青色ノイズと〈〇〇〇〇〉キラーチューン ワケありJKと始める男装V系バンド

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青色ノイズと〈〇〇〇〇〉キラーチューン ワケありJKと始める男装V系バンド - (2019/07/22 (月) 18:15:06) のソース

&font(#6495ED){登録日}:2019/07/21 (日) 18:05:33
&font(#6495ED){更新日}:&update(format=Y/m/d D H:i:s) &new3(time=24,show=NEW!,color=red)
&font(#6495ED){所要時間}:約 14 分で読めます

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#center(){&bold(){&sizex(7){&color(blue){――青春の&ruby(ノイズ){爆音}は鳴り止まない}}}}
#contents()

*Profile
『青色ノイズと〈〇〇〇〇〉キラーチューン ワケありJKと始める男装V系バンド』は、MF文庫から発売された[[ライトノベル]]のタイトル。略称は「青キラ」。〇〇〇〇には各巻ごとに異なるフレーズが挿入される。
作者の総夜ムカイは本作が審査員特別賞を受賞したことで、33歳(当時)という遅咲きのデビューを果たすこととなった。挿絵はしぐれういが担当している。

ジャンルは学園ラブコメ。ビジュアル系ロックバンドとしての活動を軸に、主人公とヒロインたちが[[トラウマ]]やコンプレックスを乗り越えて成長していく様を描いている。
そのため本作は青春小説としての側面も持っており&footnote(バンドを軸に登場人物たちの青春を描く小説としては、有名なところだと『青春デンデケデケデケ』や『グミ・チョコレート・パイン』などがある。) 、作者は当初「ラブコメと青春小説の両立は可能なのか?」と悩んでいたらしいが、審査員の[[三浦勇雄>聖剣の刀鍛冶(ブラックスミス)]]から両立は可能というコメントを頂戴して励みになったと語っている。

さて、本作――と言うよりも作者の総夜ムカイ氏について語る上で絶対に外せないことがある。
それは氏が、[[コンプライアンス上等の伝説のトンデモラジオ番組『西川貴教のオールナイトニッポン』>レイヴ(西川貴教のallnightnippon SUPER!)]]の常連ハガキ職人の一人だったことだ。
番組のハチャメチャぶりについては上記リンク先を見ていただくとして、ムカイ氏は番組にて他の強豪ハガキ職人を相手に切磋琢磨していただけあって文章はテンポが良く読みやすい。たとえば演奏シーンの描写ではオノマトペに頼らず、単語を駆使して文章だけで見事に主人公たちが奏でるサウンドを表現してみせている。
また、コメディパートでは番組のネタハガキを彷彿とさせる軽妙な筆致で主人公のツッコミが炸裂しており、西川ANNのリスナーにとっては懐かしさを感じるものとなっている。&font(l){放送作家の笑い声が脳内再生されたら末期。}
そもそも本作がテーマとして取り扱っているビジュアル系バンドは、西川ANNのリスナー的には番組内で幾度となく取り上げられた身近なテーマ&footnote(LUNA SEAのJや黒夢の清春がゲストとして遊びに来たり、ビジュアル系バンドのデモテープを流す「傷ついた天使が羽を休めてる系」というミニコーナーが放送されたりしていた。)であり、そういう意味でも本作は&bold(){ラノベであるにも拘らずむしろ30代を狙い撃ちにしたかのような内容}となっている。

同番組のハガキ職人からはこれまで多くの放送作家が排出されているが、ラノベ作家が誕生したのは初のことであり、後継番組に当たる『西川貴教のちょこっとナイトニッポン』内にてムカイ氏から報告が届いた際は、アニヲタで知られる[[西川ちゃん>西川貴教]]も非常に喜んでいた。&font(l){&color(orange){「半分は俺のお蔭だから」}と印税の半分を要求していたが。}
ちなみに同番組の放送作家を務める石川昭人からは、祝福されつつも&b(){&color(red){「タイトルが長い」}}とぶった切られていた。

*Biography
#center(){&bold(){&sizex(6) {&ruby(ゴースト){GHOST}}}}

男性1名、女性3名によるビジュアル系ロックバンド。女性3名はステージ上ではメイクと衣装で男装している。男装時の姿は彼女たちにとっての&bold(){理想の自分}。
4月、&bold(){大上透}と&bold(){化野音子}の2名によって結成される。この時点ではコピーバンドだった。
その後、音楽メイト募集アプリ&bold(){バンドしようよ!}を介して6月に&bold(){ライオン}が加入。8月に&bold(){神原小鳥}が加入し、&bold(){GHOST}を名乗るようになる。
駅前での路上ライブにてデビュー。続けてライブハウスのイベントに参加し知名度を上げていく。
バンド名の由来は、メンバー全員が何らかのトラウマを心に抱えており、それを亡霊に見立てたことから。神原が正式に加入する前は、一時期サポメンとして所属していた&bold(){夢咲兎}によって便宜上&bold(){夢咲バンド}という名前が付けられていた。
上述のイベント終了後にライオンが脱退。その後、9月に&bold(){有馬聖絵}が加入し新体制で活動を再開する。
代表曲は&bold(){カナリア}、&bold(){&color(blue){青色ノイズ}}。

&bold(){Members}
メンバー4人の名前は『ブレーメンの音楽隊』から取られている。
|&bold(){名前}|&bold(){担当}|&bold(){備考}|
|&ruby(おおかみ とおる){大上 透}|Vocal|高校2年生。高1の時の[[文化祭]]がきっかけでステージに立つことがトラウマになっている。また、幼い頃にいじめられたせいで自分の甲高い声にコンプレックスを抱いており、クラスでは無言の地蔵を貫いている。|
|&ruby(あだしの ねこ){化野 音子}|[[Guitar>エレキギター]]|高校2年生。地味な見た目に加え極度のあがり症が原因で、周囲からは「化け猫」と呼ばれいじめられている。男装すると堂々とした性格になる。|
|&ruby(かんばら ことり){神原 小鳥}|Drums|高校1年生。[[ツンデレ]]。過去に遭遇した様々な事件事故が原因で「死神」のレッテルを貼られクラスメイトから酷いいじめを受けている。元々毒舌だが、男装すると更に口調が荒っぽくなる。|
|&ruby(ありま きよえ){有馬 聖絵}|[[Bass>ベース(楽器)]]|高校2年生。才色兼備のムードメーカー。怪我で将来を閉ざされた元バスケ選手。演奏は指で弾く。男装するとやけに[[厨二>厨二病]]っぽい喋りになる。|

&bold(){Former & Support Members}
|&bold(){名前}|&bold(){担当}|&bold(){備考}|
|ライオン|Bass|その名の通り[[ライオン>ライオン(動物)]]の被り物をしている。神原とはかつて同じバンドに所属していた。演奏はピックで弾く。どうやら中の人は女性らしいのだが、その正体は……?|
|&ruby(ゆめさき うさぎ){夢咲 兎}|Drums|大上たちのクラスの担任で[[軽音楽部]]顧問。本来の担当はギター。若い頃の挫折経験から、教え子たちを陰日向に手助けしていく。|

*Discography
各巻に収録されたエピソードは、全て実在するビジュアル系バンドの楽曲名がタイトルとして使われている。
ただ用いているだけでなく、各エピソードは元となった楽曲の歌詞の内容を意識した展開になっている。

また、1巻は最後まで大上の視点で進行するが、2巻からは他の人物の視点でも話が進められるようになり、ストーリーの全体像が掴みやすくなっている。

**&bold(){1st Album}
&bold(){&color(blue){青色ノイズと}}&bold(){&color(violet){〈やきもち〉キラーチューン}} &bold(){ワケありJKと始める男装V系バンド} 2018.12.25 release
#openclose(show=Songs){
01 Intro

02 END OF SORROW
#region(Liner Note)

#center(){&bold(){さびついた時は流れて 痛みを叫び続けて}}

過去のトラウマから立ち直れず燻っていた大上は、クラスで起きたトラブルがきっかけでバンドや音楽に対する情熱をまだ完全には失っていなかったことに気付く。
そんな彼の前に現れたのは男装した化野だった。
過去の自分に決着を付けるべく、大上は彼女の誘いを受けてバンドを結成する。

タイトルの元となった楽曲は[[LUNA SEA]]の7thシングル『END OF SORROW』。
作中にはLUNA SEAを元にした&bold(){&ruby(ウミツキ){海月}}というバンドが登場し、彼らの楽曲が大上たちを引き合わせるという重要な役回りになっている。

#center(){&bold(){悲しみの日々よ 孤独よ あぁ サヨナラ}}
#endregion

03 愛しのロック・スター
#region(Liner Note)

#center(){&bold(){道化の化粧 派手な衣装で 芝居がかってるチャリティーショー}}

大上は新メンバー候補として、ライオンというハンドルネームの人物にオファーを出す。面談にやって来た彼女は、自分が加入する交換条件としてある人物の加入を持ち掛けてきた。
それは、大上たちがいつも利用している貸しスタジオで受付をやっている神原だった。ライオンの口から、神原が不登校に追い込まれた経緯が語られる。

タイトルの元となった楽曲はBUCK-TICKの8thアルバム収録の『愛しのロック・スター』。

#center(){&bold(){もし僕がサルになっても 君は&ruby(わら){微笑}う}}
#center(){&bold(){もし僕が星になっても 君は&ruby(わら){微笑}う}}
#endregion

04 雨のオーケストラ
#region(Liner Note)

#center(){&bold(){天気予報どおりの雨}}
#center(){&bold(){君は傘を持って出掛けたかな?}}

大上との約束を果たすべく学校に登校してきた神原。だがクラスメイトから投げ掛けられる悪意ある言葉は、立ち直ろうと努力していた彼女の心を無残にもへし折ってしまう。
降り止まぬ雨の中、責任を感じた大上は失踪した神原を探しに単身外へ飛び出していく。

タイトルの元となった楽曲は[[MUCC>ムック(バンド)]]の10thシングル『雨のオーケストラ』。

#center(){&bold(){罪人行き交う街の中で}}
#center(){&bold(){迷わずに君を見つけられた}}
#endregion

05 優しい悲劇
#region(Liner Note)

#center(){&bold(){優し過ぎる悲劇が}}
#center(){&bold(){君の瞳を塞いだ Melody}}

夏祭りの夜、ライオンを除いた3人は花火見物に訪れていた。だが帰り道に起きた事故が原因で再び神原の心は閉ざされ、バンドは空中分解の危機に陥ってしまう。
大上は夢咲からのアドバイスを受け、自分の本心を詞に乗せたオリジナル曲の作成に取り掛かる。
神原不在のまま、運命の路上ライブの日が訪れた。

タイトルの元となった楽曲は[[黒夢]]の3rdシングル『優しい悲劇』。

#center(){&bold(){悲し過ぎる喜劇が}}
#center(){&bold(){僕の瞳に始まるよ Memory}}
#endregion

06 LIGHT MY FIRE
#region(Liner Note)

#center(){&bold(){&color(orange){君の頬を滑り堕ちる その涙に}}}
#center(){&bold(){&color(orange){嘘は無いと思った}}}

ライブハウスのステージに立つGHOST。しかし観客を前にして大上は、過去のトラウマが呼び覚まされ声が出せなくなってしまう。
幻覚と幻聴で錯乱状態の大上に、仲間たちが檄を飛ばす。
そして……。

タイトルの元となった楽曲は[[T.M.Revolution]]の5thアルバム収録の『LIGHT MY FIRE』。
ライブではアンコール後の大トリに歌われることが多い曲。
え、T.M.Rはビジュアル系バンドじゃないだろって? ほら、西川ちゃんは昔Luis-Maryのボーカルの[[灰猫>ハイネ・ヴェステンフルス]]だったからそれでなんとか……。

#center(){&bold(){&color(orange){この願いが叶うなら 羽根のない翼でも}}}
#center(){&bold(){&color(orange){羽ばたくのを やめないから Oh,light my fire}}}
#endregion

07 Outro
}

**&bold(){2nd Album}
&bold(){&color(blue){青色ノイズと}}&bold(){&color(orange){〈あこがれ〉キラーチューン}} &bold(){ワケありJKと始める男装V系バンド} 2019.5.25 release
#openclose(show=Songs){
01	Intro

02 夏の憂鬱
#region(Liner Note)

#center(){&bold(){夏の憂鬱に抱かれ眠りを忘れた僕は}}

文化祭の準備で皆が浮足立つ中、大上はライオン脱退の件を今も引きずっていた。加えて、クラスメイトの有馬の様子がおかしいことも気掛かりだった。
眠れぬ夜を迎えた大上のスマホに、ライオンから会いたいという電話が入る。

タイトルの元となった楽曲は[[L'Arc~en~Ciel]]の3rdシングル『夏の憂鬱[time to say good-bye]』。

#center(){&bold(){あゝもう行かなくちゃ 秋が来るから…}}
#endregion

03 Kiss me
#region(Liner Note)

#center(){&bold(){真夏の風をまとう君の髪 しなやかに踊り}}
#center(){&bold(){羽ばたく君がまた遠くなるよ 想い出の中で}}

ライオンとちょっとしたデートに興じる大上。彼女は大上にある頼みごとがあったらしい。だが神原の乱入によりその場は(良くも悪くも)お開きとなる。
帰りに立ち寄ったファーストフード店で大上はたまたま有馬を見掛けるが、彼女の連れのバスケ部員たちは有馬が席を外した途端に彼女のことを口汚く罵り始めた。
そこで大上は、有馬の様子がおかしかった理由を知ることになる。

タイトルの元となった楽曲は[[Janne Da Arc]]の18thシングル『Kiss Me』。

#center(){&bold(){また夏が来るけれど もう君はいない}}
#endregion

04 Like @ Angel
#region(Liner Note)

#center(){&bold(){ふさぎ込む君を見て}}
#center(){&bold(){水を得た様に胸が想い出す}}

有馬を新しいベースとして勧誘する大上。だが彼女は、未練を断ち切ると告げて練習中のバスケ部の下へ乗り込んでいく。
天才プレイヤーとして称賛を浴び輝いていた過去の自分を「天使」に見立てた有馬は、その幻影を振り払うべく現役最後の試合に臨む。

タイトルの元となった楽曲は黒夢の8thシングル『Like @ Angel』。
ライブでは曲の前後に&bold(){「天使の羽を破壊せよ」}という煽りが入ることで知られる。

#center(){&bold(){天使の羽があれば 僕は歌い続けるだろう}}
#center(){&bold(){次の夢 飛び越えて行く}}
#endregion

05 堕天使BLUE
#region(Liner Note)

#center(){&bold(){大事なモノが何だか}}
#center(){&bold(){ジーザスだってわからない}}

文化祭ライブが近付く中、新生GHOSTは上手く音を重ねられずにいた。大上以外の3人の仲も、どことなくギクシャクしている。
今のバンドに足りないものは何か――大上は大切な仲間たちへのメッセージとして、新たな詞を書き始める。そして……。

タイトルの元となった楽曲は∧uciferの1stシングル『堕天使BLUE』。
∧uciferは[[新條まゆ>世界一腕の立つ殺し屋]]原作のアニメ『KAIKANフレーズ』および原作マンガ『快感♥フレーズ』に登場するバンドが現実にデビューしたという体で結成された異色バンド。
この作品は作詞がキーワードになっており、『堕天使BLUE』も作中にて登場人物の手で作詞されている。&footnote(実際の作詞は氷室京介や布袋寅泰らに詞を提供している森雪之丞。アニヲタwiki的には『ドラゴンボールZ』や『魔法つかいプリキュア!』の作詞家である。)

#center(){&bold(){嘆きのポエム}}
#center(){&bold(){綴りながら Baby! Ready for dance?}}
#endregion

06 青い季節
#region(Liner Note)

#center(){&bold(){&color(blue){試される時 立ち尽くす風}}}
#center(){&bold(){&color(blue){失くした景色 別々の道}}}

ついに迎えた文化祭当日。大上にとっては一年越しのリベンジの時だった。
それぞれのクラスの模擬店も盛況の中、大上たちは会場となる体育館へと向かう。
だがそんな彼らの前に対バン相手として現れたのは、人気アイドル&bold(){&ruby(そごう りこ){十河 理狐}}が率いるスリーピースバンド。それはGHOSTにとって過去のトラウマと並び、どうしても乗り越えなければならないもう一つの壁だった。

タイトルの元となった楽曲はSOPHIAの26thシングル『青い季節』。

#center(){&bold(){&color(blue){のばした両手 その先には 青く青い季節}}}
#endregion

07 Outro
}

*And More
・総夜ムカイという筆名は、西川ANNで使用していた「ムカイ」というペンネームに、オールナイトという意味で「総夜」を付けたもの。

・ムカイ氏は『ちょこっとナイトニッポン』のネタコーナーに(どこまでがネタでどこからが本当かは分からないが)就職してからの出来事を書いて送ってきている。&br()それによると新入社員に課すにはあまりにも酷な営業ノルマが与えられていたらしく、ジョークっぽく書かれてはいたが実質会社に対する愚痴的な内容となっており、西川ちゃんもリスナーもかなり心配していた。&br()それから約10年の月日が流れ、作家デビューした今も営業職で活躍中とのこと。

・ムカイ氏デビューの報が番組内で流れるや否や、大量のリスナーがAmazonでポチったらしい。&br()その結果、Amazonの「この商品をチェックした人はこんな商品もチェックしています」欄が&b(){&color(orange){一時期T.M.Revolution関係の楽曲や書籍で制圧されていた。}}&br()氏はこれを見た担当編集者に「西川さんとはどういう関係なんですか?」と驚かれたそうな。



#center(){&bold(){追記・修正 Coming Soon…}}

#include(テンプレ2)
#right(){この項目が面白かったなら……\ポチッと/
#vote3(time=600)
}
#include(テンプレ3)

#openclose(show=▷ コメント欄){
#areaedit()
- 笑いながら観客を殴る先輩ミュージシャンとかビオランテとか木の実ナナはいつ出てくるんですか  -- 名無しさん  (2019-07-21 21:55:33)
#comment
#areaedit(end)
}