SEKIRO 外伝 死なず半兵衛

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&font(#6495ED){登録日}:2021/04/21 (木曜日) 23:22:00 &font(#6495ED){更新日}:&update(format=Y/m/d D H:i:s) &new3(time=24,show=NEW!,color=red) &font(#6495ED){所要時間}:約20分で読めます ---- &link_anchor(メニュー){▽}タグ一覧 &tags() ---- #center(){ &font(gray,b){それがしは彼岸の者 故に名はないが…} &font(gray,b){いつの頃からか こう呼ばれておる} &font(gray,b){「死なず半兵衛」} } SEKIRO 外伝 死なず半兵衛は、[[フロムソフトウェア]]から発売されたアクションアドベンチャー、 [[SEKIRO:SHADOWS DIE TWICE]](以下、隻狼)のコミカライズ作品。全一巻。 著者の山本晋氏は[[モンスターハンター]]のコミカライズ、 「モンスターハンター 閃光の狩人」(原案:氷上慧一氏)の作画を務めた経歴があり、 躍動感のある戦闘シーンが見応え抜群。 タイトルの「死なず半兵衛」の通り、隻狼に登場したキャラクター、半兵衛が主人公に抜擢され、彼が荒れ寺に辿り着き、[[狼>狼(SEKIRO)]]と出会う前の出来事と生き様が描かれる。 そのため隻狼のキャラはほとんど登場せず、この作品単体でも楽しめる作りになっているが、原作経験者だとニヤリとする演出も。 【あらすじ】 時は戦国。力で全てを手に入れられた時代… 剣聖、[[葦名一心>葦名一心(SEKIRO)]]がその力で築いた北の国、葦名。しかし一心も人の身である故に、永遠に生きることはできない。 今や日本の中央勢力に在る内府が葦名をも平定せんと、虎視眈々としていた。 葦名にある山合いの村に、一人の侍がやってきた。 ざんばら髪にボロボロの着物。村の若者・正吉は落ち武者と見て、村には行かせんと斬りかかるが、侍は抵抗する気力もなく倒れ、正吉の姉・鈴によって介抱され、村へ運ばれていた。 正吉は不審がるものの、村に野伏せりの一団が向かっている報を受け駆け出される。 しかし多勢に無勢、剣の心得がある者も屠られ、絶体絶命。せめて一人でも道連れにと覚悟する正吉の後ろに、一人の侍が現れた。 #center(){ &font(gray,b){久方ぶりに  斬り合う意味がありそうじゃ} &font(gray,b){それがしを殺めることのできる者は在るか?} } 作中のセリフから推測すると、原作の4~5年前の出来事のようだ。 (本作の時間から2年後が「竜泉詣での年」。原作の狼の記憶、平田屋敷襲撃事件が3年前、「竜泉詣での年」であった) 【舞台】 隻狼同様、北の国「葦名」が舞台。 しかしその葦名も本来は多くの権力者によって治められていて、それぞれ土地を所有し家の名を掲げていた。 本作の村は「高峯」という武家が持つ領地にある。 【用語】 ・死なず 何かの手段で不死の身となった者の総称。本作では「虫憑き」と、「変若水」による「赤目」の二種類が存在する。 「変若水」とは葦名の何処から流れ出る水で、それが濃く淀んだものが「変若の澱」となり、飲んだ者は理性を失う代わりに獣の如き力と生半可では死なない体を得、「赤目」になる。 「虫憑き」は「変若の澱」に適応して変異した百足によるもの。その百足を口にし、寄生されることで「虫憑き」となり、「赤目」よりさらに強い不死性を持つ。 #openclose(show=なお……){ それらの大元は全て、西から流れてきた[[桜竜>桜竜(SEKIRO)]]によって齎された「竜胤」によるものだが、本作では言及されず。 } ・葦名流 剣聖葦名一心が編み出した流派。 高峯の地でも習う人が多く、作中では一般的に認知されている。 中でも「葦名流一文字」は本作では大きく扱われ、必殺の一撃として描写されている。 大上段から打ち下ろし、例え初撃を受け止められても、すかさず二撃目を繰り出し相手を刀ごと両断する「一文字二連」は、葦名一心も愛用する技。 なお、ゲーム内でも一文字二連はスキが多少大きいことを除けば非常に優秀な流派技である。 【登場人物】 ・死なず半兵衛 &font(gray,b){まだ死なん 死ねぬなら 生きる他ない} ボロボロの状態で葦名の村へと流れついた、落ち武者のような風貌の男。 全身に古傷らしき跡が見られ、肋や頬骨が浮くほどやせ細っているが、素人構えとはいえ大振りな刀の一撃を躊躇なく腕で受け止めるなど異様な様子も見受けられる。 しかし、言葉を発することもなく空腹で倒れ、そのまま村で介抱されることになる。 腰には落ち武者としては妙に拵えの良い刀を下げているが…… その正体は、葦名で乱世を争う猛将、田村主膳に仕えた武将の一人。 少年時に捨てられ、名前も知らないまま死を待つ所、[[仙峯寺>金剛山 仙峯寺]]の僧侶に虫を憑けられ死なずの放浪者となった。 その死なずを活かし剣の腕を鍛え、戦場に身を投じ、猛将田村主膳に挑むが、力及ばず槍に斬り裂かれる。 しかし田村は死なずの力を目にし、捨てるには惜しいと招き入れ、ついには田村の側近までのし上がっていた。 なお、このとき槍に半分に斬られても死なない彼に田村が「半兵衛」という名を与えた。 その田村が葦名一心に破られ、半兵衛が主君の敵を討とうと一心に襲いかかるがそれも敵わず、「葦名流一文字二連」に刀ごと両断されたのが本作冒頭となっている。 本作の主人公。原作経験者から「其処許おじさん」という愛称が付けられた通り、二人称が「其処許」なのが印象的。 訳あって「虫憑き」と呼ばれる不死の身となっており、いくら斬られようが、体が両断されようが、何度でも生き返る。 それを生かし、原作では自らプレイヤーの練習相手を買って出る。 あくまで手加減して相手をしていた原作ではその実力は不明だったが、本作では腕力が強く、洞察力も高いと相当な強者。 それは彼の元々の剣の心得に加え、「死なず」という体質を最大限に利用して幾度も果たし合いを経験し、それらを糧に強くなっていたためである。 しかし、葦名一心や田村主膳など圧倒的に技量が上回る相手にはさすがに歯が立たない。 葦名一心に半分折られていた刀を長年使い、その手入れもできずに居た。 齢は本作でも不明だが、その風体から正吉に「爺さん」と呼ばれる。 序盤に空腹で倒れるも鈴と正吉に助けられ、一宿一飯の恩義で彼らの村に助力することに。 その後もなんだかんだで村の問題解決へ尽力するなど、根はお人好しと言える。 無愛想かつ強面で最初は子供の長吉に怖がられていたが、蜘蛛の巣を使った虫取り棒や竹トンボを作ってやるなど存外可愛がっていた。 #openclose(show=ネタバレ){ &font(gray,b){しかし・・・ ようやく} &font(gray,b){ようやく剣を振る理由を得た気がいたす故 今一度立ち向かうといたすか} 序盤に野伏せりを撃退し正吉を助け、正吉の村の神隠し事件解決に力を貸し、元凶と思われる「赤目」の山人に苦戦するが、なんとかそれを退ける。 村を救った礼として高峯家に招かれるが、半兵衛は高峯家への不信感を募らせ拒絶。直後に鈴が誘拐され、半兵衛は高峯家こそが神隠し事件の黒幕だと確信、正吉と高峯の屋敷へ乗り込む。 そこにかつて半兵衛に腕を斬られ、力が衰えた武将、高峯比良近の姿があった。 実は野伏せりは高峯家の倅、高峯虎道正嗣が率いる一団であり、その虎道が半兵衛に斬られ、二度も因縁を付けられたことに。 半兵衛は引き返そうとするが虎道の側近に阻まれ、高峯比良近は復讐のため鈴を人質にして果たし合いを強要し、半兵衛は鈴の解放を条件にしそれを受け、高峯の槍捌きの癖を読み切りそれを制した。 しかし正吉は側近との戦いで致命傷を受け、そこに現れた薬師、道順が半兵衛に正吉の治療の代わりに、変若水によって「赤目」となって暴走した虎道を斬る取引を持ちかける。 熟練の剣士である虎道の実力は凄まじく、半兵衛は窮地に立たされるが、復活した正吉による捨て身の火攻めで立ち直り、激戦の末虎道の腕を斬り奈落へ叩き落とした。 ついに鈴を発見するが、彼女は既に… 全てが終わったあと、荒れ寺へ辿り着き身を置き、そこで[[忍び義手を付けた一人の忍>狼(SEKIRO)]]と出会う。 半兵衛は不死の先達として、大怪我を負った狼の名を持つ隻腕の忍にリハビリを兼ねた稽古を申し出る。 無愛想な忍は黙して語らず、半兵衛を相手に殺しの技を磨く。 果たしてその忍びは如何なる選択をするのだろうか――― 幾度死に至ろうとも不撓不屈の意志で蘇り、主の本懐を遂げる忠義を貫くか。 主の意志に背くことになろうとも、ただただ一人の只人として生きてくれることを願うか。 神の揺り籠を携えて、永い永い旅路を征く尼僧を守る竜となるか。 …或いは、[[全てを呑み込む修羅となるか>修羅ルート(SEKIRO)]]。 } 【山合いの村】 本作の舞台。割と大きな村だが、戦の影響で男手が不足。 また最近では神隠し事件に会い、一年で山へ踏み入った9人もの村人が行方不明になり、それらを探しに山に入ろうと今度は野伏せりに出くわす始末。 神隠しは野伏せりの仕業と考え、村長へ話し高峯の兵を要請しようとするが、内府がいつ攻めてくるかもわからない時勢ではそれも叶わない。 ・正吉 &font(blue,b){この先は儂らの村! 通すわけにはいかん!} 村の青年。村を愛し有事な際は恐れずに買って出るが、今まで一人も斬ったことなく実力は低い。 野伏せりの襲撃に会い半兵衛に助けられ、村の男衆をこれ以上減らせんと半兵衛へ神隠し事件の解決を要請し、共に行動することに。 そもそも一般人であり剣の心得もないため、半兵衛にはもちろん野伏せりの一団にも歯が立たない。 神隠し事件解決後は自分の無力さを痛感し半兵衛へ稽古を付けてほしいと頼む。 #openclose(show=ネタバレ){ &font(blue,b){儂の姉じゃ 儂らの村じゃ 儂らでやらんといかん} 神隠し事件後、半兵衛から「高峯某信用するに能わず」と告げられ、半信半疑であったが、鈴が誘拐され高峯家の本性を知り、鈴を助けようと高峯屋敷へ参る。 野伏せりの一員である虎道の側近と対峙し、実力差は歴然であるものの、半兵衛の教えを思い出し策を練る。 初撃をなんとか急所から逸し、わざと挑発して側近が大振りに斬りかかってきた所に隠し持っていた握り灰を撒き、側近の目を刺し撃破するものの反撃で斬られ、相打ちに。 死を覚悟し半兵衛へ父としての憧れを伝えるが、道順との取引で治療を受けなんとか一命を取り留める。 しかし、虎道に苦戦し体の中から虫が剥き出しになるほどに追い詰められた半兵衛を助けるべく、瀕死の身を引きずり虎道へと油を掛け着火、虎道は大きく怯み、僅かな時間を稼ぎ出した。 だが同時に正吉もまた斬られ、今度こそ命を落とした。 #center(){ &font(gray,b){正吉 早まった真似を…} &font(red,b){見よ これが父と慕う者の姿か} &font(blue,b){心は 人であると知っている} } } ・鈴 &font(green,b){山に入れば 神隠しに合う} 正吉の姉。息子に長吉がいる。 素性不明の半兵衛へも親切に世話する、心優しい女性。芯は強いが、父も夫も戦でいなくなって、正吉も長吉もいつか…と内心を吐露する場面も。 #openclose(show=ネタバレ){ 神隠し事件解決後、山の食材を取りに山奥へ進んだ所高峯家に誘拐され、そのまま道順の実験体にされ、正気を失った。 虎道を倒し鈴を解放しようとやってきた半兵衛がその姿を目にし、鈴を斬るのが忍びなく一旦引き返すが、道中で見つけた面頬を付けて戻り、一思いに介錯した。 } ・夜刀丸 村の中でも剣の心得のある者として知られ、葦名流の道場に通っていた。 野伏せりの襲撃の際は正吉と共に迎え撃つが、力及ばず。 &bold(){名前が出て次のページに斬り殺される文字通り即落ち2コマ}が読者の腹筋の体幹を破壊した。 しかしよく見ると野伏せりの一団も何人かやられて、夜刀丸も別に一方的に殺されたわけでもない模様。 ・山人 「川上の山人」と呼ばれる村一の怪人。 村には馴染めず、川上の家に住むが、正吉だけはたまに様子を見に行く。 猿の肉を口に入れるなど奇行を繰り返すが、一年前に神隠しに会い、村最初の失踪者となった。 #openclose(show=ネタバレ){ 半兵衛と正吉が山に登り山狩りをする際、山人が姿を現すが、それはもはや人の姿ではなく、猿の皮を被り両手に刀を持つ、「赤目」の物の怪となっていた。 一撃で人を両断する怪力に「死なず」の体質を持って半兵衛と互角に斬り合うが、所詮は力任せと技量では半兵衛に劣る。だが不利と見て一旦草むらへ誘い込み奇襲を掛け、猟師としての経験を活かし半兵衛を苦戦させる。 そのあと山を下っていた正吉に追いつくが、「赤目は火を嫌う」弱点を教えられた正吉は松明を持って山人を威嚇。 怯む山人は正吉に情に訴えるがそれも通じず、背後から半兵衛に首を斬られるが、山人も反撃して刀で自分ごと半兵衛を刺し、「死なず」同士の壮絶な殺し合いを演じる。 最後は突然やってきた獅子猿に食われ、何処かへと帰った。 #center(){ &font(gray,b){人は里へ 猿は山へ どちらでもない者は…} &font(gray,b){何処かへと帰れ} } &bold(){実は神隠し事件は高峯家の仕業であり、拐われた人は全部道順の変若水の実験体にされた。} 山人もその一人だが、何らかの方法で脱走し、怪力と死なずを得て山を彷徨っていた。 野伏せりの一団も、その山人を追うのが目的であった。 } 【高峯家】 二百年近く続いた武家であり、舞台の土地の領主。 鉱山により富を築い、二十年前の国盗り戦では葦名に付き武勲を挙げたが、今ではその名も没落の一途。 ・高峯比良近 高峯家の長、領主。 国盗り戦では「槍の高峯」と呼ばれる名手。 #openclose(show=ネタバレ){ かつて半兵衛に左手を斬られ、槍をもまともに握れなくなった。 本人曰く、それさえなければ自分が「葦名七本槍」と数えられたと。 高峯家も現在葦名の言いなりという有様で、道順の実験に協力することを余儀なくされる。 「死なず」の半兵衛が村に現れ、しかも倅の虎道が斬られた報を受け、それを研究材料として欲する道順、腕と倅の仇を討とうとする高峯比良近の利益が一致し、 半兵衛を誘い出すために鈴を拐い、決着を付けるべく屋敷で迎え撃つ。この際、左手を布で槍に固定して無理やり握っていた。 虎道の側近を使い退路を断ち、猛攻を仕掛け半兵衛の刀をも破壊したが、かつての経験が仇になり、槍が掴まれるのを嫌うあまり執拗に足元を狙う癖を文字通り"見切られ"、 槍を踏まれ、手を口に突っ込まれて、喉を潰され絶命した。 所持していた刀は半兵衛に拝借され、そのまま得物に。 彼は賊上がりでありながら百官名を戴き、しかも「葦名七本槍」に数えられた鬼庭主馬雅次に嫉妬していた。 しかしいくら手負いの老兵というハンデがあるとはいえ、多彩な攻撃や狼の「見切り」をも返す技量を誇る彼と比べるとあまりに弱く、 七本槍に選ばれなかったのは実力不足としか言いようがない最期であった。 #center(){ &font(gray,b){一心殿は戦に勝ったが 其処許はとうの昔に戦に破れておる} } } ・高峯虎道正嗣 高峯家の倅。 葦名流の剣術に長け、大上段から繰り出す「葦名流一文字」が必殺の一撃。 #openclose(show=ネタバレ){ &font(red,b){あの日の恐怖微塵も感じぬ!! 「さらに参る」ぞ!!} 序盤、野伏せりの一団を率いて村を襲うが、死なずの半兵衛に足を斬られ、側近も片目を失うことに。 虎道の傷は深く、例え生き延びても剣を再び振るうのは難しいと告げられた。 なんとしても倅を救いたい高峯比良近に道順は変若水による施術を提案。高峯は渋々と了承し回復するものの、虎道は「赤目」となりその力に魅入られ、道順の研究成果すら手に収めようとした。 予想以上の適正を見せる虎道だが、このままでは制御不能となり放置するわけにもいかず、道順は正吉の治療を条件にして半兵衛へ虎道の討伐を依頼。 元々剣の心得のある虎道が「赤目」になったことでさらに力を増し、半兵衛すら圧倒し、体内の蟲を引きずり出し「蟲憑き」になろうとしたが、正吉に火を付けられ大きく怯み、反撃で正吉を斬るが半兵衛の回復を許してしまう。 一気に決着をつけるべく「葦名流一文字二連」の構えを取る。 足場が良く、「赤目」の力で繰り出す一文字をまともに受ければ真二つになるのは明白。 だが、「死なず」故に過去二度も「一文字」を受けた経験のある半兵衛は打ち下ろす瞬間を見切り、腕を斬らせて反撃。それに両の腕と左足を斬り落とされ、底の見えない深淵へと落ちていった。 #center(){ &font(gray,b){愚かな 「死なず」とは ただただ失い続ける事} } } 【その他】 原作にも登場した人物。 ・道順 全身を白い布で覆った異様な風体の男。 高峰の館の地下にて、「変若水」「赤目」ひいては「死なず」について研究を進めていた。 半兵衛のうわさを聞き、研究のため身柄を欲している。 ご存知ド外道。本作では高峯家の助力を元に研究を進めていた。 #openclose(show=ネタバレ){ ぶっちゃけに言うと&bold(){本作の黒幕}。山合いの村の神隠し事件も、そもそも単に彼が変若水の研究対象が欲しくて誘拐してきたに過ぎない。 虎道を「赤目」にし、またとない成功例と評価するものの、彼が暴走するのを見て、あっさり半兵衛に始末を依頼し、研究施設も焼き払うと何の躊躇も見せない。 しかし最後の半兵衛との問答では、「この場で斬ってくれればこれ以上の業を背負うこともない」と自分のしてきた仕業を自覚しており、 一方で今までの礎となった人々の犠牲が無駄にならないためにも研究を続けるしかないと、この時点で既に狂気に囚われていた。 } ・[[葦名弦一郎]] 本作では虎道の回想にのみ登場。 葦名へ反骨心を持つ虎道は弦一郎を見るや否や、「剣の腕なら俺の方が…」と殺気を向けるが、いつの間にか目の前に迫ってきた弦一郎の凄まじい威圧感に怯え、何もできずに居た。 ・[[葦名一心>葦名一心(SEKIRO)]] 国盗り戦で葦名を築いた英雄。「剣聖」とさえ呼ばれる、超人的な剣術を誇る。 敵大将・田村主膳を討ち戦を終わらせたが、直後に田村の側近であった半兵衛に挑まれ、「葦名流一文字二連」であっさり彼を両断した。 しかし一心もまた人である故、今では病に侵され、隠居の身となっていた。 原作では「死なず」に対して「ワシは見たことないが…」と述べたが、本作冒頭にて半兵衛を斬ったとき彼は既に「虫憑き」であった。その後、一心は半兵衛と出会ってはいない。 ・田村主膳 原作冒頭、国盗り戦にて葦名一心に敗れた将。 挑んてきた半兵衛をあっさり下し、得体のしれない死なずの彼を快く招き入れる器量、そして葦名一心とも死闘を繰り広げる技量を併せ持つ猛将。 モブ侍からは「葦名を制するのは田村か、葦名衆の一心であろう」と評された。 また、田村も「其処許」という二人称を使用していたことが判明。若かりし頃の半兵衛は相手を「お前」と称していたことを鑑みると、後に「其処許」と改めたのは田村の影響を受けたからと思われる。 #center(){ &font(red,b){「そうか高峯の…」「追記、修正よしなに頼む」} } #include(テンプレ2) #right(){この項目が面白かったなら……\ポチッと/ #vote3(time=600,9) } #include(テンプレ3) #openclose(show=▷ コメント欄){ #areaedit() - 竹中半兵衛じゃないのか -- 名無しさん (2021-04-22 07:37:22) - 全盛期一心の一文字を一発は弾いてるんだよね半兵衛さん。ガチればチワワなどひとたまりもあるまい -- 名無しさん (2021-04-22 09:46:25) - これ読んでから余計半兵衛のイベント進め辛くなった… -- 名無しさん (2021-04-22 17:38:32) - 半兵衛の眉間の皺は少しは薄くなっただろうか? -- 名無しさん (2021-04-22 17:54:52) - 実は夜刀丸さん4〜5人切ってて一般人としてはかなり強い方だったりする -- 名無しさん (2021-04-22 19:14:37) - 内容とは関係ないが、おそらく「~ものの」と書こうとして「~のも」となってると思しいところが多々あるな 俺はできないんで誰か直して -- 名無しさん (2021-04-22 20:40:25) - 修正した -- 名無しさん (2021-04-22 21:03:02) - 半兵衛の様子見ると一文字二連をぽんぽん出したり、弾いたりする狼君ってやっぱ強かったんすね〜 -- 名無しさん (2021-07-10 22:10:53) - 高峯虎道正嗣のビビり具合からしてやっぱ弦ちゃん強いんやな -- 名無しさん (2021-07-10 22:13:50) - ポンポン致死ダメくらってんのに自我喪失しない半兵衛の様子から見るに、蟲憑きっていっても個体差あるんだろうか -- 名無しさん (2021-07-22 00:38:36) - 一心に敗れた日から既に“生きていない”から「不死者」だった半兵衛が、高峯虎道の一文字二連を前に“死ぬ覚悟”をしたことで「生者」として立ち向かう決心をするシーンは本当に美しいと思う -- 名無しさん (2021-08-15 01:37:43) - 一心に斬られる前に敵将・田村主膳に斬られてるから死ぬのは一心が初じゃない -- 名無しさん (2021-09-14 21:48:40) - 其処許おじさん、この漫画だと終始悪人面だけどやっぱり良い人。正吉の最期の台詞が其処許おじさんの人間性(ダクソのアレでは無い)をよく表している。 -- 名無しさん (2021-11-14 23:20:36) - これを読んでから道順は話しかけずにたたっ斬るようになった -- 名無しさん (2022-02-11 17:36:32) - ラストの狼の険しい顔が半端じゃない。まあ弦ちゃんにやられてから、主君を連れ去られたのを思うとあんな顔にもなるわな -- 名無しさん (2022-02-20 22:42:37) #comment(striction) #areaedit(end) }
&font(#6495ED){登録日}:2021/04/21 (木曜日) 23:22:00 &font(#6495ED){更新日}:&update(format=Y/m/d D H:i:s) &new3(time=24,show=NEW!,color=red) &font(#6495ED){所要時間}:約20分で読めます ---- &link_anchor(メニュー){▽}タグ一覧 &tags() ---- #center(){ &font(gray,b){それがしは彼岸の者 故に名はないが…} &font(gray,b){いつの頃からか こう呼ばれておる} &font(gray,b){「死なず半兵衛」} } SEKIRO 外伝 死なず半兵衛は、[[フロムソフトウェア]]から発売されたアクションアドベンチャー、 [[SEKIRO:SHADOWS DIE TWICE]](以下、隻狼)のコミカライズ作品。全一巻。 著者の山本晋氏は[[モンスターハンター]]のコミカライズ、 「モンスターハンター 閃光の狩人」(原案:氷上慧一氏)の作画を務めた経歴があり、 躍動感のある戦闘シーンが見応え抜群。 タイトルの「死なず半兵衛」の通り、隻狼に登場したキャラクター、半兵衛が主人公に抜擢され、彼が荒れ寺に辿り着き、[[狼>狼(SEKIRO)]]と出会う前の出来事と生き様が描かれる。 そのため隻狼のキャラはほとんど登場せず、この作品単体でも楽しめる作りになっているが、原作経験者だとニヤリとする演出も。 【あらすじ】 時は戦国。力で全てを手に入れられた時代… 剣聖、[[葦名一心>葦名一心(SEKIRO)]]がその力で築いた北の国、葦名。しかし一心も人の身である故に、永遠に生きることはできない。 今や日本の中央勢力に在る内府が葦名をも平定せんと、虎視眈々としていた。 葦名にある山合いの村に、一人の侍がやってきた。 ざんばら髪にボロボロの着物。村の若者・正吉は落ち武者と見て、村には行かせんと斬りかかるが、侍は抵抗する気力もなく倒れ、正吉の姉・鈴によって介抱され、村へ運ばれていた。 正吉は不審がるものの、村に野伏せりの一団が向かっている報を受け駆け出される。 しかし多勢に無勢、剣の心得がある者も屠られ、絶体絶命。せめて一人でも道連れにと覚悟する正吉の後ろに、一人の侍が現れた。 #center(){ &font(gray,b){久方ぶりに  斬り合う意味がありそうじゃ} &font(gray,b){それがしを殺めることのできる者は在るか?} } 作中のセリフから推測すると、原作の4~5年前の出来事のようだ。 (本作の時間から2年後が「竜泉詣での年」。原作の狼の記憶、平田屋敷襲撃事件が3年前、「竜泉詣での年」であった) 【舞台】 隻狼同様、北の国「葦名」が舞台。 しかしその葦名も本来は多くの権力者によって治められていて、それぞれ土地を所有し家の名を掲げていた。 本作の村は「高峯」という武家が持つ領地にある。 【用語】 ・死なず 何かの手段で不死の身となった者の総称。本作では「虫憑き」と、「変若水」による「赤目」の二種類が存在する。 「変若水」とは葦名の何処から流れ出る水で、それが濃く淀んだものが「変若の澱」となり、飲んだ者は理性を失う代わりに獣の如き力と生半可では死なない体を得、「赤目」になる。 「虫憑き」は「変若の澱」に適応して変異した百足によるもの。その百足を口にし、寄生されることで「虫憑き」となり、「赤目」よりさらに強い不死性を持つ。 #openclose(show=なお……){ それらの大元は全て、西から流れてきた[[桜竜>桜竜(SEKIRO)]]によって齎された「竜胤」によるものだが、本作では言及されず。 } ・葦名流 剣聖葦名一心が編み出した流派。 高峯の地でも習う人が多く、作中では一般的に認知されている。 中でも「葦名流一文字」は本作では大きく扱われ、必殺の一撃として描写されている。 大上段から打ち下ろし、例え初撃を受け止められても、すかさず二撃目を繰り出し相手を刀ごと両断する「一文字二連」は、葦名一心も愛用する技。 なお、ゲーム内でも一文字二連はスキが多少大きいことを除けば非常に優秀な流派技である。 【登場人物】 ・死なず半兵衛 &font(gray,b){まだ死なん 死ねぬなら 生きる他ない} ボロボロの状態で葦名の村へと流れついた、落ち武者のような風貌の男。 全身に古傷らしき跡が見られ、肋や頬骨が浮くほどやせ細っているが、素人構えとはいえ大振りな刀の一撃を躊躇なく腕で受け止めるなど異様な様子も見受けられる。 しかし、言葉を発することもなく空腹で倒れ、そのまま村で介抱されることになる。 腰には落ち武者としては妙に拵えの良い刀を下げているが…… その正体は、葦名で乱世を争う猛将、田村主膳に仕えた武将の一人。 少年時に捨てられ、名前も知らないまま死を待つ所、[[仙峯寺>金剛山 仙峯寺]]の僧侶に虫を憑けられ死なずの放浪者となった。 その死なずを活かし剣の腕を鍛え、戦場に身を投じ、猛将田村主膳に挑むが、力及ばず槍に斬り裂かれる。 しかし田村は死なずの力を目にし、捨てるには惜しいと招き入れ、ついには田村の側近までのし上がっていた。 なお、このとき槍に半分に斬られても死なない彼に田村が「半兵衛」という名を与えた。 その田村が葦名一心に破られ、半兵衛が主君の敵を討とうと一心に襲いかかるがそれも敵わず、「葦名流一文字二連」に刀ごと両断されたのが本作冒頭となっている。 本作の主人公。原作経験者から「其処許おじさん」という愛称が付けられた通り、二人称が「其処許」なのが印象的。 訳あって「虫憑き」と呼ばれる不死の身となっており、いくら斬られようが、体が両断されようが、何度でも生き返る。 それを生かし、原作では自らプレイヤーの練習相手を買って出る。 あくまで手加減して相手をしていた原作ではその実力は不明だったが、本作では腕力が強く、洞察力も高いと相当な強者。 それは彼の元々の剣の心得に加え、「死なず」という体質を最大限に利用して幾度も果たし合いを経験し、それらを糧に強くなっていたためである。 しかし、葦名一心や田村主膳など圧倒的に技量が上回る相手にはさすがに歯が立たない。 葦名一心に半分折られていた刀を長年使い、その手入れもできずに居た。 齢は本作でも不明だが、その風体から正吉に「爺さん」と呼ばれる。 序盤に空腹で倒れるも鈴と正吉に助けられ、一宿一飯の恩義で彼らの村に助力することに。 その後もなんだかんだで村の問題解決へ尽力するなど、根はお人好しと言える。 無愛想かつ強面で最初は子供の長吉に怖がられていたが、蜘蛛の巣を使った虫取り棒や竹トンボを作ってやるなど存外可愛がっていた。 #openclose(show=ネタバレ){ &font(gray,b){しかし・・・ ようやく} &font(gray,b){ようやく剣を振る理由を得た気がいたす故 今一度立ち向かうといたすか} 序盤に野伏せりを撃退し正吉を助け、正吉の村の神隠し事件解決に力を貸し、元凶と思われる「赤目」の山人に苦戦するが、なんとかそれを退ける。 村を救った礼として高峯家に招かれるが、半兵衛は高峯家への不信感を募らせ拒絶。直後に鈴が誘拐され、半兵衛は高峯家こそが神隠し事件の黒幕だと確信、正吉と高峯の屋敷へ乗り込む。 そこにかつて半兵衛に腕を斬られ、力が衰えた武将、高峯比良近の姿があった。 実は野伏せりは高峯家の倅、高峯虎道正嗣が率いる一団であり、その虎道が半兵衛に斬られ、二度も因縁を付けられたことに。 半兵衛は引き返そうとするが虎道の側近に阻まれ、高峯比良近は復讐のため鈴を人質にして果たし合いを強要し、半兵衛は鈴の解放を条件にしそれを受け、高峯の槍捌きの癖を読み切りそれを制した。 しかし正吉は側近との戦いで致命傷を受け、そこに現れた薬師、道順が半兵衛に正吉の治療の代わりに、変若水によって「赤目」となって暴走した虎道を斬る取引を持ちかける。 熟練の剣士である虎道の実力は凄まじく、半兵衛は窮地に立たされるが、復活した正吉による捨て身の火攻めで立ち直り、激戦の末虎道の腕を斬り奈落へ叩き落とした。 ついに鈴を発見するが、彼女は既に… 全てが終わったあと、荒れ寺へ辿り着き身を置き、そこで[[忍び義手を付けた一人の忍>狼(SEKIRO)]]と出会う。 半兵衛は不死の先達として、大怪我を負った狼の名を持つ隻腕の忍にリハビリを兼ねた稽古を申し出る。 無愛想な忍は黙して語らず、半兵衛を相手に殺しの技を磨く。 果たしてその忍びは如何なる選択をするのだろうか――― 幾度死に至ろうとも不撓不屈の意志で蘇り、主の本懐を遂げる忠義を貫くか。 主の意志に背くことになろうとも、ただただ一人の只人として生きてくれることを願うか。 神の揺り籠を携えて、永い永い旅路を征く尼僧を守る竜となるか。 …或いは、[[全てを呑み込む修羅となるか>修羅ルート(SEKIRO)]]。 } 【山合いの村】 本作の舞台。割と大きな村だが、戦の影響で男手が不足。 また最近では神隠し事件に会い、一年で山へ踏み入った9人もの村人が行方不明になり、それらを探しに山に入ろうと今度は野伏せりに出くわす始末。 神隠しは野伏せりの仕業と考え、村長へ話し高峯の兵を要請しようとするが、内府がいつ攻めてくるかもわからない時勢ではそれも叶わない。 ・正吉 &font(blue,b){この先は儂らの村! 通すわけにはいかん!} 村の青年。村を愛し有事な際は恐れずに買って出るが、今まで一人も斬ったことなく実力は低い。 野伏せりの襲撃に会い半兵衛に助けられ、村の男衆をこれ以上減らせんと半兵衛へ神隠し事件の解決を要請し、共に行動することに。 そもそも一般人であり剣の心得もないため、半兵衛にはもちろん野伏せりの一団にも歯が立たない。 神隠し事件解決後は自分の無力さを痛感し半兵衛へ稽古を付けてほしいと頼む。 #openclose(show=ネタバレ){ &font(blue,b){儂の姉じゃ 儂らの村じゃ 儂らでやらんといかん} 神隠し事件後、半兵衛から「高峯某信用するに能わず」と告げられ、半信半疑であったが、鈴が誘拐され高峯家の本性を知り、鈴を助けようと高峯屋敷へ参る。 野伏せりの一員である虎道の側近と対峙し、実力差は歴然であるものの、半兵衛の教えを思い出し策を練る。 初撃をなんとか急所から逸し、わざと挑発して側近が大振りに斬りかかってきた所に隠し持っていた握り灰を撒き、側近の目を刺し撃破するものの反撃で斬られ、相打ちに。 死を覚悟し半兵衛へ父としての憧れを伝えるが、道順との取引で治療を受けなんとか一命を取り留める。 しかし、虎道に苦戦し体の中から虫が剥き出しになるほどに追い詰められた半兵衛を助けるべく、瀕死の身を引きずり虎道へと油を掛け着火、虎道は大きく怯み、僅かな時間を稼ぎ出した。 だが同時に正吉もまた斬られ、今度こそ命を落とした。 #center(){ &font(gray,b){正吉 早まった真似を…} &font(red,b){見よ これが父と慕う者の姿か} &font(blue,b){心は 人であると知っている} } } ・鈴 &font(green,b){山に入れば 神隠しに合う} 正吉の姉。息子に長吉がいる。 素性不明の半兵衛へも親切に世話する、心優しい女性。芯は強いが、父も夫も戦でいなくなって、正吉も長吉もいつか…と内心を吐露する場面も。 #openclose(show=ネタバレ){ 神隠し事件解決後、山の食材を取りに山奥へ進んだ所高峯家に誘拐され、そのまま道順の実験体にされ、正気を失った。 虎道を倒し鈴を解放しようとやってきた半兵衛がその姿を目にし、鈴を斬るのが忍びなく一旦引き返すが、道中で見つけた面頬を付けて戻り、一思いに介錯した。 } ・夜刀丸 村の中でも剣の心得のある者として知られ、葦名流の道場に通っていた。 野伏せりの襲撃の際は正吉と共に迎え撃つが、力及ばず。 &bold(){名前が出て次のページに斬り殺される文字通り即落ち2コマ}が読者の腹筋の体幹を破壊した。 しかしよく見ると野伏せりの一団も何人かやられて、夜刀丸も別に一方的に殺されたわけでもない模様。 ・山人 「川上の山人」と呼ばれる村一の怪人。 村には馴染めず、川上の家に住むが、正吉だけはたまに様子を見に行く。 猿の肉を口に入れるなど奇行を繰り返すが、一年前に神隠しに会い、村最初の失踪者となった。 #openclose(show=ネタバレ){ 半兵衛と正吉が山に登り山狩りをする際、山人が姿を現すが、それはもはや人の姿ではなく、猿の皮を被り両手に刀を持つ、「赤目」の物の怪となっていた。 一撃で人を両断する怪力に「死なず」の体質を持って半兵衛と互角に斬り合うが、所詮は力任せと技量では半兵衛に劣る。だが不利と見て一旦草むらへ誘い込み奇襲を掛け、猟師としての経験を活かし半兵衛を苦戦させる。 そのあと山を下っていた正吉に追いつくが、「赤目は火を嫌う」弱点を教えられた正吉は松明を持って山人を威嚇。 怯む山人は正吉に情に訴えるがそれも通じず、背後から半兵衛に首を斬られるが、山人も反撃して刀で自分ごと半兵衛を刺し、「死なず」同士の壮絶な殺し合いを演じる。 最後は突然やってきた獅子猿に食われ、何処かへと帰った。 #center(){ &font(gray,b){人は里へ 猿は山へ どちらでもない者は…} &font(gray,b){何処かへと帰れ} } &bold(){実は神隠し事件は高峯家の仕業であり、拐われた人は全部道順の変若水の実験体にされた。} 山人もその一人だが、何らかの方法で脱走し、怪力と死なずを得て山を彷徨っていた。 野伏せりの一団も、その山人を追うのが目的であった。 } 【高峯家】 二百年近く続いた武家であり、舞台の土地の領主。 鉱山により富を築い、二十年前の国盗り戦では葦名に付き武勲を挙げたが、今ではその名も没落の一途。 ・高峯比良近 高峯家の長、領主。 国盗り戦では「槍の高峯」と呼ばれる名手。 #openclose(show=ネタバレ){ かつて半兵衛に左手を斬られ、槍をもまともに握れなくなった。 本人曰く、それさえなければ自分が「葦名七本槍」と数えられたと。 高峯家も現在葦名の言いなりという有様で、道順の実験に協力することを余儀なくされる。 「死なず」の半兵衛が村に現れ、しかも倅の虎道が斬られた報を受け、それを研究材料として欲する道順、腕と倅の仇を討とうとする高峯比良近の利益が一致し、 半兵衛を誘い出すために鈴を拐い、決着を付けるべく屋敷で迎え撃つ。この際、左手を布で槍に固定して無理やり握っていた。 虎道の側近を使い退路を断ち、猛攻を仕掛け半兵衛の刀をも破壊したが、かつての経験が仇になり、槍が掴まれるのを嫌うあまり執拗に足元を狙う癖を文字通り"見切られ"、 槍を踏まれ、手を口に突っ込まれて、喉を潰され絶命した。 所持していた刀は半兵衛に拝借され、そのまま得物に。 彼は賊上がりでありながら百官名を戴き、しかも「葦名七本槍」に数えられた鬼庭主馬雅次に嫉妬していた。 しかしいくら手負いの老兵というハンデがあるとはいえ、多彩な攻撃や狼の「見切り」をも返す技量を誇る彼と比べるとあまりに弱く、 七本槍に選ばれなかったのは実力不足としか言いようがない最期であった。 #center(){ &font(gray,b){一心殿は戦に勝ったが 其処許はとうの昔に戦に破れておる} } } ・高峯虎道正嗣 高峯家の倅。 葦名流の剣術に長け、大上段から繰り出す「葦名流一文字」が必殺の一撃。 #openclose(show=ネタバレ){ &font(red,b){あの日の恐怖微塵も感じぬ!! 「さらに参る」ぞ!!} 序盤、野伏せりの一団を率いて村を襲うが、死なずの半兵衛に足を斬られ、側近も片目を失うことに。 虎道の傷は深く、例え生き延びても剣を再び振るうのは難しいと告げられた。 なんとしても倅を救いたい高峯比良近に道順は変若水による施術を提案。高峯は渋々と了承し回復するものの、虎道は「赤目」となりその力に魅入られ、道順の研究成果すら手に収めようとした。 予想以上の適正を見せる虎道だが、このままでは制御不能となり放置するわけにもいかず、道順は正吉の治療を条件にして半兵衛へ虎道の討伐を依頼。 元々剣の心得のある虎道が「赤目」になったことでさらに力を増し、半兵衛すら圧倒し、体内の蟲を引きずり出し「蟲憑き」になろうとしたが、正吉に火を付けられ大きく怯み、反撃で正吉を斬るが半兵衛の回復を許してしまう。 一気に決着をつけるべく「葦名流一文字二連」の構えを取る。 足場が良く、「赤目」の力で繰り出す一文字をまともに受ければ真二つになるのは明白。 だが、「死なず」故に過去二度も「一文字」を受けた経験のある半兵衛は打ち下ろす瞬間を見切り、腕を斬らせて反撃。それに両の腕と左足を斬り落とされ、底の見えない深淵へと落ちていった。 #center(){ &font(gray,b){愚かな 「死なず」とは ただただ失い続ける事} } } 【その他】 原作にも登場した人物。 ・道順 全身を白い布で覆った異様な風体の男。 高峰の館の地下にて、「変若水」「赤目」ひいては「死なず」について研究を進めていた。 半兵衛のうわさを聞き、研究のため身柄を欲している。 ご存知ド外道。本作では高峯家の助力を元に研究を進めていた。 #openclose(show=ネタバレ){ ぶっちゃけに言うと&bold(){本作の黒幕}。山合いの村の神隠し事件も、そもそも単に彼が変若水の研究対象が欲しくて誘拐してきたに過ぎない。 虎道を「赤目」にし、またとない成功例と評価するものの、彼が暴走するのを見て、あっさり半兵衛に始末を依頼し、研究施設も焼き払うと何の躊躇も見せない。 しかし最後の半兵衛との問答では、「この場で斬ってくれればこれ以上の業を背負うこともない」と自分のしてきた仕業を自覚しており、 一方で今までの礎となった人々の犠牲が無駄にならないためにも研究を続けるしかないと、この時点で既に狂気に囚われていた。 } ・[[葦名弦一郎]] 本作では虎道の回想にのみ登場。 葦名へ反骨心を持つ虎道は弦一郎を見るや否や、「剣の腕なら俺の方が…」と殺気を向けるが、いつの間にか目の前に迫ってきた弦一郎の凄まじい威圧感に怯え、何もできずに居た。 ・[[葦名一心>葦名一心(SEKIRO)]] 国盗り戦で葦名を築いた英雄。「剣聖」とさえ呼ばれる、超人的な剣術を誇る。 敵大将・田村主膳を討ち戦を終わらせたが、直後に田村の側近であった半兵衛に挑まれ、「葦名流一文字二連」であっさり彼を両断した。 しかし一心もまた人である故、今では病に侵され、隠居の身となっていた。 原作では「死なず」に対して「ワシは見たことないが…」と述べたが、本作冒頭にて半兵衛を斬ったとき彼は既に「虫憑き」であった。その後、一心は半兵衛と出会ってはいない。 ・田村主膳 原作冒頭、国盗り戦にて葦名一心に敗れた将。 挑んできた半兵衛をあっさり下し、得体のしれない死なずの彼を快く招き入れる器量、そして葦名一心とも死闘を繰り広げる技量を併せ持つ猛将。 モブ侍からは「葦名を制するのは田村か、葦名衆の一心であろう」と評された。 また、田村も「其処許」という二人称を使用していたことが判明。若かりし頃の半兵衛は相手を「お前」と称していたことを鑑みると、後に「其処許」と改めたのは田村の影響を受けたからと思われる。 #center(){ &font(red,b){「そうか高峯の…」「追記、修正よしなに頼む」} } #include(テンプレ2) #right(){この項目が面白かったなら……\ポチッと/ #vote3(time=600,9) } #include(テンプレ3) #openclose(show=▷ コメント欄){ #areaedit() - 竹中半兵衛じゃないのか -- 名無しさん (2021-04-22 07:37:22) - 全盛期一心の一文字を一発は弾いてるんだよね半兵衛さん。ガチればチワワなどひとたまりもあるまい -- 名無しさん (2021-04-22 09:46:25) - これ読んでから余計半兵衛のイベント進め辛くなった… -- 名無しさん (2021-04-22 17:38:32) - 半兵衛の眉間の皺は少しは薄くなっただろうか? -- 名無しさん (2021-04-22 17:54:52) - 実は夜刀丸さん4〜5人切ってて一般人としてはかなり強い方だったりする -- 名無しさん (2021-04-22 19:14:37) - 内容とは関係ないが、おそらく「~ものの」と書こうとして「~のも」となってると思しいところが多々あるな 俺はできないんで誰か直して -- 名無しさん (2021-04-22 20:40:25) - 修正した -- 名無しさん (2021-04-22 21:03:02) - 半兵衛の様子見ると一文字二連をぽんぽん出したり、弾いたりする狼君ってやっぱ強かったんすね〜 -- 名無しさん (2021-07-10 22:10:53) - 高峯虎道正嗣のビビり具合からしてやっぱ弦ちゃん強いんやな -- 名無しさん (2021-07-10 22:13:50) - ポンポン致死ダメくらってんのに自我喪失しない半兵衛の様子から見るに、蟲憑きっていっても個体差あるんだろうか -- 名無しさん (2021-07-22 00:38:36) - 一心に敗れた日から既に“生きていない”から「不死者」だった半兵衛が、高峯虎道の一文字二連を前に“死ぬ覚悟”をしたことで「生者」として立ち向かう決心をするシーンは本当に美しいと思う -- 名無しさん (2021-08-15 01:37:43) - 一心に斬られる前に敵将・田村主膳に斬られてるから死ぬのは一心が初じゃない -- 名無しさん (2021-09-14 21:48:40) - 其処許おじさん、この漫画だと終始悪人面だけどやっぱり良い人。正吉の最期の台詞が其処許おじさんの人間性(ダクソのアレでは無い)をよく表している。 -- 名無しさん (2021-11-14 23:20:36) - これを読んでから道順は話しかけずにたたっ斬るようになった -- 名無しさん (2022-02-11 17:36:32) - ラストの狼の険しい顔が半端じゃない。まあ弦ちゃんにやられてから、主君を連れ去られたのを思うとあんな顔にもなるわな -- 名無しさん (2022-02-20 22:42:37) #comment(striction) #areaedit(end) }

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