デンテ・ストマック

登録日:2025/07/01 Tue 14:23:40
更新日:2025/07/17 Thu 12:38:19
所要時間約 4 分で読めるぞい




虜になってしまうとやめられないのじゃよ、闇菓子は。
我ながら罪なものを作ったもんじゃ。


デンテ・ストマックとは特撮テレビドラマ『仮面ライダーガヴ』のキャラクターである。

CV:多田野曜平
スーツアクター:岡元次郎


【概要】

紺色の鯨のような恰幅の良い体格のグラニュート
ストマック社の創業者であるゾンブの弟で、前社長のブーシュは甥、ショウマランゴ達は大甥・大姪にあたる。
ショウマ達にとっては大叔父となるが、長ったらしいのか劇中では「デンテ叔父さん」と呼ばれていた。

かつてはストマック社で技術部門を担っており、闇菓子及び人間から幸せな感情をスパイスとして抽出する技術を開発した。*1
また、ブーシュの頼みでショウマのガヴを赤ガヴに改造する手術もした。同時に次男ニエルブに研究開発や技術の扱い方を教えた師匠でもある。
そしてその際に人間の研究をしたことで人間界のお菓子にハマってしまい、またゾンブが闇菓子の中毒性を高めてグラニュート界の掌握に利用するという野心に走るようになった事で、ストマック社の仕事に関わる事に飽きたため、現在は人間界でホームレス同然の隠居生活をしている。
この経緯のため一族との繋がりはほぼ途絶えており、ブーシュの死もランゴ達の台頭も知らなかった。
しかしグロッタやニエルブからは今でも慕われている様子な辺り、事実上の家庭崩壊の原因である甥に代わる彼らの相談役でもあった様子。

人間界でショウマと再会してからは彼の協力者となり、ガヴフォンや複製版ヴラスタムギア、防毒マスクといった道具の開発、チョコルドフォームへの変身の副作用による体調不良で倒れた絆斗の治療等で貢献していた。


【人物像】

一人称は「儂」。二人称は主に「お前さん」を用いる。
でっぷり太った体型はお菓子をドカ食いしたせいだとか*2
ちなみにショウマと違いお菓子を食べても眷属を生み出す様子は見られない。

ミミックキーは持っていないのか、基本的にアジトから出ることはないが、ゴチゾウからショウマのピンチを伝えられた際にはそのまま人間の服を着てショウマを助けに出向いている*3
ヒトプレスの開発より先にミミックキーは実用化されていた描写があるので、なぜ使わないのかは不明*4

一見、関西弁が混ざったような口調で話す好々爺だが、上記の通り闇菓子及びその製造工程の根幹はデンテが作り出したもので、つまりみちるや早恵を始めとする多くの人間の失踪とに間接的に関わった人物。
というか闇菓子自体が禁制品なだけに、グラニュート界基準でも立派な犯罪者
会話の中でも井上母子を冷遇し続けたブーシュをショウマの前で擁護したり、自分が闇菓子の開発者だとショウマとラキア(二人とも闇菓子のせいで家族を失っている)の目の前でカミングアウトしたりと、どうにもデリカシーが欠けた発言が目立つ。
共通点多すぎるキャラを中の人が演じているのもあって余計に。

とはいえ差別的で冷淡なランゴ達と違い、ショウマに友好的かつ協力的な立場を取っているのも確か。
そして、人間界をストマック社から守るため兄姉達と戦う事を決意したショウマから、「お菓子を融通する代わりに自分をサポートして欲しい」と協力関係を申し出られる。
「一応儂もストマック家なんじゃが」と少々複雑そうにしつつも、打算抜きにショウマと人間界を気に入りつつあった事もあり、最終的にその条件を飲んだ。
もっとも、ショウマ自身は上記の件もあって完全には信用していない節はあり、一応穏当には接しているが連絡兼監視役のゴチゾウを渡している。
デンテ本人も自分が信用されていない事は自覚している一方、ショウマとの関わりの中で少なからず心境に変化が生じてきており、自分に怒りをぶつけて来たラキアに「あの時兄貴を止めていれば何かが変わったかもしれん」と後悔の念を吐露し、「自分は殺されても文句はないがショウマには協力してやってくれ」と頼んでいる。

そしてショウマとラキアを通じて幸果、絆斗とも交流を持つようになってからは、改めて自分の所業に対する贖罪の方法を模索。
ヴァレンの戦力強化兼絆斗の身体的負担を少しでも和らげるため、「あの子(ニエルブ)が作った物なら儂にも作れん筈が無い」とヴラスタムギアの複製に取り掛かった。ゴチゾウを産み出せなかったことは嘆いていたが、碌な設備も無いのに短期間でヴラスタムギアを、それも絆斗用に負担を軽減したにも関わらずスペックはそのままのものを作れただけで十分、否、それ以上の腕前である
……が、自分が作ったワンオフのヴラスタムギアが何故か二つあるという事実は当然ニエルブの注意を引き、アジトを訪れた彼から復職の打診を受ける。
しかし迷うことなく「ショウマの力になりたい」と断り、自分がストマック社に粛清される時が近いと悟ると、文字通り我が身を削って自分の歯を材料にガヴ用の新たなツール「ゴチポッド」を開発する。
またラキアに依頼され、彼の毒素の中和剤の開発も始めた。

なお上記の通りニエルブ自身は現在もデンテを慕い尊敬しており、粛清の刺客を寄越すどころかその生存を会社に報告する事すらしなかった。
だが……(後述)


【末路】

ゴチポッドの開発を通じてショウマ達の戦力増強に貢献したものの、老体への負担はかなり大きく、その日を境に体調が悪化。
寝落ちや空腹で倒れただけの死ぬ死ぬ詐欺も何度かやりつつ「人間界のスイーツを食べたい」と駄々を捏ねる元気は残っていたが、その矢先にデンテの生存を知ったグロッタが来訪。
ストマック家立て直しのための助力を懇願するグロッタに対し、デンテは「強がらんでええ。お前さん……本当は寂しいんじゃろ?」「こっち(=人間界)で一緒に生きてみんか?」と穏やかに説得しようとしたが、本心を見透かされたことで逆上した彼女に衝動的に殺害されるという最期を迎えてしまった。


【死後】

結果的に闇菓子の製造に携わった報いを受けるかのように命を落としてしまったが、その死がショウマ達に与えた衝撃と悲しみは大きかった。
すっかりデンテと仲良くなっていた幸果は、ショックでかつてないほどに塞ぎ込んでしまい、ストマック社との戦いの壮絶さを思い知らされることになり、
特にラキアは、デンテの遺体の切り傷からグロッタがコメルを殺害した犯人であると知ったため、完全に冷静さを失って夜通しでグロッタの捜索に乗り出してしまう。
その後、ショウマ達は追悼の意も込めてプリンアラモードを食べるが、その際にデンテが監視用のゴチゾウを通してビデオレターを遺していたことが発覚。
ガヴフォンを通じて再生した動画では、ラキア宛のメッセージも残されており、毒素の中和剤の完成と激励を送る。
この言葉がきっかけでラキアは長い間囚われていた復讐心から解放され、アラモードモードという新たな力を習得。
グロッタに勝利し、デンテとコメルの無念を晴らしたのだった。


【余談】

名前はイタリア語で歯を意味する「Dente」から。
デザインはストマック家のグラニュートを担当した篠原保氏ではなく、一般のグラニュートと同じくK-SuKe氏が担当している。とはいえストマック家の縁者なので、デザインの方向性はランゴ達に寄せている。
モチーフは現時点で明言されていないものの、五兄妹同様北欧神話由来であれば、グリーンランド海に棲息するという鯨の怪物「ハーヴグーヴァ」でないかと視聴者から予想されている。
ハーヴグーヴァは、魚はもちろん他の鯨や人間、時には船まで呑み込んでしまう程の悪食であり、ある意味人間の食べ物を好むデンテに通ずる……かも?

仮面ライダーシリーズへの出演は『仮面ライダー電王』のホエールイマジン以来実に17年ぶり。
ちなみに東映側公式サイトのキャスト紹介にて、声が箸袋ヲタ怪人でスーツアクターがシャンゼリオンな事も説明されていた。
ある意味人を食物扱いする異種族なのに地球の事物にハマった点は箸袋ヲタと共通しているかもしれない。

第40話の放送後、プレミアムバンダイにて「DXガヴフォン ラキア&デンテEDITION」の発売が決定した。
ラキアやデンテのボイスの他に、デンテのビデオメッセージも収録予定との事。


虜になってしまうとやめられないのじゃよ、追記・修正は。
我ながら罪な編集を行なっているもんじゃ。


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最終更新:2025年07月17日 12:38

*1 ただし、開発当初は「異世界で手に入れた未知の材料」として緑の液体を渡されており、人間が材料とは知らないまま開発していた

*2 よく見ると、ガヴの上の歯も全て抜け落ちている。更に第33話ではゴチポッド開発の材料に必要なグラニュート界の素材を工面するため下顎の歯も奥の3本ずつを残して抜歯してしまった。

*3 本人曰く「完璧な変装」

*4 ガヴの中をよく見るとミミックデバイザーもちゃんと装着しているにもかかわらず、である。ル・ビートのように紛失した可能性も考えられなくは無い