登録日:2019/07/17 (水) 23:22:08
更新日:2025/05/07 Wed 00:13:04
所要時間:約 7 分で読めます
Though we are a benevolent species, there is no literature on my home planet. And though it is our goal to make the universe better, we create no art, no music, no culture. At least, not as other civilizations would understand it. All we have are our hosts – the beings we join with – to forge through the cold and unforgiving cosmos with. The bond between a Klyntar and its host is sacred. They give our lives context and our existence meaning. They give us history. All we have are our hosts to tell us who we are.
概要
シンビオート(Symbiotes)とはマーベル・コミックスにおいて登場する架空のエイリアン種族。
宇宙でスパイダーマンが偶然手に入れた新スーツとして初登場を果たし、その後ヴェノムやカーネイジなどといった多くのキャラクターたちの誕生に関わってきた。
長年に渡って謎の多い種族として通っていたが、近年になって様々な新しい設定が追加され、もはやスパイダーマンの関連キャラという枠組みを飛び出しつつあり、
マーベルユニバースの根幹にも関わる壮大な物語の一部となっている。
生態
地球外からやってきた寄生/共生生物群。
普段は不定形、粘液のような半固形の姿をしており、
人間の手に収まるほど小さい。手足などを持たないため、その状態では地を這うように蠢く不気味なドロドロに過ぎず、
生物的にほぼ無力である。
しかし、シンビオートたちの本領は他者と共生関係を築くことで初めて発揮される。
彼らは他の生物の肉体と接触することにより、細胞レベルで結合することが可能であり、
宿主と融合することでその身体能力を大きく引き上げることができる。
全力を出す際にはシンビオート自身の体組織で宿主の肉体を包み込んで、
一種の「コスチューム」を形成するため、主に戦闘時はこの姿をとることが多い。
融合していると言っても、シンビオートと宿主の意識は1つの肉体内で別個に存在しており、
身体の主導権はどちらか一方、主に宿主に譲ることとなる。
この点が彼ら「共生体」と、肉体を乗っ取って勝手に使い潰す「寄生虫」とを分ける大きな違いとなっている。
生存のために水や空気を必要としないが、生物の脳内物質やアドレナリンを糧としていることが判明しており、
基本的には宿主の活動時に分泌されるホルモンを摂取することで生きている。
チョコレートにも同じ成分が含まれているようで、地球に住む個体は好物としている。
人間のそれに近い高度な知性と自我を備えており、
性格も個体ごとに大きく異なるが、傾向として自身のアイデンティティを宿主に委ねがちであるため、少々精神的に不安定な面が目立つ。
悪人と繋がりを持った場合は影響されて自身も悪に染まることが多く、
善良な個体と宿主であっても、一時の感情に引っ張られて暴走することがあり、真に高潔な戦士でいられる者は宇宙中を見ても多くない。というか皆無
地球に存在する個体の大半がそういった闇堕ち済の者であることからも分かる通り、
宇宙中に侵略種族シンビオートの悪名は轟いており、寄生虫として忌み嫌われている。
闇堕ち個体は宿主の邪心を肥大化させるにとどまらず、異常なまでに食欲を増しており、
宿主のホルモンだけでは飽き足らず、生物の脳みそから直接補給しようとするため、
宿主は共生によって増幅された破壊衝動と、人間の頭を食いちぎろうとする強烈な食人衝動に常に苛まれることとなる。
極端に歪んでしまった個体はもはや共生関係を捨て、宿主の身体を完全に支配して乗り物のように扱った上で、
用が済めば使い捨てにする「寄生虫」にまで落ちぶれてしまうことも少なくない。
逆に何らかの手段で共生体の意識を乗っ取り、道具として使う宿主も見られる。
雌雄の性差を持たず、基本的に無性。繁殖は単為生殖で行うが、出産らしい出産を通して生まれる個体は少なく、
大抵知らぬ間に残した体組織の破片が新たな宿主と結合することで、ほぼ偶発的に新たな命が誕生することになる。
人為的に「種」を摘出するか、体組織のサンプルからクローンを培養することで子が産み出されることもある。
ここまで挙げた通り、かなり特異な生態を持つエイリアン種族ではあるが、彼らがどういった進化を辿ったのか、どこで産まれた種族なのか、といった種全体の起源や歴史については長年謎に包まれていた。
故郷
種の故郷である母星も存在しており、人口の殆どは地球から遠く離れた「クリンター」(Klyntar)で平和に暮らしていることが2015年、GotG誌において判明した。
クリンターは宿主を持たない無数のシンビオートたちがひしめき合う惑星であり、宇宙中に散らばった同胞たちにとっての本拠地として機能する。
それぞれの個体はテレパシーのような力で相互に共鳴し合っており、巨大な集合精神を形成している。外宇宙にいる個体とも遠隔でコミュニケーションを取ることが可能で、
善良な個体たちにより組織され、宇宙で活躍するヒーローチーム「Agents of the Cosmos」の司令塔としての役割を持つ。
本人ら曰く、侵略種族として宇宙中で猛威を振るっている悪の勢力はシンビオートたちにとってはぐれ者であり、
本来の彼らは善良な宿主と共に高潔な戦士として宇宙の平穏を守るヒーローであるとしている。
事実、母星で精神の浄化を受けたヴェノムは悪の欲求から解き放たれ、エージェントの一員として暴走することなくヒーロー活動を続けることが可能となった。
起源
地球人が猿から進化したように、ミュータントやインヒューマンが人間から分化した新たな種族であるように、
シンビオートたちにも生物としての起源が存在しており、詳細な設定が2018年のVenom誌で明かされた。
それはずばり「神による創造」である。
創世の時代、宇宙が生まれるよりも以前、虚無と深淵が全てを満たす世界にとある神がいた。「闇」を統べる旧神ヌルは、無限に広がる漆黒の空間をただひとり支配する存在だった。
ある時、突如として彼の世界に現れた闖入者セレスティアルズが宇宙の創造を始め、彼らの生み出す「光」がヌルの「闇」を塗りつぶしてしまう。
激怒したヌルは自身の影から一歩の剣を引き抜き、それをもって「光」との戦争を始める。
共生体の始祖である剣は下手人の手により奪われるが、黒衣の王として力を伸ばしたヌルは「闇」の支配を確固たるものとするため、新たにシンビオートの軍勢を産み出し、
創造主として彼らの集合精神をコントロールすることで自身の「子どもたち」を洗脳。
彼らから自我を奪って自身の戦争に利用し、無数の星々を征服していくことで当時の宇宙における恐怖の象徴として君臨した。
やがてヌルは夥しい数のシンビオートたちにより構成された天体を創り出し、それを玉座とする。
物理的に結合することなく遠隔から群体を操作することすら可能となり、ヌルの支配は急速に広がっていった。
しかしある時、ヌルが地球の雷神により深手を負い、集合精神への支配が崩れた際にシンビオートたちの精神は解放される。
神の手を離れ、「光」に惹かれた子どもたちは反旗を翻し、ヌルを自身の惑星内部に引きずり込むことで封印する。
後に、邪神により操られていたことを恥じたシンビオートたちは歴史を改ざん。自身らと母星を「檻」(クリンター)と名付け、悪に染まった者を追放。シンビオートは太古の時代から高潔な戦士だったという嘘の歴史を語り継いでいくこととなる。
一方で、ヌルが追放されようと自ら悪の道に進む個体も依然として多く存在しており、
そうした者たちは徒党を組んで宇宙中を巡り、餌となる生物を見つけては寄生を繰り返すことで、
無数の惑星から生命を絞り尽くす侵略種族として再び勢力を伸ばすようになる。
能力
シンビオートは宿主と繋がった際、様々な能力を発揮できるようになる。
パワー、スピード共に大きく強化され、宿主自身の力量にかかわらずスパイダーマン程度かそれ以上の身体能力を得る。
銃弾程度なら意に介さず受け止め、身体に風穴を空けられようとある程度対応できるため、耐久力と再生力も突出している。
宿主が元来のパワーを持っている場合は更にそれを強化できる。
力は宿主の感情により増幅され、負の感情が高まれば高まるほど強大になっていくとされている。
普段からウゾウゾと蠢いている特徴的な触手も武器として利用できる。
硬度の調節もある程度できるようで、刃物や盾などに応用を利かせられるが、積極的に活用するかどうかは個体や宿主の趣向による差が大きい。
ヌルの精神と接続された個体は更に高度な操作が可能となり、背中に翼を生成して空を駆けることも。
触手によるシェイプシフトと合わせ、体表の色を自在に変化させることで周囲の環境に溶け込むように擬態できる。
応用して擬似的に宿主の衣服を形成することも多く、瞬時に見た目を変えられる利点があるが、シンビオートを剥がされた途端に全裸になっちゃう。
一部個体は体型を細かく調整することで、赤の他人に成りすますことすら可能としている。
シンビオートはこれまでに結合した宿主すべての記憶をコピーし保存している。
よって先代宿主の隠し事や秘密は全て筒抜けになる上、科学的な知識や経験をも盗んで活用することが可能。
保存した記憶を宿主に明かすかどうかはシンビオート側の意思に委ねられる模様。
またコピーするのは記憶に限らず宿主の生体情報全てであり、以前の宿主が何かしらパワーを保有していた場合はそれをある程度模倣して使うこともできる。
ヴェノムが蜘蛛の力を保有しているのもこれによるものである。
個体によっては自分だけの特別な能力を持って産まれる者もおり、強力な武器となる。
特別な感覚器官や飛び道具が挙げられるが、何らかの改造によって後天的に力を身につける者もいる。
真空や極低温にも耐えられる適応力で、宇宙空間での活動を可能にしている。
人間よりも優れた五感を有しており、暗視や全方位視覚、化学物質の探知などに長ける。
はっきりとは説明されていないが、何かしらの超自然的な第六感を持つようで、何日も前から災害の予知などを可能とすることが言及されている。
弱点
以上の通り、シンビオートは常人でもお手軽にスーパーパワーを手に入れることができる便利道具として認識されているところがあり、
悪用しようとする者も少なくない。
ところが彼らは種に共通する大きな弱点を備えており、戦闘においてはそれが致命的にもなりうる。
「高周波」と「高温」がそれに当たり、それらに晒されたシンビオートは深刻なダメージを受けることとなる。
高周波とは具体的に言うと、金属同士がぶつかり合う音や機械のノイズなどのことで、
高温は基本的に炎が上がる程度の極端な温度のことを指す。
それらに当てられると宿主共々ひどく苦しみ始め、完全に行動不能になり、最悪の場合はシンビオート自身がバラバラに砕けて飛び散ってしまい、
例え死を免れたとしても再起までに相当の時間を要することになる。
見てわかる通り、戦いにおいてはかなり深刻なディスアドバンテージであり、
挙句これら弱点がシンビオートたちの基本的な生態として宇宙中に知れ渡っていることも彼らにとって向かい風である。
創造神ヌルの集合精神と接続した個体は力を増し、これら弱点を完全に克服しているものの、
ヌル自身が雷を苦手としていることから電撃に弱くなってしまっている。
その他、何らかの外的要因によって独自に力を増し、弱点を克服した個体も存在しており、
純粋に経験を積んだことである程度の耐性を身につける者も多く、弱点を突かれてもある程度弱体化したり、少々足止めになったりする程度で耐え抜く者も多い。
余談だが、この炎と音の弱点にも起源が存在しており、原初のシンビオートであるオールブラックが
神々のもたらした炎と鎚によって剣の形へと鍛え直された際、
その苦痛と恐怖が共生体の潜在記憶にまで刻み込まれたことで発生したとされている。
登場個体
本稿では例外を除き「◯◯・シンビオート」での記載を基本とする。
というのも、シンビオートのみを指して「ヴェノム」や「カーネイジ」と呼称するのは厳密には誤りであり、
彼らは単体での名称を基本的に持たないためである。
宿主と一つになって初めて「ヴェノム」になれるのであり、だからこそ「俺たちはヴェノム」になるのだ。
…まあ、映画がそれを無視しだした辺りからコミックでも適当になり始めているのだが。
基本的にEarth-616個体のみを記載。
●ヴェノム・シンビオート
初登場個体。
悪に染まってこそいたが、宿主との関係を重んじるその性格から集団内では異端の存在であったため追放・封印された。
スパイダーマンにより偶然拾われ、彼と共にヒーローとなることを学ぶが、
捨てられたことで彼への逆恨みを募らせ、ヴィランへと堕ちた。
復讐のために利用してきた過去の宿主や
デップーの狂気に影響されたことによって凶暴な性格となっていたが、
アンチヒーローとしての経験や、故郷で行われた精神の浄化によって、ヒーローとして活動するようになった。
現在では初期と比べてかなり落ち着いた理性的な性格になり、先走りがちな宿主を制止する立場に回ることが多い。
ピーターの物を模倣したスパイダー・パワーを有しており、子孫にも受け継がれている。
テル・カー
名もなき兵士
ピーター・パーカー
エディ・ブロック
マック・ガーガン
フラッシュ・トンプソン
リー・プライス
ディラン・ブロック
ウェイド・ウィルソン
アンジェロ・フォルトナート
アン・ウェイング
キャロル・ダンバーズ
マレキス
マーキュリオ
ドラックス
グルート
ロケット・ラクーン
オットー・オクタヴィアスinピーター・パーカー
サンダーボルト・ロス
軍用犬
クェンティン・ベック
ブルース・バナー
クレタス・キャサディ
●カーネイジ・シンビオート
ヴェノムの”息子”。
産まれてすぐに連続
殺人鬼と繋がったことで他に類を見ないほどの凶暴性を有している。
初代宿主クレタスとの結合は非常に強く、彼とはほぼ完全に融合している。
血のような赤色が特徴で、触手から生成した刃物による攻撃を好む。理性による抑制を一切持たず、地球で産まれた個体群の中では最も危険。
クレタス・キャサディ
スティーヴ・ロジャース
クリント・バートン
ベン・グリム
ローガン
カーラ・アンガー
ジョン・ジェイムソン
カール・マリュス
ノーマン・オズボーン
ノーミー・オズボーン
エディ・ブロック
ベン・ライリー
ベントリー・ウィットマン
ノリン・ラッド
タニス・ニーヴス
●トキシン・シンビオート
カーネイジの”息子”
出産に嫌悪を覚えたカーネイジに狙われるが、初めての宿主が警官だったこともあってヒーローを目指すようになる。
産まれたばかりの頃は地球の倫理を理解しないまま力を振るっていたため暴走がちだったが、
死から蘇り経験を積んだ後は少々皮肉っぽいがヒーローらしく振る舞うようになった。
固有能力は驚異的な嗅覚。一度対象の匂いを掴めば、どこまでも追跡できる。
パトリック・マリガン
ジュブリル・バン・スコッター
エディ・ブロック
ブレン・ウォーターズ
●アンチヴェノム・シンビオート
Mr.ネガティブの力で産まれた変異体。
エディの体内に残留していたシンビオートの因子に由来しており、いわばヴェノムの対存在である。
怪我や病などの治癒に長けており、触れるだけでシンビオートを傷つけ、他者のスーパーパワーを無効化することができる、いわば対シンビオート用の生物兵器。
アルケマックスにより量産されている模様。
オリジナルとは違って自我を持たず、厳密には種族の枠組みから外れた存在である。
●スクリーム・シンビオート
ライフ財団によって人工的に造られたヴェノムの”娘”。
出番が少なく長らく行方不明だったが、根は悪ではないため、宿主の導きでヒーローの道を歩み始めた。
死んだり蘇ったりクローンが出てきたりと忙しいが、オリジナルの個体は現状死亡済である。
髪の毛を模した触手を操ることができる。
ドナ・ディエゴ
パトリシア・ロバートソン
アンディ・ベントン
●サイレンス・シンビオート
半死半生のスクリームがアンチヴェノムと融合することで変異した姿。
オリジナルとは別の人格ではあるが、アンディと共に再びヒーローとして活躍を始めている。
ある時から唐突にデザインが大きく変わり、スクリームの色違いからマニアを彷彿とさせるパンク系のテイストを含んだ見た目になった。
●ライオット・シンビオート
●ファージ・シンビオート
●アゴニー・シンビオート
●ラッシャー・シンビオート
スクリームと同じくライフ財団によって造られたヴェノムの子孫。
ヴェノムとは敵対しているが、研究機関やカーネイジの手先として使い捨てられることが多く不遇。
特に兄にあたるカーネイジからは完全に道具扱いされており、何度も死にかけている。
●ライオット
トレバー・コール
ハワード・オグデン
ウェイド・ウィルソン
父親(本名不明)
●ファージ
カール・マーク
リコ・アクセルソン
ウェイド・ウィルソン
ビリー
●アゴニー
レズリー・ゲスネリア
ジェームズ・マーフィ
ウェイド・ウィルソン
母親(本名不明)
●ラッシャー
レイモン・ヘルナンデス
軍用犬
ウェイド・ウィルソン
サディ
●ハイブリッド・シンビオート
前述の4体が生きる為に融合を遂げた姿。
実は物語上初めてヒーローとしての活動を始めた個体であり、根は善良で、4体分のパワーが集結しているため、そこそこ強いのだが
上記の通り物語上での扱いがすこぶる悪いので活躍に恵まれない。
スコット・ワシントン
軍用犬
リード・リチャーズ(1610)
●マニア・シンビオート/”ヴェノム・シンビオート”/ゾンビ・シンビオート
ヴェノムの切り取られた舌から造られたクローン。
宿主を次々と乗り換えて大暴れしたが、なんやかんやありヴェノムに吸収された
…ものの後にアンディと出会いヒーローとして活躍
…と思いきやリーに奪われ悪行に使われてしまう
…のだがクレタスによって奪われ、より強大な力を持つシンビオートに吸収されたことで消滅した
…かに思われたがリーの死体に残留しており、リーが蘇生した際に彼の血肉となり融合、
ゾンビ・シンビオート通称ゾンビオートとなる。
クレタス・キャサディ
リー・プライス
アンディ・ベントン
フラッシュ・トンプソン
マック・ガーガン
ピーター・パーカー
パトリシア・ロバートソン
ローガン
その他多数
●スリーパー・シンビオート
ヒーローの道を歩み始めたヴェノムの”息子”。
エディとシンビオートによってヒーローになれるよう大切に育てられ、事実ヒーローにはなれたのだが、
過保護が災いして少し独善的で我儘な性格となった。
宿主に依存しない精神的強さを持つ、というよりも宿主の人格を軽視する側面があり、
洗脳、記憶改ざんなどは朝飯前。必要とあらば脳機能を停止させ宿主を操り人形扱いすることすら厭わない。
普段は宿主をとらず、単独かつ猫を模した姿でいることが多い。
あらゆる化学物質を自在に操る能力を持つ。かなり高度な応用を利かせることが可能であり、弱点の克服や自身の複製を生み出すことすらできる。
テル・カー
M’lanz
エディ・ブロック
リック・ジョーンズ
●スコーン・シンビオート
カーネイジの”娘”。
機械と融合して自在に操る能力を持つ。ヒーローとして活躍していたが、
ヌルの目覚めによって洗脳され、最後はクレタスの気まぐれで殺害/吸収された。
●レイズ・シンビオート
カーネイジの”娘”。
闇の魔術や旧神などが絡んだ事件の際に産まれた。トキシンと融合して戦闘を行い、その後に霧散。
●レッドゴブリン・シンビオート/ラスカル
黒衣の王ベドラムの体組織を元に征服者カーンが造り出した赤い個体。
現代でアルケマックスの実験によりカーネイジの因子が混入し、同個体に感染した経験を持つノーミーと結合したことによってかつてのレッドゴブリンの姿を取るようになった。
産まれたてであり、内面は無邪気で我儘な駄々っ子。
オズボーン家の呪縛から逃れようとするノーミーのことを兄のように慕い、守ろうとするあまり暴走しがち。
他のシンビオートを吸収して完全に無力化する能力を持つ。
●ミザリー・シンビオート
カーネイジとアンチヴェノムのサンプル融合実験により産まれた個体。
両者が絶え間なく互いを破壊し再生し続けるサイクルを生み出しており、異常なまでの回復能力を持つに至った。
事故によりリズ・アランと結合しており、オズボーン家とシンビオートの奇妙な因縁に巻き込まれることとなる。
●マッドネス・シンビオート
アルケマックスにサンプルとして保管されていた多数のシンビオート・クローンが融合して産まれた個体。
具体的には、ライフ財団製の5体とトキシンのクローンで構成されている。
ジョーンズという男を利用し、彼の肉体を完全に乗っ取るためカーネイジとアンチヴェノムを吸収しようとミザリーに襲いかかる。
●プリンセス
カーネイジの組織サンプルから培養されたクローン個体。
怪人ハーロワーによってデッドプールの肉体に植え付けられ、再生力が強い肉体を苗床に成長。
遂には巨大な狼の姿をとり宿主の腹を破って産まれたが、その出自故かウェイドをパパと認識しており、彼に懐いている。
ウェイド自身も腹を痛めて産んだ我が子として可愛がっており、家族同然に扱っている。名前の通り、一応女の子。
出産時にクレタスのクローンを食らったためか、宿主をとらずとも独立して活動できる。
●ウィドウ・シンビオート/スリヴァー
なんか知らん間に産まれてたディラン期ヴェノムの子。
ブラック・ウィドウに拾われ、彼女の諜報活動における相棒として活躍することとなる。
容易には他者を信用しないナターシャからの信頼を得ており、良い共生関係を築いていた。
特徴的な触手は使わず、無数の蜘蛛に分裂することが可能。
また、人間の脳を摂取することで、対象の記憶のみならず人格や精神そのものを吸収することができる固有能力を持つ。
ゾンビオートに感染し、いまのところ死亡中。
●マジック・ヴェノム・シンビオート
ドリーム・ストーンという魔法の道具から産み出された個体。
エディが用いて、魔法を操るジャック・オ・ランタンと戦った。宿主が想像した物を何でも生み出す能力を持ち、負の感情により強大化する。
アズガルディア製の魔具であるため、北欧風の鎧の姿をとることも。
アンチヴェノムと同じく意思を持たないため、厳密にはシンビオートではないものと思われる。
エディにより使い切られ、消滅。
●コーデックス混合体/リージョン・シンビオート/”ヴェノム・シンビオート”
4人のヒーローとその他の人物たちから取り除かれた多数の共生体残留物コーデックスが集まり、一時的にシンビオートの力を得た姿。
キャップの挫けぬ精神、ウルヴァリンの燃え盛る怒り、シングの驚異的な腕力、
ホークアイの鋭い隻眼を受け継いでおり、限りなく神に近い存在となったカーネイジに迫る力を発揮した。
●カーネイジ・シンビオートⅡ
色々あって元のシンビオートを失ってしまったクレタスがネガティブゾーンにて手に入れた新たな個体。
それからオリジナルのシンビオートを取り戻した描写は無いため、厳密には本個体が今のカーネイジである…が誰もそんな展開覚えていないので存在が無かったことになっている。
●オールブラック・ザ・ネクロソード
ヌルによって創られた原初のクリンター。神殺しの黒剣。
剣の形をとっており、種族内では最強の個体。常人ですら雷神ソーを超える力を手にすることができる。
ある戦いの後、ゴアという男によってヌルの手から奪われてしまい、崩壊した未来世界において神々の戦いに利用され、破壊されたが、
集合精神内に魂が刻み込まれているのか、黒衣の王の手により何度でも創り直されている。
ヌル
キング・ロキ
キング・ソー
ソー
エゴ・ザ・リビング・プラネット
オールド・ギャラクタス
ゴア
ディラン・ブロック
●グレンデル・シンビオート/”カーネイジ・シンビオート”
中世時代、ヌルの地球への侵略に用いられたシンビオート。
ソーの手により打ち倒されたが、後にクレタスと結合。
彼と繋がった影響で変貌し、オリジナルのカーネイジ・シンビオートの人格が焼き付いてしまったため、初代とほぼ同等の存在として扱われる。
オリジナルとは異なり、更なる力を手に入れて自分がヌルにとって代わることに執着しており、神の力にこだわるあまりクレタスと仲違いを起こしている。
また、グレンデルという名前はヌルが創り出すシンビオート・ドラゴンの総称でもあり、シンビオート・ドラゴン自体はかなりの数がいる。
ヌル
クレタス・キャサディ
マイルズ・モラレス
エディ・ブロック
JJJ
ジョン・ジェイムソン
ノーマン・オズボーン
鳩やネズミ
ホームレスや囚人たち
チューイ
●ティラノサウルス・シンビオート
グレンデルから採取されたシンビオート。
これを使って何度目かの超人兵士計画「Sym-Soldier Program」が行われ、レックスという兵士とベトナム戦争に参加した。
ヴェノムと共にヌルの復活を阻止するべく死亡する。
レックス・ストリックランド
ローガン
エディ・ブロック
●エクストリンビオート/”カーネイジ・シンビオート”
ヌルのドラゴンがスタークの開発したエクストリミスにより変異した姿。
集合精神から切り離され、アイアンマンのアーマーと一体化して機械や無機物を操作する力を得た。
後に機械音痴クレタス・キャサディの意識にハイジャックされてしまい、新たなカーネイジとして生まれ変わる。
ネットから全世界へ影響を広げ、あわや大惨事となりかけたがマイルズの手により破壊される。
●オールブラッド・ザ・ネクロスピアー
オールブラックを模して創り出された神殺しの槍。
その実態はカーネイジの体組織をベースに、オールブラックの残滓を設計図として、
ムジョルニアと同じ金属でもって鍛えられた究極の武器。
弱点を潰し、あらゆる力を奪い取り、宿主すら捨ててキングインブラックの玉座を追い求めるカーネイジが手に入れた
神性の証であり、ヌルすら容易に屠ることを可能とする。
アンチカーネイジ: エガンラクと化したディランにより破壊。
●アラクニオート
蜘蛛の姿&をとる強大な個体。
2つのシンビオートが互いに融合し、集合体による支配を拒否することで産まれた。
制御がきかないためかヌルにすら恐れられ封印を受けていたが、メリディウスにより解放されスパイダーマン、ジャックポットと戦う。
MJのエネルギー波により消滅。
●フレクソ・ザ・ラバーマン
ゴムのように身体を伸び縮みさせるヘンテコなロボット。
60年代において活躍したクラシックヒーローの一人で、作中作として彼を主人公としたコミックも刊行されていたが、
その実態はヴェノムよりも以前に地球へ飛来したシンビオートの一個体。
本当はロボットでもなければ清廉潔白のヒーローですらなく、時折所有者の制御を離れて暴走し、悪党を食い殺していた。
軍の管轄化に置かれ、現代まで冷凍保存されていたが、ディランの手で蘇生。
●ディラン・ブロック
エディとアンとヴェノム・シンビオートの間に産まれた子。
史上初のシンビオートと人間の混血児である。
一見するとごく普通の男の子だが、あらゆるシンビオートを自在に操る能力を持っており、黒衣の王にも次ぐ影響力を秘めている。
後に、集合精神による枷、因果により定められた運命から他者を解き放つというチェインブレイカーの力に目覚める。
黒衣の王(King in Black)
闇を操り、シンビオートを産み出すことのできる一種のコズミックビーイングを指す称号。
彼らにとっては正しく「神」であり、上記の通り
シンビオートの歴史はヌルと呼ばれる一人のキングインブラックから始まったと言える。
黒衣の王は集合精神の長として共生種族を自在に産み出し、どこであろうと彼らを自らの手足が如く自在に操れるため、
物理的な制限を超越した圧倒的影響力を全宇宙に広げることができる。
その力は持ち主によって如何様にも用いられ、善にも悪にもなり得るが、王の力そのものは宇宙の理としてただ存在しているに過ぎない。
黒衣の王、そしてその対存在である「白衣の王/ビヨンダーズ」(Kings in White)は、本来マルチバースの管理という役割を担っており、
何者かに背負わせる職務、いわば責任としてセレスティアルズにより任命されるのである。
ビヨンダーズは高次の存在として宇宙を外から監視するが、
黒衣の王はシンビオートという物理的手段をもって手を汚す必要のある仕事であり、
おまけに黒衣の王はその力ゆえに、時間軸が複雑に絡み合う"Nonlinear"としての性質も併せ持つ。
背負う荷の重さ、リスクといった観点からも、これら2つの玉座は対存在として互いが釣り合っているとは到底言えないような、歪な関係である。
一方でこの玉座、呪いのような責務は受け継がれるものでもあり…
●ヌル
深淵の覇者にして虚無の化身と恐れられた神王。
シンビオートという種族の創造神であり、(判明している限りは)初代襲名者。
第七銀河の消滅後に残った奈落を統べる唯一神だったが、セレスティアルズにより黒衣の王に任命され、それを拒否。
闇から共生体を創り出す力を悪用し、神々やビヨンダーズ、引いては宇宙そのものと敵対したが、遂には対存在である光の神に滅ぼされる。
闇を統べるが闇そのものではないと評されており、より高次の存在に由来する一種のアバターである可能性が示唆されている。
●エディ・ブロック(最初期)
かつてヴェノムとして知られていたが、キャプテン・ユニバースとして地球を守るべくヌルを滅した結果、その地位を受け継ぐこととなった男。
突如として押し付けられた責任に戸惑いながらも、ヌルにより壊されたものを元通りにし、
世界に平和をもたらすべく、地球からシンビオートを遠隔操作して宇宙規模のヒーロー活動に勤しんでいた。
しかしそれによって息子ディランと過ごす時間が削られてしまい、家庭と宇宙という2つの責任の間で板挟みになってしまう。
ある時、キングインブラックはシンビオートを使って、空間のみならず時間すら超えられることを発見し…。
●エディ・ブロック(タイムループ)
謎の敵の正体を探るために時間移動の力を使ったことで、自身の創り出したタイムループに囚われたエディの姿。
肉体を捨て、精神だけを別時点のシンビオートに移すことでタイムトラベルする力では、歴史を変えて新たな「結果」を作ることはできず、
本来の事象における「原因」にしかなれないため、
力の限界を見極めず乱用した結果、エディはどの時間軸からも外れた存在となる。
シンビオートの欠片さえあれば、どこであろうと意識をそれに移して器として使うことができる力を応用し、
肉体を捨てて未来や過去にすら移動することが可能となったエディ。
その力を用いて謎の敵の正体を掴もうとした矢先、刺客による襲撃を受け殺害されてしまうものの、
黒衣の王はもはや物質的な世界に縛られない不滅の存在であるため、思念体としてエディは活動を続けていく。
敵を追って辿り着いた時空の果てには「時の庭」と呼ばれる空間が広がっており、メリディウスという新たな黒衣の王がエディを出迎える。
庭園には他にも黒衣の王が住んでおり、皆エディと同じくシンビオートを依り代にした仮の肉体で生きていた。
酷く慌てた様子で、必死に何かをエディに伝えようとするフィネガン。
他の住民、特にフィネガンに激しい憎悪を向ける怪物然としたベドラム。
何かから逃避するように皮肉なジョークを飛ばし続けるワイルド。
メリディウスに付き従うも煙たがられるタイロ。
そして彼らを統率するメリディウス。
不信感を覚え、庭園から過去に飛んだエディはなんとかタイムトラベルの力を制御し、
息子ディランのもとへ戻ろうとするものの、そこで見たものはディランに襲いかかる怪物ベドラムの姿。
そして化物の内に隠されたその正体は自分自身、エディ・ブロックであることを知るのだった。
●エディ・ブロック(初期)
元の肉体を破壊され、集合精神内に保存された思念体にその存在を変えた黒衣の王。
シンビオートに意識を移し、共生体の身体を借りることで活動を続けているため、
理論上はシンビオートさえ存在していればあらゆる時代のあらゆる場所へ自由に行き来できるはずだが、まだ時間移動には不慣れな状態。
庭園を抜け出して偶然出会った征服者カーンに時間移動の手ほどきを受け、今度こそ過去を変えて、息子を救い出そうとするが…。
●フィネガン/エディ・ブロック(初期)
現代にて息子に襲いかかるベドラムが未来の自分自身であることを知り、錯乱したエディの姿。灰色。
それでもなお過去を変えるため時間移動を続けるも、
かつて庭園で目の当たりにした「ベドラムがフィネガンに襲いかかる光景」を実際に体験し、庭園の住民は全員が別時点におけるエディ・ブロックであり、
メリディウスの策略によってタイムループに囚われていることを知る。
じきに自分が次のベドラムに変わることを恐れ、なんとか平静を保ちつつ、再び過去の世界に飛ぶものの…。
●ベドラム/エディ・ブロック(中期)
怒りに呑まれ、怪物と化したエディの姿。赤色。
フィネガンを経たエディが怪人キャズムの手により記憶の大半を奪われ、初めてヴェノムになった頃の人格に退行を起こしたことで生まれた。
もはやリーサルプロテクターとしての誇りも持たず、ただ気の赴くままに黒衣の王としての力を振るい、暴れ散らす。
ある程度記憶が再生した後も、メリディウスにより囚われたタイムループ、そしてそれを止められなかった過去の自分を憎んでおり、
メリディウスの口車に乗せられ、タイムループを破る力を秘めるというディランを利用しようと、息子に襲いかかる。
●ワイルド/エディ・ブロック(中期)
ベドラムの怒りが冷め、無力感と空虚さだけが残った姿。青色。
記憶と正気を取り戻してはいるが、
過去の凶行による罪悪感と、花園のタイムループから抜け出せない絶望で完全に押しつぶされており、
無意味なジョークと乾いた笑いで現実逃避を続けている。
かろうじてメリディウスへの反抗心は残しているが、何をしようと因果の枷を壊すことはできないことを察し、
庭園にこもって何の行動も起こそうとしない。
運命に抗うフィネガンに助けを求められるが…。
●タイロ/エディ・ブロック(後期)
心が折れ、「勝ち馬」に乗ることで苦しみから逃れようとするエディの姿。緑色。
フィネガンに諦めるよう伝えるも口が滑り、
結果的にベドラムへの変化を促してしまったことで因果に抗う気力を完全に失ってしまったワイルドが変化した形態。
圧倒的な力を持つメリディウスの側につくことで彼からの教えを乞い、いずれ彼になることを目標としているが、
邪険にされるだけの扱いに愛想を尽かし、自力で変化の鍵を見つけようとタイムストリームに飛び込む。
●メリディウス/エディ・ブロック(後期)
待ち受ける運命を目の当たりにし、変貌したエディの姿。
黒衣の王を縛る運命を知ったタイロが未来を変えるべく、征服者カーンから時空操作の秘技を学んで黒衣の王として大幅に力を増し、
ディランの力を利用してタイムループを破壊できることを知り到達した最後の形態。
エディを閉じ込めるループを創り出した張本人であり、これまで体験してきたループの出来事を自ら引き起こし、その先にいる自分の存在を確立した上で、
ベドラムを使ってディランの力を目覚めさせループを破壊、
ひいてはキングインブラックの呪縛から解き放たれることを目標としている。
悠久の時を超えて、もはやかつての人格は完全に失われており、
時空を超えた非常に複雑な計画を難なく遂行してみせる狡猾さを持つが、
過去の自分すら見下すその傲慢さが仇となっている。
●エディ・ブロック(時空派生体)
枝分かれした時間軸におけるエディ。
時間の流れが不安定なリンボでベドラムが戦闘を行ったことで時間軸が分裂した結果、
別の世界線を生み出すことなくタイムループを抜け出し、正気を取り戻すことに成功した。
アンビヨンドにてキングインブラックという役割の全貌を知り、
シンビオートではなく過去における自身の遺骸に意識を移すことで、人間/シンビオートのハイブリッドとして本物の肉体に再生する。
息子の進化を見届け目的を失ったベドラムを打ち倒して協力関係を築き、
精神体での時間移動による限界を学んだ上で、今度こそ過去を変えて息子を救うために「正規の」タイムトラベル手段を探すが…。
●庭園の住民たち(時空派生体)
タイムループが破られたことで因果の鎖が破壊され、それぞれ独立した時間軸を持った黒衣の王たち。
派生体エディとベドラムがF4のタイムマシーンで肉体を伴った時間移動を行い、庭園への突撃を敢行した結果、歴史が書き換わりループが壊されるに至った。
これまでのループ内の出来事が消えることはなかった(つまり厳密には本来のループと別の時間軸が新たに生まれただけ)が、
もはや仕組まれた運命に縛られることもなくなり、今度こそメリディウスとの最終決戦に挑むかと思いきや…。
●カーネイジ(シンビオート)
虐殺の神へと昇華した簒奪者。
神の力を得ることに固執するあまりクレタスを捨てたシンビオートが、
ヴェノムバースを貪り食うことであらゆるパワーを奪い回り、遂には黒衣の王に匹敵する力を得た姿。
神殺しの槍オールブラッドをもってして別次元のヌルを討ち滅ぼし、その玉座を奪ってもまだ飽き足らず、
唯一神となるため花園に囚われたエディたちに挑む。
フィネガンやベドラムを苦も無く斬り伏せる圧倒的な実力を持つ。
●イヴェンチュアリティ/エディ・ブロック(最終形態)
森羅万象を超え、闇にたゆたうオニクス・キング。
ありとあらゆる時間軸の、ありとあらゆるマルチバースにおけるエディ・ブロックが
永い時を経て単一の存在にその運命を収束させた姿であり、第七銀河を統べる真の王。
ビヨンダーズの対存在である自身の役割を受け入れており、無数の時間軸へと分裂した過去の自分自身である黒衣の王たちを監視することで、
宇宙の均衡を保つ孤独な責務を背負う。
現在の宇宙における終焉を見届ける者でもあり、新たな宇宙の夜明けを迎えた暁に何を思うのか…。
●エディ・ブロック/アンチ・オール
黒衣の王としての責務に押しつぶされ、奈落に吠える虚無の化身、反存在と化したエディ。
王の力を増したエディがヴェノム・シンビオートと再び結合することで到達する結末であり、
第九銀河の誕生に際して王の重荷を捨て去るべく、ヌルと同じ道を歩むこととなってしまう。
未だ可能性の存在であるため、最悪の未来を避けようとディランが奮闘するが…。
●ディラン・ブロック/コーデックス
因果の鎖を破るチェインブレイカーにして黒衣の王子。
厳密には王の力を継いでいないが、王の支配からシンビオートたちを解放し、自分だけの集合精神を構築できるという点で、
限りなくそれに近い力を得ている。
その力はいまだ発展を続けており、いずれはヴェノム・シンビオートと共に究極の進化を引き起こし、
地球全体を無限の共生関係に閉じ込めるヴェノム・ワールドに変異するという運命が待ち受ける。
●ピーター・パーカー/スパイダーマン(可能性の未来)
ヴェノム・シンビオートと結合を続けることにより到達する親愛なる隣人の結末。
エディのアンチ・オール、ディランのヴェノム・ワールドという2つの未来を避けるべく、中立の第三者としてシンビオートを保持していたピーターだったが、
どういうわけかそのままでは自身がキングインブラックの座に就いてしまうことを知る。
エディと同じくその責任に押しつぶされ、今も大概ではあるが悲惨な結末に見舞われる未来を見たピーターは、
運命を避けるための決断を下す。。
●ピーター・パーカー/イヴェンチュアル
黒衣の王となったピーターを待つ未来の収束存在。
ヌルとは縁もゆかりも無かったはずのピーターがなぜ、と言いたいところだが
実は単純な話であり、王の玉座は元よりピーターのために用意されたものなのである。
当代宇宙における黒衣の王となるべく生まれた彼だったが、恐らく蜘蛛神による因果への介入が原因で別の道を歩むこととなった。
その代わりに選ばれ、貧乏くじを引かされたのがエディだというわけだ。
よってこの運命に収束するピーターは、マルチバースにおいてもごく一部に限ると思われる。
●キング・イン・クリムゾン
遂に究極の姿を得た虐殺の神、もとい真紅の王。
恐らくカーネイジがイヴェンチュアリティと同じ力を得た存在と目されるが、詳細は未だ不明。
他メディア、マルチバースにて
ヴェノムがスパイダーマンのライバルとして様々なメディアミックス作品にて出番を得ていることから、
その片割れであるシンビオートにもそれだけ多くのバリエーションが存在している。
マルチバースにおける同一存在とは往々にして細かい設定のアレンジが見られるものだが、
シンビオートには特に大幅な設定改変が多い。
最もありがちなのが、ヴェノム・シンビオートに人造生物としてのオリジンが与えられるケースだろう。
特定のテーマコンセプトがある次元では、その世界観に合わせて「妖怪」や「悪魔」の属性として描かれることも。
他にも、「シンビオートがピーターやエディではなく他のヒーローと出会っていたら」といったif系や、
「エディ・ブロックの様々なバリエーションがヴェノムになった姿」などは「ヴェノムバース」のシリーズで何度もテーマになっている。
特徴的なケースを例に挙げると、
「有機生命体最後の生き残りとして戦いを続け、遂には新たなマルチバースを自ら創造するに至ったヴェノム」(The End)
「ポストアポカリプスの世界で意外な宿主と共に活動を続けるヴェノム」(Old Man Logan, Dark Age)
「変身ステッキ型のシンビオートと共に悪と戦う魔法少女ネクロコ」(Extreme Venomverese)
などなど。
余談
- 実は「シンビオートのせいでスパイダーマンが凶暴になる」「凶暴性と共にパワーが強化される」という現在ではお約束の展開は原典に存在しない。ピーターは「拾った物質を黒いスーツとして使ったら、当初便利だったけど夜な夜な勝手に動かされたりするので調べたところ寄生生物と判明。迷惑でキモいから捨てた」だけである。現代における闇堕ちシンビオートのイメージは概ね90年代のカートゥーンや後の映画などから固定化したものであると言えるだろう。
- よくヴェノムが撒き散らしている、いかにもクリーチャー染みた緑色のヨダレだが、これはシンビオートによる一種の排せつ物であることが明かされている。
追記・修正は共生しながらお願いします。
- 成る程、つまり仮面ライダー -- 名無しさん (2019-07-17 23:31:39)
- ベノム君とその仲間たちくらいかと思ってたのにえらい数いるんだな・・・ -- 名無しさん (2019-07-18 10:14:19)
- ましてやヴェノムバースと来たら -- 名無しさん (2019-07-18 20:16:03)
- デッドプールさん結構な回数シンビオートと関わってるんだよな。 -- 名無しさん (2019-07-19 11:26:31)
- 近年ではグウェンもシンビオートに寄生されてグウェノムが誕生してたな -- 名無しさん (2021-12-04 14:55:20)
- 「共生者によって善にも悪にもなり得る存在」ってのは欧米の作品だと珍しい気もする。 -- 名無しさん (2022-03-05 19:27:56)
- 実際に関織子に寄生したらどうなったんだろう? -- 名無しさん (2024-10-24 14:17:01)
- 強殖生物を連想させる生態だな(あっちは兵器、道具としての生物だが) -- 名無しさん (2025-05-06 23:26:34)
最終更新:2025年05月07日 00:13