ユメペディア

HED400系ハイブリッド車

最終更新:

cdx-railway

- view
管理者のみ編集可
HED400系ハイブリッド電車 (HED400けいハイブリッドでんしゃ)は、ちばドリームエクスプレス(cdx)の一般型ハイブリッド車両(電気式ハイブリッド気動車)である。



概要

登場の背景

丹波山線檜原線で使用しているD300系は、M3000系として1998年に製造されてから2024年時点で25年が経過した。足回りは2010年代のD300系への改造時に一新し、車体の方も一度リニューアルしているとはいえ根本的な箇所は製造時から変わっておらず、随所に痛みが生じている。補修に必要な部品も製造を終了して入手困難となっており、今後の維持を考えると車両そのものを更新した方が早いとcdxは判断した。そこでD300系の後継車両として設計・製造されることになったのが、本系列のHED400系である。
2024年10月に最初の2両1編成が落成し、2025年4月現在はcdx各線にて営業運転開始に備えて各種試験や乗務員訓練などを行っている。2025年度中に営業運転を開始する予定である。

デザインコンセプト

本系列は「人・街・環境へのやさしさ」をテーマに設計を行っている。

外観

直線を主体としたシンプルな造形として材料の使用量を抑えつつ、随所に角を丸く落としたパーツを組み合わせることで、「人・街・環境へのやさしさ」を実現した。

内装

難燃処理した沿線の木材や木目調のパーツを使用し、自宅のリビングや街の喫茶店のような落ち着いた空間に仕上げることで、「人へのやさしさ」を実現した。

走行系

基本セッティング

駅完距離の短い普通列車や山岳区間での使用を考慮し、トルクと加減速を重視したセッティングとした。

ハイブリッド方式の採用

「街へのやさしさ」「環境へのやさしさ」を実現するべく、本系列ではcdx初の「ハイブリッド方式」(シリーズハイブリッド)を採用した。ベースはディーゼルエンジンで発電した電力でモータを動かすディーゼル・エレクトリック方式(電気式気動車)であるが、蓄電池(リチウムイオンバッテリ)を搭載することでバッテリからの電力でも走行できる。
なお、1999年から使用しているBM-ED500系バイモード電車もディーゼルエンジンで発電した電力で走行するが、走行用のバッテリは搭載せず、代わりに電化区間ではパンタグラフで集電した電力で走行する「バイモード電車」であるため、本系列とは性格が異なる。

基本編成


仕様

ここでは便宜上、運転席から第1扉までを「第1区画」、以降、扉と扉および車端部の間を「第2区画」「第3区画」「第4区画」と呼ぶことにする。

車体

車体は軽量ステンレス鋼製で、前頭部のみ普通鋼である。車体長20 m、車体幅2.8 mのストレートボディである。

ボディ構体

前述の通り、車体は軽量ステンレス鋼を使用。妻面もステンレスだが前頭部は普通鋼を使用している(後述)。
腰板、吹き寄せ、幕板の三層構造となっており、継ぎ目が小さくすっきりとした外観が特徴。仕上げは梨地としている。配色については後述。

客用扉

客用扉は片側に3カ所設置。ドアは両開き式で、圧縮空気にて開閉する。車内保温のため押しボタン式の半自動モードに対応している。
扉の横にはドア開閉ボタン、LED式出入口案内表示器、車外スピーカを設置している。

客室の窓をドア間に最大3箇所設置。機器室やトイレとなる箇所には窓を設置しておらず、ロゴなどで装飾している。
窓は基本的に固定式だが、一部は下方向へ開閉可能となっている。窓ガラスはグリーンのUVカットガラスを採用。

側面表示器

側面表示器を両サイドに1箇所づつ設置。近年のcdxの電車(AC3など)で見られる大型タイプだが、表示は有機ELディスプレイではなく、フルカラーLED式である。ここに列車種別と行き先を表示する。号車番号は表示しないが、設定で切り替えることはできる。

前頭部

前頭部はフラットな切妻構造となっており、補強と装飾を兼ねたフレームで縁取られている。

前頭部構体

前述の通り、前頭部は修理の容易な普通鋼を使用。ステンレス製のボディとは「接合部」を介してボルトで固定している。<br>万が一の衝突事故に際し構体全体がクラッシャブルゾーンとなっており、さらに運転席側には乗務員を保護するためのビームを2本通している。

前面窓周辺

前面窓は長方形のシンプルな造形で、後述のサブライトとテールライトの窓も兼ねている。ワイパは貫通扉寄りにオフセットして取り付けており、根本には装飾と保護を兼ねた丸みのあるカバーを装着している。

貫通路

貫通扉を中央に設置。連結時、常に通り抜けが出来る構造となっており、通り抜けが容易なように折り畳み式の渡り板と貫通幌を併設している。

ライト

運転台の窓上部にヘッドライトを、窓内の下部にサブライトとテールライトをそれぞれ設置。いずれも高輝度LEDを使用。

前面表示器

前面表示器は貫通扉の上に設置。近年のcdxの電車(AC3など)で見られる大型タイプだが、有機ELディスプレイではなく、フルカラーLEDである。ここに列車種別と行き先を表示する。なお、列車番号表示器は設置していないが、設定により前面表示器に表示することは可能。

主要機器

「デザインコンセプト」の項で述べた通り、本系列はハイブリッド方式(シリーズ式ハイブリッド)を採用している。
基本はディーゼルエンジンでモータを駆動する「ディーゼル・エレクトリック」方式だが、発進・停止時はバッテリのみで駆動することで、燃費の向上と騒音の抑制を図っている。
なお、シリーズ式ハイブリッドでは「電車」の装備と「気動車」の装備の両方が必要となるため、D100・D200系気動車と比較して多くの機器を搭載する。そこで床下に搭載しきれない機器は客室内へ置くこととしたが、本系列では2両単位でユニットを組むことで必要な機器を分散配置することで、客室内のデッドスペースを最小限に抑えた。

エンジン

小型のディーゼルエンジンを各車の第2区画付近に1基搭載。専ら発電用で、バッテリを充電するだけでなく、モータの駆動も行う。
燃料タンクは防爆対策を徹底した上でバッテリからなるべく遠い位置に設置している。

コントローラ

コントローラ(主制御器)は日立製のVVVFインバータを使用し、各車の第3区画付近に搭載。形式はCDX-SC400H形で、AC3シリーズで採用されたCDX-SC24形をハイブリッド車向けに仕様変更したものである。

バッテリ

大容量のリチウムイオンバッテリセルを各車に搭載。破損時の爆破リスクを低減するため、防爆構造のシェルに収めている。また、燃料タンクからなるべく離して設置している。

台車

台車は新設計のCDX-DT400H系で、21系電車のCDX-DT21系によく似た外観を持つ。各車の第1区画寄りは付随台車のCDX-TR400H形、第4区画寄りは電動台車のCDX-DT400形を履く(0.5M方式)

モータ

モータは交流かご形誘導電動機のCDX-MT400H形を使用。これはAC3用CDX-MT24形を本系列向けにチューンナップしたものであり、多くの部品を共用している。

ブレーキ

ブレーキは電動台車・付随台車共にベンチレーテッドディスクブレーキを採用。
ブレーキシステムは電気指令式の直通ブレーキを採用し、TICS(後述)により台車単位で制御する。液体式気動車と異なり、コンバータブレーキは搭載していない。

連結器

連結器は、第1区画寄りが柴田式密着連結器で、分割・併合が容易なように電気連結器も備える。
第4区画寄りは半永久連結器(棒連結器)を採用し、普段はボルトで固定している。

運転室


客室

短 – 中距離の輸送に適した構造となっている。投入先の路線で通勤・通学時間帯は混雑しやすいこと、デッドスペースによる定員減少を最低限に抑えるため、シートアレンジはロングシートを主体としたセミクロスシートとした。
また、オールロングシート仕様もオプションで用意している。

座席

座席はロングシートとクロスシートを組み合わせたセミクロスシート構造である。居住性を改善するため、一人あたりの座席幅は480mm以上(従来は450mm)となっており、ロングシートでもゆったりとくつろいで利用できる。
  • ロングシートは2人掛けを基本とし、これを複数設置。座席の両側にアームレストを備え、座席と座席の中央にも小ぶりで収納式のアームレストを備える。オールロングシート仕様では3人掛けのシートも用意している。
  • クロスシートは1人掛けと2人掛けの両方が存在し、1ユニットにつきロングシート2席分のスペースに収まる様に設計している。固定式で背もたれの転換や回転、リクライニングには対応していない。

カラーリング

カラーリングは配属先によって異なる。

車体

客室内


TICS



スペックシート

HED400系
起動加速度 1.8 or 3.5 km/h/s(切換可能)
営業最高速度 65 – 100 km/h
設計最高速度 110 km/h
減速度(通常) 3.5 km/h/s
減速度(非常) 4.5 km/h/s
車両定員 93 – 113名
最大寸法(長×幅×高) 20,000×2,850×---- mm
車両質量 43 – 45 t
軌間 1,067 mm
機関形式 コマツSA6D140HE-4
機関出力 335kW(449.2ps)
駆動方式 電気式
歯車比 1:7.07
駆動装置 TD継手平行カルダン駆動方式
電動機 三相かご型誘導電動機
(CDX-MT400H形 / 175kW)
制御装置 VVVFインバータ制御
(CDX-SC400H型 / Si-IGBT素子+SiC-SBD・日立製・1C2M)
台車 軸梁式ボルスタレス台車
(CDX-DT400H・CDX-TR400H)
ブレーキ方式 電気指令式空気ブレーキ・回生ブレーキ
保安装置 ATS-G・ATS-P・ATS-Ps・ATS-SN
製造メーカ 近畿車輛

所属・運用

これから所属・運用予定の線区

奥多摩営業所(東オタ)

2025年5月現在、量産先行車の1編成2両が在籍。2024年秋に製造された車で、性能確認や乗務員訓練、その他情報収集を行うため、丹波山線と千葉県内でテストを繰り返している。
早ければ2025年7月から営業運転開始予定である。

営業運転開始予定の先駆は以下の通り;



関連項目


ちばドリームエクスプレスの気動車・ハイブリッド車・バイモード電車
現役 特急形 M30000系キハ40系
一般形 D100系 – D200系D300系
バイモード (HED500系 →)BM-ED500系
ハイブリッド HED400系
引退 特急形
一般形 M1000系 – M2000系 – M3000系(→D300系
D1200系 – D1500系 – D2000系
キハ20系
バイモード HEM5000系(→ HED500系 → BM-ED500系

最終更新:2025-05-13    ハイブリッド車 一般型 車両

添付ファイル
ウィキ募集バナー