自衛隊がファンタジー世界に召喚されますた@創作発表板・分家

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第九話「サリアッル」

「着きましたか……」セルラが言う。召喚されてから三日、私たちは当初の目的地、サリアッル港に着いた。
そこには、広い港を埋め尽くす大量の艦船が停泊していた。
ガレー船などの旧式帆船がこうもたくさん集まった光景を未だかつて見たことは無い。
「ゴーレム輸送艦33隻、魔法攻撃艦47隻、兵員輸送艦129隻、対空戦闘艦98隻、高速護衛艦78隻、攻撃艦83隻、大型補給艦23隻……計491隻だ」
芳野さんが、簡単な説明をしてくれる。
「迎えのボートが着たら、王都へと向かうぞ。その前に、ここの料理屋へ休養に立ち寄るか?」
レイオンが聞く、私達は真っ当なご飯を食べたので、すぐに行くことにする。

私達は、くじ引き(多少の細工があるのは秘密中の秘密)で三日月と赤松を残し、上陸する。
護衛にはヘイズと、薗谷他3名。全員が9mm拳銃を携帯。護衛にはそれに付け加え小銃を持たせてある。
王都“エミメニート”はサリアッルから5kmほど内陸にあるらしい。
私達は……馬?(牽いているのは馬ではない何か。足が8本)車に乗ってそこへ向かう。
レイオンたちは、サリアッルにまだ用事があるようで、セルラのみ同行している。
港は、とてもにぎやかだった事が伺える。しかし、今は多数の兵士たちがそこを占有している。
道中、たくさんの兵士と会ったが、歓迎されているわけでもなく、また、疎まれているわけでもなかった。ただ、妙に悲しい目をしていた。
その原因が私達なのか、それともドラゴンか、あるいは他の何かかはわからなかった。
道中は基本的にヨーロッパの田舎町といった感じだった。ただ延々と広大な野原が広がったいる。
そして、乗車? してから約1時間後、ようやく、王都、エミメニートに到着する。
そこは、町というより、巨大な城だった。


「そのとうり、ここは町というより、城郭だ」サリアッルに残ったはずの芳野さんが説明する。
どうやってきたんだ?
「私も始めてみたときは城だと思ったよ。ここは多数の堀と石垣に覆われた街だ。
中央に城はあるが、それ以外は衛兵や文官、そして、その家族の居住区と、武器弾薬の倉庫、兵糧庫。
そして、大商人の店や市場だ。王が変わるたびに増築していっているから、今後もでかくなるだろう。それと、一番新しいところの建築を指揮したのは私だ」
芳野さんが続けて解説してくれる。なるほど、道理で外側は微妙に和風なわけだ。
力攻めではまず無理な堅城だ。自衛隊でも相当てこずるぞ。
「ところで、どうやって私たちより早く着たんですか? サリアッルに残ってましたよね?」
「ああ、あいつは空間魔法を攻撃用に使っているが、本来は移動とかの補助的な意味合いが濃いんだよ」
ようするに、瞬間移動の類ですか。
「それじゃ、ここにのって」そういって、門の横の四角いスペースに誘導する。
「ここは、この町にいくつか設置されている空間魔法の使用許可場だ。
警備のため此処の大半は対空間魔法防御魔法で覆われている。
別に使わないならいいが、ここから城まで歩きで2時間ほどかかるぞ」……どんだけ大きいんだ。
唖然としている間に他の全員はそれを使う事に決めたようだ。私はあわてて付いて行く。
そして、全員が入った瞬間、ぐるりと風景が周り、何週かすると、そこは別の場所だった。
「全員いるわね」門のそばで待っていたシェリーが言う。
「ああ、全員だ」艦長が言う。
「それじゃあ、案内するわね」
そして、白い石でできた廊下を渡る。かなり長いな。そして、大きな門へと到着する。
そこをくぐると城の中だそうだ。
「こっちよ」そういって私達を誘導する。
廊下の左側には大きな肖像画がある。どれもリザードマンだ。
「さあ付いたわよ。王の間に。言っておくけどここは武器の携帯禁止ね」
衛兵に武器を預けて中へと入る。
「ようこそ、リスノルへ」
そこには、鎧を着たリザードマンがいた。
「第73代目リスノル王国国王のタルウィスだ」


……気まずい。誰も何も喋らない。
あれから、私達は隣にある部屋に通された。
そこは、食堂のようなところで、まだ、何人か着ていないようなので、ここで昼食(ドラゴンのステーキ、普通のパン、何かのスープ)を食べている。
そして、ステーキを食べようとしたら、部屋に10人ほどの人間とリザードマンが入ってきた。
「おそかったな、リュラクラーチ」芳野さんが先頭を歩く白衣の老人に言う。
「まあな、予想より早かったし、こっちもファルノル関係の話で色々面倒だったんだ」
「では、全員そろったところで自己紹介を始めよう。さっきも言ったが、第73代目リスノル王国国王のタルウィスだ。よろしく頼む」
「リスノル王国魔法大臣兼王国軍特別軍事顧問、リュラクラーチ・フィルンイッサ」
「リスノル王国第一皇女のリイスレフです、以後……があればですけれどよろしくお願いします。
それと、弟が何か無礼な事をしませんでしたか? 弟は政治の話題はからっきしダメなので」リザードマンの女性が言う。
「姉様、あまり人に言われたくない事を他人に言わないでください」レイオンが敬語を使って言う。
「あら、本当の事じゃない」
「ゴホン、私語は後にしろ。アンシェル」王が止める。
「第二王子のアンシェルです、兄様がお世話になりました」
「海軍提督のサロナヴィ・ディス、人間です。息子のセルラがお世話になりました。息子はどういうわけか船に弱くて……」
ブロンドの髪のがっしりとした男が言う。
とても、あの茶髪でひ弱そうなセルラの親とは思えない。母親に似たのだろうか?
そして、全員の自己紹介が終わる。
「では、本題に入ろう。レイオンたちが説明したとうり、わが国は深刻な危機に直面している。
ここ、エミメニートから、西に700km以上はなれたリスヴァ諸島、ここではドラゴンの大量繁殖により、巣立ちと呼ばれる行為が盛んになっている。
これは、長距離非行型と呼ばれる飛距離が通常より長い距離を飛行可能な形体に成長し、大群で襲来する行為を言う。
ここに到着するころには、弱っているため撃退は容易だが、近年はその数が大きく、とても対処しきれない。
討伐のための艦隊を向かわせたんだが……まあ、レイオンが言ったように失敗した。
そして、ファルノルの不審な行動により、艦隊の規模が通常以下となってしまった。
そこで、魔法大臣のリュラクラーチの提案した、召喚魔法[クヴァノク]の使用を実行した。
本来は、デルタール海峡での騒動がいったん収まるまで待つべきなのだが、
魔法省がシェリーの祖母で師匠のモルアイディの研究開発した[クヴァノク]の実験使用をしつこく要請していたのもあり……結果許可する事になった。
これには、魔法技術の継承とか、素人の私にはよくわからない複雑な要素があるんだ。君達には本当にすまないと思っている」
……されるほうにしてみたら、「実験のためにこうなりました」なんて言われたら、怒るどころじゃすまないぞ。
「さて、では実際の戦闘のことを話そう。我々のほうで参加するのはサリアッルに待機している艦の全てだ。
君達にはそれに同行し共同でリスヴァ島のドラゴンの殲滅に当たってもらいたい。
指揮権に関しては君達に一任しようと思うが、いいかね?」
「わかりました、そうさせて頂きましょう」勝手な行動されたらかまわないもんね。
そのほかに、様々なことを話し合ったが、ここら辺でいったん終わろう。
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  • 召喚護衛艦[たかお]
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