労働法


【基本書】

〔メジャー:基〕

  • 菅野和夫・山川隆一『労働法(法律学講座双書)』弘文堂(☆2024年4月・第13版)……労働法全分野にわたる実務法曹必携の最も権威がある体系書。会社法で言うところの江頭・株式会社法のような存在。最近は、厚生労働省関係者も改訂に関わっている。結論は概ね穏当で、多くの論点で判例を部分的ないし全面的に肯定する。しかし、それは判例の背後に内在する利益考量を精緻に分析したうえでの判断であり、全体を通じて理論書としての高度な学問的水準を維持している。単なる実務の手引書ではない。特に、団体的労使関係法の分野では、西谷と双璧をなす硬質な解釈論を展開する。文章自体は分かりやすく読みやすいが、大部であり司法試験に出題されない分野も多く含まれているので、メインではなく辞書として利用する人が多い。しかし、受験対策上重要と思われる箇所は、できる限り精読しておきたい。第13版から、弟子の山川が共著者に加わった。非典型労働者に関する章のみ第3編の最後に移動した。全5編、全18章。A5判、1408頁。
    著者(菅野)の自伝(聞き手・岩村正彦・荒木尚志)『労働法の基軸―学者五十年の思惟』有斐閣(2020年5月、四六判、396頁)も菅野説を理解するのに役立つ1冊。

  • 水町勇一郎『労働法』有斐閣(☆2024年3月・第10版)……判例をベースとした豊富な設例を用いて労働法を解説する教科書。約2年ごとに改訂。序章において大きく紙幅を割いて、歴史的・社会的背景から労働法・判例の解釈や変遷を社会学的に分析している点に特色がみられる。内容は平易で、概ね通説的な解釈に終始しており、分かりやすい。組合関係法はやや薄いが、司法試験には充分な情報量があり、学生のみならず法務担当者にも人気がある。第10版において、旧版(2022年3月・第9版)刊行以降の法令改正や判例の最新の動きをフォローし内容の充実が図られた。全6編、全14章。A5判、532頁。

  • 荒木尚志『労働法』有斐閣(☆2022年12月・第5版)……労働立法の展開と労働関係の特質を踏まえた労働法体系書。個別的労働関係法を労働保護法と労働契約法に二分し、労働契約法を体系に取り入れている。理論派の体系書であるが、結論は判例及び菅野説に近く、安定感がある。専門である労働時間、労働条件変更法理についての記述は詳しい。第4版において、格差是正法制、高度プロフェッショナル制度、労働時間の上限規制、ハラスメント対策法制、さらには2020年改正による賃金債権等の消滅時効、副業兼業の新規制、70歳就業確保措置までに対応。第5版では、育介法,職業安定法等の改正のほか,有期雇用者の待遇を巡る最高裁判決等に対応。全4部、全27章。A5判、978頁。


〔その他:基〕

  • 水町勇一郎『詳解 労働法』東京大学出版会(☆2023年9月・第3版)……労働法についてある程度知識や経験をもっている実務家、研究者を読者として想定した専門書。単なる実務書でなく労働法の歴史・理論に根ざした体系書となるよう心掛けた(はしがき)。労働法専門弁護士、社労士、元厚労省官僚、研究者からなるプロジェクトチームによる検討を経ているため記述内容に安定感がある。見かけのボリュームに圧倒されるが、比較的大きいフォントが用いられているのでそこまで情報量が多すぎるわけではない。全6編、全42章。A5判、1576頁。
    水町勇一郎『水町詳解労働法 公式読本 理論と実務でひも解く労働法 Q&A300』日本法令(2022年7月、A5判、312頁)も参照。

  • 西谷敏『労働法』日本評論社(2020年5月・第3版)……著者はプロレーバー(労働者寄り)労働法学を代表する存在。憲法から説き起こし、労働者の自己決定を尊重する。読者として学生をかなり意識しており、判例および代表的な学説(多くは菅野説)をしっかりと紹介したうえで、必要に応じて自説を展開する。判例の分析は客観的になされており、大変わかりやすく、問題状況を的確に描出している。なお、同著『労働組合法』有斐閣(2012年12月・第3版)は、学界を代表する本格派の体系書である。菅野労働法とともに、労働訴訟に携わる実務家(特に、労働者側の実務家)にとっては必携の体系書であるといえる。第3版において、「働き方改革」関連法などの法改正に対応。全4部、全25章。A5判、836頁。

  • 浅倉むつ子・島田陽一・盛誠吾『労働法(有斐閣アルマSpecialized)』有斐閣(2020年4月・第6版)……アルマにしては比較的厚い。通読用。1 「労働法の魅力」、2 「労働法のダイナミックス」、3 「労働のステージ」、4 「私生活と労働生活のデザイン」、5 「集団的労使関係システム」、6 「変容する労働市場と法」の全6編、全23章。第6版において、第5版刊行(2015年4月)以降に行われた労働基準法や労働契約法などの重要改正や新しい制度への対応をはじめ、各所をアップデート。四六判、554頁。

  • 両角道代・森戸英幸・小西康之・梶川敦子・水町勇一郎『労働法(LEGAL QUEST)』有斐閣(2020年3月・第4版)……新進気鋭の筆者5人による学部生向けの概説書(第4版において、小西康之が新たに著者に加わった)。章末には演習問題(解答なし)もついている。コラムも充実しており、内容的には他のリーガルクエストシリーズに比べても悪くない出来栄えだが、筆者の一人である水町勇一郎教授の体系書と位置づけが被っている。第4版において、働き方改革関連法を中心とする、旧版(2017年3月・第3版)刊行以降の法改正や、近年の重要判例に対応。全5編、全24章。A5判、424頁。使用者は少なく改訂が遅れている。

  • 土田道夫『労働法概説』弘文堂(☆2024年1月・第5版)……労働法全分野を概観。概説&判例ベースの事例を使用した論点解説というスタンダードなスタイルの教科書。「企業・労働者・雇用社会の最適な利益調整」という視点から事例を丁寧に分析している。人事で使用される文書例、図、グラフの使用、砕けた表現など働いたことがない学生でも労働法のイメージが掴みやすいように配慮されている点が特徴的である。個別事例の利益考量分析が丁寧な点は司法試験向きであるが、自説の主張が強い。全18章。A5判、536頁。

  • 名古道功・吉田美喜夫・根本到編『労働法I、II(NJ叢書)』法律文化社(2012年10月、2018年5月・第3版)……2分冊のスタンダードな教科書。Iは「集団的労働関係法・雇用保障法」を、IIは「個別的労働関係法」を扱う。基本的に労働者よりであるが、判例のみならず、西谷説、菅野・荒木説もきちんと解説している。菅野・荒木説が肌に合わない人のためのAlternative基本書。Ⅱ(個別的労働関係法 )の第3版は、労働者派遣法等、旧版(2013年3月)刊行以降の新たな法改正や「働き方改革」に伴う立法動向を踏まえ大幅に改訂。全8・15章。A5判、286頁・420頁。

  • 中窪裕也・野田進『労働法の世界』有斐閣(2019年4月・第13版)…第8版(2009年4月)から横書きに変更し、内容にもかなり手が加えられた。一人の人間が会社に雇用されてから解雇されるまでに問題となる法律を解説するという独特の体系を採っている。記述が全体的に薄く、とっつきにくい面もあるが、問題点は網羅的に取り上げられている。まとめ用。第13版において、働き方改革関連法に対応。全27章。A5判、556頁。第13版は評価待ち。

  • 山川隆一『雇用関係法(新法学ライブラリ 22)』新世社(2008年4月・第4版)……全12章。A5判、352頁。

  • 片岡曻著、村中孝史補訂『労働法1 総論・労働団体法(有斐閣双書)』有斐閣(2007年6月・第4版)……全7章+補論。四六判、404頁。

  • 片岡曻著、村中孝史補訂『労働法2 労働者保護法(有斐閣双書)』有斐閣(2009年1月・第5版)……全8章。四六判、458頁。

  • 小西國友『労働法』三省堂(2008年8月)……全2部、全14章。A5判、592頁。

  • 渡辺章『労働法講義 上(総論・雇用関係法I)・下(労使関係法・雇用関係法II)』信山社(2009年8月、2011年12月)……全14・10講。A5変型判、768頁・640頁。

  • 山川隆一編『プラクティス労働法(プラクティスシリーズ)』信山社(2022年3月・第3版)……基礎を的確に身につけるコンセプトで作られたテキスト。第3版は働き方改革などの重要改正を反映。執筆者(山川隆一・皆川宏之・櫻庭涼子・桑村裕美子・原昌登・中益陽子・渡邊絹子・竹内(奥野)寿・野口彩子・石井悦子)。全26章。A5変型判、412頁。

  • 野川忍『新訂 労働法』商事法務(2010年4月)……同著者による姉妹書『労働判例インデックス(2009年5月・初版、商事法務)』に完全対応。A5判、490頁。

  • 野川忍『労働法』日本評論社(2018年4月〔☆2024年・第2版改訂予定あり〕)……労働法を包括的に紹介する体系書。なお、第1刷についての正誤表あり。全5部、全31章。A5判、1136頁。

  • 川口美貴『労働法』信山社(☆2024年4月・第8版)……労働法全般にわたる、約1100頁に及ぶ浩瀚(こうかん)なテキスト。第2版以降は毎年改訂されている。全26章。A5変型判、1112頁。
    本書に準拠した演習書として、後掲の『労働法演習-司法試験問題と解説』がある。

(古典)
  • 盛誠吾『労働法総論・労使関係法(新法学ライブラリ 21)』新世社(2000年5月)……A5判、488頁。

<労働基準法:基>

  • 下井隆史『労働基準法(有斐閣法学叢書)』有斐閣(2019年6月・第5版)……本書のタイトルの「労働基準法」は、より精確には「実質的意義における労働基準法・労働契約法・労働者派遣法・男女雇用機会均等法等々の法規と判例・裁判例からなる個別的労働関係法」を意味する(はしがき)。第5版において、2018年に成立した「働き方改革法」に対応。全7章。A5判、588頁。

(古典)
  • 下井隆史『雇用関係法(法学教室全書)』有斐閣(1988年5月、OD版:2013年12月)……法教連載の単行本化。A5判、370頁。

<労働契約法:基>

  • 土田道夫『労働契約法』有斐閣(☆2024年12月・第3版)……労働契約法時代を見据えた、雇用関係法分野における最高水準の体系書。労使関係法は扱っていない。非常に詳細であり、実務的に問題となる点や裁判例の動きなども見据えて、丁寧に論点を分析する。労働契約という視点から労働法に切り込み,労働契約をめぐる法全般を理論的に描き出す。緻密な筆致により,労働契約の成立・展開・終了を規律する法的ルールを記述。第3版は、旧版(2016年12月)から8年ぶりの改訂で、最新の論点・法改正・重要判例に対応。非正規雇止め問題などの重要論点における現在までの流れは、判例を含め辞書的にはおさえておきたい。全14章。A5判、1306頁。

  • 野川忍『わかりやすい労働契約法』商事法務(2012年10月・第2版)……2012年8月に改正された労働契約法。本改正は、いわゆる雇止めをめぐる判例法理の明文化、期間を反復更新して5年を超えた場合の労働者の「無期契約転換権」や有期労働契約であることを理由とする不合理なとりあつかいの禁止も導入されるなど、非正規労働者の立場に大きな変化をもたらす内容となっている。本書は、それらの内容を踏まえて緊急改訂された。全5章。四六判、254頁。

<労働組合法:基>

  • 西谷敏『労働組合法』有斐閣(2012年12月・第3版)……序章「労働組合法」の意義+全8章。A5判、536頁。労働法学における金字塔であり、極めて評価が高い。

  • 下井隆史『労使関係法』有斐閣(1995年5月)……法教連載の単行本化。A5判、300頁。

  • 山口浩一郎『労働組合法(有斐閣法学叢書)』有斐閣(1996年3月・第2版)……全9章+補章(労使関係法制の50年)。A5判、366頁。

  • 野川忍『労働協約法』弘文堂(2015年5月)……労働協約の解説に特化した体系書。A5判、480頁。

<労働審判法:基>

  • 菅野和夫・山川隆一・齊藤友嘉・定塚誠・男澤聡子『労働審判制度 基本趣旨と法令解説』弘文堂(2007年11月・第2版)……全2編、全6章。A5判、296頁。

<労働者派遣法:基>

  • 鎌田耕一・諏訪康雄編著、山川隆一・橋本陽子・竹内(奥野)寿著『労働者派遣法』三省堂(☆2022年4月・第2版)……厚労省研究会委員として立案担当に関わった学者による概説書。労働者派遣法各条文の解説だけではなく、派遣労働者・派遣元・派遣先の3者間関係に係わる法的問題(私法上の権利義務関係)を総合的に検討していることが特徴。第2版は平成30年の働き方改革関連法等に対応。序章+全10編。A5判、400頁。


【その他参考書】

  • 土田道夫・山川隆一編『労働法の争点(新・法律学の争点シリーズ 7)』有斐閣(2014年3月)……コンパクトに労働法の論点を解説している。B5判、260頁。

  • 小嶌典明・島田陽一・浜田冨士郎編著『目で見る労働法教材(「目で見る」シリーズ)』有斐閣(2003年6月・第2版)……B5判、144頁。

  • 野田進・鹿野菜穂子・吉永一行編『実務家のための労務相談——民法で読み解く』有斐閣(2020年12月)……労働法の各種論点について、民法の理解(民法規範)と労働法の理解(労働法規範)を併記し適切な解決規範を導けるよう工夫された書籍。A5判、438頁。

【入門書・概説書】

  • 森戸英幸『プレップ労働法(プレップ・シリーズ )』弘文堂(☆2023年1月・第7版)……まずはここから。入門書ではあるが、はしがきに「新司法試験対策としては本書でも充分」とあるように、重要論点の多くを拾い上げ、それなりに論じている。随所にギャグを織り交ぜた軽妙な筆致で読者を飽きさせない。筆者が指摘するとおり、プレップシリーズとしては破格の分厚さである。第6版において、2018年に改正された働き方改革推進法がフォローされ、最新の最高裁判例等の重要判例が補われた。全4部。四六判、356頁。

  • 水町勇一郎『労働法入門(岩波新書)』岩波書店(2019年6月・新版)……労働法全分野を概観した入門書。新書サイズなのでさっと読める。章ごとのはじめに書かれたミニコラムでは、恩師菅野に対する愛が感じられる。新版において、「戦後労働法制の大変革」とされる働き方改革関連法の内容が盛り込まれた。全10章。新書判、278頁。

  • 小畑史子・緒方桂子・竹内(奥野)寿『労働法(有斐閣ストゥディア)』有斐閣(2023年4月・第4版)……労働法と日常生活との関わりを意識して読み進められるよう事例を活用しつつ、労働法の基本的な考え方を丁寧に解説。労働法を学ぶ意義や楽しさを実感できる、初学者向けの1冊。プレップと比べると文章が堅いが、緒方と竹内は現役の考査委員なので一読の価値はある。第3版において、第2版(2016年3月)刊行後の新たな判例や働き方改革関連法の成立に対応。第4版では、第3版刊行後の新たな判例や法改正に対応した。全15章。A5判、288頁。

  • 野田進・山下昇・柳澤武編『判例労働法入門』有斐閣(☆2023年9月・第8版)……判例・裁判例の立場をベースにした概説書。本書は、「ケースブック」といわれる書物のように、判例学習それ自体を目的に判決を長々と詳解するのではなく、労働法の基本情報と判例理論の配分に意を用いて、体系的に融合させることに力点を置いている(はしがき)。重要判例をシケタイのように引用しつつ労働法全体を解説している。入門書であるが、まとめ用としての方がむしろ有用。全5編、全25章。A5判、472頁。

  • 外尾健一『労働法入門(有斐閣双書)』有斐閣(2009年4月・第7版)……全4章、全19節。四六判、356頁。

  • 下井隆史『労働法』有斐閣(2009年4月・第4版)……とても薄い。一冊で労働法全分野を概観している。労働契約法、労基法08年改正に対応。全15章。A5判、294頁。

  • 角田邦重・山田省三編『労働法解体新書』法律文化社(2015年5月・第4版)……労働現場で想定される事例をふまえ、法のしくみを解説した入門書。第4版において、旧版(2011年・第3版)刊行以降の法改正に対応。縦組み。全7章。A5判、216頁。

  • 奥山明良『基礎コース労働法(基礎コース[法学] 8)』新世社(2006年7月)……全3編。A5判、400頁。

  • 安枝英訷・西村健一郎『労働法(プリマ・シリーズ)』有斐閣(☆2021年10月・第13版)……コラムの類はなく、プレップのような「読みやすさ」もない。本書の特長は、条文・判例・行政解釈中心の、淡々とした明快な叙述である。昨今の労働基準法・労働契約法・労働安全衛生法・パートタイム労働法等の改正に対応。電子書籍版あり。全4編。四六判、494頁。

  • 浜村彰・唐津博・青野覚・奥田香子『ベーシック労働法(有斐閣アルマBasic)』有斐閣(☆2020年3月・第8版)……第8版において、「働き方改革関連法」施行、ハラスメント規制など、最新状況に対応。全15章。四六判、342頁。

  • 土田道夫『基本講義 労働法(ライブラリ 法学基本講義 15)』新世社(2010年10月)……全17章。2色刷。A5判、328頁。

  • 土田道夫・山川隆一・島田陽一・小畑史子『条文から学ぶ労働法』有斐閣(2011年3月)……「労働法」を条文から具体的に学べるテキスト。労基法、労契法を中心に重要条文を逐条で解説。序章(労働法の全体像)+全6章。A5判、382頁。

  • 道幸哲也・加藤智章・國武英生編『18歳から考えるワークルール(〈18歳から〉シリーズ)』法律文化社(2018年1月・第2版)……全5部、全16章。B5判、116頁。

  • 野川忍編『レッスン労働法』有斐閣(2013年4月)……架空の自主ゼミ形式でわかりやすく労働法を概観。といってもゼミ構成員間に党派的対立があるわけでもなく、判例・菅野説ベースで予定調和的に解説されているので入門書として最適。ラノベ風のイラストについては賛否がわかれるかも。全25回。四六判、444頁。

  • 山川隆一『労働法の基本(日経文庫)』日本経済新聞出版社(2013年6月)……雇用にかかわるルール全般を第一人者がわかりやすく解説した入門書。『労働契約法入門』を全面改訂し、労働法全体をコンパクトにまとめ、労働契約法、労働者派遣法などの改正を反映。新書判、248頁。

  • 大内伸哉『労働法学習帳』弘文堂(2013年9月・第3版)……全4章。A5判、216頁。

  • 大内伸哉『雇用社会の25の疑問 労働法再入門』弘文堂(2017年11月・第3版)……全25話。A5判、376頁。

  • 小畑史子『よくわかる労働法(やわらかアカデミズム・〈わかる〉シリーズ)』ミネルヴァ書房(2017年3月・第3版)……全26章。B5判、220頁

  • 新谷眞人編『労働法(Next教科書シリーズ)』弘文堂(2019年1月・第2版)……全14章。A5判、264頁。

  • 金井正元『労働法を基本から』三省堂(2014年3月)……序+全4編、全27章。A5判、240頁。

  • 金井正元『働くときの法律 ウソ?ホント?』信山社(2017年9月)……労働法と社会保険法のコンパクトな入門書。A5変型判、124頁。

  • 原昌登『コンパクト労働法(コンパクト 法学ライブラリ 13)』新世社(☆2020年2月・第2版)……第2版において、「働き方改革」の内容が盛り込まれた。全17章。2色刷。四六判、288頁。同著者による入門書として『ゼロから学ぶ労働法』経営書院(2022年6月、A5判、302頁)もある。

  • 和田肇・相澤美智子・緒方桂子・山川和義『労働法(日評ベーシック・シリーズ)』日本評論社(☆2023年2月・第3版)……第2版において、2018年「働き方改革関連法」に対応し、初版刊行(2015年3月)以降の新たな裁判例が組み込まれた。全6部、全20章。A5判、292頁。

  • 高橋賢司『労働法講義』中央経済社(☆2022年5月・第3版)……第2版において、いわゆる「働き方改革法」に対応。全4編、全11章。A5判、456頁。

  • 西谷敏『労働法の基礎構造』法律文化社(2016年6月)……全12章。A5判、354頁。

  • 川口美貴『基礎から学ぶ労働法』信山社(2020年9月・第2版)……全20章。A5変型判、376頁。

  • 道幸哲也『雇用社会と法』放送大学教育振興会(2017年3月)……放送大学の教材。全15章。A5判、244頁。

  • 本久洋一・小宮文人・淺野高宏編『労働法の基本』法律文化社(☆2021年5月・第2版)……A5判、318頁。

  • 山田省三・石井保雄編著『トピック労働法』信山社(2020年4月)……全4章。A5変型判、344頁。

  • 川田知子・長谷川聡『労働法』弘文堂(2020年10月)……全3部。A5判、360頁。


【注釈書・コンメンタール】

〔労働基準法・労働契約法〕

  • 荒木尚志・岩村正彦・村中孝史・山川隆一編『注釈労働基準法・労働契約法(有斐閣コンメンタール)第1-3巻』有斐閣(2023年5月、2023年9月、☆2024年2月)……研究者によるコンメンタール。全3巻完結。A5判、第1巻 総論・労働基準法(1):748頁、第2巻 労働基準法(2)・労働契約法:628頁、第3巻 個別的労働関係諸法(労働者災害補償保険法、雇用機会均等法、育児介護休業法、パート有期労働法、労働者派遣法、労働施策総合推進法、高年齢者雇用安定法、障害者雇用促進法、労働契約承継法):654頁。

  • 西谷敏・野田進・和田肇・奥田香子編『新基本法コンメンタール 労働基準法・労働契約法(別冊法学セミナー)』日本評論社(☆2020年8月・第2版)……労働基準法、労働契約法の逐条コンメンタール。H24年労働契約法改正に対応。個別紛争処理制度・労働契約承継法・パートタイム労働法・労働者派遣法などの概説もついている。第2版において、初版(2012年9月)刊行以降の働き方改革関連法のほか、2020年通常国会〔第201回国会〕における改正にも対応。また、編者に奥田香子が加わられた。事項索引・判例索引あり。B5判、632頁。

  • 荒木尚志・菅野和夫・山川隆一『詳説労働契約法』弘文堂(2014年5月・第2版)……労働契約法の制定に関わった研究者らによる注釈書。労働契約法の規模がかなり縮小されたため、実質的な注釈は100頁程度になっている。最も信頼できる労働契約法の注釈書である。事項・判例索引あり。全4章+資料編(資料1~11)。A5判、472頁。

  • 厚生労働省労働基準局編『労働基準法解釈総覧』労働調査会(2021年3月・改訂16版)……必要な解釈例規を条文ごとにまとめて収録。参考資料には、労働契約法及び施行通達、パート指針等も掲載している。改訂16版は、「働き方改革関連法」による改正を反映させたほか、令和2年3月31日の労働基準法改正(法律第13号)にも対応。B6判、968頁。

  • 厚生労働省労働基準局編『労働基準法 上巻・下巻(労働法コンメンタールNo.3)』労務行政(2022年1月・令和3年版)……労働基準法についての一般の理解を深めることを目的として、行政解釈を中心としつつ、必要に応じこれに裁判例、学説等の引用を加えた、実務に適するコンメンタール形式の概説書。令和3年版は「働き方改革関連法」による改正や賃金請求権の消滅時効期間の延長等に対応。令和3年10月現在の内容で掲載。A5判、732頁・530頁。

  • 労務行政研究所編『実務コンメンタール 労働基準法・労働契約法』労務行政(2020年3月・第2版)……『平成22年版 労働基準法』(労働法コンメンタール)をベースに、日常業務でよく使う事項に絞って専門家がさらに内容を吟味し、読みやすくした特別普及版。第2版において「働き方改革関連法」の改正を機に全面リニューアル。A5判、640頁。

  • ☆労務行政研究所編『実務コンメンタール 男女雇用機会均等法 パートタイム・有期雇用労働法 育児・介護休業法 パワハラ防止法』労務行政(2023年12月)……A5判、368頁。

  • 角森洋子『逐条解説 労働基準法』産労総合研究所(2019年12月)……元労働基準監督官による労働基準法の逐条解説書。2018年に「働き方改革関連法」の一つとして、労働基準法が約10年ぶりに大きな改正をしたことを踏まえ、労働基準法の逐条解説を、厚生労働省の解釈例規や最高裁の判例(事件の概要と判決の要旨)、実際にあった疑問など多数のQ&Aを挿入し、解説。全13章。A5判、432頁。

(古典)
  • 東京大学労働法研究会編『注釈労働基準法 上巻・下巻(有斐閣コンメンタール)』有斐閣(2003年3月、2003年10月)……詳細な注釈書。A5判、466頁・686頁。

  • 東京大学労働法研究会『注釈労働時間法(有斐閣ミドル・コンメンタール)』有斐閣(1990年9月)……A5判、906頁。



〔労働組合法:注〕

  • 西谷敏・道幸哲也・中窪裕也編『新基本法コンメンタール 労働組合法(別冊法学セミナー)』日本評論社(2011年9月)……30年以上の時を経て改訂された労働組合法のコンメンタール。労働組合法に関する近時のコンメンタールとしては、ほぼ判例しか書いていない厚生労働省が出しているものしかなく、実務で参考になる唯一のコンメンタールである。労働組合法以外に労働関係調整法および補論として、公務員の労使関係についての概説もあわせて収録。平成22(2010)年までの法改正に対応。事項索引・判例索引・命令索引あり。B5判、408頁。

  • 厚生労働省労政担当参事官室編『労働組合法 労働関係調整法』労務行政(2015年6月・6訂新版)……本書は、労使関係法の客観的かつ正確な理解を深めるための解説書。平成16年の法改正後、蓄積されてきた裁判例や命令例、諸外国の労使関係法制の動向を盛り込んでいる。平成27(2015)年4月1日現在の内容を掲載。A5判、1264頁。


【判例集・ケースブック】

〔判例集等〕

  • 村中孝史・荒木尚志編『労働判例百選』有斐閣(☆2022年1月・第10版)……労働法分野の理解に欠かせない判例110件を収録(旧版(2009年10月・第8版)の収録判例は120件)。最もスタンダードな判例集であり、司法試験の問題で出る基本的な判例は網羅している。実務家にも評判がよい。試験対策には必須。B5判、232頁。

  • 大木正俊・鈴木俊晴・植村新・藤木貴史『労働法判例50!(START UPシリーズ)』有斐閣(2025年3月予定)……B5版、192頁。

  • 須藤典明・清水響編『労働事件事実認定重要判決50選』立花書房(2017年10月)……審級によって判断が分かれた注目裁判例や先例的意義を有する最高裁判決・高裁判決56本を収録。A5判、608頁。

  • 唐津博・和田肇・矢野昌浩編『労働法重要判例を読む1 総論・労働組合法関係』『同・2 労働基準法・労働契約法関係』日本評論社(いずれも2013年1月・新版)……50件のリーディングケース(最高裁判例及び裁判例)の解説を中心に労働法判例を概観する。関連裁判例を含めると800件超。一般的な判例の読み方についての案内が役に立つ。A5判、308頁・312頁。

  • 野川忍『労働判例インデックス』商事法務(2014年3月・第3版)……見開き2頁で176の判例を解説。事件の概要・事案・図・判旨が2頁の4分の3を占め、コメントは短め。参考文献欄には百選7版、菅野8版・水町2版、有斐閣・弘文堂のケースブック等の頁数が摘示されている。学者が書いた予備校本という評価がぴったりである。A5判、368頁。(第3版は評価待ち。)

  • 大内伸哉『最新重要判例200労働法』弘文堂(☆2024年2月・第8版)……類書最多の200判例を収録。事案と判旨を中心に収録しているため、コメントは短めになっている。『労働判例インデックス』同様、単独著者が執筆しているため、見解は安定しているが、重要判例にも1頁しか割かれていないため、やや物足りなさを感じる。2色刷。B5判、234頁(本文220頁)。

  • 岩村正彦・中山慈夫・宮里邦雄編『実務に効く労働判例精選(ジュリスト増刊)』有斐閣(2018年10月・第2版)……弁護士による判例解説本。「労働者・労働組合側から見て実務上重要な判例の解説を労働者側の弁護士」(初版はしがき)(=日本労働弁護団所属の弁護士)が担当し、「企業法務にとって重要な判例の解説を使用者側の弁護士」(初版はしがき)(=経営法曹会議所属の弁護士)が担当し、対立する見方を「Another Angle」として編者の弁護士が短いコメントを付して補足するというスタイル。したがって、労使の対立点が明確でわかりやすい。第2版において、初版(2014年3月)から掲載判例が一新され、項目の大部分において執筆者の労使分担が入れ替えられた。B5判、292頁。(第2版については評価待ち。)

  • 法律時報「労働判例研究」編集委員会編『労働判例解説集 第1巻・第2巻』日本評論社(いずれも、2009年12月)……B5判、420頁・388頁。

  • 山川隆一・森戸英幸編著『判例サムアップ労働法』弘文堂(2011年4月)……142件の判例をセレクト。A5判、608頁。

  • 野田進『事例判例 労働法 「企業」視点で読み解く』弘文堂(2013年3月・第2版)……序章(企業の中の労働法)+全4章、全29節。2色刷。A5判、456頁。

  • 野田進・豊川義明編『判例チャートから学ぶ労働法』法律文化社(2011年3月)……160を超える判例を23のテーマに沿って判例の流れをつかむチャート図を掲載。全3編、全23章。A5判、320頁。

  • 道幸哲也・小宮文人・本久洋一『判例ナビゲーション 労働法』日本評論社(2014年2月)……全18章。A5判、304頁。

  • ☆労務行政研究所編『年間労働判例命令要旨集』労務行政(2020年7月・2020年版)……労働関係の重要判決・命令のエッセンスを凝縮して掲載。2019年(平成31年、令和元年)の重要事件144事件を収録。審級別・日付順の検索便覧付き。全12章。B5判、256頁。

  • 菅野和夫・野川忍・安西愈編集代表『論点体系 判例労働法 第1巻~第4巻〔全4巻〕』第一法規(第1巻:2015年2月、第2巻:2014年10月、第3巻:2014年10月、第4巻:2015年2月)……広範囲の法令に及ぶ労働紛争上の論点を、現在の問題を中心に体系的に整理し、実務上の論点を提示。判例の見解を簡潔に解説。A5判、第1巻〔労働契約の基本問題・成立と終了〕:630頁、第2巻〔賃金・労働時間・休暇〕:388頁、第3巻〔人事・労災補償・安全衛生〕:546頁、第4巻〔集団的労使関係・紛争解決手続〕:320頁。

〔ケースブック〕

  • ☆神吉知郁子・皆川宏之編著『労働法ケースブック』有斐閣(2024年3月)……執筆者(植村新・大木正俊・笠木映里・桑村裕美子・島田裕子・土岐将仁・富永晃一)。全5章、全25Unit。A5判、356頁。

  • 荒木尚志ほか『ケースブック労働法』有斐閣(2015年4月・第4版)……基本判例・設問を通じて労働法の多角的理解を追求した法科大学院向け教材。執筆者(荒木尚志・奥田香子・島田陽一・土田道夫・中窪裕也・水町勇一郎・村中孝史・森戸英幸)。全5章、全28Unit。A5判、476頁。

  • 菅野和夫監修『ケースブック労働法』弘文堂(2014年3月・第8版)……ほぼ毎年改訂されていた。女工哀史の引用から始まり、百選(第8版)掲載判例と最近の裁判例をそれなりに網羅している。編者(土田道夫・山川隆一・大内伸哉・野川忍・川田琢之)。全30講。A5判、644頁。

〔その他:判〕

  • ☆皆川宏之『労働裁判例の読み方&2019年度「重要労働裁判例」徹底解説講座動画DVD-ROM』日本法令(2020年7月)……セミナー動画DVD-ROM+講義レジュメ。2019年度に判決の出た労働関係裁判例のうち、実務に影響があるものをピックアップし、「事件の概要」「判決のポイント」「実務上の注意点」等を解説。講義の内容(2020年6月19日に収録した講義の動画が収録されています)。なお、裁判例の解説に先立ち「労働裁判例の読み方」についても解説。


【演習書】

  • 水町勇一郎・緒方桂子編『事例演習労働法』有斐閣(☆2023年9月・第4版)……労働契約法対応の事例問題集。「会社法事例演習教材」などと似たスタイルだが、全問にヒントと答案例が付いている。なお、初版(2009年4月)では答案例が解説を兼ねていたため、やや冗長で法的三段論法となっていない不良答案も散見されたが、第2版(2011年3月)から、全問に出題趣旨と解説も追加された。司法試験に必要十分な程度に判例の示した規範や理由付けがコンパクトにまとめられており、初学者にも使いやすい。全5部、全23Unit。A5判、374頁。

  • 土田道夫・豊川義明・和田肇編著『ウォッチング労働法(法学教室ライブラリィ)』有斐閣(2019年9月・第4版)……労働契約法対応の定番演習書。法学教室連載の単行本化。冒頭にテーマに沿った短めの事例を示して、テーマについての概説と事例への解答を示している。ただし、事例への解答部分は僅かであり、むしろ論点集としての性格が強い。第4版において、最新判例・法改正のフォローだけでなく、新たに、事実関係を詳述した【設問】、【設問】を的確に理解するために必要な【解説】、【設問】の意図を理解して必要なことを論じるために必要な1つの道筋を示す【解答への道すじ】の3部構成とされた。全40項目。A5判、520頁。できれば、法的三段論法にのっとった回答例が望まれる。

  • 石田真・豊川義明・浜村彰・山田省三編『ロースクール演習労働法』法学書院(2010年1月・第2版)……労働契約法対応のやや長文の事例問題集。31問の基礎編と8問の融合問題からなる。全ての問題に法科大学院生による答案が付けられており、教授・弁護士らによる答案に対する駄目出し&問題解説がなされている。問題の難易度は全般的に高めで、解説も労働法の知識を一通り持っている人間を対象にしていることが明らかなため、初学者には厳しい。しかし、その分、事例に対する分析は丁寧であり、新司法試験対策としては有用である。A5判、340頁。古く出版社廃業のため、図書館での参照となろう。

  • 高橋保編『演習ノート 労働法』法学書院(2010年3月・第6版)……現代労働法の視点から、労働法を学ぶうえで必要な基本概念、基本権、労働組合、労働委員会、労働契約、女性労働者などの基本的な問題を108題取り上げた演習用教材。A5判、240頁。

  • 野川忍『労働法問題集』商事法務(2010年9月)……38問収録。A5判、244頁。

  • 大内伸哉編著『労働法演習ノート 労働法を楽しむ25問』弘文堂(2011年11月)……「設問→解説→解答例→関連問題」という構成。労働法を体系的に網羅した22の設問と3つの総合問題からなる。執筆者(石田信平・魚住泰宏・梶川敦子・竹内(奥野)寿・本庄淳志・山川和義)。A5判、456頁。

  • 川口美貴『労働法演習——司法試験問題と解説』信山社(☆2023年9月・第7版)……同著者の基本書『労働法』(2023年3月・第7版)に準拠した司法試験対策のための演習書。18年分(平成18(2006)年~令和2(2023)年)の過去問を年2問ずつ全36回に分けて解説。第2版以降は毎年改訂されている。A5変型判、279頁。

(古典)
  • 安枝英訷・西村健一郎『基礎演習労働法(基礎演習シリーズ)』有斐閣(1994年3月)……四六判、322頁。

  • 野田進・中窪裕也『労働法ロールプレイング』有斐閣(2000年6月)……A5判、300頁。

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最終更新:2025年03月12日 11:30
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