病眼ノ禍(やまめのわざわい)
時は戦国時代初期、西マジョリアでは喪失の時代と呼ばれた混乱の世に現れた妖。 それは竜神を喰らわんとした妖であり、病そのものの具現とされる。
その姿は顔には無数の人の眼が蠢き、虎のような胴体持ち、背には無数の毒針が生えている。 さらに、秋津の海を歩くほどに長大な蜘蛛と書物に描かれている。
病眼禍の眼を「見た者」、あるいは「見られた者」は、体が弱ければ数秒で病に陥り、命を落とす。 背中の毒針からは絶えず毒液が滴り、その近くで吸うだけで肺を蝕み、触れた肉体は溶けてゆく。
このような性質ゆえ、誰もまともに近づくことができず、かといって放置すれば島や海を毒と病で汚染してしまう。 人々はどうにか対処しようと話し合いを始めた――その矢先、病眼禍は突如として姿を消した。
空を飛んだわけでも、海に潜ったわけでもない。ただ忽然と消えたのだ。 残されたのは汚染された海と島、そして無数の病人たちであった。
時は戦国時代初期、西マジョリアでは喪失の時代と呼ばれた混乱の世に現れた妖。 それは竜神を喰らわんとした妖であり、病そのものの具現とされる。
その姿は顔には無数の人の眼が蠢き、虎のような胴体持ち、背には無数の毒針が生えている。 さらに、秋津の海を歩くほどに長大な蜘蛛と書物に描かれている。
病眼禍の眼を「見た者」、あるいは「見られた者」は、体が弱ければ数秒で病に陥り、命を落とす。 背中の毒針からは絶えず毒液が滴り、その近くで吸うだけで肺を蝕み、触れた肉体は溶けてゆく。
このような性質ゆえ、誰もまともに近づくことができず、かといって放置すれば島や海を毒と病で汚染してしまう。 人々はどうにか対処しようと話し合いを始めた――その矢先、病眼禍は突如として姿を消した。
空を飛んだわけでも、海に潜ったわけでもない。ただ忽然と消えたのだ。 残されたのは汚染された海と島、そして無数の病人たちであった。
その実はエルニアを打倒した目障りなアルカナ団を消失する術を探していたラザハール・ディモスによって深淵に引き寄せられ混乱した病眼禍はラザハール・ディモスとその子供達によって病眼禍自身のありとあらゆる記憶を失い、放心した隙に足を切り裂き、モルモ・ディモスの血の杭によって体と地を縫い付け、拘束した。さらに、病眼をもぎ取り、背中の毒針をすべて抜き取ることで、無力化した。
その毒は、アルカナ団の星の賢者の弟子と技術を消失させる際、極めて有効に活用された。
今もなお、病眼禍はラザハール・ディモスとその子供たちによって、 記憶どころか思考すらも失ったまま、眼と針を奪われ、深淵で飼育されている。