登録日:2025/06/29 (日) 11:33:50
更新日:2025/06/29 Sun 16:58:45NEW!
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『パイレーツ・オブ・カリビアン/最後の海賊(Dead Men Tell No Tales)』とは、2017年に公開されたウォルト・ディズニー・ピクチャーズ制作のアメリカ映画。原題は直訳すると『死人に口無し』。
アクション
ファンタジー映画『パイレーツ・オブ・カリビアン』シリーズの第5弾である。
監督は前作のロブ・マーシャルから第85回アカデミー賞や第70回ゴールデングローブ賞の外国映画賞にノミネートされたヨアヒム・ローニングとエスペン・サンドベリのノルウェー人コンビに変わった。
前作『
生命の泉』では主に冒険活劇が主軸になっていたが、今作では第1作『
呪われた海賊たち』以上におどろおどろしい雰囲気や、「海賊とは何か」を焦点に置いた作品となっている。
ただし今作でのジャックは見事なまでに落ちぶれてしまっており、キャラとしての活躍はバルボッサや新キャラの方がはるかに多い。とは言っても主人公らしく要所要所での見せ場はあるのだが。
ストーリー
前作から2年。ウィルとエリザベスの息子のヘンリー・ターナーは、新たにフライング・ダッチマン号の船長となった父ウィルを探しに行くため、ボートに乗って沖へ進む。
神話本を読んだヘンリーは「ポセイドンの槍」が呪いを解く鍵であることと、ジャック・スパロウという海賊が何かを知っていることを突き止める。
父と対面を果たしたヘンリーは「必ず呪いを解いて見せる」と宣言するが、ウィルは息子を危険から遠ざけようと追い返すのだった。
それから9年後、ヘンリーは英国海軍の一員となり、「モナーク号」に乗り込み海賊たちを追い詰めていたが、「魔の三角水域」に入りかけており、引き返すようにことを艦長に伝えようとするも、反逆者とみなされて牢に閉じ込められてしまう。
三角水域に入ったモナーク号はスペインの難波線「サイレント・メアリー号」を発見するが、その直後、ヘンリーの忠告通り海の死神・サラザール率いるスペイン海兵の亡霊達によって艦長以下乗組員が殺されてしまう。
サラザールはジャックの手配書を持っていたヘンリーだけは殺さず、ジャックに対して「死が迫っている」という伝言を残す。
流れ着いたヘンリーは英国植民地セント・マーティン島に流れ着き、そこで魔女疑惑をかけられた天文学者カリーナ・スミスと出会う。
そのころジャックは全てのツキに見放されたように落ちぶれており、ボトルに閉じ込められたブラックパール号を出すこともできず、今や一文無しでセント・マーティン島のジャンク船を根城にし、銀行強盗を試みて失敗し、ギブスを始めとした部下たちからも見捨てられ、挙句大切なコンパスも酒と引き換えに渡してしまい、挙句英国海軍に捕まってしまうなど、みじめな生活を送っていた。
しかもコンパスを手放したことで三角水域に閉じ込められていたサラザールが復活してしまう。
投獄され、翌日には処刑されるはずだったジャックとカリーナはヘンリーやギブスたちによって救出され、ポセイドンの槍を探すために旅に出ることに。
一方、前作で黒ひげを倒したバルボッサは、今やカリブ海の大艦隊の首領となっており、金銀財宝に囲まれた優雅な生活を満喫していた。ところが復活したサラザールによって自分の艦隊が次々と沈められていることを知り、魔女のサンサの元へ出向く。なぜかジャックが手放したコンパスを持っていたサンサは、それをバルボッサに渡すと、サラザールの目的であるジャック・スパロウを探せと告げる。
バルボッサはサラザールと交渉し、自身の命の保証をする代わりにジャックを引き渡す契約を交わす。
ジャック、ヘンリー、カリーナは、サラザールが放ったサメの追撃をかわして島に逃れるが、島民に捕まってしまう。そこへバルボッサたちが現れジャックを開放するとブラックパール号を復活させる。
そしてついに、ジャックとバルボッサたちの乗るブラックパール号はサラザールとの決戦に挑む。
登場人物
●
ジャック・スパロウ
演:ジョニー・デップ/吹き替え:
平田広明
「俺がタダで死ぬと思うか?」
「孤高の海賊」。
前作ラストボトルシップになったブラック・パール号を手に入れるが、それを復活させることもできず、全てのツキに見放されたように落ちぶれた生活を送っていた。
さらに大切なコンパスも酒と引き換えに渡してしまい、それがきっかけで最悪の相手を呼び寄せてしまう。
本作ではすっかり落ちぶれているため、バルボッサやヘンリー、カリーナの方が活躍することが多いが、それでも主人公らしく、要所要所で美味しいところを勝ち取ってはいる。
●ヘンリー・ターナー
演: ブレントン・スウェイツ/吹き替え:中川大志
「ポセイドンの槍で父の呪いを解く!」
「ウィル・ターナーの息子」。
『ワールド・エンド』のラストに登場した、ウィルとエリザベスの息子が成長した姿。
本作では実質的なもう一人の主人公。
嘗ての父と同じく家族思いの心優しい好青年で、女手一つで育てられたからか母のエリザベスを深く愛しており、父のウィルとも10年に1度しか会えていないが、父にかけられた呪いを知ってからはウィルを救い出そうと奔走するなど、父に対しても母と同じような愛情を持っている。
●カリーナ・スミス
演:カヤ・スコデラリオ/吹き替え:
栗山千明
「この宝の秘密は、私にしか解けない」
「孤独な天文学者」。
本作のヒロイン。卓越した知識と洞察力の持ち主で、特に時計学に特に精通している。
幼いことに生き別れた父が遺した「ガリレオ・ガリレイの日記」を基に伝説の秘宝、ポセイドンの槍を探すとともに、父の行方を捜している。
顔も知らない父への愛情は深く、父が名付けたカリーナと言う名前を今も大事に名乗っている。
ヘンリーとは旅を続ける中でお互いに惹かれ合っていく。
そして終盤では、父の正体と自らの出生の秘密が明かされる…
●ヘクター・バルボッサ
演:ジェフリー・ラッシュ/吹き替え:壌晴彦
「悪いが、槍は俺のものだ」
「ジャックの好敵手」にして、今作の漢。
落ちぶれまくるジャックとは対照的に、10席の艦隊を率いる大海賊の首領にまで上り詰め、金銀財宝に囲まれた悠々自適な生活を送っていたが、復活したサラザールによって自身の地位が危うくなることを悟り、ジャックと協力してブラックパール号を復活させる。
サラザールによって傘下の船を沈められたり、メインの船である「アン女王の復讐号」も奪われてしまったりと、序盤ではジャック同様に良い所が無いが、前作以上に見せ場も多く、実質的に主役と言ってもいい活躍ぶりを見せる。
そして終盤では、ある人物との意外な関係が明かされる…
●アルマンド・サラザール
演:ハビエル・バルデム/吹き替え:
大塚明夫
「ジャック、今度はお前が死ぬ番だ」
「海の死神」。
ジャックと因縁のある本作のヴィラン。元々はスペインの戦艦「サイレント・メアリー号」の艦長で、海賊に対しては無抵抗の者でも降伏した者でも容赦無く殺害することから
「海の処刑人」と恐れられていた。
しかし若き日のジャック・スパロウに倒されて「魔の三角水域」に長い間閉じ込められ、それ以降三角水域に迷い込んだ船や海賊たちを次々と殺して回る「海の死神」となっていた。
ジャックがコンパスを渡してしまったことで復活し、ジャックへの復讐のために舞い戻ってくる。
●ジョシャミー・ギブス
演:ケヴィン・R・マクナリー/吹き替え:青森伸
作品皆勤賞の、ジャックの忠実な部下……だったが、失敗続きのジャックに愛想を尽かして遂にジャックの元を去ってしまう……と思っていたがやはり見捨てきれなかったのか、投獄されていたジャックを再び救出した。
●シャンサ
演: ゴルシフテ・ファラハニ/吹き替え:
浅野真澄
魔女。動物の生き血を勧めるなど悪趣味だが、基本的には義理堅く中立的な立ち位置で、誰であっても仕事を受ける。
●ジョン・スカ―フィールド
演: デヴィッド・ウェナム/吹き替え:小原雅人
イギリス海軍の大尉。領海権を求めてポセイドンの槍を狙う。
脱走したジャックやカリーナを執拗に付け狙う。
●ジャックおじさん
演:ポール・マッカートニー/吹き替え:内田直哉
ジャックの叔父。演じるのはビートルズのベーシスト、ポール・マッカートニー。
●ウィル・ターナー
演:オーランド・ブルーム/吹き替え:
平川大輔
ヘンリーの父で「フライング・ダッチマン号」の船長。10年に一度しか陸に上がれないという呪いをかけられており、本作では顔にフジツボが付いているなど海洋生物化が進んだ状態で登場。
父の呪を解こうと会いに来た12歳のヘンリーを「ジャックを巻き込むな」と追い返す等、息子に対する愛は確かで相変わらずのお人好しぶりも健在。
●エリザベス・スワン
演:キーラ・ナイトレイ
現在は海賊を引退している総督令嬢。
ヘンリーとジャックが槍を破壊し、呪いが無効化されたことにより再び陸地に上陸できるようになったウィルと再会を果たした。
用語集
◆ジャックのコンパス
ご存じ、北ではなく所有者が望む方角を指し示すコンパス。
本作では持ち主がコンパスを裏切ると、その人物にとって最悪な相手を呼び寄せてしまうと言う、とんでもない副作用があることが明かされた。
これによってもっとも割を食わされたバルボッサは泣いていい。
◆磨の三角水域
現実では「バミューダ・トライアングル」の名前でも有名で、その地帯に立ち入った船や飛行機が次々と行方不明になることから名付けられた。
◆サイレント・メアリー号
サラザールが艦長の戦艦で、元はスペイン海軍の戦列艦。
◆ポセイドンの槍
海の神ポセイドンの水中墓にある不思議な力を持つ槍で、雷雨の制御や海の生き物の統括に使われたとされる。
海の呪いを司る能力があるとされ、ジャックとバルボッサはサラザールを退けるため、ヘンリーは父の呪いを解くため、カリーナは生き別れになった父の地図の秘密を解明するため、イギリス海軍は領海権を得るため、それぞれの思惑でポセイドンの槍を追い求める。
追記・修正はポセイドンの槍を手に入れた後でお願いします。
- そして海外映画おなじみエピローグの露骨な続編伏線フラグではアイツの復活を示唆してたけど…結局6作目はもう作られないのかな。 -- 名無しさん (2025-06-29 11:58:52)
- ↑ジョニーが奥さんとのトラブルでうんぬんかんぬんになってしまったから流石に無理かなぁ…続編待ってます! -- 名無しさん (2025-06-29 12:10:46)
- ポストクレジットシーンってあったのか…ビル・ナイ氏がお元気なうちに6を作ってほしい -- 名無しさん (2025-06-29 12:38:28)
- キーラ・ナイトレイが青年の息子がいるとは思えないほど綺麗すぎる。 -- 名無しさん (2025-06-29 12:47:38)
- 義足歴が長くなったからか杖無しで歩けてるバルボッサ -- 名無しさん (2025-06-29 12:54:39)
- ↑4 ファンタビの方もジョニデのスキャンダル(+コロナ禍)で三作目がだいぶ遅れたからね。正直、このシリーズは打ち切りかなーって思ってる。 -- 名無しさん (2025-06-29 15:24:53)
- 邦題は壮大だけど、海軍が力を得た前々回ほど海賊の危機ではない -- 名無しさん (2025-06-29 16:42:51)
最終更新:2025年06月29日 16:58