ウラディミール・ボロディン(宇宙暦750年頃 - 宇宙歴801年)は自由惑星同盟の軍人。原作登場人物である。男性。

1 外見

 綺麗に撫でつけられたアイボリー色の髪、美しく整った口髭、洗練された軍服の着こなし、上品だが嫌味のない物腰。宇宙軍士官の理想を一身に体現したスマートな風貌。

2 略歴

2-1 前世

 宇宙歴796年の帝国領侵攻作戦「諸惑星の自由」に参加した同盟軍第一二艦隊司令官。ボルソルン星域においてコルネリアス・ルッツ提督率いる艦隊に旗艦以下八隻にまで撃ちへらされた後自決。後々までその死はヤンに惜しまれた。

2-2 新版

 宇宙歴793年まで第九艦隊副司令官を務めている。バルダシールシャンダルーアで活躍したらしい。同年の第三次タンムーズ星域会戦後、第一二艦隊司令官となる。この時宇宙軍中将に昇進。シトレ派
 宇宙歴794年2月上旬、銀河帝国が五個艦隊の動員を開始したという情報を受けてヴァンフリート戦役ヨハネス・ヴィテルマンス中将の第四艦隊、マッシモ・ファルツォーネ中将の第一一艦隊ジルベール・シャフラン中将の第六艦隊と共に動員された。(15話)同年3月頃のヴァンフリート星域会戦にも従軍する。(17話)
 宇宙歴795年の第三次ティアマト会戦ではシャルル・ルフェーブル中将の第三艦隊と共に遅れて戦場へ向かった。(31話)
 宇宙歴796年には第七次イゼルローン遠征軍の第四陣として艦隊を率い従軍。レグニツァの悲劇で遠征軍が総崩れする中、敵の攻勢を食い止め奮闘する。その後、宇宙軍大将への昇進を打診されるが「敗戦で大将が生まれるのはよろしくない」と固辞する。宇宙軍中将のままで宇宙艦隊副司令長官となり、第一二艦隊司令官を兼ねた。(46話)
 宇宙歴797年にヤン・ウェンリー提督が作成し、統合作戦本部が認可した帝国内戦介入作戦「槌と金床」において総司令官に内定する。(53話)
 宇宙歴798年の「神々の黄昏(ラグナロック)作戦」中に送られた増援部隊(レグニツァ軍)の司令官を務める。(62話)
 宇宙歴799年1月、宇宙軍大将に昇進、(63話)第七統合軍集団司令官に就任する。アースガルズ経由でニダヴェリール総管区に侵攻した。(64話)ニダヴェリール撤退戦を成功させ、最も軽微な損害でヴァルハラにたどり着いた。第二次ヴァルハラ会戦では第七統合軍集団宇宙部隊を率いて中央部に布陣。帝国の名将ウィリバルト・ヨアヒム・フォン・メルカッツ上級大将と互角に渡り合った。(67話)作戦終了後、宇宙艦隊司令長官代行を務める。その後、シドニー・シトレ元帥の引退に伴い、統合作戦本部長に就任する。(71話)
 宇宙歴801年には「軍は市民を撃ちません」と辺境への武力介入を拒否した。(76話)
 同年10月末、一〇月クーデター民主政治再建会議のクーデター)を起こし、ヨブ・トリューニヒト政権打倒を企てる。その人柄からクーデターを警戒していた国家非常事態委員会、首藤防衛軍司令官エリヤ・フィリップス宇宙軍中将からもほぼノーマークだった。(79話)クーデター中も一貫して市民、及び兵士の安全を第一に行動した。しかし、和睦交渉をまとめられなかったことで主導権を失い、褐色のハイネセンへの武力攻撃を許してしまう。この際、腹心のクリストフ・フォン・ファイフェル准将が絶妙なタイミングで降伏勧告を行っているが、おそらくは彼を含めたリベラリストの意向を受けて最悪の事態を避けるために行動したのだと予想される。(84話)ヤン・ウェンリー大将率いる復員支援軍によってイゼルローン要塞が陥落した後、クーデターの失敗を悟り執務室に立てこもる。トリューニヒトは全く無視し、エリヤと最期に面会。エリヤの本質を即座に演技者であると見破り、その上で
「フィリップス提督、君なら平和の使者を演じることもできるのではないか?」
「できません」
「人々が平和を望んだらどうする?」
「無意味な仮定です」
「いずれ現実になる。そう遠くないうちに我が国は分岐点に立つだろう、破綻するまで戦争を続けるか、同盟存続のために戦争をやめるかを選択する時が来るのだ」
「その時になったら考えます」
「先のことを考えるのは苦手かね?」
「はい。小官はあなたほど視野は広くありません。期待に応えるだけで精一杯です」

「いつか君は分岐点に立つだろう。その時になったら、私の言葉を思い出してほしい」
と言葉を交わした。その後、正装に着替えたうえで拳銃自殺する。デスクの上にバスタオルが何枚も重ねられ、血で汚さないように配慮されていた。(85話)

2-3 旧版

3 能力

 戦列を維持する手腕にかけては右に出る者のいない名将。堅実な戦いぶりで知られている。

4 性格

 同盟軍きっての紳士として知られる。変わり者を見ると「若者はこうでないと」と目を細めるような性格。
 賢明で度量のある人物。他の良識派とは違って、エリヤ個人に敵意を向けることもなかった。
 民間人に被害が出ることを良しとせず、兵士の被害も可能な限り軽微に済ませようとする人物。


公職
先代:
ヨハネス・ヴィテルマンス   
    自由惑星同盟宇宙軍    
第一二艦隊司令官
宇宙歴793年?月 - 宇宙歴799年?月
次代:
解散         
先代:
新設         
    自由惑星同盟軍    
第七統合軍集団司令官
宇宙歴798年1月 - 宇宙歴799年?月
次代:
解散         
先代:
シドニー・シトレ   
    自由惑星同盟軍    
統合作戦本部長
宇宙歴799年?月 - 宇宙歴801年11月
次代:
アレクサンドル・ビュコック   
最終更新:2022年02月04日 19:57