登録日：2025/08/21 Thu 05:32:30
更新日：2025/08/21 Thu 05:49:44NEW!
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※日本語未翻訳の作品のため解説に意訳を含みます。
『
The Final War』はデイヴィッド・H・ケラー(David H. Keller)による
クトゥルフ神話小説。
1949年に米国オレゴン州ポートランドの出版社Perri Pressが出版。アンソロジー『Acolytes of Cthulhu』などにも再録されている。
■執筆の経緯
ケラーの完全なオリジナルではなく、インスピレーションの元となった絵画が存在する。
ポートランドのサイエンスファンタジー協会が主催した絵画コンテストで入賞した、10枚の絵画がPerri Pressからポストカードとして販売された。
作者も描かれている内容もバラバラだが、ポストカードを目にしたケラーは1つの物語として繋げられると判断して小説に纏めSF協会に提出。絵画の作者たちの許可を取った上で出版に到った。
Perri Pressから出た原著には、ポストカードが挿絵として使用されている。
■あらすじ
元となった絵画と共に解説する。
作者はD. Bruce Berry。
絵画の内容は、広げた本が置かれた机の前に座る、死神か悪魔のような何かに肩を叩かれ驚く男性。
ゴビ砂漠の魔術師が執筆した人革装丁の書を読むトンプソンは記された世界の危機に対する警告に気付き、科学者に報告することを決める。
作者はWilliam Kroll。
絵画の内容は、土星。
土星に住むオニウムを主食とする星に非ざる生物たちが邪悪な神を崇めているという書物に書かれていた解説。
- 3枚目「Great Cthulhu and his world」
作者はRalph Rayburn Phillips。
絵画の内容は、溶けたような奇妙な岩が並ぶ世界と、液状化した爬虫類の背中から顔が生えたような怪物。
土星の劣った神々を支配するクトゥルフは、時が来れば宇宙船に機械の軍団と毒と卑猥な兵器を乗せて地球侵略を開始する。作戦に失敗すれば、最終手段として美女に変身して色仕掛けを行うだろうという書物に記された警告文。
作者はCon Peterson。
絵画の内容は、奇妙な建物から飛び立つUFO。
国連はトンプソンの言葉を信じて、対抗手段の兵器を複数開発。
満足できないトンプソンは「神の手」と名付けた最終兵器を用意する。
作者はJohn Grossman。
絵画の内容は、球体・触手・立方体などが複雑に組み合わさった名状しがたい人型の生物。
クトゥルフの配下の機械人間が生物兵器を完成させ、クトゥルフは遂に地球侵略を開始する。
作者はKen Brown。
絵画の内容は、空に伸びる透明チューブの中を車が走る近未来的な都市。
チューブ状の土星の宇宙港からクトゥルフがアメリカを目的地に出発する。
作者はJohn CooKroft。
絵画の内容は、背景遠方に奇妙な都市が聳える砂漠に生えた奇怪な植物?
クトゥルフは宇宙船に積んだ肉食植物の種を地球にばら撒く。
植物は毒ガスと溶解液を撒き散らし数え切れないほどの人間を殺害するが、人類は飛行船からの火炎放射で殲滅に成功。
クトゥルフの計画は完全に瓦解する。
作者はMiles Eaton。
絵画の内容は、球形の機械が放つ光に照らされた都市。
クトゥルフは人間の欲望に狙いを定め最終手段を実行。
球形の船に乗り体を作り替えてアリゾナの砂漠に降りる。
作者はO.G.Estes。
絵画の内容は、乳房がありお腹の膨れた単眼の人型怪物。
雄と雌の怪物に分離したクトゥルフは愛し合い雌が妊娠。
雄は自害し、雌は子を産んだ際に死亡。人間の美女の姿をした子供とクトゥルフの魂は一体化する。
作者はDonald Day。
絵画の内容は、巨大な手に掴まれた美女。
人間の住処を目指して砂漠を走るクトゥルフは飛んでくる巨大な手を発見。男性的な力強さに惹かれて自ら掌に包まれに行く。
最終兵器「神の手」がクトゥルフを握り潰し、人類はクトゥルフに勝利する。
■登場人物
国連や世界各地の開発施設とのコネがある謎の夢想家。
トンプソンの指導のもと世界各地で造られた部品を組み合わせて「神の手」を完成させた開発者。
ヒキガエルに似た姿の土星の神。
既に金星は滅ぼし太陽系の他の惑星も支配下に置いており、人類を滅ぼしてその魂を永遠に拷問しようと地球に狙いを定めた。
追記・修正お願いします。
最終更新：2025年08月21日 05:49
