登録日:2009/11/01 Sun 00:10:29
更新日:2026/06/18 Thu 23:43:49
所要時間:約 6 分で読めます
「伊烏!伊烏!ああ伊烏!
最高だ、お前は最高だ!
たかが女一人のことで夜も眠れないほど怒り狂って、仕方ねえから寝ないで剣の修行して、
それをずっとずっと繰り返してとうとう有り得ない技を手に入れたのか!!
そんなことが出来るのはお前しかいねえ。最高だよ。
ああ、お前に出会えて良かった、お前に憎まれて良かった、
三十鈴を殺して良かった!」
『
刃鳴散らす』とは
ニトロプラスより発売されたエロゲ。
ジャンルは「本格剣劇浪漫 ADV」を標榜する。通称は「ハナチラ」。
2005年9月30日発売。
舞台は21世紀の架空の日本帝国。かつてKADOKAWAから発刊されていた「テックジャイアン」の2005年9月号などの雑誌でたびたび紹介されている。
エロゲには珍しい超本格派剣術モノ。
本職の剣道家や剣術家に協力を仰ぎ(というかライターの
奈良原一鉄自身が剣術道場の師範代)、剣の理合いをトコトン追求した異色作品。
というか、もうエロゲじゃない。
ニトロプラス製だが、その中でもかなり癖の強い作品。
そして、キャラの死亡率が異常に高く、ニトロの中では
鬼哭街に次いで高いらしい。
21世紀の初頭のこと。
日本帝国は南北を他国に占領され続けていた。
その結果首都は最悪の無法都市として知られるようになってしまった。
この世の東京はテロリズムが大流行、だがその東京で鳴り響くのは銃撃でも爆音でもない。
無数の剣戟の音だ。
銃火器が禁じられ帯刀が合法化、刀剣類が尊ばれ、数多の剣士が闊歩するようになった東京。
その東京を牛耳る巨大企業「瀧川商事」社長愛人にして護衛を務める主人公・武田赤音は
東京解放を目論むテロリスト「矛止の会」に所属する傭兵・伊烏義阿から仇として付け狙われる。
かつては同じ道場に属していた二人だが、突如として赤音が道場主の娘であり伊烏の許嫁・三十鈴を惨殺して出奔。
以来、伊烏は赤音を討つことのみを追い求める剣鬼、魔剣「昼の月」の使い手と化していたのだ。
一方、追われる側であるはずの赤音もまた、まるで伊烏との対決を求めるかのように暗躍を繰り返す。
やがて二人の因縁が交わる時、「昼の月」と「鍔眼返し」、二つの魔剣が激突する──……。
────魔剣とは、理論的に構築され、論理的に行使されなければならない────
【登場人物】
本作の主人公。瀧川商事社長・弓の愛人にして護衛。
赤小袖の美少年で、兵法綾瀬刈流の使い手。人を喰ったような性格の飄然とした男。
かつては伊烏を兄弟子と慕う、純朴で剣一筋の真っ直ぐな若者だった。
如何なる理由によるものか、道場主の娘であり伊烏の想い人だった三十鈴を惨殺して道場を出奔した。
伊烏に付け狙われる立場だが、なぜか彼との対決が不可避となるように暗躍を繰り返していく。
くわしくは項目へ。
非合法武装集団「矛止の会」の傭兵。
赤音同様兵法綾瀬刈流の使い手であり、魔剣「昼の月」の会得者。
生真面目な性格だが、やや根暗。人間としては誠実だが、もはや赤音を斬ることを最優先する剣鬼となっている。
かつては赤音と仲良くしていたが、赤音が彼の想い人である三十鈴を殺害。以降は赤音に対し復讐を目論んでいる。
瀧川商事の社長を務めている男装の麗人。僕っ娘。
幼少期は女性として育てられたが、兄の死により嫡男となる事を求められ、普段は男性として振る舞っている。
冷酷な性格だが、自分を唯一「女」として見てくれる赤音には甘えた表情を見せることも。
赤音にとっては伊烏と対決するための道具の一つに過ぎないが、弓の方も薄々それを察している。
しかしルートによっては……。
刀鍛冶師。本名は藤原一輪光秋。
かつての赤音と伊烏の友人であり、二人の刀を鍛えた女でもある。
刀鍛冶であるがゆえに、剣士である二人の対決に関して口は挟まない。
しかし二振りの刀が激突すれば両方ともが失われる事を察している。
矛止の会の会士。主に伊烏と共闘する。
一度剣技を見ただけで、その構造を瞬時に理解して模倣する能力を持つ。
そのため軽薄な態度の裏で、他の凡ての剣士を舐め腐っている節がある。
しかしてその実態は東京府庁から送り込まれたスパイ。ただ芝居は下手なため、周囲からは勘付かれている。
ファンからの愛称は「雑魚」。
次回作の大鳥香奈枝にも引き継がれたあだ名の由来だが、彼女は「雑魚様」なので渡とは格が違う。
瀧川弓の忠臣であり護衛を務める屈強な武人。
先々代の頃から瀧川家に仕えているが、弓が「男」となる事を強制された際に止められなかった事を悔やんでいる。
そのため弓の事を大事に思っており、彼女を弄んでいる節のある赤音を嫌悪する。
東京武界の頂点である剣匠二十四傑が一。棒術の達人。
瀧川商事の第二管理局長を務める幹部社員。
反社長派の筆頭でありながらそれを悟らせず、巧妙な立ち回りで社の掌握を画策している。
赤音を籠絡しようとしているが、赤音からは単に利用されているだけに過ぎない事には気づいていない。
矛止の会の会士。外様の傭兵である伊烏と会の間を取り持っていた。
瀧川商事との交戦時、赤音に挑むも敗北。女であることを暴かれ、凌辱されてしまう。
武田赤音の姉。
数年前に発生した災害により負傷、入院しており、目を保護するために遮光器を付けている。
記憶を失った自分の面倒を親身に見てくれる赤音の事を大切に思い、危険に身を投じる彼を案じている。
伊烏も赤音に姉がいた事を知らず、訝しみながらも彼を釣り出すための餌として利用せんと目論む。
赤音と伊烏、双方がそれと知らずに通っている蕎麦屋の看板娘。
伊烏は一度自分を救ってくれた事から恩人として慕っており、赤音にはその自己中心的な性格から雑に対応している。
かつて武田赤音および伊烏義阿が入門していた道場の一人娘。
伊烏の事を想っていたようであり、道場の後継者を決める試合で伊烏と赤音が対決、伊烏が勝利した事を喜んでいた。
また赤音を含めた周囲もそれを祝福していたはずが、突如として赤音によって殺害される。
文筆家兼軍人。陸軍少将の地位まで上り詰めた実力者。
クーデターによって東京を占拠、自身を終身東京府知事に任命し、独自の思想を以て東京を統治しようと目論んだ。
その思想の後継者が「イシマ主義」を掲げ、瀧川商事などの巨大企業排斥を狙って暗躍を繰り返している。
作中では故人だが、本作の世界観を構築した最大の要因。本名は石馬雪緒。
おまけミニゲーム『戒厳の野望』の主役であり、ミニゲーム集『サバト鍋』には続編となる『戒厳聖都』が収録されている。
なぜか後に『ニトロ+ロワイヤル -ヒロインズデュエル-』『ニトロプラス ブラスターズ -ヒロインズ インフィニット デュエル-』にゲスト出演している。
【世界観】
北海道を社会主義連邦、九州を合衆国に占領されたことで日本は降伏し、第二次世界大戦は終結した。
南北を列強に支配された状況下での安全保障条約締結をきっかけに、退役軍人の石馬戒厳が武装蜂起。
軍事政権を樹立した石馬戒厳は名古屋に遷都を行うと、自身を東京都改め東京府の終身知事に任命、旧帝都の再建を図った。
これにより東京は巨大な壁によって隔離された閉鎖都市となり、内部から外国籍の人間と銃火器を徹底排除、帯刀が半ば合法化した。
この体制は石馬戒厳以後も継続したが、しかし警察は銃火器規制および閉鎖体制維持にのみ注力しているため、治安は最悪の状態にまで悪化。
府内は外部との物資流通を掌握する巨大企業群により支配され、これに反発して東京解放と独立を目論む「イシマ主義」武装勢力によるテロが横行。
二十一世紀を迎えた景道九年現在の東京は、刀剣による闘争が日常化した、完全な無法地帯となっている。
【主な技】
くわしくは項目へ。
【歌】
- オープニングテーマ「残夢」 歌:小野正利
- エンディングテーマ「蛍火」 歌:いとうかなこ
|
+
|
ネタバレ |
武田赤音と伊烏義阿は宿敵同士なので戦って二人とも死んだ。
刃鳴散らす ファンディスク「戒厳聖都」(『サバト鍋』収録)の「よく分かる刃鳴散らす」原文まま。
まあ、実際その通りの内容だったりする。
一応本編にはいくつかの分岐ルートがあり、真面目なEDもあるものの、主人公が奴隷になったり死んだりBLったり色々とカオスなEDも多く、
いずれもメインルートに比べれば遥かに短くあっさり終わるため、赤音と伊烏が果たし合いの末に相討つまでが、本作の全てである。
ただし『戒厳聖都』は本編のあるエンディングから続く「その後」の物語でもあり、
本編では描かれなかった各キャラクターの心情描写などを描きつつ、
一度敗れた赤音が立ち上がり、再び伊烏と対決するまでの物語が、ゲームブック形式で展開される。
|
ちなみに、奈良原曰く、この
ゲームを作りたいと色々な会社に行ったら
会社A 「却下」
会社B 「売れないから無理」
会社C 「出直してこい」
ニトロプラス「やれば?」
となったらしい。ですよね。
追記・修正は刈流兵法の使い手がお願いします。
- この世界に私は無数にいる!来たれ私!石馬戒厳ビッグボディィィッッ!!これを思い出して笑ってしまう -- 名無しさん (2014-08-26 16:34:42)
- おい、ニトロだけ寛容すぎんだろww -- 名無しさん (2014-08-30 17:35:30)
- ニトロ作品で一番好きだがそれ言うと変人扱いされて困る -- 名無しさん (2014-12-15 09:34:11)
- 会社A、B、Cはどこの会社なんだろう? -- 名無しさん (2014-12-15 13:50:39)
- 内容スッカスカだなあ -- 名無しさん (2023-01-19 23:18:00)
- 内容おもしろいそうだけれども、あらためて変な会社だな(褒め言葉) -- 名無しさん (2023-10-01 18:32:42)
最終更新:2026年06月18日 23:43