダウンを速攻と呼び習わしてきた歴史があり、兄貴分のMtGが横でアグロという概念を生み出したとしても
「いやDMは高速ビートダウンでも大型だせるから」と《デュアルショック・ドラゴン》《ブーストグレンオー・マックス》《轟く侵略 レッドゾーン》を投げ始める。
しまいにはMtGのアグロでさえ多少は持っている「手札から撃つ除去」をDMは全部トリガーに頼る((一応、攻め手が除去役を兼ねていることはある))なんてのがザラなので
アグロという概念を輸入する契機がなかったこともある。

他方で、概念誕生後のゲームでは積極的に取り入れられ、むしろMtGプレイヤーよりもハースストーンをはじめとした
デジタルカードゲームのプレイヤーがよくアグロという言葉を使っていたりする。
こちらではミッドレンジとアグロの差異は区分されていることが多い一方、今度は「フェイス」と「テンポ」なんて言葉も出てきたりする。

*ゲームごとの事情
**Magic: The Gathering
【ウィニー】・【スライ】・【ストンピィ】など、低コスト帯のクリーチャーを使い、何かしらの搦手を使って相手の妨害をしつつ
自分は高速で殴り切る、というデッキをアグロということが多い。

ただし前述の通り、歴史の長いTCG故に、アグロという呼称を使わない人や、単にビートダウンをアグロという人もいる。

**遊戯王OCG
使わない。というか、定義ができない。
高速ビートダウンと言ったところで、基本的に遊戯王のデッキはコントロール・コンボデッキを除いて(場合によっては、&font(b){含めて})
「1ターン目で相手に何もされなければ勝てる」デッキが大半であり、デカブツを絡めて遅くなったとしても何ターンもかけることは稀。
加えて準備してる間に相手にぶん回されては元も子もないので、相手を妨害する手段を捨てることはまずありえないことになる。
このため、アグロとかミッドレンジとか定義しようがない。極論全部のビートダウンをアグロと呼んでも差し支えないレベル。

…のだが、「ビートダウン」は「ライブラリアウト」や「エクストラウィン」と並ぶ&font(b){勝利条件のひとつ}だという考えの人は、
ビートダウンデッキ全般をさして『アグロ』ということもある。この場合、用法として何ら間違っているわけではないので、
「遊戯王でアグロとかおかしいのでは」と言ってはいけない。これは他ゲーでも同じだが。

**デュエル・マスターズ
前述の通り、アーキタイプレベルの区分はほぼされず、デッキタイプレベルで「[[速攻>速攻(デュエル・マスターズ)]]」というものが存在する。
MtGのR&Dが区分を提案するより前、デュエル・マスターズの[[基本セット>基本セット(デュエル・マスターズ)]]期から既に速攻というデッキタイプは存在したため、
アグロという呼称のほうがなじまないことになる上、そもそも「速攻」は基本能動的な除去は持たず(持てず)、
攻め手がついでに除去するほかは、トリガーやS・バックなどに大きく依存することが多い。
そしてDMにはSBや進化というシステムも存在するため、手札消費自体はアグロよりもっと激しく、かつ序盤からそこそこのサイズのクリーチャーを出せる。
《デュアルショック・ドラゴン》や《[[轟く侵略 レッドゾーン]]》《”罰怒” ブランド》はどう考えても「ウィニー」ではない。

一方で、速攻の理念だけを見れば、「アグロ」と性質自体は近いだろう。
そのため、あくまで「アーキタイプとしての『アグロ』はないが、デッキタイプとして『速攻』はある」という解説がふさわしい。
ちなみにデュエマでは勝利条件の「ビートダウン」と区別する用法での「アグロ」も全くと言っていいほど使われない。
コントロールが勝利条件の「ビートダウン」を満たすようなデッキは往々にして途中で殴ることがないため、
そういうデッキは「ワンショット」と呼ぶため、勝利条件の『ビートダウン』という概念を意識する機会があまりないためである。

**Hearthstone及びそのフォロワーのDCG
Hearthstoneの好評を受けてその後国内外でハースフォロワー/ハースクローンと呼ばれるゲームが登場している。
こうしたハースフォロワーは多くの単語をMtGから輸入している(ハースフォロワーはMtGフォロワーとも言えるため)。
というかMtG→ハース→ハースフォロワーのように輸入しているというべきか。

ハースフォロワーは基本的に「いくつかの勢力と中立カード」でデッキを構成することが多いため、
余程目立った戦術やカードがない場合は「アグロ+勢力名」と呼称することが多い。
(アグロドルイド、アグロロイヤル、アグロTAOSINなど)
ただしアグロにも2つほど分類があり、
-ユニットは相手プレイヤーを殴ることに集中し、ダメージレースでの有利を目指す「フェイス」
-ユニット自体にも相手のユニットを除去する役目も負ってもらい、盤面上の有利を目指す「テンポ」
の二種類にわけられる。テンポデッキは時折ミッドレンジよりになることもある。
最初からユニットをバンバン出すならアグロ、1t目はとりあえず除去やドローになることが多いならミッドレンジなんだろうか。

このため、TCGに不慣れだったりすると「アグロ/フェイス/テンポ/ミッドレンジ」の差異で頭をひねることになる。
しかもTCGに比べると情報共有が圧倒的に早く、そのため公式記事や有力プレイヤーのブログを読み込むために概念自体もある程度整理されていることが多い。
そのうえプレイヤーは自分の好きなようにデッキを呼称する。
例えば「状況によってフェイスもテンポもどっちもいけるからアグロ!」って人もいれば、「時にはテンポだけどメインは顔面や!フェイス!」って人もいる。
まあMtGみたいに詩的な名前がつくことは少ないからある程度理解できればわかりやすい…のだろうか((MtGだと『The Deck(これがデッキだと言わんばかりの名前)』とか『スライ(人名、しかも考案者ではなく活躍した方の人)』とか『12Knights(今でこそキーカードは全てオラクル改定で騎士だが、当時は12枚中『4枚は』騎士でないカードが存在した)』『アリストクラッツ(二枚のキーカードがいずれもアリストクラッツとつくから)』とか『みのむしぶらりんしゃん(他の出典からの借用)』とかがあるので、そういう意味ではハースフォロワーはわかりやすい。))。

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