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キハ20系気動車

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キハ20系気動車 (キハ20けいきどうしゃ)は、かつてちばドリームエクスプレス(cdx)で使用していた一般型気動車である。


概要

丹波山桧原線開業時にイベント用車両として登場した。
キハ20系気動車は国鉄の標準形気動車として1957年から1965年にかけて1100両以上が製造され、日本各地で使われていた。その後、老朽化や地方線廃止にともないほとんどの車が廃車となり、2022年現在営業運転を行っているのはcdx、いすみ鉄道、ひたちなか海浜鉄道、水島臨海鉄道のわずか4社 2社のみである。
cdxには1エンジン車のキハ20形が1両、2エンジン車のキハ52形が2両の2形式3両が在籍。キハ20形2号車は群馬県で、キハ52形25号車は北海道で保存されていたものを再整備したもの、キハ52形128号車は西日本旅客鉄道(JR西日本)で1998年まで使われていた車両を再整備したものであった。
丹波山線・桧原線は山岳路線であるため、足回りに大規模な改造を施していた。車内も登場時のイメージを残しつつ、全面的にリニューアルを行っていた。

仕様

車体

車体は普通鋼製で、車体長20mまたは21mクラス、車体幅2780mmのストレートボディである。
国鉄時代の雰囲気を残しつつ、外板は全面的に張り替えられている。特に腐食しやすい箇所はステンレスとした。
  • 行き先表示器を設置した。表示は幕式で、第1エンドおよび第4エンド寄りの側面窓下に設置している。号車番号表示器は設置していない。
  • 側面の標識灯(戸開き表示・故障表示)をLED式に変更した。

出入台付近

  • 客用扉は片側に2カ所ずつ設置。片開き式でドアエンジンは空気式である。
    • キハ20 2とキハ52 25の扉はプレス鋼板製だったが、ステンレス製のものに交換している(キハ52 128はJR時代に交換済み)。
    • 窓ガラスの支持方式はHゴムだったが、内押さえ金に変更した。
    • 押しボタン式の半自動モードに対応した。
    • 地方線規格のホームに対応するため、出入り台付近には段差の大きなステップが設けられている。しかし、cdxの駅ホーム高さが高く(首都圏のJR線と同じ高さ)「逆段差」が生じて危険なため、ステップの段差を詰めてゆるいスロープ状に改めた。

前頭部

前頭部はフラットで中央に貫通扉を、その両側に正方形に近い窓を配置。ヘッドランプと警笛を貫通扉直上に設置したスタイルとなっている。
  • 各窓ガラスの支持方式をHゴムから内押さえ金に変更した。
  • 貫通扉をステンレス製のものに交換した。
  • フロントワイパを電動式でダブルアーム式のものに変更、助士席側にも設置した。
  • 行き先表示器を新設した。表示は幕式で、助士席側の窓下部に設置した。
  • ヘッドランプを丸形HID灯2灯式に変更した。ライトケースの形状を工夫することで、登場時の1灯式に見えるように工夫している。
  • テールランプをLED式に変更した。

屋根

  • クーラを設置した。軽量でコンパクトなインバータクーラで、外観は東日本旅客鉄道(JR東日本)キハ110系のものによく似ている。電源は走行用エンジンから供給する機関直結式である。
    • キハ52 128はJR時代にバス用のビルトインクーラを設置していたが、効きが悪いため、インバータクーラに改めた。
  • 腐食防止のため、雨樋をFRP製のものに交換、屋根布の張り替えとベンチレータの撤去もあわせて行っている。

走行機器

山岳路線を走るため、足回りは大規模なチューンナップがなされている。ブレーキ方式と連結器が変わったため、他社の国鉄形気動車とは併結出来ない。
  • エンジンをコマツ製でターボチャージャ付きのSA6D125H-1A形に交換し、出力アップと高効率化を図った。最高出力は、キハ20形が230kW(308.4ps)/2000min-1、キハ52形が180kW(241.4ps)/2000min-1×2基である。
  • 変速機も同じくコマツ製のKTF3335A-1A形(変速1段・直結3段 自動切り替え式)に交換した。
  • ブレーキは旧型気動車では一般的だった自動空気式であったが、応答性を高めるために電気指令式に改められた。コンバータブレーキも搭載した。
  • 連結器は国鉄形気動車では一般的な密着自動式であったが、電車と同じ自動連結器に交換した。

運転席

足回りの大幅な更新にあわせ、運転台もユニットごと新設計品に交換している。
  • 2ハンドル式で、前後操作式のマスターコントローラと回転操作式のブレーキハンドルを備える。
  • 計器板には車両の状態を表示する簡易モニタを備える。

客室

客室内は登場時の20系気動車の雰囲気を残しつつ、新型気動車にあわせたデザインに改装した。
  • 窓は上段下降・下段上昇式の二段窓であったが、一段下降式に変更した。窓ガラスにはUVカットガラス(UV96・ブロンズ)を採用。ロールカーテンは麻布製のものに交換している。
  • 座席はいわゆるセミクロスシートだったが、全て転換クロスシートに交換した。運転台まわりの座席は、ワンマン運転用関連機器と料金箱を設置するため撤去した。
  • 天井にクーラのダクトを設置したため、照明の配置を変更した。キハ20形は照明が白熱灯だったが、蛍光灯に変更した。
  • 荷物棚は文字通りの網棚だったが、ステンレスパイプ製のものに交換した。
  • つり革の形状を変更した。
  • ワンマン運転に対応するため、運賃箱・運賃表・整理券発行機を設置した。
  • トイレは便器を洋式に変更し、汚物処理装置を設置した。構造上、車いすでの使用は出来ない。

カラーリング

車体色は車両によって異なる。

共通事項

車体

2012年3月現在はすべていわゆる国鉄色となっているが、キハ20 2およびキハ52 25はcdxのオリジナルカラーであった。
国鉄色
ベース 朱色4号
窓まわり クリーム4号
キハ20 2およびキハ52 25登場時の塗色(cdxオリジナルカラー・現存せず)
ベース   白  
側窓まわり   黒  
側窓下部   緑  
前面窓まわり〜上部   黒  
側扉・前面貫通扉   青  

客室内

キハ52 128の塗色(国鉄風)
内壁 淡緑1号(薄緑色)
天井 白3号(ホワイト)
灰色1号(灰色)
トイレ 灰色9号
灰色8号
座席のシート表皮 モスグリーン
キハ20 2およびキハ52 25の塗色(cdxオリジナルカラー)
内壁 ライトベージュ
ライトオーク(木目模様)
客用扉
トイレの扉
淡い青
トイレの床 ダークグレー(格子模様)
座席のシート表皮 モスグリーン

車体番号について

キハ20形は 2 、キハ52形のうち1両は 25 となっているが、実はこれらの番号は製造時のものではない。一方、キハ52 128は製造時からの番号である。

スペックシート

注:どちらもcdx入線時のもの
キハ20系
形式 キハ20形 キハ52形
最高速度 95km/h
定員 XX名 XX名
最大長 20000mm 21300mm
最大幅 2780mm
最大高 XXXX mm
質量 XX t XX t
軌間 1,067mm
機関形式 コマツSA6D125H-1A
機関出力 230kW(308.4ps) 180kW(241.4ps)×2
(登場時) 134kW(180ps) 134kW(180ps)×2
駆動方式 液体式
変速段 変速1段・直結3段(変←→直 自動切替)
ブレーキ方式 電気指令式空気ブレーキ
コンバータブレーキ
保安装置 ATS-G・ATS-P・ATS-SN
備考


所属・運用

かつて所属・運用していた線区

奥多摩営業所(東オタ)

イベント用として、1999年の奥多摩営業所開設時から3両全てが在籍していた。イベント用ではあるものの、普段は丹波山線および桧原線での定期列車としても使用していた。
運転開始当初は同線の新型気動車と連結する運用もあったが、相性が悪かったため、その後はキハ20系同士で連結運転を行っていた。
一時期は東日本旅客鉄道(JR東日本)青梅線(奥多摩駅 – 青梅駅間)・五日市線への乗り入れる運用にも使用しており、立川駅まで乗り入れたこともある。
ゴールデンウィークや夏休みのレジャーシーズン時に運転される臨時列車は、本系列を使うケースが多かった。

運転終了時点での使用実績は以下の通り。

関連項目



ちばドリームエクスプレスの気動車・ハイブリッド車・バイモード電車
現役 特急形 M30000系キハ40系
一般形 D100系 – D200系D300系
バイモード (HED500系 →)BM-ED500系
ハイブリッド HED400系
引退 特急形
一般形 M1000系 – M2000系 – M3000系(→D300系
D1200系 – D1500系 – D2000系
キハ20系
バイモード HEM5000系(→ HED500系 → BM-ED500系

最終更新:2022-07-15    一般型 気動車 車両

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