今にも落ちてきそうな空の下で
突如鳴り響いた戦場ラッパ。そして……。
…………。
………。
……。
「──あそこにいる、あの男は……。滅亡の憂き目に会っているのか。それでも必死になって…。
だが、どうにか立て直したからといって、他の国に完全に置いていかれたとしたら…
……なあ、あなたは、どうしてそこまで苦労を背負い込むのだ?」
「そうだな…。わたしは“結果”だけを求めてはいない。“結果”だけを求めていると、
人はメインメニューに戻りたがるものだ…。リロードをした時、その先の楽しみを
見失うかもしれない。やる気も次第に失せていく。
大切なのは『最後まで向かおうとする意志』だと思っている。向かおうとする意志さえあれば、
たとえ今回は詰んだとしても、いつかは逆転にたどり着くだろう?
向かっているわけだからな…違うかい?」
「……羨ましいな。以前オレは…心の強いプレイヤーになりたいと思っていた…
このゲームを手にした時から…ずっと立派なプレイヤーになりたかったんだ。
かつてあんたのような“意志”を抱いていた事もあった。でも……」
「──そんな事はないよ……ユスティ。お前は立派にやってるじゃあないか…。
“意志”は同じだ。お前がCiv4を手に取ったばかりの時抱いていたその“意志”は、今…
お前のその心の中に再び戻っているのだよ…ユスティニアヌス」
「……!なんでオレの名を…知っているんだ? そういや、あんた、前にどこかで……。
もう、行かなくては……オレは皆の所に戻らなくては…!!」
「忘れたのか?ユスティ。お前はあれに乗ってここに来たのだ。
ここは終点なんだ……もう戻ることはできn」
「────陛下!陛下!幽体離脱なんてしてないで、さっさと戻ってきてください、陛下!」
「はっ!?」
「──何がでん、と構えてです。言った側から、口から魂飛ばしてなんて様ですか。
ご安心ください、戦場ラッパはウチの国ではありませんよ」
BC450 ハトシェプストがハンニバルに宣戦布告!
「どうやらエリザベスがハトシェプストに援軍要請を出した物かと思われます。
ハトは我が国とは敵対関係とまではいかなくとも、親密ではなかったので、我が国が
安全になるという意味では、これは逆に朗報といえるかもしれません」
「…それは何よりだ。危ない、もう少しで世界一強力な死亡フラグを
立てられる所だったよ>>科学相感謝」
「? はあ。お褒めに預かり恐縮?ですが」
「あとやっぱり鳴った瞬間ちょっと怖かったんで、後で弓術研究しておいてね」
「はいはい」
「ではキリキリ内政していきますよ。首都では図書館で科学者を雇用。数学を研究する予定なので
平和主義を採用できる哲学ジャンプを狙います。ファロス効果で大商人が生まれた場合は交易へ。
その場合は官吏に直接注ぎます」
「国境では対抗して文化施設を建設。ある程度の侵食は止むを得ませんが、第2都市の周囲1マス地域と
第3都市の牛は確保しておきたい所です」
BC325 異国の地でキリスト教創始のお知らせ。
「キリスト教…なぜだろう、不思議と惹かれる物があるが…。でも、未開人の宗教を崇めるとは!(-4)」
「…ですよねー。」
BC275、魚のある首都東の小島に、第5都市アンティオキア建設。
BC250、首都にて大科学者誕生。数学の研究完了を待って、BC200 道教がアンティオキアで創始。
研究は官吏の前に通貨を取り、交易路を増やす。
「さて、大分軌道に乗ってきたな。そろそろモアイを作るぞ。場所は首都だ」
「首都ですか?ニカエアなどは周り全部海ですし、そちらの方がいいのでは」
「後々で見ればそうだろうがな。だが、石も工房もない今の状況で素早く建てられるのは首都しかない。
要るのは後ではない、今だ。それにカタフラクトは移動の関係上やはり本土で用意すべきだろうな。
ニカエアは後で民族を立て、偉人都市にしよう。他はどうなっている?」
「一神教を自力研究し、建築速度増加のために組織宗教に切り替えていましたが、ニカエアの海洋資源×3に
全て作業船が到達しましたので、第5都市アンティオキアの灯台が奴隷で完成後カースト平和に
切り替えます。哲学は独占ですので、これを使って色々集めていけます。放出時期は如何しますか?」
「必要技術があれば即だ。自由主義は狙わないので秘匿する意味がない。
むしろ友好度のためにバラ撒いてもいいぐらいだ」
「わかりました。まあ、仏教連合とブル以外は戦争中ですので、頃合を見計らいます」
交換でスーリヤから暦を入手。世界地図を表示可能になった。これがその頃の世界地図。
宗教と主敵関係のせいで通商を結べないところもあり、地図はそんなに埋まっていない。
世界を変える一撃
そして、事態は大きく動く。
AD50 スーリヤヴァルマンがハトシェプストに宣戦布告!
「組織宗教を好むおかげで、寸前には「親しみ」に達していたこともあり、こちらに来る可能性は
限りなく低かったですが、ついにスーリヤが動きました。布陣はわかりかねますが、
ハトとハンニバルと戦争中の裏をついた格好ですのでおそらく猛侵攻するでしょう」
「BESTではないが、限りなくBETTERな展開だ。今のうちに完全な内政体制に入れ。
官吏が完成したら、官僚制と平和カーストを導入。研究は羅針盤だ。港を全都市に配備するぞ。
羅針盤は……4ターンか。1ターンだけ港にハンマーを入れ、5ターンの変更不可が解け次第
その時だけ奴隷制と組織宗教に戻す。そしてまた5ターン後、カースト平和を再導入だ」
「宗教志向が遺憾なく発揮されますね。と、官吏完成です。独占技術ですが……スーリヤが
親しみになっているおかげで、向こうの制限も解除されています。小銭をプラスすることで
鋳金と美学が入手可能ですが、いかが致しますか?」
「勿論即入手だ!どちらもカタフラクトラッシュの前準備に欠かせない技術だからな!
よし、これは大きいぞ。一気に研究時間が縮まった。特に鋳金は大きい。これで
第2、3都市の平原、ニカエアの小島などに工房を建て、官吏の灌漑で水田を引ける。
2回目の平和主義はやめて組織宗教のままで行くぞ。本土3都市に港の後、溶鉱炉を建てるのだ」
AD200 スーリヤと入れ替わるようにしてハンニバルとハトが和平。
エリザベスvsハンニバルは未だ続行。
AD250 メンフィス(ハトシェプスト)がクメールによって占拠!
「ユダヤ聖都がスーリヤによって占拠されました! 国境付近の物見によれば、
スーリヤの主力は既にクメール戦象(対騎乗+50%)です!」
「くっ……。仕方がない。それも侵攻時点である程度予想済みではある。
だが悪いことだけではないぞ。これで第2都市を圧迫していたハト文化が消えた!
開放された山地に鉱山を。暫定的に小屋を置いていた平地には工房を。草原には農場をだ!」
官僚制を口火に、怒涛のように続く開発と内政。そして、動く技術交換。
しかし、戦力はというと、首都に戦士1、第2に戦士1、第3に斧1、
第4に戦士1、第5に弓1、斥候代わりにまだ探索させてる戦士が2名。
開拓者を乗せるのに使ったガレーが1と、蛮族ガレー対策の三段櫂船が1。
モンちゃんやアレクがいたりしたらシド星の裏側からでも狂喜して攻めてきそうな陣容である。
「羅針盤完成です!奴隷制に変更、ニカエアで港を緊急生産。アンティオキアは灯台の時点で
人口不足だったので、まだ穀物庫を建設中です。しかし、今後は鋳金の入手と森林開拓の進行で、
本土側から鉱山と工房を提供できるようになるでしょう。
また、スーリヤが演劇を放出可能になっていますが」
「勿論、即獲得だ。独占技術だが向こうも独占技術だ。そうそう出回らん」
これによりビザンチンのUB、ヒッポドロームが建設可能に。
(ヒッポロドームじゃないよ! 今度は間違えないよ!)
文化+3、幸福+1、染料の代わりに馬から幸福+1、そして文化5%ごとに幸福+1。
文化に20%振るだけで、この建物で+6もの幸福を生み出すことができる強力な建物だ。
戦争屋の心強いお供である。
「外交と技術関係はどうなっている?」
「ユダヤ(ハト・ブル)とエリザベスとは相互を切っていますが、『用心』止まりです。
スーリヤとは『親しみ』、ダレイオスとハンニバルは『不満はない』です。
…と。ダレイオスが封建制を開発しています!まだ秘匿していますが」
「そのうちスーリヤたちも開発するだろうから、ほどなくしてテーブルに並ぶだろう。
もしそれで流れなかったら、哲学を無償で渡して、取引態度ボーナスで親しみにして獲得すればいい」
心配は杞憂で、次ターンにはテーブルに並ぶ。官吏と小銭を渡し、ギルドの前提、封建制を獲得。
各地で溶鉱炉・兵舎・厩舎・ヒッポドロームの建設など、カタフラクトに向けた
前準備が整えられていく。次々に貼られていく平原工房と灌漑を引いた草原農場がそれを加速する。
諦めなかったから
AD325。首都にて大商人誕生。
「科学者の方が産まれる確率は高かったんだがな。まあ、今はこっちのほうが助かる。
さて派遣先だが……大抵パンゲアでは、交易路+100%のアルテミスがある都市が結局一番だな」
「とはいいますが……。どうやってその位置を把握するのですか?
そもそも肝心の地図すらロクに埋まっていませんが」
「簡単だ。情報画面から、5大都市/文化遺産を調べればいい。そうすれば、最悪、設立国はわかる。
で、大抵の場合はその左の5大都市のどこかにアルテミスがあるはずだ。面白い物でな、この5大都市は
地図にのってなくても名前とそこにある世界遺産は表示してくれるのだよ。この場合はロンドンだな。
それと、大商人は通商を結ばなくても通行可能だ。後は国境から適当に歩き回れば辿り着くさ」
大商人はラクダを連れて、一路イギリスへ。激戦中のハト・スーリヤ軍を視察しつつ、のんびりと旅をする。
そして、技術は機械→ギルドを選択。研究90%文化10%(幸福対策)で駆け抜ける。
途中で当然の如く資金が尽きかけるも、ロンドンについた大商人が交易ミッションを行い
その豊富な資金で研究を続行する。そしてAD620。
とうとうギルドの研究が完了。これによりついにカタフラクトの生産が可能になった。
「やりました……!ついにあの状況から、ここまできました……!」
「ああ、見ろ。天も我々を祝福するような、突き抜けた青空だ。…ん……、あれは……?」
「(わたしゃここにいるよ……)」
「…、陛下?どうなされました?」
「……ははっ。いや、なんでもないさ。行くぞ、科学相。次はいよいよ、カタフラクトラッシュだ!」
「はいっ」