概要
cdxの非電化路線で運行しているメタノール動車の置き換えと、
相上線・
水上線の気動車化用として設計・製造された。
車体は新潟トランシスの標準型軽快気動車「NDCシリーズ」を採用し、cdxの事情にあわせて一部仕様を変更している。外観は肥薩おれんじ鉄道HSOR-100型や天竜浜名湖鉄道TH2100型などによく似ている。
内外装の意匠は
ひまわりデザイン研究所が担当。
仕様
前述の通り、新潟トランシスの「NDCシリーズ」をベースとし、cdxの事情に合わせたカスタマイズを行っている。
車体
車体は普通鋼製で、車体長20m、車体幅2800mmのストレートボディである。
- 客用扉は片側に2カ所設置。片開き式でドアエンジンは空気式である。車内保温のため押しボタン式の半自動モードに対応している。ワンマン運転用のLED式出入口表示器も併設している。
- 行き先・種別表示器は後位扉付近に設置。cdxの気動車では初のフルカラーLED式である。なお、号車番号表示器は無い。
- 機関直結・集中式のエアコンを屋根上に設置。
前頭部
前頭部は三面折妻の貫通構造となっている。
- 貫通扉を中央に設置。連結時に常時通り抜け可能となっている。
- ヘッドライトは運転台窓上部に設置。丸形のHID灯と黄色プロジェクタ灯の組み合わせである。
- テールライトは窓の下部に設置。LED式で横方向に細長い形状となっている。
- 行先・列車種別表示器は貫通扉直上に設置。側面と同様、フルカラーLED式である。なお、列車番号表示器は設置していない。
走行機器
- エンジンはコマツ製のSA6D140HE-2形(335kW(450ps)/2000min-1)を採用。コモンレール式電子制御燃料噴射装置を搭載しており、クリーン化を図っている。
- 変速機もコマツ製で、変速1段・直結4段である。
- ブレーキ方式は電気指令式で、TICS(後述)による指令で行う。また、コンバータブレーキも搭載している。
- 台車は新潟トランシス製のNF01系で、片方が動力台車、もう片方が付随台車となっている。
- 連結器は電車と同じ密着式である。
運転室
運転室はいわゆる半室構造である。
- マスターコントローラは左手操作式のワンハンドルマスコンを採用。
- 計器板は従来の計器類や表示灯に代わり、液晶画面を採用したグラスコックピット構造となっている。
客室
ワンマン運転に適した構造となっている。オフホワイトをベースに黒のアクセントを入れた、お洒落なデザインとなっている。
- 窓は固定窓を基本としているが、一部の窓は下方向に開閉可能である(一段下降窓)。窓ガラスにはUVカットガラス(UV96・グレー)を採用しており、カーテンは無い。
- 座席は転換クロスシートを採用。木製のアームレストが付いたアルミ製のサイドパネルが特徴である。シート表皮は緑のモケット。
- 照明はLEDを採用。cdxの新製車両では23系に次いで2例目である。
- 荷物棚は難燃処理を施した木製で、底面に細いスリットが入っている。両端は横方向にリブの付いた黒いアルミパネルである。
- 床は白地に黒の格子模様が入ったものである。
- 車内案内表示装置は19型液晶ディスプレイ式(SXGA)を2枚組み合わせたもので、車端部(運賃箱直上)と車内中央部の合計4箇所に設置。運賃箱直上にあるものは運賃表示器を兼ねる。
- ワンマン運転用に運賃箱と整理券発行機を設置。運賃箱は運転室の間仕切りを兼ねている。どちらも内装にあわせたモノトーンのカラーリングとなっている。
- 亀山線仕様車には客用扉付近にYuMeCa用のリーダ&ライタを設置。
- 車椅子対応トイレを設置。こちらも車内にあわせたモノトーンのカラーリングとなっている。
TICS
D100系には新潟トランシス製の
TICS
(Train Information and Control System)というシステムを搭載している。これは、力行・制動など走行に関わる制御をはじめ、エアコンの制御、自動放送設備の制御、行先表示器の制御など、あらゆるものを1台のコンピュータから伝送ケーブルを介して行っている。
尚、cdxのAC-TRAINに採用している「DAIMS」とは別物であり、互換性も無い。
番台区分
0番台
亀山線仕様車で2011年12月に登場。亀山線では
YuMeCaの改札を車内で行うため、出入口(整理券発行機の隣)にYuMeCa用のリーダ&ライタ(旅客案内上では「YuMeCa車内改札機」)を設置している。
6000番台
相上線・
水上線向けの仕様で2012年1月に登場。相上線には連続40‰の急勾配区間が存在するため、登攀性能と下り勾配での安全性を強化している。
キハ20型
2017年に登場した
丹波山線・
桧原線向けのイベント用車両。旧国鉄キハ20系を模したデザインとなっており、内装も旧型車両風となっている。座席はボックスクロスシートとロングシートを組み合わせたセミクロスシートに改められた。
スペックシート
D100系 |
起動加速度 |
2.0 km/h/s |
営業最高速度 |
80 – 100 km/h |
設計最高速度 |
100 km/h |
減速度(通常) |
-.- km/h/s |
減速度(非常) |
-.- km/h/s |
車両定員 |
--名 |
最大寸法(長×幅×高) |
20,000×2,850×4,030 mm |
車両質量 |
33 t |
軌間 |
1,067 mm |
機関形式 |
コマツSA6D140HE-2 |
機関出力 |
335kW(449.2ps) |
駆動方式 |
液体式(変速1段・直結4段、自動切替) |
台車 |
新潟トランシスNF01系 |
ブレーキ方式 |
電気指令式空気ブレーキ |
保安装置 |
ATS-G・ATS-P※1・ATS-Ps※2・ATS-SN※3 |
製造メーカ |
新潟トランシス |
※1 ATS-Pは
相上線・
水上線仕様車と
奥多摩営業所所属車のみ搭載。
※2 ATS-Psは
亀山線仕様車のうち、一部の車に搭載。
※3 ATS-S
Nはいすみ鉄道用で、
亀山線仕様車のみ搭載。
姉妹系列
所属・運用
現在所属・運用している線区
0番台全車が在籍。メタノール動車の置き換えのため、2011年12月から導入した車である。2012年3月17日のダイヤ改正から第一陣の3両が運転を開始した。
JR東日本久留里線やいすみ鉄道への乗り入れにも対応しており、2013年3月から乗り入れ運転を行っている。
亀山線内では
YuMeCaの改札を車内で行うため、出入口扉付近に「YuMeCa改札機」(ICカードリーダ&ライタ)を設置している。
2022年7月現在の運用線区は以下の通り;
-
cdx
-
JR東日本
-
いすみ鉄道
- いすみ線 大原駅 –(いすみ線)大多喜駅 – 上総中野駅間
このほか、過去に試運転で小湊鐵道線への入線実績もある(営業運転での実績は無い)
6000番台全車が在籍。相上線および水上線の運行費用削減のための気動車化により2012年1月に新製投入した車である。(運転開始は2012年3月17日)
急勾配区間用であるため、主に相上線・水上線内で使用しているが、ダイヤの都合で電化区間の
宮が瀬線でも使用している。
相上線と水上線内では
YuMeCaの改札を車内で行うため、出入口扉付近に「YuMeCa改札機」(ICカードリーダ&ライタ)を設置している。
2022年7月現在の運用線区は以下の通り;
キハ20型が2両在籍。イベント用であるが、定期列車に使用することもある。
同営業所在籍の
D200系気動車や
D300系気動車との併結も出来るが、実際に併結することは稀である。JR線用のATS-Pも搭載しているが、JR線への乗り入れる運用は無い(団体列車での乗り入れ実績はある)。
2022年6月現在の運用線区は以下の通り;
関連項目
最終更新:2022年07月29日 16:35