ジェイソン:
イヴ、それで話って…
イヴ:
その前に… フレッド、ジェイソンのところに。
フレッド:
ゲコッ。
イヴの手のひらにいたフレッドは言葉を理解したように、俺の足元にやってくる。
イヴの治療のおかげで、ケガは完全に治ったようだ。
イヴ:
降り立った惑星に適合する生き物を模して自動で生成され、ミュータントの居場所を検知する。
それが、あなたがフレッドと名付けたその「探査機」の役目。
ジェイソン:
イヴ…? 何を言ってるんだ?
イヴ:
そして、ミュータントは惑星の資源や生命体を喰らい、惑星を滅ぼす存在。
かつて、ミュータントは私たちの星に侵攻してきたの。
ある方々のおかげで、守り切ることができたけど 全てを滅ぼすことは叶わなかった…
宇宙に拡散したミュータントに対抗するすべを持たない惑星の人々を救うために開発されたのが…
メタル・アタッカー。 ――超惑星間万能戦闘車両 ソフィア-III。
同時にソフィアの整備、調整を担う役目として「サポートガイノイド」の開発計画も進められたの。
ソフィア-IIIの人型ガイノイド…それが私。 型式番号「NORA-2057 EVE」。
ジェイソン:
ちょ、ちょっと待ってくれ!いったい何を…もしかして、記憶が戻ったのか…?
イヴ:
うん。今まで黙っていて、ごめんね。
ジェイソン:
いや、そうだったのか…よかった。 それじゃあ、今の話は…本当なんだな…?
イヴ:
うん…本来は、このことも言うつもりはなかったの。 惑星の生命体への過度な干渉は禁則事項だから。
でも、助けてくれたジェイソンには、知る権利が… ううん、違う。知っていて欲しいって思ったんだ。
ジェイソン:
イヴ…
イヴ:
ジェイソン。 今まで、一緒に戦ってくれてありがとう。
そして――ここでお別れだよ。 ここから先は、私がやらなくちゃ。
ジェイソン:
……それは、どういう意味なんだ?
イヴ:
言葉の通りだよ。
フレッドは見つかったんだから… ジェイソンの目的は、もう達成されたはず。
だから、ジェイソンはもうこれ以上 危険なミュータントたちと戦う必要はない…
後は私に任せて、地上に戻って欲しいの。
ジェイソン:
………
………嫌だ。
イヴ:
ジェイソン…どうして…
ジェイソン:
まだ色々理解できてないけど、ミュータントが地球を滅ぼすと言うなら、見過ごすことなんてできない。
イヴ:
それは心配しなくても、必ず私が…
ジェイソン:
本当に1人でどうにかなるのか? その保証はどこにあるんだ?
もしも失敗した時、他にミュータントを止める方法はあるのか?
イヴ:
それ、は…
ジェイソン:
失敗できないなら、少しでもリスクを減らすべきじゃないのか?
そのための方法を、君は知っているはずだ。
イヴ:
………
ジェイソン:
イヴ、俺は――君の力になりたい。
君が俺に力を貸してくれたように。 今度は、俺がイヴを支えるよ。
俺はイヴに向かって手を伸ばす。
イヴ:
ジェイ、ソン… 私に、あなたの力を貸してくれますか…?
イヴの手が俺の手に触れる。 その手を強く握り返す。離さないために。
ジェイソン:
あぁ、任せてくれ!
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