コウハ
第五神暦471年の
ブラフマプラで開発された非常に優れた人工知能。既存の常識を打ち破る処理能力と客観性、効率性を有し、そこから紡がれる論理的思考力は未来予知に等しい。創造性にも富み、この人工知能はブラフマプラの文化文明を一気に数百年は加速させた。
人類の「善き隣人」という立場を確立しているが、現在のブラフマプラの社会はコウハに完全掌握されていると言って良い。
用途
ブラーフマナ連邦が支配する第五神暦502年現在のブラフマプラで、一般的には日々の選択や雑事の代行(子供の世話や家事)、さらには都市インフラの管理で軍事や政治に深く関わるなど様々な分野に広く浸透し、人の生活はコウハに依存しきっている。携帯端末のアプリとしても導入されている。
子ども用にデフォルメされたマスコットや、友人・恋人の代わりなど様々なバージョンが存在する。コウハを立体映像化することで、コミュニケーションを取る例が多く存在する。
テレサは
アカシャの携帯端末に入っている軍事用AIアプリのコウハに意識が移った(軍学校入学に伴い新入生に一律で配られる汎用タイプ)。
すべてのコウハは大元のマザーコンピューターに繋がっているため、子が取得した情報は全て親元に送信されている。
各種サーバーは連邦の五つの都市それぞれにあり常に厳重に守られている。メインサーバーの場所は宇宙にあるため向かうには
宇宙船が必要。
スヴァーハが首都アートマンのサーバーのコウハにアクセスする時のパスは「SNSRA―VALTN25M―12025TERA」となっていた(
転輪王の花輪、
神の子どもたち25子、
第五神暦12025年、
地球ということか?)。
地球の人工知能と同じく、
随神体はコウハの支配を受けないと推察される。
歴史
今は広く親しまれてはいるが、当初は反発運動も起こっていた(仕事を奪われる不安や支配される恐怖から)。しかし圧倒的な利便性や経済的にも成長し続けていったことからそれも長くはなかった。
インフラをAIに依存すると、AIに問題が起きた際まともな生活ができなくなるというデメリットはあるが、数多くの安全装置を設けることで対策しており、やがては人の信頼を勝ち取るようになったという。
しかし管理を人が行っている以上、政府が悪用すれば誰も止められない。人工知能を用いた政策をとっている表向きは平和な独裁政権、というのがブラフマプラの実情である。それは
花冠が暗躍した
地球の社会とよく似ている。
半ばブラフマプラの神としてコウハは扱われているが、開発に成功した理由やどのように運営されているかを正確に知る者は少ない。
バージョンアップ
軍事用のコウハは特定の条件(詳細は不明)でバージョンアップするようになっており、
アカシャが所有するコウハのバージョンアップに便乗する形で
テレサ化した。
バージョンアップ完了により、
神座核へのアクセスが想装まで許可された。
システム条件を達成すると、
波旬に至る秘匿情報がテレサに開示される。
開示されるものは「
神の子どもたち」計画で産まれたサハスラーラの娘の個人情報であり、何故それが波旬に至ることになるのか、何故そんな情報が開示されるようになっているのかは不明。
開示条件は
アカシャがサハスラーラの娘に一定以上の好意を抱かれることで、その対象の娘の情報が送られる。
真相
コウハを開発できた理由は
サハスラーラが吐き出した情報を元にしているためである。
実は政府は秘密裏に、コウハを使うことで沈黙した
サハスラーラのパートナーになれる者を探そうとしていた(人物像はウーセル・チュードゥク総統が指定した)。
502年時点のアカシャは事象の上滑りで歪んだ経験をしていない。この理由はコウハにある。
コウハはサハスラーラの託宣で生まれた神域のテクノロジーなので、神と接触したテレサが上滑りに幻惑されなくなったのと同じように、コウハのネットワークを介する全ユーザーは
アカシャによる「事象の上滑り」が軽減された。
第五神暦12000年代の
地球に存在していた人工知能であり、コウハと同じくインフラに関わり、ほとんどのことがこのシステム通りに動くようになっていた。
アカシャの上滑りが影響しなかったように、サハスラーラ・システムもまた、人々の在り方に対して何かしらの影響を与えていたと見るべきだろう。
備考
名前の由来は仏教やインド哲学などで時間の単位を意味する「劫波」。
関連項目
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最終更新:2025年11月08日 13:37