殺人鬼

登録日:2011/11/21 Mon 21:54:41
更新日:2025/04/25 Fri 01:04:50NEW!
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殺人鬼とは、読んで字の如く「人を殺す鬼」である。
ただし本物の鬼を指すのではなく、「鬼の様に残忍な奴」という比喩表現。

たとえ一人しか殺していなくても、殺害方法が残虐であれば『鬼の様に残忍』という条件を満たすので殺人鬼と呼ばれることもあるが、
大抵の場合何人も殺した殺人犯を指す場合が多い。

殺人鬼には大きく分けて2種類存在する。

一度の事件で多人数を殺害する者をマスマーダラーという。様々な意味で有名な津山三十人殺しや、主にアメリカで時折起こる「銃乱射事件」はこのタイプ。
大抵の場合、この手の犯人は重武装していて悪目立ちしやすいために目撃者が多く、さらにほぼ確実に惨事の中の生存者が出るため、治安正常な国家ではまず捕らえられる(そのため、凶行後に自殺する犯人も多い)。
反面、本当に突発で発生するため多数の被害者が出る上に防ぐのが非常に難しいというエグい特徴がある。

本来「マスマーダラー」とは大量殺人者=一人で大勢を殺した人間程度の意味合いなのだが、後述のシリアルキラーと区別するためにこの意味になった。

対して、一人、また一人と複数の事件にまたがって徐々に被害者を増やしていく者をシリアルキラーという(『serial』は『連続的』を意味する)。
こちらは犯人の人物像にもよるが、知名度の高い殺人鬼ほど身元や素性を隠す方法に長けており、警察の追及を躱しながら次々に被害者をその手にかけていく。
シリアルキラーとされる人物は被害者にするタイプや殺害手法など、なんらかのこだわりを持っているケースが多い。
マスマーダラーと比べて、警察側には続けざまの被害を食い止める機会があるという点で外野的な救いがある反面、
殺人鬼は自分のやった行為を顧みるクールダウン時間を置いてもなお次の凶行に取り掛かっているわけで、精神の病理的にはさらにひどい状態と言える。

ちなみに「シリアルキラー」という言葉は、アメリカの連続殺人犯「テオドール・”テッド”・バンディ」の残虐さや異常性を表現するべく、当時のFBI捜査官が創作した造語である。
上述した「シリアルキラー」の性質もバンディのそれをモデルにしたもので、同じ特徴を持つ被害者たちを狙い、警察の捜査を躱しつつ長期間犯行を続け、アメリカ社会を恐怖のどん底に陥れた。
なお、名前で検索すれば詳細に彼の犯行などを解説したWebサイトなども見つかるが、その猟奇的で残酷な犯行が仔細に記されたサイトもあるので、特に女性は閲覧注意。

他にも、シリアルキラーとマスマーダラーの中間……つまり、一度に大量に殺人を犯した訳ではないが、長期間犯行が続いたわけでもない殺人者の分類として、スプリーキラー(『spree』とは『馬鹿騒ぎ』という意味)と呼ばれる犯罪者達もいる。
代表的なのは9日間で10人を殺害し、『地獄の逃避行』『ナチュラル・ボーン・キラーズ』を始め多くの創作物のモチーフになったチャールズ・スタークウェザーか。

もっともこの犯行間隔がどれくらいでスプリーキラーに分類されるかは研究者によってまちまちであり、数時間程度の犯行と数か月続いた犯行の両方がそれぞれ別の研究でスプリーキラーに分類されている。
以上のことから無用の混乱を生んでいるとして、FBIでは現在スプリーキラーという分類は使われていないとのこと。

しかもシリアルキラーでも犯行を重ねるうちに加速していき日を空けないうちに何人も殺害するタイプもおり、例えばエド・ケンパーは逮捕される直前には1日で2回犯行を行うほど犯行間隔が狭まっている。

現実では一人であっても人を殺してしまえば、どの国、どの文化圏でも重罪になる。(例外も存在するが)
罪の重さもあるが、道徳観念的な意味でも他人からは疎まれ、恐れられることがほとんどである。

しかし、それがフィクションの存在となれば話は別。
フィクションにおける殺人鬼にはいつだって不思議で不気味な魅力があり、昔から多くの人々に愛され続けてきたのだ。


■フィクションの殺人鬼によくある特徴

  • 異形
古き良き時代のホラー映画の殺人鬼に多い特徴。殺人という行為そのものもさながら、その醜い(不気味な)外見がさらなる恐怖を誘う。
また幼い頃にその外見のせいで虐められ、それがきっかけで殺人鬼となる、という哀しい背景があったりもする。
最近はイケメン殺人鬼も多い。

  • 復讐
過去に被害者となった人物が復讐の為に殺人鬼と化す、というのもよくあるパターン。
殺人はもちろん悪行だが、それを行う者にも事情があったのだと思うと少し切なくなる。

  • 精神の異常
復讐の為とか特別な理由ではなく、単に殺人を楽しみたいという狂った感性の持ち主。もしくはヤク中。
意味も理由もなく人殺しをする為、誰が狙われるか分からない……自分も狙われるかもしれないというスリルを、見る者に与える。
ちなみに現実にも精神異常をもった殺人鬼は存在しており、彼らは特に「サイコキラー」と区別して呼ばれることもある。
最も異常な精神であっても彼らなりに論理的、哲学的なプライドを持って殺人を行う者もいる。そういう誇り高き殺人鬼は単なる快楽殺人者を軽蔑している事が多い。

  • 不幸な生い立ち
上記二つと重複する部分があるが、過酷あるいは特殊な境遇に置かれることで歪んだ思考(嗜好)が生まれてしまうというもの。
幼少期に虐待を受けた、貧困・格差のあまり社会への不満を溜めこんだなど、家庭や家族に関係することが多い。なお、史実上でもこのケースは多い。

  • 超人的
不死身だったり怪力だったり、なんらかの特殊能力を持ってたり。超人というよりもバケモノじみてると言った方がいいかもしれない。

自身の正義の為なら、殺人鬼に成り下がることも厭わない。悪の道をゆくヒーロー。
殺人鬼と呼ばれることは少ないが、法に照らせばやっていることは「犯罪」以外の何物でもない。
だが、その殺人のおかげで救われた者もいる、というケースも。

  • 殺人以外はわりといい人
「あんなことする人じゃないと思ってましたけどねぇ……」
見ただけで殺人鬼と分かる殺人鬼、というのは珍しいもの。彼らも人を殺さないときは一般市民に紛れている。
変に怪しまれたりしないように、周囲の人物とは積極的に良好な関係を築いていたりすることも。

等々……
もちろん理由はどうあれ、人殺しであるという事実は揺るがないのだが。

ちなみに、史実でも「超人的」「ダークヒーロー」以外の要素を持った殺人鬼は多く、
特に家庭環境については著名な殺人鬼の大半が劣悪な家庭環境で育っていたりする。


■創作上で有名な殺人鬼

『サイコ』でお馴染みの二重人格ママっ子女装殺人鬼。
ホラー映画の元祖スラッシャー。
イケメンな上に優しく、割りとモテるため「男女の情事」という死亡フラグを自ら建て、自ら殺すため質が悪い。
アメリカの悪役ランキングではレクター博士に次ぐ第二位。因みに、三位はダース・ベイダーである。

『13日の金曜日』でおなじみ、ホッケーマスクの殺人鬼。怪力・不死身。
リア充を虐殺することで有名だが、非リア充にはもっともっと厳しく、ボッチとデヴの殺害成功率は100%である。

ジェイソンの母ちゃん。
不死身ではないが、中年女性とは思えない怪力の持ち主であり、某伝説の傭兵並みに隠密行動も得意とする。
強さは息子に劣るが、迫力は息子を上回る。

エルム街の悪夢に具現する殺人鬼。
小粋なジョークをとばすイカしたおっさん。

ハロウィン♪ハロウィン♪
元祖不死身のサイコキラー。

人皮マスクを被るマジキチ殺人鬼。
チェーンソーは工具です、人に向けてはいけません。
なお、レザーフェイスと同じく『顔を隠している殺人鬼』ということで、ジェイソンもチェーンソーを使っていると誤解している人もいるが、
ジェイソンはチェーンソーで殺人をしたことは(本編中では)一度もない。

  • パトリック・ベイトマン
『アメリカン・サイコ』の殺人鬼。イケメン高収入なリア充殺人鬼。
非リア充を見下し躊躇なく殺すお前らの敵
しかも、最後は殺人犯よりも「厄介事」を恐れた人々により証拠隠滅されお咎めなし。
あまりに現実味が無いため夢オチとかいう説もあったが、続編でその可能性は無くなった。

  • ジャック・トランス
シャイニング』の斧を持ったパパ(キューブリック版)。
お客様だよ!(Here's Johnny!)

人形に転生した殺人鬼。
こんな誕生プレゼントはイヤだ。

子供たちのトラウマとなるピエロ。
ドナルドではない。

ガスマスクとつるはしが目印の殺人鬼。
バレンタインを楽しむリア充は許さない。

死神衣装と叫びの仮面を身につけた殺人鬼。
一般人なので割と弱い。
初代ゴーストフェイスはイケメン・リア充なお前らの敵
二代目ゴーストフェイスは童貞にも厳しいお前らの敵

アメコミ界きっての殺人鬼。バットマンの宿敵。
彼を理解できるのは彼だけであろう。

オリジナルを凌駕する三人目のスパイダーマン。

「殺す殺す殺す殺す殺す殺す」

「鶴子はどこじゃあ!?」

Oh, You were to enter Todai?(へえ、きみ東大に行くつもりだったのかい?)
Sorry, you are going to die.(すまないが、きみが行くところは死なんだ。)
↑東大志望生を殺すときに言ったジョーク。
ちなみに、蓮実は所謂サイコキラーであり、他人の痛みなどをまったく理解できない精神異常者として描かれている。
過去に快楽殺人鬼と組んでいた事もあったが、価値観の違いから決別。

「実に的を射てるじゃないかァ!!」

「COOL!」

「くけけ(ry

「ユッキーユッキーユッキーユッキーユッキーユッキーユッキーユ(ry

「俺がツガミだ」

「イライラするんだよ…」

「殺して解して並べて揃えて晒してやんよ」

「呼ばれて飛び出て、邪邪邪じゃーん!」

「ああん、ダメ・・・濡れちゃう」
↑ハサミで刺しつつ

「紙の本を買いなよ」

「うふふ」

「俺は人殺しがだぁい好きなんだぁぁ!!」

「僕は新世界の神となる」

「競馬でも試験の問題でもよォ~~っ予想したことがそのとおりハマってくれると今のオレみてえにウププッてな笑いが
腹の底からラッキーってな感じで……こみあげてくるよなあ~ウプププッウププ」

「わたしは…子供のころ…レオナルド・ダ・ビンチの「モナリザ」ってありますよね…あの絵…画集で見たときですね。
 あの「モナリザ」がヒザのところで組んでいる「手」…あれ…
 …初めて見た時…なんていうか……その…下品なんですが…フフ………勃起……しちゃいましてね。」

「うおおおおお!!良ぉお~~~~~~しッ!
よしよしよしよしよしよしよしよしよしよしよしよしよしよしよしよしよしよしよしよしよしよしよしよしよしよしよしよしよしよしよしよしよしよしよしよしよしよしよしよしよしよしよしよしよしよしよし」

「「完成されたマジック」さながらの、美しく謎と怪奇に満ちた芸術犯罪を演じ上げ、並み居る観客達をあっと言わせて見たいんです。
 そう……マジシャンとしてね!!」
金田一少年の宿敵にして美しい芸術犯罪にこだわる面倒くさい殺人鬼にして犯罪コーディネーター

「マリア様の側に送ってあげる・・・」
↑18人のシスターを毒殺して磔にしつつ

「ほら、聞いてくれ。肉に刃が食い込む音を」

「これはもはや愛だぁぁぁぁぁぁ!!」

「僕を見て!僕を見て!僕の中のモンスターがこんなに大きくなったよ」

「『死』とは何ですか?」

「そんな目で見つめるなよ──興奮しちゃうじゃないか…」

「昔、国勢調査員が来た時、そいつの肝臓を食ってやったんだ。ワインのつまみにね。」

「平凡な夫の生活を味わいたくてな・・・だが逆らった、そこで土産を持ってきた。」

「生きるか死ぬか、君次第だ。」

「手術してやろうか?」

「ごちそう、いっぱい!」

「13年間我慢したんです…もう無理ですよ。」

「君の魂は、きっと甘いだろう。」

クロックタワーシリーズの名物はさみ使い。
不死身だが、強いのか弱いのかよくわからん。

  • ウォルター・サリバン
サイレントヒル4』の殺人鬼。別名はコートの男。
不死身・怪力と、ジェイソンと似ているが、常に穏やかな物腰。異世界に人を引き込み殺すため絶対逃げられない
儀式のために殺人を行うが、世界観の設定上、最後の一人以外は異世界から出られず、反撃すら許されないチート殺人鬼。

  • アレッサ・ギレスピー
映画版『サイレントヒル』のアレッサ。悪魔と取引しサイレントヒルに異世界を作り、住民を閉じ込めた。
ウォルター・サリバンと同様に、ターゲットにされた場合、絶対逃げられないチート殺人鬼。

漫画『ゴールデンカムイ』の作者登場人物。
日露戦争帰りの屈強な軍人にも躊躇無く斬り掛かる一般人。
「誰でもいいからぶっ殺したくなるんです」

小説『ニンジャスレイヤー』の登場人物。
凶悪な重犯罪者に邪悪かつ強大なニンジャソウルが憑依した結果、手の付けようがないほど邪悪で下品な大量殺戮ニンジャが誕生してしまった。
一方で寂しがり屋な面もあり、自由の身となって最初にやった事は『仲間集め』だった。仲間と定めた者に対しては一定の情を見せる。
いっそ清々しささえ感じるほどの暴れっぷりを見せるが、その無軌道さがダークニンジャの目に留まり、彼の目的のため利用される事になる。

等々



■三次(史実の人物)でアニヲタwikiに項目がある殺人鬼

※猟奇、残酷な記載があるため、閲覧注意




人殺しは犯罪です。
いいアニヲタはそんなことより追記・修正しましょう。

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最終更新:2025年04月25日 01:04