アイリッシュ・パディーズ(ゴルゴ13)

登録日:2015/07/29 (水) 22:08:59
更新日:2019/05/23 Thu 11:05:48
所要時間:約 6 分で読めます







くそっ、俺は親父とは違うんだ!!
いまにみてろよ!!




概要


アイリッシュ・パディーズとは、ゴルゴ13の65巻に収録されたエピソード。

イギリスにおいて問題視されていたIRA(北アイルランド独立を目的とするテロ組織)をテーマにしたエピソード。
本エピソードの中心となる父親と息子の奇妙な関係が面白い作品。


あらすじ


イギリス南部のブライトン市のグランドホテルがIRAの手で爆破され、死傷者を出す事件が起きていた。

そのテロによってホテルは大きな被害を受け、4人の下院議員が死亡、34名の負傷者も出していた。
このテロの目的は、保守党大会出席のために宿泊していたサッチャー首相を狙ったテロだった。

そんな中、ある家にアイルランド人の青年・エドが不機嫌な様子で帰ってきていた。
彼は毎度毎度仕事をクビになり、家で酒を飲んでいる毎日だった。

日雇人夫の父親は、職に就けない息子の事を気にかけていた。
父親はエドに一緒に仕事を探そうと提案してくれていたが、エドは父の言葉を無視して家を出る。

彼は日雇人夫の父を見下しており、『自分は父とは違う』と考えていたのだが……


主な登場人物


■エド

日雇人夫の息子である、アイルランド人の青年。

毎度毎度仕事をクビになり、早い時間から家に帰ってきていた。
この事については、彼曰く『おっと!!クビになったんじゃんないぜ!!こっちから辞めてやったのさ!!』らしい。
それだけでは無く、家では酒に浸っている始末だった。

実際に職場では、アイルランド系であることから差別的な目で見られていたことに不満を持ってたようだ。
だが、彼の無駄に高いプライドやその態度から見て、人種的な事以外でも馬鹿にされている可能性があると思われる。

また、エドは日雇い労働者である父親を『俺は父親とは違う』と見下している。
父親に会社を探してもらい、経営者に頭を下げるように言われた際には『父親と違って頭を下げて働きたくない』とまで答えている。
それって、ただ働きたくないだけなんじゃないですかね……?

そんな無駄に高いプライドを持っている屑の彼は、鬱憤を溜めているところで友人のマックに遭遇。
友人のマックはIRAの下っ端であり、マックの話を聞いたエドはIRAへに入ることを希望し、彼に話を通してもらえる事となる。
しかし、エドのIRA入りはボロボロの姿のマックに拒否され……。

ちなみに、作中で2回もゴルゴと遭遇する。


■エドの父親

日雇人夫の中年男性。

日雇いの仕事を捜し、その仕事で収入を得て家族を養っている。
ちなみに、作中ではプレハブを壊す仕事で収入を得ていた。
なお本名は明らかになっていない。

酒に溺れている息子の姿を見て、一緒に仕事を探すように提案しているが息子からは拒否られている。
日雇人夫であるその姿は、息子のエドに見下される原因となっていた。


ここまで見ると、駄目息子を持つ普通の男性に見えるが……


その正体は、なんとIRAの爆弾係。

グランドホテルで爆破テロに関わったのも彼である。
妻や息子にはIRAの構成員である事を含めて、一切情報を漏らしていなかった。
作中の様子を見る限り、IRA内でも一定の地位は築いている模様。

息子に関しては「こればかりはドカーンとやる訳にもいかないし困った物」と仲間に愚痴っている。


■エドの母親

名前通りエドの母親。

仕事が上手くいかず、早く家に帰ってくる息子を気にかけていた。
夫の正体には気が付いていなかったと思われる。


■マック

エドの友人と思われる青年。

街中で歩いているエドに声をかけ、自宅に連れて行った。
実は、マックはIRAの下っ端構成員だったのだ。

家でIRAに関する話をエドにしていたが、その話に感銘を受けたエドにIRAへ入れるように話を通すように頼まれる。
友人の構成員を欲しがったマックは、IRAの上層部にエドを入隊させるように話を通そうとする。

しかし、後日エドと再会したマックは全身に大怪我を負った状態になっていた。
そして、自宅での話を無かった事にするようにエドに話す。そうしないと自分の命が危ないと怯えながら言う。

それでもIRA入りを希望するエドに対して、ナイフを取り出す。
エドに襲い掛かったが、満身創痍の状態だった為か返り討ちにされて退散した。


■トーマス

エドの父親が、エドを入社させてもらうように頭を下げた会社の社長。

どのような業務をしているかは作中では描かれていない。
エドを雇う事を考えていたが、要のエドが会社から飛び出してしまった。

その正体は、IRAの構成員。

エドの前では父親より立場が上のように見えるが、実際はエドの父の煙草の火を点けた他、話し方も敬語になっていた。
IRA内での立場は同等か、エドの父の方が上の可能性もある。

エドの父親に対して、先日のテロの物より強力な爆弾を用意した。



主人公。

今回はSISの依頼で、IRAの爆弾係の殺害に挑む。
依頼の際には、依頼者からIRAの連絡員の情報を受け取った。

本エピソードの中心人物であるエドには、直接の関係は無いのだが二度遭遇している。


結末(ネタバレ注意!)






車に乗せられ、日雇い労働に向かうように見えるエドの父親を追跡するゴルゴ。

一方その頃、暗い路地裏でエドが銃に弾丸を仕込んでいた。
彼はテロを決意したらしく、銃をビニール袋に入れてどこかに向かう。

そして舞台は移り、グランドホテル。

ホテルでは厳戒な警備が行われていた。
その様子を見て、エドの父親はホテルマンに何があったのかと尋ねる。
ホテルマンが言うには、最上階は上院議員が泊まっているため警備が凄いらしい。
ただ、午後には上院議員は出発するとのこと。

軽い雑談をしていたところで、エドの父親は挙動不審な息子の姿を発見する。
何故こんなところに息子がいるのかと、軽く動揺する。
しかしそんな考えも束の間、エレベーターが到着したことをホテルマンに告げられる。

ホテルマンはエドの父親に荷物を持つかどうか尋ねるが、エドの父親は大丈夫だと拒否。
ホテルマンと二人でエレベーターに入るが、途中の階でホテルマンはエレベーターから降りた。
ホテルマンに軽く別れの挨拶をして、回想シーンに入るエドの父親。

連絡員からエレベータの見取り図の説明を受けるエドの父親。

連絡員曰く、指定の場所に灰皿が設置されていて、その灰皿の上部は簡単に外れる仕組みになっているらしい。
エドの父親は、灰皿の型が連絡通りの物であることを確認する。

連絡員曰く、上院議員は工場視察のため1時きっかりに部屋を出てエレベーターに向かうとのこと。
上院議員は時間に正確な男らしく、それは狂うことは無いと連絡員は断言する。
だから、スキを見て爆弾を灰皿に仕掛けるようにと伝えた。

エドの父親の部屋は、連絡員の名前で1120号室に確保されていた。
最後に成功を祈るように、二人は「祖国に平和を」という合言葉と共に拍手を交わした……。


カバンの中にある爆弾を見つめていたエドの父親だったが、やがてエレベーターは最上階に到着する。

しかし、エレベーターが開いたところに誰かがいる。
その男は鋭い目つきをした東洋人の男性だった。
エドの父親も何か感じたらしく、しばらく見つめあう二人の視線。

そして東洋人の男性の横を通りさり、警備の様子を確認するエドの父親。
警備の様子を確認した後、エレベーター付近の灰皿に爆弾を仕掛けようとした、その時。


1120号室の客か?


後ろから飛んできたこの声に驚きを覚えるエドの父親。
振り返ると、東洋人の男性はエレベーターで降りておらず、その場に立っていた。
その計画に気が付いていた東洋人の男はもちろん、ゴルゴ13である。

計画に気が付かれたためか、銃を取り出したエドの父親。
しかし、神速ともいえる速さで懐から銃を取り出したゴルゴは発砲。
エドの父親は頭を銃撃され、ゴルゴは冷静にエレベーターで下の階に降りていったのだった。

男性が殺害されたことに気が付いた警備員達。

当初はエレベーターで降りた犯人を追おうとする。
だが、殺害された男のバックに時限爆弾が入っていた事に一人の警備員が気付く。
そして、殺害された男がテロリストだと知ったのだ。

一方その頃、警備が厳しかったことからテロを起こせず弱気になっていたエド。

諦めようとしていた時、入り口から多数の警備員がホテルに駆け込んできたのに驚く。
ホテルの客達が、IRAの爆弾係が射殺された事を語り合っていた。
その話を聞き、ホテルから即座に立ち去ろうとするエド。

その時、エドの体は何者かにぶつかる。
その男は、以前も遭遇したゴルゴ13だった。
自分からぶつかったのにも関わらず、ゴルゴに怒号を浴びせるエド。
だが、そんな怒号も気にせずにゴルゴはホテルの入口に向かっていった。

多数の警備員で埋まるエレベーターの前。
その姿を見て、エドはこのような感想を頭に思い浮かべるのだった……。


爆弾係か……そんな大物でもしくじることがあるんだなあ……








Wiki篭りか……そんな大物でも(追記・修正を)しくじることがあるんだなあ……

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