1 外見
「上品な美貌」とある。美貌の淑女と考えられる。(82話)
2 略歴
2-1 前世
宇宙歴796年7月31日、
サンフォード政権で前任が不名誉な贈賄事件で失脚した為、新たに
情報交通委員長に就任する。同年8月6日、政権浮揚を図る為に帝国領侵攻作戦・
諸惑星の自由を可決する為に強く主張する。だが帝国元帥・
ラインハルト・フォン・ローエングラム伯爵の焦土作戦で兵士の士気は低下や追加物資と食料による財政悪化で無理があるにも関わらず無謀にも侵攻を続けるように強調する。その結果、出兵した兵士・2115万9180人以上、占領地の民衆・3125万人以上の死者・重傷者・行方不明者を出し同盟を滅亡させる事態にまで至り僅か2か月近くで辞任するのであった。宇宙歴801年、
オーベルシュタインの草刈りで収監される。
2-2 逆行後
イゼルローン失陥にもかかわらず
内戦を続ける銀河帝国への出兵が取りざたされたときには、「
神々の黄昏(ラグナロック)」作戦をもっとも熱烈に支持した。(55話)
宇宙歴798年3月、帝国首星
オーディン陥落後の上院選挙で遠征推進派であるNPC主流派として圧勝する。(59話)帝国領占領地で「革命戦士」を名乗る暴徒たちが貴族など支配階級に暴行を働くようになると、彼らを擁護し放置させた。この言動は高く評価され、第四次ボナール政権では
国防委員長に抜擢された。(60話)しかし、戦局の悪化とともにその立場は揺らぎ始める。
宇宙歴799年1月、
フェザーンから帝国に送られる支援を断ち切り、帝国軍を継戦不能に追い込むことを企図して、フェザーン出兵を主張した。(63話)当時の同盟軍が稼働戦力のほとんどを帝国領遠征につぎ込んでしまっていたのを考えると、机上の空論と言わざるを得ない。会見のたびに「解放区の治安は改善に向かっています」と繰り返し、政府の信頼を失墜させた。(65話)
ラグナロック戦役が失敗に終わると、
国防委員長を引責辞任した。遠征推進派としての非難に対して責任転嫁に終始し、その声望を著しく落とした。(71話)結局新
最高評議会議長に選ばれたのは
ジョアン・レベロであり、その後任は
ホワン・ルイとなり、一時は最高潮に達した名声は完全に凋落した。
宇宙歴801年4月、かつて法秩序委員長として叩いた
ヨブ・トリューニヒトの復権を許すこととなる。保守派の立場から
トリューニヒト政権を批判したが、大勢に影響は与えなかった。この後、NPC下院院内総務を務めている。(79話)
同年11月、
統合作戦本部長ウラディミール・ボロディン大将らが一〇月クーデター(
民主政治再建会議のクーデター)を起こすと、復権を目指して再建会議派のNPC党執行部に離党届を叩き付けた。(81話)そして、
首都防衛軍司令官
エリヤ・フィリップス中将が結成した
市民軍へ参加した。(82話)クーデターの天王山となる
ボーナム市での戦闘では自費で傭兵一〇〇人と放水車五台を集め、リンカーン義勇旅団第三大隊の第五中隊(通称ウィンザー隊)を率いて奮戦した。(84話)
クーデター鎮圧後、義勇軍大尉から義勇軍少佐に昇進し、名誉戦傷章を授与された。また、NPC党執行部がクーデターを支持したため、NPCはテロ組織認定を受け、解散請求を下されるとNPC除名議員の指導者としてこれを受け入れた。その上で、市民軍で活躍した旧与党系政治家を集め、中道新党を結成すると発表した。(86話)中道新党
民主主義防衛連盟(DDF)がそれにあたる。(87話)
多数の国会議員・地方議員・首長が失職したため、統一補欠選挙が同年12月22日に実施されることが決まると、
エリヤに自党から出馬するなら、「好きな選挙区から出馬する権利」「党代表の地位」「選挙資金と別に裏金五〇万ディナール」を与えるともちかけた。(87話)結局、エリヤはどこからも立候補しなかったので、この話は流れた。
宇宙歴802年、
市民軍に加わり右翼とリベラリストとの団結の必要性に目覚めたレベロが新党
和解推進運動を結成し、党派の垣根を超えた議員連盟
財政危機と戦う議員連盟を呼びかけるとその役員として加わっている。(96話)
同年10月、
第九次イゼルローン要塞攻防戦が起こると、消極策を取り批判されているエリヤに対し
「勇者の中の勇者が臆病者のような戦い方を強いられているのです。フィリップス提督の苦衷を察すると、胸が張り裂けそうになります。一市民として、対帝国の聖戦を支持する者として、そしてフィリップス提督の戦友として、政府に要求します。今すぐ消極策を破棄し、フィリップス提督に新しい命令を与えてください。『ガイエスブルク要塞を総攻撃せよ!』と」
と、明後日の擁護を行った。
宇宙歴803年2月頃に
ハイメ・モンターニョ宇宙軍中将の辺境住民に対する横柄な態度が問題となると、モンターニョの言動を問題視する
第一辺境総軍司令官
エリヤ・フィリップス上級大将に横やりを入れ、エリヤの激しい怒りを買った。(114話)
同年9月、ラグナロック戦犯裁判において見苦しい自己弁護を続けた末、追及を逃れた。マスコミに向けて満面の笑みでコメントしている。同日、機密文書を故意に破棄した疑いにより告発されている。(116話)
3 能力
演説の名手であり、「透き通った声と計算された抑揚が荘厳さを醸し出す。」(55話)と
エリヤは評した。
トリューニヒト議長のスピーチを軽快なポップスとすると、ウィンザー委員長のスピーチは美しい聖歌だろう
4 性格
「トリューニヒト議長から自意識を差し引き、無鉄砲さを加えれば、この人になるのだろう。」とされている。ただ、市民軍での奮闘で見られたように、銃火器ではなく放水車を用意するあたり、相手を刺激して銃撃戦で死亡するリスクを低減させたうえで、最前線でのパフォーマンスに臨んでいる。無鉄砲なだけではなくリスク計算も行って、自らの身を危険に晒しているものと考えられる。かなり計算高い。
最終更新:2024年06月09日 09:16