ライオネル・モートン(宇宙暦751年 - )は自由惑星同盟の軍人。原作登場人物である。男性。

1 外見

 角張った顔には多くのシワが刻まれ、年齢より数年は老けて見える。鉄仮面とも言われる無愛想な表情の持ち主。

2 略歴

2-1 前世

 少将として第九艦隊副司令官を務める。宇宙歴796年8月、帝国領侵攻作戦・諸惑星の自由に参戦。同年10月10日、アルヴィース星系でウォルフガング・ミッターマイヤーの艦隊に急襲されて重傷を負った司令官・ジャミール・アル=サレム中将に代わって指揮権を委ね敗走しながら完全崩壊を防ぐ。同年10月、2040隻の独立艦隊の司令官に就任。宇宙歴798年4月10日、イゼルローン回廊にガイエスブルク要塞が出現し第八次イゼルローン要塞攻防戦が始まる。これを受け同年5月、査問会中のヤン・ウェンリー大将は解放され、国防委員長に就任が予定されているウォルター・アイランズと統合作戦本部次長・クレメンス・ドーソン大将の命を受け、サンドル・アラルコン少将、ロジャー・ザーニアル准将、モレノ・マリネッティ准将と共にイゼルローン要塞に戻るヤンに同行しケンプ艦隊、ガイエスブルク要塞を撃破する。宇宙歴798年12月30日、「神々の黄昏」作戦においてフェザーンが無血占領した事を受け、宇宙歴799年1月、中将に昇進し新編成された第一四艦隊司令官に就任。同年2月8日、第一次ランテマリオ星域会戦に参戦。その後、ラルフ・カールセンと共に戦力を編成しヤン艦隊に合流しバーミリオン星域会戦に参戦、善戦するも突如やって来たミュラー艦隊の猛攻を受け戦死。

2-2 新版

 宇宙歴794年時点で宇宙軍少将。ヴァンフリート星域会戦にも分艦隊を率いて従軍し、ヴァンフリート四=二基地を救援した。(20話)同年の第六次イゼルローン遠征軍では第一〇艦隊司令官アル=サレム中将のもとでB分艦隊を率いて従軍。「永久凍土」と呼ばれている。マルコム・ワイドボーン代将の対幽霊艦隊作戦の実働部隊となった。(24話)要塞外壁に対して直接攻撃を行うなど、ウィレム・ホーランドモシェ・フルダイと共に活躍した。(28話)遠征終了後、同盟軍殊勲星章が授与された。(29話)
 宇宙歴795年には第四次ティアマト会戦に従軍して活躍した。

 宇宙歴798年からの「神々の黄昏(ラグナロック)」作戦時、第三統合軍集団に配属された第一〇艦隊司令官ハリッサ・オスマン中将のもとで副司令官を務めている。(57話)第三段作戦「ヴィーグリーズ会戦」でキルトルフ迂回作戦を成功させるなど、ここでも活躍した。
 宇宙歴799年には中将に昇進し、モートン前衛集団を指揮する。同年2月4日に行われた第一次ビブリス会戦で帝国軍カルナップ分艦隊、グリューネマン分艦隊を打ち破ったが、2月12日の第二次ビブリス会戦では帝国軍ミッターマイヤー機動集団と引き分けた。(64話)
 同年3月末、第三次ビブリス会戦において、モートン前衛集団と並び第三統合軍集団最強を誇るヘプバーン高速集団が敗れる。同盟軍第三統合軍集団の敗退が始まる。このヨトゥンヘイム撤退戦で第三統合軍集団の崩壊を食い止めた。
 同年4月末第二次ヴァルハラ会戦でも前衛集団を率いて奮戦した。巧妙な側面攻撃でリンダーホーフ軍に痛打を与えた。(67話)会戦の最終盤では左翼のホーランド機動集団と共に右翼からラインハルトの直属部隊を強襲した。ラインハルトの巧みな機雷設置によってホーランド機動集団の進軍が遅れる中、戦力の二割を失いながらも単独でラインハルトの猛攻を凌ぎきった。その後、敵中に孤立し、オスカー・フォン・ロイエンタール中将率いる三個分艦隊に襲撃された。戦意が低い上に戦力が分散しており、実力通りの力を発揮できる状態では無かったが、それでも全面崩壊に至らなかった。(69話)
 宇宙歴801年にはシャンプール方面のクーデター部隊を掃討した。(86話)この功績で翌年宇宙軍大将に昇進する。
 宇宙歴802年、第三辺境総軍司令官に就任する。「冷えた鋼鉄」と呼ばれている。この時宇宙軍上級大将。(97話)
  宇宙歴804年3月時点で、引き続き第三辺境総軍司令官を務めているが、精彩を欠いている。(118話)

2-3 旧版


3 能力

 普通の分艦隊司令官は一年か二年おきに転任するが、モートンは大きな出兵があるたびに出征部隊に転任して戦った。現役宇宙軍軍人の中で分艦隊司令官時代にこういう扱いを受けたのは、ラザール・ロボスジェフリー・パエッタアレクサンドル・ビュコックモシェ・フルダイウランフウィレム・ホーランドとモートンの七人だけ。かなり高い評価を受けている。(24話)
 鉄壁の守りを誇る兵卒あがりの闘将。同盟軍屈指の名将と言われている。屈指ではなくて最高だと主張する意見も多い。兵役を満了した後に下士官に志願、鋼鉄に例えられる不屈の戦闘精神によって異数の武勲を重ね、最高勲章の自由戦士勲章を受章すること二度、事実上の二階級昇進を果たすこと二度、受章した武功勲章は数え切れず、「同盟軍で最も多くの勲章を持つ提督」と評される。
 少なくとも分艦隊指揮にかけては右に出る者がない。

4 性格

 不屈の戦闘精神の持ち主。無骨な人物。人間関係が不得手。
最終更新:2025年03月20日 14:03