登録日:2020/01/13 (月) 22:50:01
更新日:2024/07/11 Thu 22:12:39
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MY KINGDOM WAS NOT EMPTY.
MY ABYSS WAS NOT DEAD. NOT HALLOW.
THE ENDLESS LANDS WAS NOT THEIRS TO RAZE AND REFORM AND REMAKE!
"
オールブラック・ザ・ネクロソード"(All-Black the Necrosword)とは
MARVEL COMICSに登場する架空の武器/キャラクター。
本項では歴代の所有者も合わせて解説していく。
概要
とある邪神によって創られた神殺しの黒剣。
手にした者は神々をも超越する絶大な力をその身に宿し、暗黒を自在に操ることが出来るようになる。それ一つで世界中をその深淵に飲み込むことすら可能になると言い伝えられている。
初出は2012年の"Thor: God of Thunder"誌であり、雷神ソーの前に立ちはだかる新たなヴィラン「ゴア」によって所有された状態で初登場を果たす。長年に渡ってその詳細の殆どは謎に包まれていたが、2018年のVenom誌で遂にオリジンが明かされた。
悪役の持つ武器であると前述したが、実際にはただの剣などではなく意思を持つれっきとした生物であり、ヴェノムやカーネイジなどに代表される「
シンビオート」たちの一種であるとされている。しかし宿主がことごとく大物揃いであるためその人格が描写されることは少なく、「一つのキャラクター」というより「生きている武器」としての側面が強いと言えるだろう。
別称を多く持つため、代表的なモノを列挙。
●ザ・ネクロソード
●ザ・ゴッドスレイヤー
●ジ・アナイアブレード
●ザ・ネクロブレイド
●プロト・シンビオート
●ザ・プラネットクレイバー
●ザ・ネクロバース
オリジン
ビッグバンによって宇宙が生まれるよりも前、深淵に満ちた世界に「
ヌル」と呼ばれる邪神が一人君臨していた。ヌルはその暗黒世界を自らの王国であると捉えており、そこに無断で足を踏み入れて光に満ちた宇宙を創り出した
セレスティアルズを強く憎むようになる。
ヌルは自らの領域を侵した神々に対して敵意を向け、光によって生まれた自身の影にその手を突き入れて一本の剣を引き抜いた。そしてそれを用いて一体のセレスティアルを殺害し、「光」に対する終わり無き戦争が始まる。結局、ヌルはその罪によって追放されることとなったが、後に彼は切り落としたセレスティアルの頭に備えられていた炎と金槌を用いて自らが創り出した闇の剣を鍛え直し、神々との戦いに備える。
深淵の帝王は世界に溢れる「光」を一つ残らず滅することを決意し、自らの剣を用いて世界に対する戦いを続ける。無数の神々が惨殺されていくなか、その黒剣は神殺しの刃であると宇宙全体で恐れられるようになり、「死剣オールブラック」と名付けられた。
所有者
●ゴア・ザ・ゴッドバッチャー
漆黒に呑まれた神殺しの狂人。
かつては見渡す限りの荒野に覆われた名も無き惑星に住む知的生命体の一人であり、家族を持つごく普通の男だった。しかし厳しい環境で生活するなかで家族を亡くし、祈りに答えてくれない神様への不信感を募らせていく。遂には信仰心を捨ててしまったことで仲間から迫害を受け、自らの人生に絶望してそのまま孤独に死を待つのみとなった…のだが、偶然にも意識不明となって宇宙から墜落してきたヌルを発見し、その手からオールブラックを強奪。力を手にしたことで神々への憎しみを爆発させ、剣の絶大な力を用いて世界中の神々を殺し尽くす旅を始めることとなった。
神をも越える強大な力を保有していることから、自らが嫌悪する「神」に最も近い存在になっており、神を殺し尽くした後はどうするのか苦悩している。あくまでも神様への憎しみが強いだけでそれ以外への敵意は全く無く、むしろ神の代わりに自らが人々を庇護しようとすらしている様子。
数千年近く神への殺戮を続け、終いには
タイムトラベルして遠い先の未来に飛び、ほぼ根こそぎ神を殺し尽くしたほどその執念は深い。結局は同じく時間を越えてやって来た3人のソーによって計画が阻止され、シンビオートも奪われて死亡した。
しかし悠久の時をオールブラックと共に生きてきた故にその思念が剣に焼き付いており、後にゴッドバッチャーとして復活を果たす。不滅の存在に進化し、宇宙どころか世界そのものを丸ごと包み込んで「死界オールブラック」へと変異。最後の戦いに挑むが、全父ソーがムジョルニアの真の力を解放し、「ゴッドテンペスト」を発動させたことで敗北した。
後述の宿主たちと比べても、彼ほど剣の力を引き出せていた者はいない。
●ヌル
深淵を統べる黒衣の王。
オールブラックの創造主であり、その真の所有者。
剣を用いて「光」への戦争を続けていたところ、とある神との戦いで手傷を負ってゴアのいる惑星に墜落。意識を失っていたところを彼によって発見され、剣を奪い取られた。その後目を覚ました頃には既に数百年経っており、剣を取り返すことは諦めて新たにシンビオートの軍勢を率いることで戦いを続けることになる。
しかしシンビオートたちからも裏切られてしまったことでクリンターに封印されてしまい、剣も未来世界へ持ち去られたことで回収の見込みは殆ど0になってしまった。
剣の保持者としてゴアと決定的に違う点は、殺戮の相手を神々に限定していないところ。ヌルが嫌悪しているのは「世界」そのものであり、世界から光が一つ残らず消えるまで彼の殺戮は終わることが無い。
剣を用いた際の実力はかなりのモノで、地球のヒーローたちが束になっても一体倒せるかどうか怪しいレベルの強さを持つセレスティアルを一撃で葬り去ることができるほど。
●ソー
ムジョルニアを携える雷神。
ゴアとは大昔から深い因縁がある。彼による虐殺の痕跡を追って未来世界にたどり着き、未来の自分自身と共にゴアとの戦いに挑んだ。その最中、世界中の神を残らず殲滅する特殊な爆弾「ゴッドボム」が起動してしまい、爆発を食い止めている最中に意図せずゴアからオールブラックを奪い取ってその宿主となる。その後、虫の息となったゴッドバッチャーに止めを刺し、精神を侵される前に未来の自分によってシンビオートを除去された。
●キング・ソー
悠久の時を経て全父の称号を得た雷神。
数千年後の未来におけるソー自身。
ゴアが倒された後、過去の自分から引き剥がした剣を巨大な
ブラックホールに投げ捨てたことが語られた。しかし後になってそれすらも取り込んで復活を果たしたオールブラックに襲われ、そのまま黒剣の宿主となってしまう。
その絶大な力は地球を貪ろうとやって来たギャラクタスを倒すために使われた。
●ギャラクタス
銀河を貪り尽くす魔神。
キング・ソーのいる未来世界におけるギャラクタス。
ソーによって新たに創造された地球に目を着け、いつものように貪ろうとしていたところをオールブラックを操るソーによって阻止されあっさり敗北した。その後重傷を負って寝込んでいた最中、ソーに捨てられたオールブラックから狙われ、そのまま結合。食欲と破壊衝動の赴くままに暴れ続けていたところ、エゴに阻止されてシンビオートも奪われ、殺害された。
●エゴ・ザ・リビング・プラネット
強大な力を誇る生きた惑星。
オールブラックの影響で歯止めが利かなくなって暴れ回っていたギャラクタスを止めるために立ちはだかり、シンビオートを奪い取ってその場を去る。しばらくの後、彼が持つオールブラックの力に目をつけたロキに挑発され、彼との戦いに挑む。実力差は歴然であるはずなのだが、彼の操る幻と囁きに苦戦を強いられてしまい、結局は敗北してシンビオートを奪われた。
●キング・ロキ
幻と欺きに生きる雷神の弟。
未来世界におけるロキ。
圧倒的な実力を持つエゴを容易くいなして百年以上も粘り強く煽り倒すことで彼の正気を削っていき、最後には勝利して黒剣を手に入れる。その後、黒剣の圧倒的な力をもってしてソーに戦いを挑み、勝利した…はずが、剣の中から復活を果たしたゴアによって力を奪われてしまい、雷神と共闘して彼を阻止することを決意。神殺しが倒されたのを見届けた後、光を失った太陽を甦らせるためにその命を捧げた。
長年に渡る兄弟の因縁がぶつかり合うその激闘は必見。
パワー
ヌルの持つ集合意識との繋がりが断たれた影響か、宿主抜きの単体では完全に無力。しかしひとたび宿主と繋がれば、他のシンビオートたちを遥かに凌駕する凄まじい力を発揮することが出来るようになる。
3人のソーを容易くあしらうことができる程の腕力、太陽に叩き込まれても生還する耐久性、翼を用いて数光年単位の距離をひとっ飛びで移動する速度などなど、「神殺し」の異名に相応しい実力を誇っている。ヌルと共にシルバーサーファーと対峙した際の描写から、何らかのエネルギーブラストのようなモノを放つこともできるようだ。その力は神々の血を吸い取ることでより増していくとされている。
剣とは言ってもその本質は一匹のシンビオートであるため、刃以外の形をとることも多い。
「ブラック・バーサーカー」「ネクロレイブン」「バーサーカームーン」などと呼ばれる自らの分身体を生成することも可能で、手駒として自在に操れる。それら単体でもソーがそこそこ手こずる程には強力。
基本的には不死身であるはずの神々を豆腐のようにバサバサと斬り倒していることから、神に対する何らかの特攻能力を持つ可能性もある。
シンビオート特有の弱点を持ってはいるが、少し火を当てたり音波を浴びせたりしても全く意に介す様子はなく、「ナパームで覆われた惑星そのものの爆発に巻き込む」くらいやらないと殆ど意味が無い。
人格
あまり描写されることが無いために詳細は不明だが、描写の節々から予想できることは多い。
ヌルによって創られて神々ひいては世界そのものと戦うために長年用いられてきたうちに彼の意思を継いだらしく、「神を殺し尽くす」ことを一番の目的としている様子。実際ゴアと繋がった際に、彼の持つ神様への憎しみがより増したようにも見える(かつてのエディ・ブロックとシンビオートの関係性に近い)。宿主の人格を大きく歪めることから、カーネイジやグレンデルと同じく残虐で凶暴な性質を持っていることも想像に難くないだろう。
ゴアとの繋がりが非常に強いが、特段彼に対する執着があるようではないらしく、危なくなったらあっさりソーに乗り換えたあたりむしろ宿主としてはあまり好んでいなかった節さえある。数千年も彼と繋がっていたにもかかわらず自らの名前すら伝えていなかった上に、自分抜きでは何の力も持たない彼を内心で嘲笑っていたらしい。真に忠誠を誓っているのはヌルに対してのみなのだろう。
余談
ヌルを象徴するイメージとして「多数のシンビオートたちに囲まれた玉座に収まり、オールブラックを携えている」といった一枚絵が描かれることが多いのだが、実のところこれは間違いである。ヌルがシンビオートの軍勢を作った(オールブラック以外のシンビオートを産み出した)のはゴアによって剣が盗み出された後の出来事であり、オールブラックと他のシンビオートたちが同時期にヌルの元で遣えていたという事実は存在しない(ややこしいからそこらへんは無視されることも多いが)。
追記・修正は闇から創られし漆黒の剣を携えてお願いします。
- エターニティ「この剣こわい」 -- 名無しさん (2020-01-15 00:30:46)
最終更新:2024年07月11日 22:12