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41系電車

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41系電車 (41けいでんしゃ)は、かつてちばドリームエクスプレス(cdx)に在籍していた交直流一般型電車である。


概要

2006年に開業する筑鉾線霞が浦線稲敷線の向けの車両として登場し、2024年3月ダイヤ改正まで使用していた。
計画ではこれらの路線は全て新車で統一する予定であったが、予算の関係で投入車両の一部をJR東日本から購入した中古車で賄うことにした。
種車は旧国鉄時代に設計された415系電車で、全て1980年代に製造された後期形であるが、平行して新製投入する62系に仕様を合わせるため、制御機器と客室を中心にリニューアルをしている。
リニューアルに関しては、以前JR113系電車を改造した70系で実績があるため、これを活かしている。

基本構成

種車は製造時期によって座席レイアウトや車体材質・構造が大きく異なるため、番台区分を設けて分類した。詳細は後述する。
番台区分 種車 車体材質 シートレイアウト ワンマン 備考
0番台 415系100・700番台 普通鋼製 転換クロスシート ◯(都市型)
500番台 415系500番台 普通鋼製 ロングシート ◯(都市型)
1500番台 415系1500番台 ステンレス製 ロングシート ◯(都市型)
3000番台 415系700番台 普通鋼製 転換クロスシート 短編成(2両編成)化
車種は クモハ415形 (Mc)・ クモハ416形 (M'c)・ モハ411形 (M)・ モハ412形 (M')・ クハ410形 (Tc)・ クハ417形 (Tc')の6種類。このうち電動制御車(クモハ)は中間電動車(モハ)からの改造である。
  • 基本編成
2両 クモハ415(Mc) - クモハ416(M'c)
4両 クハ410(Tc) - モハ411(M) - モハ412(M') - クハ417(T'c)

仕様

車体

車体は普通鋼製で、前頭部が半流線形のいわゆる「東海顔」であった。1500番台は前面を除いて軽量ステンレス製で、JR211系電車に酷似していた。車体長20mクラス、車体幅は2900 – 2950mmのボディを有していた。
  • 外板は全面的にリニューアルされ、特に腐食しやすい箇所はステンレスに改められた。
  • 雨樋は腐食防止のためFRP製に変更。あわせて車体内部に埋め込み、外部から目立たなくさせた。
  • 客用扉は片側に3カ所設置しており、全て両開き扉である。ドアエンジンは従来通りエア式であるが、コンパクトな直動式に変更。このほか、半自動モード対応・ドア開閉ボタン設置、窓をHゴムから押さえ金具に変更(殆どがJR時代に施工済み)、ドアチャイム設置などを行っている。
  • 客用扉の戸袋窓のうち、形状が細長いものは閉塞した。
  • 行き先表示器は取付位置はそのままに、列車種別と行き先表示を別個に行える様にした。号車番号表示器は設置していない。なお、表示器は幕式である。

ステンレス製の1500番台は車体の状態が特に良いので、上記の改造内容のうち一部の項目は省略された。

前頭部

前頭部は前述の通りいわゆる「東海形」で、中央に貫通扉を設け、両側の窓はパノラミックウィンドウを採用していた。
  • 左右の窓を新品に交換。支持方式も変わり、コーナ部の桟が無くなった。貫通扉の窓はHゴムから押さえ金具に変更している。
  • ワイパは電動式に変更した。手動式であった助士側も電動式に変更した。
  • 前面表示器を貫通扉直上に、列車番号表示器を貫通扉窓内側に設置している。
    • 前面表示器の窓の支持方式をHゴムから押さえ金具に変更した。表示は幕式のままである。
    • オリジナルの列車番号表示器は撤去し、助士席側の窓の内側に新たな列車番号表示器を設置した。表示は7セグメントLED式(黄色)である。
  • ライトは従来のものを撤去した上で、細長いライトボックスを埋設。丸形HID灯・黄色プロジェクタ灯・LED式テールランプが横一列に配置されており、精悍な顔つきとなっている。
  • タイフォンは従来通りだが、腐食防止のため、ステンレス製に交換した。

先頭車化改造車の前頭部は通常の先頭車に準じていたが、以下の様な違いがあった。
  • 前頭部は切妻形で、完全にフラットである。
  • 貫通扉・行き先表示器・列車番号表示器・ライト・タイフォンなどのレイアウトは東海形に準じる。
  • 窓はパノラミックウィンドウではなく、通常のフラットタイプを採用。視界確保のため、サイドに小窓を設けている。

1500番台は三面折妻形で、中央に貫通扉を、両側に周りを黒く塗った窓を配置していた。状態が特に良いので、大きな改造は行っていなかった。
  • 貫通扉直上に前面表示器を設置している。表示は幕式で、そのまま使用。
  • 助士席側の窓上部に列車番号表示器を設置している。製造当初は幕式だったがJR時代にドットマトリクス方式のLED式(オレンジ色)に更新済みのため、このまま使用。
  • ライトは元のライトボックスを撤去した上で新たなライトボックスを埋設。丸形HID灯・黄色プロジェクタ灯を横並びに配置し、その下に細長いLED式テールランプを配置している。

走行機器

  • 制御方式はいわゆる抵抗制御だが、直並列・弱界磁制御式から界磁添加励磁制御式に変更していた。抵抗器は個数を減らした上で流用、送風機は撤去していた。尚、制御装置自体は70系と同じであった。
  • 台車は揺れまくら式のコイルばね台車(DT21系)であったが、ボルスタレス空気ばね台車であるCDX-DT41系に交換。
    1500番台は元々ボルスタレス空気ばね台車(DT50系)であるため、そのまま使用している。
  • ブレーキを電磁直通式から電気指令式に変更した。設計上62系と併結可能であるが、相性があまり良くないためか、営業運転では使われない。
  • コンプレッサはcdx標準のスクリュ式に変更した。
  • 補助電源装置はMGからCVCFインバータ方式に変更した。
  • モータは従来通りMT54形のままである。
  • パンタグラフは70系電車で採用されたCDX-PS70形で、狭小断面トンネル対応のシングルアーム式である。
    但し、現在の運用線区にあるトンネルは断面が広い。

運転台周辺

走行機器の変更に合わせて、運転台も更新していた。
  • 運転席はデスクタイプとなった。
  • マスターコントローラ(マスコン)を前後操作式に変更した。
  • ブレーキ方式変更に伴い、ブレーキハンドルを変更した。
  • 簡易情報装置として、TIMS-LIGHTを搭載した。
    • 制御装置の制御、ブレーキ制御をはじめ、空調機、行き先表示器、車内案内表示器などのサービス機器の制御も行う。
    • タッチパネル式の液晶モニタを設置。この液晶パネルで各車両の状態や各種装置の操作を行う。このパネルを設置するにあたり、従来のメータパネルを一新した。
このほか、各種関連機器の移設も行っていた。

客室

客室は各番台によって異なるが、基本的に62系を意識した配色・デザインでまとめられていた。
  • 窓は二段式の開閉窓であったが、これをUVカットガラス(UV96・スモーク)を使用した下段固定・上段中折れ式のものに交換した。外観はJR西日本113系・115系リニューアル車とよく似ており、太い窓枠が特徴。
    1500番台は種車のままである。
  • 車内案内表示器を客用扉鴨居部に計6カ所設置。表示器はLEDドットマトリクス式である。
  • 種車がロングシートの車(旧500・1500番台)は、座席をそのまま使用。モケットの張り替えとクッションの詰め替えを行った。
  • 種車がセミクロスシートの車(旧100・700番台)は、座席を転換クロスシートに交換した。デザインは62系のものとよく似たアルミ製と合板で出来た簡素な造りだが、座り心地は格段に向上した。なお、62系のシート表皮は本革だが、41系はモケットである。
  • 荷物棚はアルミ製のものに交換。下から荷物が確認出来るように、スリットが設けられている。
  • つり革は基本的にJR時代のままであるが、旧700番台のクロスシート部にあったつり革は撤去した。
  • トイレは車いす対応の大型タイプに変更。3000番台も車端部に新たに設置している。3000番台は設置スペースの関係で、通常は床下にある機器を床上のトイレユニット内に搭載している。汚物処理装置は循環式からブロワ式に変更した。
  • 旧100番台は、天井がフラット化された。元々天井がフラットな500・700・1500番台とは構造が異なる。また、ベンチレータは全て撤去した。
  • クーラは従来のAU75系に代わり、高性能で省エネな新型エアコン(暖房も対応)に交換した。あわせてダクトをラインフロー式に変更し、横流ファンも設置した。
  • 蛍光灯の配置を見直した。70系ではアクリル製の蛍光灯カバーを取り付けていたが、法改正に伴いアクリルが使えなくなったため、41系はカバー無しとなった。

ワンマン運転設備

3000番台は一般的なワンマン運転に、その他のグループはいわゆる都市型ワンマン運転に対応した機器を設置していた。
3000番台は車内に運賃箱・運賃表示器・整理券発行機・その他関連機器を備える。3000番台以外のグループにはこれらの機器は設置していなかった。

カラーリング

  • 車体
    • 塗装はオフホワイトをベースに、扉を青20号に塗装している。また、レタリングを随所に配置している。
      因みに「青20号」とは、41系がかつて使われていた常磐線のラインカラーでもある。
    • 1500番台は従来通り未塗装で、青帯を廃止する代わりに扉を青20号に塗装した。レタリングを随所に配置している点は鋼製車体車と同じだが、レイアウトが異なる。
  • 客室
    • 62にあわせて白を基調としている。従来無塗装だったステンレス製の部品のうち、客用扉、貫通扉、乗務員室扉は白のカッティングシートが貼られた。
    • 床の色はライトグレーで、フットラインには四角(■)のドット模様がある。
    • 座席はダークグリーンで、オレンジのドット模様付きである。

番台区分

0番台

基本バージョンで種車は700番台(一部の先頭車は100番台)。4両固定編成であった。
座席は転換クロスシートで、都市型ワンマン運転に対応していた。

1000番台

通勤仕様車で種車は500番台。4両固定編成であった。
座席はオールロングシートで、都市型ワンマン運転に対応していた。

1500番台

ステンレス車体バージョンで、種車は1500番台。4両固定編成であった。
座席はオールロングシートで、都市型ワンマン運転に対応していた。
本系列で最も種車の面影を残しているグループであった。

3000番台

ワンマン仕様車で種車は700番台。中間車に運転台を取り付けたため、0・1000番台とは前面の趣が異なっていた。
2両固定編成である。座席は転換クロスシートで、一般的なワンマン運転に対応していた。

スペックシート

41系
起動加速度 1.6km/h/s (4両編成)
営業最高速度 100km/h
設計最高速度 100km/h
減速度(通常) 3.5km/h/s
減速度(非常) 5.0km/h/s
車両定員 先頭車xxx名・中間車xxx名
最大寸法(長×幅×高) 20,000 X 2,900 X 3,654 mm
1500番台は19,500 X 2,950 X 3,670 mm
車両質量 28~38t
軌間 1,067mm
電気方式 直流1,500V / 交流 25,000V 50/60Hz
歯車比 1:4.82
駆動装置 中空軸平行カルダン駆動方式、たわみ板継ぎ手使用
電動機 MT54形(120kW)
制御装置 抵抗制御(界磁添加励磁制御)
ブレーキ方式 電気指令式空気ブレーキ・回生ブレーキ
保安装置 ATS-G

姉妹車両

  • 姉妹車両として、同じく旧国鉄形車両を改造した70系が在籍していた。この系列はかつて415系を名乗る交直流電車であったが、種車は直流電車の113系と115系であった。

所属・運用

本系列は2024年3月に運用を離脱し、その後全て廃車となったため、現在所属・運用している車は存在しない。

かつて所属・運用していた線区

石岡車両センター(水イシ)

2007年4月1日の霞が浦線開業(鹿島鉄道から転換)にあわせて投入された3000番台が在籍していた。原則としてワンマン運転を行っていた。

2024年3月までの運用実績は以下の通り。

つくば車両センター(水ツク)

0・1000・1500番台が在籍していた。0番台と1000・1500番台とでは座席の配置が異なるので、運用が分かれていた。
転換クロスシート車の0番台は主に筑鉾線稲敷線内で使用していた。ロングシート車の1000・1500番台は主に古河線で使用していたが、筑鉾線・稲敷線でも使用していた。
2009年3月14日のダイヤ改正から2023年3月のダイヤ改正までは、埼央線直通の快速列車にも充当していた。
2012年10月、1500番台1編成の行先表示器が幕式からフルカラーLED式に、車内案内表示器がLEDドットマトリクス式から横長の液晶パネル2枚に交換された。実験的な要素が強く、結局、他の編成に波及されることは無かった。

2024年3月までの運用実績は以下の通り。


関連項目




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