チェブラーシカ

登録日:2025/06/30(月) 09:17:37
更新日:2025/07/09 Wed 21:22:16
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『チェブラーシカ』(Чебура́шка)とは、ロシア(旧ソ連)の児童文学作品「わにのゲーナ」シリーズの登場人物、及びそれを原作としたアニメ作品の総称である。

概要

1964年にロシア(旧ソ連)の児童文学作家エドゥワルド・ニコラエヴィチ・ウスペンスキーによって執筆された作品「わにのゲーナ」シリーズの登場人物の1人。
タイトルの通りこの作品の主人公はゲーナなのだが、このチェブラーシカが実質的な主人公となっている。
ゲーナ「解せぬ」
名前はロシア語で「ばったり倒れ屋さん」のような意味であり、「ドスンと落ちる」等の意味を持つロシアの古い俗語である「チェブラハッツア」からきている。
初期はタヌキのような姿だったが、次述の人形アニメ化の際に現在のデザインとなった。

1969年から1983年にかけてロマン・カチャーノフ監督によって4本の短編アニメが作られた。
日本では1970年代から何度か公開されていたほか、2001年に「チェブラーシカ学校へ行く」以外の3本が吹き替え版として上映された。

他にもスウェーデンでは「ドルッテン」という名称でテレビシリーズが制作された…が現在では正規の方法での視聴は絶望的。ちなみにドルッテンの意味は「酔っ払い」という意味だったりする。
そして2010年には完全新作の人形アニメが劇場公開された。

あらすじ

ある日、果物屋さんがオレンジの箱を開けると、とある箱の中に見たことのない生き物が入っていた。
何度起こしても倒れてしまう姿を見た果物屋さんはその生き物を「チェブラーシカ」と名付け動物園に連れていく。
…が、学問上正体不明なため預かれないと言われてしまう。
その後とある店の電話ボックスで暮らすことになったが、ある日孤独だったワニであるゲーナの「友達を探している」という貼り紙を見てゲーナに会いに行き、友達となる。

登場人物

声優はオリジナル版/2010年人形アニメ版
吹き替えは映画公開版/DVD版/2010年人形アニメ版

  • チェブラーシカ
声優:不明/ラリーサ・ブロフマン
吹き替え:大谷育江/大谷育江/大橋のぞみ
主人公。
上述の通り動物園での預かりを断られた後はとある店の電話ボックスで暮らしていたが、電話ボックスの中は寝床代わりの小さな布が1枚と、おもちゃのコマのみとあまりいい暮らしとは言えなかった。ある日ゲーナが書いた貼り紙を見てゲーナに会いに行き、友達となる。
その後はゲーナと貼り紙を見て集まった友達と一緒に「友達の家」を作ったり、ピオネールに憧れて入隊しようとしたりする。

  • ゲーナ
声優:ワシーリー・リヴァーノフ/ウラジーミル・フェラポントフ*1
吹き替え:斎藤志郎/江原正士/土田大
動物園でワニとして働いているワニ。孤独だったがチェブラーシカ達と友達になる。
性格は優しくて紳士的だが、「ピオネールに入りたい」では子供広場を作っている最中、手伝いに来たピオネールの助けを断ったりと、以外と頑固な所もある。
同話では子供広場に使うためコンプレッサーを盗んだという事で警察から取り調べを受けるが、チェブラーシカが「子供広場を作ってくれていた」と説明した所、感動した警察官によってお咎めなしとなった。しかしその後鉄屑を集める際に勘違いではあるが、水に浮かんでいた船の錨を鎖ごと取るというとんでもない事をやらかしている。が、これに関しては同話内で触れられる事なく終わっている。いいのかそれで。
「ピオネールに入りたい」の冒頭や、「チェブラーシカと怪盗おばあさん」の最後でガルモーシカを弾きながら歌う曲は名曲。

  • シャパクリャク
声優:不明/ドミトリー・フィリモーノフ
吹き替え:鈴木れい子/京田尚子/チョー
いたずら好きのおばあさん。
「いい事をしても時間の無駄」と考えており、周りの人に嫌がらせをしては喜ぶ。当然チェブラーシカ達にも様々なイタズラをするが、めげずに「友達の家」を作るチェブラーシカ達を見て考え直したのか、友達の家が完成した時にチェブラーシカに「もうイタズラしません」という手紙を渡した。
しかし「チェブラーシカと怪盗おばあさん」ではチェブラーシカとゲーナが乗っていた電車の切符を盗むなど相変わらずの姿を見せた。だが同作では大活躍する。
かつてはアメリカのスパイだったらしい。尚現在は「とんでもない罪を犯した」としてFBIから指名手配されており、アメリカへ入国する事は出来ない。
ちなみにその罪は「某蝙蝠ヒーローの車のタイヤをパンクさせ、アメリカの国民的キャラのウサギの人参を農薬でだめにし、某世界一有名なネズミのしっぽに缶詰を結びつけた」といった感じだろうか。

  • 果物屋さん
チェブラーシカの名付け親。「こんにちはチェブラーシカ」でのみの登場だが、彼がいなければチェブラーシカの物語は始まっていなかっただろう。


余談

本作は当時の旧ソ連における社会主義体制を批判するために作られたという一面もあり、そのため所々に当時の政治体制に対する風刺が見られる。
因みに絵本作品として制作したのは検閲を受けた際に「架空の作品である」と言い逃れるためだった模様。

「ピカルの定理」では両手で胸を抑えながら協力して一つのアトラクションに挑み、手を胸から離してしまったらバネが仕込まれた乳が飛び出して脱落という「テブラーシカ」というコントがあった。



追記・修正は「チェブラーシカ学校へ行く」の吹き替え版が公開されてからお願いします。


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最終更新:2025年07月09日 21:22

*1 オリジナル版のゲーナの歌パートも担当。