自衛隊がファンタジー世界に召喚されますた@創作発表板・分家

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第五話「共闘」

「消火、完了しました」
「ありがとう。これからも頼む」艦長が、消火作業をしていた乗員をねぎらう。
「さて……取りあえずは魔法対策を考えましょう」と、三日月が言う。
「さっきのは、おそらくフェルルールでしょうね……」と、伊吹が言う。
「だろうな……問題なのは、オルターヌとパルクスだな。
これは何が起こるかイメージしずらい」赤松が言う。
「餅は餅屋に任せたらどうだ?」伊吹が提案する。
「彼らは何年もドラゴンと戦っているんだ。いい対抗策を知ってると思うぞ」
「それは……そうだが……」はっきり言って、彼らに「すいません、魔法が怖いです。協力してください」
なんていいたくない。
「迷っている時間はありません」三日月も言う。
「わかった。副長、監視もかねて交渉に言って来い」艦長が決定する。
「了解しました」上の言う事には逆らえません。はあ。



「手伝い? いいよ別に」魔女が言う。
副長がさっき士官室に戻ってきた。どうやら魔法対策に力を借りるつもりらしい。
「結構簡単にOKするんですね」副長が驚いたように言う。
「あの鈍感蛇頭やろうと一緒にいたくないしね」おいおい、上司にそれ言っていいの?
「そうだな、年齢詐称の自称美少女魔法使いとは可能な限り同じ空間ですごしたくない」
うわ、女性に酷いことを言っている……。
「じゃあ決まりね。ハルーン付いてきて」エルフのハルーンが付いていく。
「ああ、僕も行きます」人間のセルラも付いていく。
副長を含めた4人が士官室を出て行く。
「大丈夫ですか?」私は芳野さんに聞く。
「大丈夫だろう。魔法使いと言うものは歩く砲台みたいなものだからな。それに……」
「それに?」
「シェリーは生きた戦艦そのものだよ」
「はあ?」

『こちら、CIC。そっちは大丈夫か?』
『はい、配置は終わったようです』そして今、私たちはヘリ甲板にいる。ここが魔法を使うのに一番いいらしい。
『わかった、期待させてもらうと伝えておけ』
『了解です艦長』
「シェリー、艦長から『期待させてもらう』と言われた」とりあえず伝える。
「ご期待に沿えるよう努力します。そっちの方も大丈夫ですか?」
「ああ、別に無理しなくてもいいぞ」
「心遣いあいがとう。さてと、五分後に攻撃開始でいいよね? 早く、海に叩き落したいんだけど」
「ああ、そうだ」物騒なこと言うなこいつ。
「それまで下準備でもするか。ハルーン、防御は任せたわよ」
「はい……」エルフの扱いが酷い。


そして、そうこうするうちに時間になった。
手始めに、スタンダード対空ミサイルを発射する。相手はそれなりに密集しているので巻き添えを期待しよう。
発射したのは全部で6発……そして、その全てが命中する。
「さすが……異界の技術は伊達じゃないな」まあ、わけのわからない魔法よりはいいだろう。
「シェリーさん、パルクスがきます数は10!!」エルフが警告する。けどあいつは……。
「任せたぞ!!」さらにひどいことを言う。
「はい?」
「だから防御はあんただけ、私は攻撃に専念するから」
「はい……」かわいそうに……。
ドラゴンの方向を見ると白い光が高速で迫っている。あれが魔法か?。
そして、距離が1kmをきったときだった。海面が一気に凍りつく。成功か?
「おい、一発はずれているよ!!」だが、一発はずれたらしい。軽い衝撃が船体を揺らす。
「ええっ!! すみません!!」
「あんたは肝心なところでミスするよね!!」テメエは何をやった?
「なら、手伝ってくださいよ!!」いいぞ、もっと言ってしまえ。
「私は空間系と妨害系に特化してるんだって!! 私じゃ一発防げればいいほうなんだよ!!」逆切れするな。
「二人とも落ち着いて!!」セルラが止める。酔って無くても頼りない。
私は彼らを無視して、CICに連絡を取る。
『パルクスが当たったそうだが大丈夫か?』
『主砲が……』伊吹につながる。
『MK45がどうした?』
『主砲が凍った……。発砲不能……』
『……really? 』
何故か英語になってしまう。とりあえず、彼らに文句を言おう。
「二人とも、今ので主砲が凍ったぞ!!どうしてくれるんだ!!」
「ああ、ごめん……」
「すまなかった……」
「ああ、もうどうするんだよ!!」主砲と後ろのファランクスが使用不能。
ミサイルの総数も限られている。かなりやばい。
ちょうどそのときだった。格納庫上部のミサイルVLSに格納されたいたスタンダードミサイルを撃ったのは。
発射したのは全部で12発。そしてその全てが容赦なくドラゴンを海面に叩き落す。
「さあて、本気出すか」シェリーが本気を出したのも……。


手をドラゴンの編隊を指でなぞる。
「イカ・ウセスベ」そう、唱える。
そしてたったのそれだけで、20羽以上のドラゴンがその赤い血を噴出して落ちていく。
「何したの? 彼女……」驚いて、開いた口がふさがらない。
「ずらしたんですよ」セルラが答える。
「イカ・ウセウベは基本瞬間移動用の魔法ですけど、
彼女の場合、“移動”ではなく“破壊”にも使っているんです」
わかりにくい説明だな。
「もう少しわかりやすく」
「人の首から上を転移させたら、どうなります? 首を切ったのと同じ結果となります。
それを応用して、ほぼ全ての物体をきる事ができる“剣”として使っているんです。わかり辛くてすみません」
「いや、だいたいわかった」怖いな……。そんなに強かったのか? 彼女……。
ドラゴンの数は先ほどのを含めて約半分の40羽となった。
「そろそろ、フェルルールがくるけど大丈夫?」
「3分程度なら余裕です」
「わかった、頼んだぞハルーン」
すでに距離は2km前後に迫っている。
そろそろファランクスの射程圏内だ。
ファランクスの攻撃でさらに20羽が落とされる。残り20羽。
そして、同時に左舷の方向で爆発が起きる。ここからでもそれなりに熱い。
「やりました!! 全部、防ぎきれました!!」エルフが言う。
「バカ!! それができて当たり前なんだよ!!」酷い、酷すぎる。
「まだ若いのに……」
「エルフ基準を押し付けるな!!」たしかに、エルフって長生きだしな。……いったいいくつなんだ?
「ちょっと、二人とも後ろに来ましたよ!!」
ファランクスの射角から逃れるため、ドラゴンはに後ろへと移動する。
後ろのファランクスは先ほどの戦闘で破損している。まずいぞ。
「じゃあこれで終わりにするかにするか」そういってドラゴンに向けて手を振る。
「さよなら、せめて苦しまずに逝きな〈イカ・ウセスベ〉」
15羽前後のドラゴンが一瞬で、粉微塵となる。
ピタピタ
雨だろうか? 何か降ってきた。
だがそれは、雨粒ではなく。かつでドラゴンだったものだった……。
「ウワァッ」
驚いて尻餅をつく。
そしてどうしようもない吐き気に襲われる。
無理もない。甲板には翼だったもの、目玉だったもの、
脳みそだったもの、肉だったもの、骨だったもの、その他、どの部位か解らない肉片と血で赤く染まっていた。
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  • 召喚護衛艦[たかお]
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