【基本書】
- 岩沢雄司『国際法』東京大学出版会(☆2023年9月・第2版)……東京大学教授を経て、現在ICJ(国際司法裁判所)の所長をつとめる第一人者による体系書。第2版ではロシア・ウクライナ戦争をはじめ最新の動向を更新するなど、全体にわたって加筆修正され、概説書としての簡潔さを維持しつつ、内容が刷新されている。『国際法判例百選〔第3版〕』に掲載されている判例は、同書の事件番号も引用して参照の便宜が図られている。本書は、大学等で国際法を初めて学ぶ人だけでなく、国際法を一通り学んだ後に大学院等で理解を更に深めようとする人も対象とする。各種試験のための基本書として役立つことも期待している。判例などの根拠(authority)を数多く、原典も含め正確に引用したので、実用にも資することを願う(以上、初版はしがき)。全3部、全18章。A5判、872頁。
- 杉原高嶺ほか『現代国際法講義』有斐閣(2012年6月・第5版)……東北大・北大出身の研究者らによる定評ある基本書の一つ。必要な論点ごとに詳細な説明がなされている。端的に知識を問われやすい国際公法の司法試験対策には必須。この本が読みこなせれば安泰。ただし、判例の引用について、担当部分によっては原語で載っていることもあり、パッと調べるのは少々面倒。そういうわけで百選との相性はあまりよくない。執筆者(杉原高嶺・水上千之・臼杵知史・吉井淳・加藤信行・高田映)。第5版(2012年6月)から横書きに。全14章。A5判、550頁。
- 小寺彰・岩沢雄司・森田章夫編『講義国際法』有斐閣(2010年10月・第2版)……東大系。小寺は2014年に逝去。全18章+附録(国際法の調べ方)。A5判、584頁。
- 小松一郎『実践国際法(法律学講座)』信山社(☆2022年7月・第3版)……条約課長、国際法局長などを歴任した国際法実務のスペシャリストによる体系書。著者は2014年に死去。第2版は、御巫智洋・大平真嗣・有光大地・渋谷尚久・加藤正宙の外務省国際法局関係者有志5名によるアップデート版。外交官を対象に書かれた実務御用達の書であり、理論的説明だけでなく現実の具体的な事例を挙げて解説。著者の経験がそのまま記述に反映されており、国際法実務家にしか知り得ないエピソードが織り込まれているため、非常に興味深い内容となっている。日本の直面する国際法上の問題について日本の立場から解説を加えているが、司法試験には不要な知識も多数。また、実務上重要な部分に手厚いが、司法試験の重要論点部分と必ずしも一致しない(特に、日本が関係している事件・条約の解説に詳しい分、その他の説明が薄くならざるを得ない)ので、試験対策には使いづらい。全14章。A5変型判、596頁。
- 杉原高嶺『国際法学講義』有斐閣(2013年5月・第2版)……著者は小田滋(東北大名誉教授、元国際司法裁判所判事)門下で、北大・京大名誉教授。学者による単著の体系書のうち、最近のものの中では最も分厚く、専門性が高いため、調べ物に用いるには便利であるが、脚注は存在しない。コラム等もなく、極めて硬派な体系書である。「はしがき」で述べられているとおり、本書の専門性の高さ故に下記の入門書である『基本国際法』有斐閣(2018年2月・第3版)が出版されたという経緯がある。そのため、国際法の基礎知識を予め持っていないと理解できない箇所も存在するようである。本書を読もうとする者は、先に『基本』を読まれることを推奨する。全22章。A5判、722頁。
- 酒井啓亘・寺谷広司・西村弓・濱本正太郎『国際法』有斐閣(2011年12月)……東大・京大の中堅~若手の研究者らによる基本書。章分けや重要単語の太字表記、コラムや章末の問題など書き方がリークエに酷似する。この文量でペーパーバックである点は賛否が分かれる。序+全5編。A5判、834頁。
- 藤田久一『国際法講義Ⅰ(国家・国際社会)・Ⅱ(人権・平和)』東京大学出版会(2010年5月・第2版、1994年2月)……京大出身で元東大教授の筆による教科書。Ⅱは改訂を見ることなく著者が鬼籍(2012年逝去)に入ってしまった。A5判、424頁・488頁。他の著作として『国際人道法』有信堂高文社(2003年6月・新版再増補、A5判、328頁。)がある。上記Ⅱのアップ・トゥ・デートに使えるだろう。
- 栗林忠男『現代国際法』慶応義塾大学出版会(1999年11月)……全18章。A5判、636頁。
- 大沼保昭『国際法-はじめて学ぶ人のための』東信堂(2008年4月・新訂版)……著者は2018年に逝去。A5判、658頁。
- 山本草二『国際法』有斐閣(1994年1月・新版)……国際法の大家による体系書。国際法における我妻や芦部に相当。著者は2013年に逝去。全3部、全18章。A5判、800頁。
- マイクル・エイクハースト原著、ピーター・マランチュク改訂、長谷川正国訳『現代国際法入門』成文堂(1999年12月)……A5判、768頁。
- 中谷和弘・植木俊哉・河野真理子・森田章夫・山本良『国際法(有斐閣アルマSpecialized)』有斐閣(2021年3月・第4版)……ハンディな割に基本事項は詰まっている。百選とのレファレンスがあり、相性よし。ただし、やや薄く、学説が分かれるところなどでは結論のみを示して終えたり、議論があることを摘示するのみで終わっている部分も見られる。入門やまとめはともかく、これだけでは少々厳しい。全18章。四六判、436頁。
- 浅田正彦編著『国際法』東信堂(☆2023年3月・第5版)……近年における国際刑事法の急速な展開を受けて、第3版(2016年4月)では第13章「国際刑事法」を新設。また、「イスラム国」(IS)の成立と欧米の武力行使、ロシアによるクリミアの編入、TPP合意、日本における平和安全法制の整備など最新の事例を取り入れ、大幅増補された。第4版において、旧版(2016年4月・第3版)刊行以降に生起したイギリスのEU脱退問題(Brexit)、トランプ政権の誕生、南シナ海における中国の活動をめぐる南シナ海事件仲裁判断、環太平洋パートナーシップ(TPP)協定のアメリカを除く形(TPP11)での発効、気候変動に対処するためのパリ協定の発効、国際司法裁判所(ICJ)の核軍縮義務事件判決、シリアの科学兵器使用と西側諸国による武力行使、核兵器禁止条約の採択など最新の事例が取り入れられ、大幅増補改訂された。全20章。A5判、608頁。
- 柳原正治・森川幸一・兼原敦子編『プラクティス国際法講義(プラクティスシリーズ)』信山社(☆2023年1月・第4版)……全24章。A5変型判、512頁。なお、同一編者・執筆者による演習書として、『演習プラクティス国際法(プラクティスシリーズ)』信山社(2014年2月、A5変型判、200頁)がある。
(古典)
- 田畑茂二郎・横田喜三郎・田岡良一『国際法Ⅰ・Ⅱ・Ⅲ(法律学全集55-57)』有斐閣(1973年5月・新版、1972年2月・新版、1973年12月・新版)……国際法学の権威らによる体系書。もっとも、それ自体タイムリーな国際法という分野にあって、これらは古典と化しているといわざるを得ない。それぞれⅠ田畑、Ⅱ横田、Ⅲ田岡が執筆。A5判、Ⅰ;521頁、Ⅱ;501頁、Ⅲ;397頁。
- 田畑茂二郎『国際法新講上・下』東信堂(1990年5月、1991年1月)……京大国際法の大家。A5判、上;378頁、下;312頁。
- 高野雄一『国際法概論上・下(法律学講座双書)』弘文堂(1985年5月・全訂新版、1986年5月・全訂新版)……A5判、上;522頁、下;517頁。
〔国際組織法〕
- 佐藤哲夫『国際組織法』有斐閣(2005年12月)……全5部、全21章。A5判、418頁。
(古典)
- 高野雄一『国際組織法(法律学全集58)』有斐閣(1975年9月・新版)……上記法律学全集の国際法シリーズを締めくくる体系書。著者は横田門下の元東大教授。2006年4月オンデマンド対応。A5判、645頁。
〔海洋法〕
- 林司宣・島田往夫・古賀衞著『国際海洋法』有信堂高文社(2016年5月・第2版)……海洋法の体系的入門書。全12章。A5判、200頁。
- (財)日本海事センター編、栗林忠男監修『海洋法と船舶の通航』成山堂書店(2010年4月・改訂版)……全10章。A5判、242頁。
- 水上千之『海洋法 展開と現在』有信堂高文社(2005年5月)……海洋法研究の大家による体系書。A5判、320頁。
- 山本草二『海洋法』三省堂(1992年12月)……本書の執筆後に国際海洋法裁判所判事を務めることになる著者による書である。A5判、292頁。
(古典)
- 小田滋『海洋法 上巻』有斐閣(1979年6月)…著者は海洋法研究の大御所であり、世界的にもその研究は評価されている(譬えば、「shared resources theory」など)。なお、下巻は未刊行のままである。A5判、321頁。
〔国際人権法〕
- 芹田健太郎『国際人権法Ⅰ』信山社(2011年4月)……体系書。四六判、232頁。
- 芹田健太郎『国際人権法(法律学の森シリーズ)』信山社(2018年6月)……体系書。A5変型判、592頁。
- 申惠丰『国際人権法 国際基準のダイナミズムと国内法との協調』信山社(2016年7月・第2版)……全12章。A5変型判、708頁。
- 東澤靖『国際人権法講義』信山社(☆2022年11月)……A5変型判、356頁。
〔国際経済法〕
- 小室程夫『国際経済法』東信堂(2007年6月・新版)……
- 小室程夫『国際経済法』信山社(2011年12月)……全13部。B5判、640頁。
- 中川淳司・清水章雄・平覚・間宮勇『国際経済法』有斐閣(2019年7月・第3版).……国際経済法の学部生向けのテキスト。第3版において、政府調達に関する協定の改正、環太平洋パートナーシップに関する包括的および先進的な協定(CPTPP〔TPP11〕)などがフォローされた。 全17章。A5判、498頁。
- 松下満雄・米谷三以『国際経済法』東京大学出版会(2015年6月).……全19章。A5判、832頁。
- 柳赫秀編著『講義 国際経済法』東信堂(2018年12月)……全18章。A5判、632頁。
〔EU法〕
- 中西優美子『EU法(法学叢書 17)』新世社(2012年4月)……全22章。A5判、400頁。
【入門書・概説書】
- 杉原高嶺『基本国際法』有斐閣(☆2023年12月・第4版)……国際法の「基本」とは何か、事例を使いながら解説。国際法全分野をコンパクトにまとめた入門書。第3版において、海洋紛争の解決について項目が新設された。第4版では、ウクライナ侵攻を受けて国連安全保障体制などの主要論点の充実が図られた。全13章。四六判、392頁。
- 横田洋三編『国際法入門(有斐閣アルマBasic)』有斐閣(2005年3月・第2版)……国際法の入門書。国際法の形成に関しての歴史的経緯から入る。ひとまず国際法がどういうものかということと大まかな論点の所在を掴むには悪くはない。ただし、当然これだけでは到底試験に足りないので、他の本にステップアップする必要がある。全6章。四六判、314頁。
- 横田洋三編『国際社会と法 -- 国際法・国際人権法・国際経済法』有斐閣(2010年7月)……国際法、国際人権法、国際経済法をバランスよくカバーするコンパクトなテキスト。全14章。A5判、328頁。
- 松井芳郎・佐分晴夫・坂元茂樹・小畑郁・松田竹男・田中則夫・岡田泉・薬師寺公夫『国際法(有斐閣Sシリーズ)』有斐閣(2007年3月・第5版)……全6部、全19章+結び(国際法を創る力と護る力)。四六判、390頁。
- 松井芳郎『国際法から世界を見る 市民のための国際法入門』東信堂(2011年9月・第3版)……タイトルは一般向けの教養書のようだが、れっきとした法学徒向けの入門書でもある。全13回。A5判、360頁。
- 島田征夫『国際法(法律学講義シリーズ)』弘文堂(2011年3月・全訂補正版)……概説書。全15章。A5判、320頁。
- 島田征夫編著『国際法学入門』成文堂(2011年6月)……全15章。A5判、316頁。
- 櫻井雅夫・岩瀨真央美『国際関係法入門』有信堂高文社(2013年12月・新版)……A5判、200頁。
- 植木俊哉編『ブリッジブック国際法(ブリッジブックシリーズ)』信山社(2016年4月・第3版)……執筆者(植木俊哉・尾﨑久仁子・河野真理子・坂本一也・山本良)。全16講。四六変型判、320頁。
- 田畑茂二郎『国際法(岩波全書セレクション)』岩波書店(2008年2月・第2版)……概説書。B6判、428頁。
- 渡部茂己・河合利修編『国際法(Next教科書シリーズ)』弘文堂(2022年2月・第4版)……全16章。A5判、308頁。
- 柳原正治『国際法』放送大学教育振興会(2019年3月・改訂版)……全15章。A5判、232頁。
- 大森正仁編著『よくわかる国際法(やわらかアカデミズム・〈わかる〉シリーズ)』ミネルヴァ書房(2014年10月・第2版)……全11章。B5判、240頁。
- 山形英郎編『国際法入門 逆から学ぶ』法律文化社(☆2022年10月・第3版)……集団安全保障や戦争違法化など国際法の具体的制度を叙述した後に国際法の法源・法的性質など抽象的な総論を解説する構成。全28章。A5判、434頁。
- 森川幸一・森肇志・岩月直樹・藤澤巌・北村朋史編者『国際法で世界がわかる ニュースを読み解く32講』岩波書店(2016年12月)……A5判、360頁。
- 加藤信行・植木俊哉・森川幸一・真山全・酒井啓亘・立松美也子編著『ビジュアルテキスト国際法』有斐閣(☆2022年12月・第3版)……国際法の初学者や法学部以外で国際法を学ぶ学生のための教科書。全14Chapter。B5判、198頁。
- 玉田大・水島朋則・山田卓平『国際法(有斐閣ストゥディア)』有斐閣(☆2022年3月・第2版)……全12章。A5判、216頁。
- 大沼保昭『国際法(ちくま新書)』筑摩書房(2018年12月)……著者は2018年10月に逝去された。新書判、416頁。
- 芹田健太郎『新ブリッジブック国際法入門(新ブリッジブックシリーズ)』信山社(2020年12月)……四六変型判、208頁。
- ☆佐藤義明・石垣友明・小林友彦・坂巻静佳『ここからはじめる国際法——事例から考える国際社会と日本の関わり』有斐閣(2022年11月)……四六判、254ページ。
〔国際人権法〕
- 芹田健太郎・薬師寺公夫・坂元茂樹『ブリッジブック国際人権法(ブリッジブックシリーズ)』信山社(2017年6月・第2版)……全4部、全13Chapter。四六変型判、292頁。
- 阿部浩己・今井直・藤本俊明『テキストブック国際人権法』日本評論社(2009年3月・第3版)……全9章。A5判、336頁。
- ☆横田洋三編『新国際人権入門——SDGs時代における展開』法律文化社(2021年11月)……編者は2019年に逝去。全13章。A5判、268頁。
- 渡部茂己編『国際人権法』国際書院(2009年6月)……全10章。A5判、289頁。
〔国際経済法〕
- 小室程夫『ゼミナール 国際経済法入門』日本経済新聞出版社(2003年7月)……全12部。A5判、781頁。
- 波光巌『国際経済法入門』勁草書房(2004年1月・第2版)……出版社品切れ・重版未定。全6章。四六判、372頁。
【その他参考書】
- 小寺彰『パラダイム国際法——国際法の基本構成』有斐閣(2004年3月)……章ごとに国際法の論点を指摘し、それについて解説を加えていく方式。かつては後述する演習ノート以外にまともな演習書がなかったため、演習書代わりに用いられていた。全17章。A5判、250頁。
- 村瀬信也・奥脇直也・古川照美・田中忠『現代国際法の指標』有斐閣(1994年3月)……第2刷増刷時(1996年10月)に補訂。いわゆる論点書であり、著者ら自ら「教科書以上・論文未満」(はしがき)と評している。A5判、378頁。
- 植木俊哉『基本論点 国際法』法学書院(1998年4月・改訂版)……A5判、252頁。
- 森肇志他ほか「国際条約の世界」有斐閣(連載期間:2015年10月~2017年9月〔全24回〕)……次世代の学界を担う中堅研究者らによる法教連載。合計24回の連載。最初の18回は国際法の主要法源である個別条約の解説を、残りの6回は横断的検討となっている。個々の条約に眼を当てて解説している書物が殆どないため、国際法を学ぶ者にとって本連載はまさに福音となろう。
- 中谷和弘『ロースクール国際法読本』信山社(2013年9月)……筆者の法学教室連載の書籍版。比較的注目される論点と筆者の興味のある部分に頁が割かれている。百選に未掲載の近時判例について評釈がついているのでその部分は悪くないかも知れないが、試験のために買うほどかというと微妙なところである。この手の書籍では安価ではあるし、読み物としては面白いかも知れない。全12講。A5変型判、162頁。
- 森肇志・岩月直樹編 『サブテクスト国際法 教科書の一歩先へ』日本評論社(2020年3月)……序章+全17章。A5判、248頁。
- 黒﨑将広・坂元茂樹・西村弓・石垣友明・森肇志・真山全・酒井啓亘『防衛実務国際法』弘文堂(☆2021年2月)……A5判、844頁。
〔辞典・資料集など〕
- 国際法学会編『国際関係法辞典』三省堂(2005年9月・第2版)……A5判、960頁。
- 筒井若水編集代表『国際法辞典』有斐閣(1998年3月)……四六判、422頁。
- 奥脇直也・小寺彰編『国際法キーワード(有斐閣双書キーワード)』有斐閣(2006年12月・第2版)……国際法を理解する上でのキーワードを51項目を扱う。四六判、252頁。
- 西井正弘編『図説国際法(有斐閣ブックス)』有斐閣(1998年3月)……全12章。A5判、388頁。
- 岩沢雄司・植木俊哉・中谷和弘編集代表『国際条約集』有斐閣(☆2021年3月・2021年版)……1950年創刊の条約集。2021年版において、国際法委員会規程、世界保健機関憲章、国際保健規則、新型インフルエンザ等対策特別措置法、地域的な包括的経済連携協定の5件が新たに追加された。総件数380件(前年比5件増)。B6判、1004頁。
- 位田隆一・最上敏樹編集代表『コンサイス条約集』三省堂(2015年4月・第2版)……ヨコ組。A5判、496頁。
- 浅田正彦編集代表『ベーシック条約集』東信堂(☆2021年3月・2021)……総件数:330件。全17章。四六判、1400頁。
- 芹田健太郎編集代表『コンパクト学習条約集』信山社(2020年3月・第3版)……第3版では収録項目の見直しと、SDGs、パリ協定、TPP11などを新たに収録。四六判、536頁。
- 小寺彰・中川淳司編『基本経済条約集』有斐閣(2014年8月・第2版)……第2版において、日中韓投資保護協定、投資紛争仲裁の透明性に関するUNCITRAL規則、日・マレーシア自由貿易協定等が新たに収録された。 A5判、222頁。
- 西谷元編著『国際法資料集』日本評論社(2016年6月・第2版)……国際法、国際条約などに関する重要項目について、図表も多用し、網羅的に解説。初版(2010年4月)以降の国際情勢の変化に対応。全5部、全18章。A5判、508頁。
【判例集・ケースブック】
- 森川幸一・兼原敦子・酒井啓亘・西村弓編『国際法判例百選』有斐閣(☆2021年9月・第3版)……希少な国際公法ケースブックの一つ。膨大な数の国際判例を抑える上では最低限重要なものが収録されている。初版(2001年4月)は用語表記が統一されていないなど、評判が悪い。第2版は116件を収載。判旨や解説について、初版に比べれば改善がみられる。B5判、250頁。
- 薬師寺公夫・坂元茂樹・浅田正彦・酒井啓亘編集代表『判例国際法』東信堂(2019年6月・第3版)……第3版は、30件を超える新規・大幅加筆項目を含む全201件を収録、本文70頁増の大幅改訂。第3版において、編集代表は、松井芳郎先生から変更となった。第2版(2006年5月)の編集委員(山手治之・香西茂・田中則夫・薬師寺公夫・坂元茂樹)。全14章。A5判、776頁。
- 島田征夫編『学習国際条約・判例集』成文堂(2011年6月)……A5判、106頁。
- 杉原高嶺・酒井啓亘編『国際法基本判例 50』三省堂(2014年3月・第2版)……1事件を見開き4頁で「事実」、「判旨」、「解説」に分け、基本判例50件を収載。A5判、216頁。
〔ケースブック〕
- 薬師寺公夫・小畑郁・村上正直・坂元茂樹『国際人権法(法科大学院ケースブックシリーズ)』日本評論社(2006年3月)……全18章。B5判、288頁。
【演習書】
- 柳原正治・森川幸一・兼原敦子編 『演習プラクティス国際法(プラクティスシリーズ )』信山社(2013年4月)……ほぼ唯一に近い国際公法演習書。編者・執筆者を同じくする『プラクティス国際法講義』信山社(2017年4月・第3版)の姉妹本であるが、他に基本書があれば単独でも使用可能。論点の軽い解説と著名判例をもとにした問題から成り立つ。最後(巻末)の総合問題(5題)は参考答案もあるのが好印象。後述の「演習ノート」を除けば、過去問か外交官試験程度しか演習教材がない中での福音。全24章。A5変型判、200頁。
- 松田幹夫編『演習ノート 国際関係法[公法系]』法学書院(2012年7月)……同社から刊行されていた『演習ノート 国際公法』の実質的な第5版。設問は旧司や外交官試験の過去問の一行問題が中心となっている。解説は、まず論点を摘示し、次に答案構成を示し、最後に答案例を掲げるという形式となっている。論点の網羅や知識の整理にはよいかもしれないが、前述のように一行問題中心であり、また、試験で出題される可能性の低い知識を問う問題も多いため、司法試験対策としてはほとんど役に立たない。司法試験対策用に長文事例問題も掲載されているが、このためだけに買う必要があるかというと疑問である。全94項目を収録。A5判、212頁。
最終更新:2025年03月03日 23:48