租税法


【基本書】

  • 金子宏『租税法(法律学講座双書)』弘文堂(2021年11月・第24版)……最も権威のある体系書。著者の健康上の問題により、第24版の改訂作業は佐藤英明・渡辺徹也・渋谷雅弘の手によって行われた(なお、著者は2022年8月に逝去)。著者の単著としての刊行は24版をもって終わりとなり、今後は著者を原著者とした新版が刊行されていくとのことである。大著ではあるが、基礎理論から実体法・手続法および地方税・国際課税まで広範に扱う関係上、本文自体は凝縮された簡潔なものとなっており、初学者がこの本文のみから学習するものではない(なお、本書の真髄は、個別の制度・論点等について不明点が生じた際に、当該箇所について読むべき論文・書籍等が的確に紹介されている、ある種租税法学の地図のような役割を果たしている点にある。その意味で、本書は正しく「体系書」である)。第24版において、令和3年度税制改正に対応。全5編、全21章。A5判、1332頁。

  • 中里実・弘中聡浩・渕圭吾・伊藤剛志・吉村政穂編『租税法概説』有斐閣(2021年12月・第4版)……研究者と実務家とのコラボレーションによる概説書。所得税、法人税から消費税、資産税まで幅広くカバーしつつ、国際課税は独立した章(第8章)で解説。増井『租税法入門』と同様に、租税法学における思考の仕方や、前提となる経済学的知見を盛り込んでいることもあり、記述はかなり凝縮されている。(特に本書の著者が担当している講義において)テキスト指定されている場合、講義とセットで予習・復習に用いることが吉。第4版において、令和3年度税制改正までを織り込み改訂。全8章。A5判、420頁。

  • 渕圭吾『租税法講義』有斐閣(☆2024年7月)……法科大学院における著者の講義(講義録)を再現・書籍化したもの。そのため、取り扱われているのは所得税・法人税のみである(手続法に関するまとまった章はないので注意)。はしがきにも書かれている通り、租税法に初めて触れる者であっても、前から順に読み進めることで所得税法・法人税法に関する理解を得ることが可能である。また、本書の特徴として、各項目における事項の説明が充実し、リーディングケースに関しても過不足なく取り扱われていることにとどまらず、多くの下級審裁判例を長めに引用し、判断枠組みの立て方や当てはめの仕方について参考になるような記述を多く設けている点が挙げられる。ケースブックと合わせて、司法試験対策だけでなく所得税・法人税におけるスタンダードな理解を得るためのパッケージが提供されているといえる。なお、後掲の『スタンダード』シリーズと異なり、各項目における文献へのリファレンスもとられており、発展的学習や不明点の探索の起点にも用いることができる。今後、『スタンダード』シリーズと並ぶか、あるいはそれらに代わる標準的基本書の位置を占めることが期待される。全11章。A5判、548頁。

  • 谷口勢津夫『税法基本講義』弘文堂(2021年10月・第7版(⭐︎2025年5月予定・第8版))……記述にやや濃淡があり、文章も硬めであるため、好みが分かれるところである。後述の清永と同様にドイツ法系の研究者らしく、基礎理論・手続法に関する記述が手厚い一方、実体法(所得税・法人税のみ取り扱う)に関する章はやや分析に物足りないところがある。その意味で、手続法に関する理解を補完するために用いるのが一案である。実体法については、本書をメインとするのではなく、やや異なる視点からの検討として副読本的に扱うことが勧められよう。なお、本書も文献類の引用・参照を行なっていない(ただし、参考書の欄に記載した谷口による著書では、本書とのリファレンスがとられている)。第7版で平成29~令和3年度改正に対応。全3編、全14章。A5判、576頁。

  • 岡村忠生・酒井貴子・田中晶国『租税法(有斐閣アルマSpecialized)』有斐閣(2023年10月・第4版)……総論から所得税法、法人税法、消費税法、租税手続法をコンパクトに取り扱う。コンパクトであるが、記述の密度は決して低くなく、Specializedであることに間違いはない。一読をして全てがわかるというタイプの書籍ではない。講義を受ける際の予習に適しており、講義やその他の書籍でさらに深めていくことが望ましい。第4版において令和5年度税制改正に対応。四六判、338頁。

  • 清永敬次『税法』ミネルヴァ書房(2013年5月・新装版)……ドイツ法の流れを汲んでおり、基礎理論および手続法の記述が充実している。なお、著者は2015年に逝去。全4編、全18章。A5判、384頁。

  • 税大講本……税務大学校のテキスト。国税庁のHPからダウンロードできる。

〔所得税法:基〕

  • 佐藤英明『スタンダード所得税法』弘文堂(☆2024年1月・第4版)……所得税法における基本書の決定版。基礎的な内容を扱うLecture(敬体で、ケースメソッドが用いられている)と、内容を展開させるNext Step(常体、字のポイントがやや落とされている)から構成されており、必要に応じて読み分けることのできる構成となっている(なお、司法試験においてはNext Step記載の内容も出題されているので注意)。学習者にとって理解できればよい範囲の内容をきわめてわかりやすい筆致で記述しており、所得税法の基本書としては間違いのないファースト・チョイスである。ただし、『スタンダード』シリーズに共通する欠点として、リファレンスが一切ない。第4版では『ケースブック租税法〔第6版〕』に対応。追加されたAppendix、特にAppendix1に記載されている所得税に関する手続については、近年の司法試験で手続法に関する理解が問われることが増加していることを踏まえると、必読である。2色刷。A5判、584頁。

〔法人税法:基〕

  • 渡辺徹也 『スタンダード法人税法』弘文堂(2023年4月・第3版)……学部や大学院の授業で使用されることを念頭に置きつつも、資格試験等の勉強にも有用であるように書かれている。同シリーズの所得税法と同様に最も信頼できる基本書であるが、所得税法とは異なり、Lectureから硬く厳密な記述が続くので、所得税法と同様の書籍という先入観は持たずに読み始めるのが吉(難しい場合には、増井『租税法入門』のPart3を一読してから本書に移ることも一案)。司法試験との関係ではChapter1〜3(特に1・2)を読むことになる。なお、所得税法と同様に、Next Stepの内容からも出題されているので注意。企業法務志望の者はChapter4(完全支配関係グループと組織再編成に関する税制)も必読であり、国際課税に関心がある者はChapter4・5(事業体の種類と課税)の内容を理解することが非常に重要になる。全5章。2色刷。A5判、404頁。

  • 岡村忠生『法人税法講義(法学叢書5)』成文堂(2007年11月・第3版)……基礎から説き起こす法人税法。理論的なことがしっかりと書かれた体系書。2007年の法人税法改正に対応。現在、出版社に在庫なし。全15章。A5判、584頁。

【入門書】

〔メジャー〕

  • 増井良啓『租税法入門(法学教室ライブラリィ)』有斐閣(2023年12月・第3版)……法学教室連載を単行本化したもの。単行本化にあたり、新たな書き下ろしとして「歴史的展開」、「租税法の解釈」の2章が追加された。第2版において、新たに「所得区分の実践」、「みなし配当の例解」、「所得税と相続」の3章が書き下ろされた。第3版では、令和5年税制改正などの法改正に対応したほか、判例の動向も織り込む。第1部「序論」、第2部「所得税」、第3部「法人税」、第4部「展開」の全4部、全22章。全体として、租税法学における頭の動かし方を学ぶための書籍であり、個別論点を詳述する基本書との併用が吉。もっとも、Part3の法人税に関しては司法試験に必要十分な範囲が簡潔に記述されており、『スタンダード法人税法』よりむしろ入門に適しているといえる。出版社ウェブサイトに令和6年度税制改正に伴う関係箇所の掲載あり。A5判、378頁。

  • 佐藤英明『プレップ租税法』弘文堂(2021年3月・第4版)……「大学生の会話で学ぶ租税法」といった趣の本である。租税法の最重要論点を会話を通して学べる。読みやすい。全9講。四六判、324頁。

  • 浅妻章如・酒井貴子『租税法(日評ベーシック・シリーズ)』日本評論社(2020年9月)……入門的な教科書のシリーズに位置付けられるが、浅く広く広く解説するスタイルを採らない。目次を読めば明らかであるように、各章において初学者がつまづきやすい判例・裁判例等(多くが判例百選掲載)を掘り下げて解説する。そのため、入門書としての使い方と同時に、重要判例を理解するための副読本としても用いることができる(特に、浅妻執筆箇所が勧められる)。全7章(導入/所得税/法人税/消費税(付加価値税)/相続税・贈与税/国際租税法/租税法と私法、租税回避)。A5判、256頁。

  • 浅妻章如『ホームラン・ボールを拾って売ったら二回課税されるのか——新しい「税」の教科書』中央経済社(2020年2月)……「生命保険年金受給権に相続税を課すのに、さらに所得税も課すのか?」、「公平と中立性との違い」、「所得税があるのに相続税も課すのはおかしいのではないか?」など。全13章。A5判、252頁。

  • 浅妻章如『なぜ多国籍企業への課税はままならないのか』中央経済社(2023年9月)……法学部以外の学部生向け租税法講義をもとに書かれた書籍。所得課税と消費課税の対比や組合と法人との対比(『スタンダード法人税法』Chapter5参照)、国際課税における理論など、租税法学における基礎理論を説きおこしていく。位置付けとしては増井『租税法入門』に近いが、むしろまっさらな状態で読むのに向いていると思われる。高校2年生程度の数学(数1A2B)の知識があるとなお読み進めやすい。

  • 谷口勢津夫・一高龍司・野一色直人・木山泰嗣『基礎から学べる租税法(基礎から学べるシリーズ)』弘文堂(⭐︎2025年3月・第4版)……序「租税法を「基礎」から学ぶにあたって」、第1章「法人税」、第2章「所得税」、第3章「消費税」、第4章「相続税・贈与税」を扱う。なお、事項索引はあるものの、判例索引がなく検索性が低い点に注意を要する。全4章。2色刷。A5判、312頁。

  • 岡村忠生・高橋祐介・渡辺徹也『ベーシック税法(有斐閣アルマBasic)』有斐閣(2013年4月・第7版)……所得課税(所得税・法人税)+手続法に絞り、コンパクトに税法を解説した入門書。なお、本書は有斐閣アルマBasicに位置付けられているが、本書のBasicは必ずしも簡単であることを意味しないとされる。そのため、租税法の前提にある民事法等の知識を有する者にとっては入門書となるが、習熟していない者にとっては2冊目以降の参考書として勧められる(10年以上改訂がなされていないために税制改正について注意を要するが、記述自体は信頼できるものである)。全4章。四六判、390頁。

  • 三木義一編著『よくわかる税法入門(有斐閣選書)』有斐閣(☆2025年3月・第19版)……対話形式による税法の入門書。ほぼ毎年改訂されている。税法総論から所得税・法人税・消費税・相続税・その他諸税等税法ほぼ全てを網羅。全29章。四六判、398頁。

  • 三木義一『日本の税金(岩波新書)』岩波書店(2018年9月・第3版)……序章+全7章+終章。新書判、252頁。

  • 金子宏・清永敬次・宮谷俊胤・畠山武道『税法入門(有斐閣新書)』有斐閣(2016年5月・第7版)……第1章「租税と税法」から、第9章「租税犯とその処罰」までの全9章。第7版は、旧版(2007年4月・第6版)以降の税制改正、行政不服審査法等の法改正に対応。全9章。新書判、228頁。


〔その他〕

  • 葭田英人『基礎から理解する租税法 所得税法・法人税法入門』日本評論社(2010年3月)……全3編、全16章。A5判、284頁。

  • 増田英敏・林仲宣編者『はじめての租税法』成文堂(2011年2月)……B5判、196頁。

  • 増田英敏編著『基本原理から読み解く 租税法入門』成文堂(2014年10月)……全10章。A5判、266頁。

  • 酒井克彦『レクチャー租税法解釈入門』弘文堂(2023年7月・第2版)……第1部「租税法律主義」、第2部「解釈論」、第3部「概念論」の3部構成。A5判、212頁。

  • 酒井克彦『スタートアップ租税法-租税法学習の道しるべ-』財経詳報社(2021年7月・第4版)……基礎を網羅して説きつつ、重要論点には踏み込んで解説している。実務的な観点にも少し触れられている。全4章。A5判、362頁。

  • 酒井克彦『ステップアップ租税法と私法-租税法解釈の道しるべ-』財経詳報社(2019年7月)……既刊『ステップアップ租税法』(2010年8月)を三部作に分け、「租税法と私法」に関して期限・時効、錯誤などの論点を加え、さらに深化充実させた一冊。全3章(租税法の適用、租税法と私法、発展的議論)。A5判、298頁。

  • 酒井克彦『フォローアップ租税法——租税法研究の道しるべ』財経詳報社(2010年8月)……A5判、297頁。

  • 酒井克彦『ブラッシュアップ租税法——判例学習の道しるべ』財経詳報社(2011年6月)……A5判、457頁。

  • 大淵博義・安田京子『知っておきたい国税の常識』税務経理協会(2019年9月・第21版)……A5判、312頁。

  • 八ッ尾順一『図解 租税法ノート』清文社(☆2024年3月・15訂版)……全2部、全15章。B5判、376頁。原則毎年改訂。公認会計士試験・司法試験過去問のポイントに関する記述あり。

  • 石村耕治編『税金のすべてがわかる 現代税法入門塾』清文社(⭐︎2024年4月・第12版)……全7Part。A5判、832頁。

  • 木山泰嗣『超入門コンパクト租税法』中央経済社(2022年2月・第2版)……はじめて学ぶ人や、途中で挫折してしまった人に最適な租税法の入門書。どのように勉強すればよいかがわかる実践的なアドバイスも掲載されている。全8章。A5判、232頁。

  • 木山泰嗣『「税務判例」を読もう!——判決文から身につくプロの法律文章読解力』ぎょうせい(2014年9月)……四六判、175頁。

  • 木山泰嗣『教養としての「税法」入門』日本実業出版社(2017年7月)……序章+全7章。四六判、320頁。

  • 木山泰嗣『入門課税要件論』中央経済社(2020年3月)……序論(課税とは「A+B+C=Z」)+全5章。A5判、296頁。

  • 木山泰嗣『小説で読む租税法 租税法の基本を学ぶロースクールの授業』法学書院(2020年12月)……対話形式で、ロースクールの講義を再現するような形で所得税法・法人税法の解説が行われる。記述そのものは明快で読み進めやすくはあるが、対話形式やストーリーの書き振りにやや好き嫌いが分かれうる。版元廃業のため、品切れ。A5判、404頁。

  • 岸田貞夫・吉村典久・柳裕治・矢内一好・髙橋里枝・秋山高善・柳綾子『基礎から学ぶ現代税法』財経詳報社(☆2023年9月・第5版)……重要度が高い所得税・法人税・相続(贈与)税・消費税・国際租税の5種の租税法について、「意義」、「趣旨」、「根拠」、「理由」等の項目を設けた構成で解説された租税法の入門書。A5判、340頁。

  • 林仲宣・竹内進・四方田彰・角田敬子・髙木良昌『ガイダンス 新税法講義』税務経理協会(2019年4月・4訂版)……所得税法、法人税法、消費税法、相続税法、地方税法など税目別に章構成し、税制の全体像を示した入門書。全6章。A5判、228頁。

  • 図子善信『税法概論』大蔵財務協会(☆2025年4月・21訂版)……A5判、280頁。

  • 川田剛『租税法入門』大蔵財務協会(☆2025年4月・21訂版)……全5部、全13章。A5判、516頁。

  • 伊藤義一『税法の読み方 判例の見方』TKC出版(2014年2月・改訂第3版)……A5判、377頁。

  • 西村美智子・中島礼子『そうだったのか!税法条文の読み方』中央経済社(2013年6月)……税法条文を読むために必要なテクニックを税理士が解説。まずは税法特有の用語や定型文、条文内容を計算式や図式化する方法等の基本事項を解説後、実際の条文を読解する。練習問題付。A5判、212頁。

  • 土屋重義・沼田博幸・廣木準一・下村英紀・池上健『ベーシック租税法』同文舘出版(2017年9月・第2版)……A5判、272頁。

  • 阿部徳幸『税法がわかる30話』中央経済社(2020年2月)……全5部、全30話。A5判、224頁。

  • 池上健・大野雅人・橘光伸・飯島信幸・鈴木孝直・袴田裕二『基本テキスト租税法』同文館出版(2022年9月)……A5判、272頁。

  • 渡辺充『どこでも租税法』税務経理協会(2023年4月)……QRコードが付されており、著者による音声解説を聴くことのできる構成となっている。6章構成であり、著者の講義の構成に合わせて法人税のみ2章が割かれている。A5判、416頁。


〔国税通則法:入〕

  • 川田剛『基礎から身につく国税通則法』大蔵財務協会(2023年4月・令和5年度版)……序章(国税通則法ができるまで)+全10章。A5判、290頁。

  • 木山泰嗣『国税通則法の読み方』弘文堂(2022年8月)……条文と判例を中心に、国税通則法の全体像を説明した入門書。国税通則法に「体系」を与える試みを行なっているとされる。A5判、432頁。

〔所得税法:入〕

  • 木山泰嗣『弁護士が教える 分かりやすい「所得税法」の授業(光文社新書)』光文社(2014年3月)……全9時限。新書判、382頁。

  • 木山泰嗣『教養としての「所得税法」入門』日本実業出版社(2018年8月)……序章+全7章。四六判、356頁。

  • 小田満『基礎から身につく所得税』大蔵財務協会(2023年6月・令和5年度版)……A5判、224頁。

  • 高柳昌代『知っておきたい所得税の常識』税務経理協会(2018年7月・第22版)……A5判、260頁。

〔法人税法:入〕

  • 三木義一編著『よくわかる法人税法入門(有斐閣選書)』有斐閣(2015年4月・第2版)……『よくわかる税法入門』の法人税法版。「税理士の春香」さんと学生との対話形式。執筆者(藤本純也・安井栄二)。全5編、全24章。四六判、302頁。

  • 木山泰嗣『全ビジネスパーソンのための 分かりやすい「法人税法」の教科書』光文社(2019年5月)……全17章。四六判、403頁。

  • 田中敏行編著、秋山高善・菅野隆・鈴木修・長島弘『テキスト法人税法入門』成文堂(2017年5月)……全10章。A5判、186頁。

  • 川田剛・大久保勇『基礎から学ぶ法人税法』大蔵財務協会(2022年9月・7訂版)……6訂版までは川田の単著であったが、7訂版から大久保との共著となった。A5判、732頁。

  • 有賀文宣『基礎から身につく法人税』大蔵財務協会(☆2024年10月・令和6年度版)……A5判、348頁。

  • 横山隆編『知っておきたい法人税』大蔵財務協会(2022年5月・令和4年版)……B5判、288頁。

  • 松尾隆信『知っておきたい法人税の常識』税務経理協会(2018年8月・第18版)……A5判、328頁。

  • 岸田貞夫・中江博行『法人税法講座』税務経理協会(2010年9月・5訂版)……A5判、328頁。

  • 下村英紀『ベーシック法人税法』同文舘出版(2014年1月)……A5判、176頁。


【その他参考書】

  • 金子宏編『租税法の基本問題』有斐閣(2007年11月)……租税法学の様々な基本問題につき体系的な考察を加えた論文34篇を収録。租税法学を俯瞰するための論文として、例えば藤谷武史「所得税の理論的根拠の再検討」が勧められる。A5判、758頁。

  • 金子宏編『租税法の発展』有斐閣(2010年12月)……『租税法の基本問題』に続き、租税法学における様々な問題点について検討を行った論文40篇を収録。租税法における経済分析の導入との関係で、神山弘行「租税法と『法の経済分析』--行動経済学による新たな理解の可能性」は有益(ゼミ向け)。A5判、800頁。

  • 金子宏・中里実・J.マーク・ラムザイヤー編『租税法と市場』有斐閣(2014年8月)……ビジネス・ローの一環を担う租税法という観点から租税法研究の展開を描き出す。租税法の本質にかかわる基本的課題から,実体経済を踏まえた最先端の論点まで,わが国租税法学が直面する問題を検討する。28篇収録。全4章。A5判、562頁。

  • 金子宏・中里実編『租税法と民法』有斐閣(2018年11月)……租税法と民法の関係について、伝統的論点から新たな取引形態に関する研究まで幅広く扱った論文32篇を収録。全5章。A5判、624頁。

  • 金子宏監修、中里実・米田隆・岡村忠生編集代表『現代租税法講座 第1巻-第4巻』日本評論社(2017年5月-2017年8月)……A5判、第1巻(理論・歴史):372頁、第2巻(家族・社会):384頁、第3巻(企業・市場):372頁、第4巻(国際課税):464頁。

  • 司法研修所編(泉徳治・大藤敏・満田明彦)『租税訴訟の審理について』法曹会(2018年7月・第3版)……司法研究報告書第36輯第2号として刊行されたもの。租税事件の審理に関する初歩的、基礎的知識をまとめた一冊。全13章。A5判、292頁。

  • 谷口勢津夫『税法の基礎理論--租税法律主義論の展開--』清文社(2021年6月)……Profession Journalにおける連載「谷口教授と学ぶ『税法の基礎理論』」を単行本化したもの。「租税法律主義」を柱として、リーディング・ケースたる判例から最近の事例までを広く扱っている。全5章。A5判、472頁。

  • 水野忠恒『大系租税法』中央経済社(☆2024年12月・第5版)……租税実体法を中心に、法の構造と理論的分析の解説に重点をおいた体系書。大部であるが、金子『租税法』とは異なり、本文の記述が中心でリファレンスには乏しい。『租税法』有斐閣(2011年4月・第5版)の事実上の後継書。全5編。A5判、1032頁。

  • 水野忠恒『テキストブック租税法』中央経済社(2022年4月・第3版)……学部レベルの教科書として執筆されている。国際課税、金融取引、信託など実務上の最新課題にも言及。第3版では令和4年度税制改正までに対応。全8章。A5判、360頁。

  • 増田英敏『リーガルマインド租税法』成文堂(2019年7月・第5版)……大きく、第Ⅰ部「基礎理論編」と第Ⅱ部「事例研究編(実践編)」を扱う。後半はケースブックである。序章+全34章。A5判、784頁。

  • 増田英敏・加瀬昇一編『確認 租税法用語250』成文堂(2008年12月)……A5判、110頁。

  • 岩﨑政明・平野嘉秋編『税法用語辞典』大蔵財務協会(2022年3月・10訂版)……税法用語を幅広く収録。A5判、1160頁。

  • 金子宏編著『税法用語事典』税務経理協会(2006年11月・7訂版)……国民生活に関係の深い所得税、法人税、相続税・贈与税、消費税と各税共通の手続法規国税通則法等の重要用語約1800余語を厳選し、各税の元審理担当者等が実務的にわかりやすく解説。A5判、664頁。

  • 金子宏監修『租税法辞典』中央経済社(2001年3月)……租税法の全体系から制度上・理論上で重要な概念と用語を選定して解説を加えた中辞典。四六判、344頁。

  • 成道秀雄編著『新版税務会計学辞典』中央経済社(2017年10月)……税務会計学の重要項目を1300余ピックアップした中規模の辞典。平成29年度税制改正までの最新情報を収録。四六判、504頁。

  • 今村隆・加藤友佳『課税訴訟における要件事実論』日本租税研究協会(☆2024年4月・4訂版)……B5判、212頁。

  • 伊藤滋夫『租税法の要件事実(法科大学院要件事実教育研究所報第9号)』日本評論社(2011年3月)……A5判、296頁。

  • 伊藤滋夫・岩﨑政明編集『租税訴訟における要件事実論の展開』青林書院(2016年8月)……A5判、538頁。

  • 北野弘久(黒川功補訂)『税法学原論』勁草書房(2022年12月・第9版)……「北野税法学」の哲学が収斂された概説書。序文(第9版~初版)+全27章。A5判、480頁。

  • 増田英敏編著『租税法の解釈と適用』中央経済社(2017年9月)……「松沢税法学」を継承する執筆陣による最新の研究成果。A5判、424頁。

  • 水野忠恒『租税行政の制度と理論』有斐閣(2011年12月)……租税行政に関して執筆した論攷をまとめたもの。A5判、434頁。

  • 酒井克彦『行政事件訴訟法と租税争訟』大蔵財務協会(2010年4月)……A5判、938頁。

  • 酒井克彦『クローズアップ租税行政法——税務調査・税務手続を理解する』財経詳報社(2016年8月・第2版)……全5章。A5判、298頁。

  • 酒井克彦『クローズアップ課税要件事実論——要件事実と主張・立証責任を理解する』財経詳報社(2024年8月・第6版改訂増補版)……租税訴訟における要件事実論の基礎を「課税要件事実論」として、学説、判例の分析など、様々な角度から解説した1冊。全3章。A5判、462頁。

  • 酒井克彦『アクセス 税務通達の読み方』第一法規(2016年10月)……A5判、315頁。

  • 木山泰嗣『税務訴訟の法律実務』弘文堂(2014年6月・第2版)……A5判、408頁。

  • 木山泰嗣『リーガルマインドのあたらしい教科書』大蔵財務協会(2022年2月)……税務に関わる者が法的思考を学ぶための教科書。同『法律に強い税理士になる リーガルマインド基礎講座』大蔵財務協会(2013年12月)の新装改訂版。A5判、288頁。

  • 木山泰嗣『税務判例が読めるようになる——リーガルマインド基礎講座・実践編』大蔵財務協会(2015年10月)……B6判、276頁。

  • 木山泰嗣『憲法から学ぶ 税務判例読解術』ぎょうせい(2017年8月)……A5判、184頁。

  • 木山泰嗣『税法読書術』『税法思考術』『税法文章術』『税法独学術』大蔵財務協会(2019年9月、2020年4月、2021年4月、2022年9月)……税法エッセイ。四六判、256頁・272頁・272頁・256頁。

  • 山本守之『租税法の基礎理論』税務経理協会(2013年3月・新版改訂版)……A5判、816頁。

  • 小川英明・松沢智・今村隆編『租税争訟(新・裁判実務大系18)』青林書院(2009年2月・改訂版)……A5判、564頁。

  • 畠山武道・渡辺充『租税法(現代法律学講座)』青林書院(2000年2月・新版)……A5判、432頁。

  • 東京弁護士会編著『法律家のための税法[民法編]』、『同[会社法編]』第一法規(2022年2月・新訂第8版、2017年12月・新訂第7版〕)……A5判、528頁・716頁。

  • 村田守弘・加本亘『弁護士のための租税法』千倉書房(2014年1月・第3版)……A5判、242頁。

  • 村田守弘『公認会計士 USCPAのための租税法』千倉書房(2011年12月)……A5判、288頁。

  • 三木義一監修、本山敦・伊川正樹編『新 実務家のための税務相談(民法編)』、山田泰弘・安井栄二編『同(会社法編)』有斐閣(2020年12月・第2版、2020年11月・第2版)……A5判、478頁・398頁。

  • 図子善信『新税法理論 -優しい税法-』成文堂(2018年3月)……A5判、464頁。

  • 山田二郎編集代表『実務 租税法講義 憲法と租税法(実務法律講義)』民事法研究会(2005年3月)……現在、廃刊又は絶版。全3部、全25章。A5判、551頁。

  • 平野敦士・佐藤善恵・村井淳一・岡野訓『税務訴訟と要件事実論』清文社(2005年4月)……租税法と税務実務の観点から要件事実論により租税実体法を立体的に解説。判例解説集としても使える。版元品切。A5判、400頁。

〔国税通則法:参〕

  • 品川芳宣『国税通則法の理論と実務』ぎょうせい(2017年1月)……月刊「税理」平成25年10月号から平成28年4月号まで連載の「国税通則法の実務研究」について、最新の改正内容を踏まえてまとめられたもの。平成28(2016)年改正対応。全11章。A5判、465頁。

  • 佐藤孝一『国税通則の法解釈と実務』大蔵財務協会(2010年4月・3訂版)……A5判、1616頁。

  • 黒坂昭一『Q&A 国税通則法詳解』清文社(2015年3月・3訂版)……難解といわれる国税通則法を具体的な事例、参考となる判決や裁決を織り込み、Q&Aで解説したもの。全12章。A5判、408頁。

  • 黒坂昭一・佐藤謙一編著『図解 国税通則法(図解シリーズ)』大蔵財務協会(☆2023年10月・令和5年版)……B5判、660頁。

〔所得税法:参〕

  • 一杉直『所得税法の解釈と実務』大蔵財務協会(2009年3月・平成21年増補改訂)……A5判、1448頁。

  • 日本税理士会連合会・中央経済社編 『所得税取扱通達集(国税の法規通達集シリーズ)』中央経済社(2019年12月・令和元年12月1日現在)……A5判、704頁。

  • 酒井克彦『所得税法の論点研究』財経詳報社(2011年5月)……A5判、570頁。

  • 椿健一編『所得税実務問答集』清文社(☆2023年11月・令和5年11月改訂)……所得の種類別に課税方法や税額の計算、各種の所得控除・税額控除、申告納付などの仕組みについて、計算例や図解等をまじえ、問答形式で解説したもの。全24章。A5判、928頁。

  • 伊藤滋夫・岩﨑政明・河村浩『要件事実で構成する所得税法』中央経済社(2019年4月)……A5判、372頁。

  • 山内ススム『所得税法要説』税務経理協会(2021年6月・9訂版)……A5判、928頁。

  • 田仲正之編『図解 所得税(図解シリーズ)』大蔵財務協会(☆2023年11月・令和5年版)……B5判、768頁。

〔譲渡所得:参〕

  • 市川康樹編『図解 譲渡所得(図解シリーズ)』大蔵財務協会(☆2023年7月・令和5年版)……B5判、776頁。

〔源泉所得税:参〕

  • 一般財団法人大蔵財務協会編『図解 源泉所得税(図解シリーズ)』大蔵財務協会(☆2023年7月・令和5年版)……B5判、612頁。

〔法人税法:参〕

  • 本庄資・藤井保憲『法人税法——実務と理論』弘文堂(2008年9月)……簡潔に書かれているため、初学者が使うのは難しい。情報量は多い。平成20(2008)年改正に対応。全4編、全16章。A5判、376頁。

  • 成道秀雄・松嶋隆弘・坂田純一 監修『法人税法の理論と実務』第一法規(2016年10月)……A5判、672頁。

  • 成道秀雄『税務会計——法人税の理論と応用』第一法規(2015年5月)……全19章。A5判、1008頁。

  • 成道秀雄『法人税法 理論と計算』税務経理協会(2020年7月・16訂版)……法制度面と計算技術の両側面に意を用いた理論的な体系書。 A5判、416頁。

  • 日本税理士会連合会・中央経済社編 『法人税取扱通達集(国税の法規通達集シリーズ)』中央経済社(2020年1月・令和2年1月1日現在)……A5判、1296頁。

  • 渡辺淑夫『法人税法』中央経済社(2022年9月・令和4年度版)……法令に規定された制度の解説に加え、沿革、会社法や会計との関係、外国との比較などから法人税法を立体的に理解できるように配慮した基本体系書。A5判、892頁。

  • 山本守之『法人税の理論と実務』中央経済社(2019年10月・令和元年度版)……法人税法の根幹を中心に理論・実務両面にわたり、ポイントや実務上留意すべき事項を盛り込んで解説。令和元年度版では、定期保険と第三分野保険に関する法人税基本通達の改正に対応。A5判、792頁。

  • 山本守之『体系法人税法』税務経理協会(2016年12月・33訂版)……A5判、1376頁。

  • 山内ススム『法人税法要説』税務経理協会(2019年12月・5訂版)……A5判、1024頁。

  • 森田政夫・西尾宇一郎『問答式 法人税事例選集』清文社(2023年11月・令和5年11月改訂)……問答式。第1章「総論、定義」から、第28章「解散した法人に対する課税方法」までの全28章。A5判、1296頁。

  • 成松洋一『法人税セミナー』税務経理協会(2021年1月・6訂版)……A5判、416頁。

  • 成松洋一『法人税法 理論と計算』税務経理協会(☆2024年6月・20訂版)……A5判、416頁。

  • 成松洋一『Q&A 法人税の身近な論点を巡る実務事例集』大蔵財務協会(2019年2月)……課税当局の公式見解が明らかでない諸問題について、30のカテゴリーごとに、88事例を採り上げ、Q&A形式で解説したもの。A5判、368頁。

  • 酒井克彦『プログレッシブ税務会計論Ⅰ-Ⅳ〔全4冊〕』中央経済社(Ⅰ:2018年9月・第2版、Ⅱ:2018年11月・第2版、Ⅲ:2019年6月、Ⅳ:2020年6月)……Ⅰは「法人税法と会計諸原則」を、Ⅱは「収益・費用と益金・損金」を、Ⅲは「公正処理基準」を、Ⅳは「会計処理要件(経理要件・帳簿要件)」を扱う。A5判、284頁・360頁・336頁・268頁。

  • 蝶名林守編『図解 法人税(図解シリーズ)』大蔵財務協会(☆2024年7月・令和6年版)……B5判、908頁。


【注釈書・コンメンタール】

〔国税通則法:注〕

  • 志場喜徳郎・荒井勇・山下元利・茂串俊編『国税通則法精解』大蔵財務協会(⭐︎2025年2月・令和7年改訂)……国税通則法の各条文毎に趣旨、理論、運用などを精細に究明した解説書。A5判、2040頁。

  • 日本弁護士連合会日弁連税制委員会編『国税通則法コンメンタール 税務調査手続編』日本法令(☆2023年3月)……国税通則法の税務調査手続に関する条文の逐条解説書。A5判、868頁。

  • 山下和博編著『国税通則法(税務調査手続関係)通達逐条解説』大蔵財務協会(2017年12月・平成30年版)……A5判、380頁。

〔所得税法:注〕

  • 注解所得税法研究会編『注解 所得税法』大蔵財務協会(2019年1月・6訂版)……全23章。A5判、1624頁。

  • 今井慶一郎・鈴木憲太郎・佐藤誠一郎・谷本雄一編『所得税基本通達逐条解説』大蔵財務協会(☆2024年2月・令和6年版)……A5判、1416頁。

〔法人税法:注〕

  • 松尾公二編著『法人税基本通達逐条解説』税務研究会(2023年7月・11訂版)……令和4年6月24日付課法2-14改正通達までを収録。A5判、2076頁。


【判例集・ケースブック】

〔主要な判例集〕

  • 中里実・佐藤英明・増井良啓・渋谷雅弘・渕圭吾編『租税判例百選』有斐閣(☆2021年6月・第7版)……司法試験受験生の必携書。判例126件を収録。B5判、248頁。

  • 日本税務研究センター編『租税基本判例80』日本税務研究センター(2002年11月)……機関誌「税研」106号。

  • 日本税務研究センター編『最新租税判例60』日本税務研究センター(2009年11月)……機関誌「税研」148号。

  • 日本税務研究センター編『最新租税基本判例70』日本税務研究センター(2014年11月)……機関誌「税研」178号。

  • 日本税務研究センター編『最新租税基本判例70』日本税務研究センター(2019年11月)……機関誌「税研」208号。以上4冊は概ね刊行までの5年間に出された重要判例・裁判例につき、判例百選より多くの紙幅を割いて解説を行っている。『重要判例解説』のほか、判例百選を補完する存在である。

〔ケースブック〕

  • 金子宏・佐藤英明・増井良啓・渋谷雅弘編著『ケースブック租税法』弘文堂(☆2023年9月・第6版)……法科大学院の定番書。租税法の基礎理論、所得税、法人税、相続・贈与税の4分野をカバー。第6版において、教材としての使いやすさの観点から、大幅な減頁がなされた(724頁→666頁)。多くの裁判例がカットされたが、試験対策としての網羅性に大きな問題はない。編著者らの座談会(初版から第5版までのティーチャーズマニュアルに掲載されていたもの)が公開されている。序説(租税法の学習に当たって)+全4編。A5判、666頁。


〔その他判例集〕

  • 谷口勢津夫『税法基本判例 Ⅰ』清文社(☆2023年9月)……A5判、288頁。Profession JournalでのWeb連載「谷口教授と学ぶ税法基本判例」第1〜25回を書籍化(なお、連載は2025年5年現在継続中)したもの。1件あたりの解説の分量は多く、谷口『税法基本講義』および『税法の基礎理論--租税法律主義論の展開--』とのリファレンスがなされている。『基本講義』との相性がよい者には、余裕がある場合には勧められる。

  • 三木義一・田中治・占部裕典編著『〔租税〕判例分析ファイルⅠ-所得税編-』税務経理協会(2009年11月・第2版)……A5判、476頁。

  • 三木義一・田中治・占部裕典編著『〔租税〕判例分析ファイルⅡ-法人税編-』税務経理協会(2009年11月・第2版)……A5判、492頁。

  • 山田二郎・大塚一郎編『租税法判例実務解説(判例実務解説シリーズ)』信山社(2011年7月)……B5判、352頁。

  • 酒井克彦『裁判例からみる所得税法』大蔵財務協会(2021年8月・2訂版)……所得税法における各制度の解説に加え、裁判例・裁決例を多数、十分な長さをもって収録し(2訂版では405件)、概説書+判例集の構成をとる。裁判例・裁決例の紹介においては、「事案の概要」、「争点」、「判決(裁決)の要旨」及び「コメント」の構成とすることにより、裁判(審判)の背景から当事者の主張及び裁判所等の判断に至るまでの全体像を理解できるようにされている。分析の密度を十分であると考えるならば、本書をメインに用いることを考えることが不可能でもない。A5判、980頁。

  • 酒井克彦『裁判例からみる法人税法』大蔵財務協会(⭐︎2024年12月・4訂版)……構成は所得税法と同様。法人税法の解釈に有益な重要裁判例492本を収録。A5判、1060頁。

  • 酒井克彦『裁判例からみる税務調査』大蔵財務協会(2020年3月)……税務調査に関する重要裁判例203本を収録。A5判、592頁。

  • 品川芳宣『重要租税判決の実務研究』大蔵財務協会(2023年12月・第4版)……重要租税判決187件について解説。A5判、1432頁。

  • 林仲宣『実務に役立つ租税基本判例120選』税務経理協会(2014年8月・改訂版)……A5判、272頁。

  • 林仲宣・谷口智紀・高木良昌『重要判決・裁決から探る税務の要点理解』清文社(2015年1月)……国税から地方税、国家賠償請求、税理士損害賠償事件まで、最重要税務判決・裁決について76の事例をあげ、争点の周辺事項も検討し、税務のポイントを解説。A5判、480頁。

  • 成松洋一編集代表『税務重要裁決事例55選~元審判官が解説!税理士が誤りやすいポイント~』第一法規(2017年10月)……元国税不服審判所審判官による裁決事例の解説書。A5判、336頁。

  • 大蔵財務協会編『裁決事例集(第75集)~(第136集)』大蔵財務協会(2009年4月~☆2025年5月)……国税不服審判所では、審査請求事件の裁決のうち法令の解釈、適用に関し、先例となるべき判断を含んだもの又は他に参考となるべき重要な判断を含んだもの、事実認定に関し他の参考となるべき判断を含んだものを公表しており、その公表された裁決事例を全て収録。A5判。

  • 佐藤孝一『最近の税務争訟 VI-ⅩⅨ』大蔵財務協会(2010年10月・VI~☆2023年5月・ⅩⅦ)……最近の税務訴訟シリーズの続編。「最近の税務争訟ⅩⅨ」は、全65事例を掲載。A5判。

  • 木山泰嗣『租税法重要「規範」ノート』弘文堂(2011年9月)……コンパクトな規範集。租税法の分野で特に重要な85の規範をピックアップ。百選掲載の判例の判旨を抜き出しただけの本。百選の重要判例をピックアップするのには役立つが、百選があれば不要。2色刷。A5判、232頁。

【演習書】

  • 佐藤英明編著『租税法演習ノート——租税法を楽しむ21問』弘文堂(2021年3月・第4版)……難易度はかなり高い。全21問。執筆者(岡村忠生・渋谷雅弘・髙橋祐介・谷口勢津夫・増井良啓・渡辺徹也)。A5判、392頁。

  • 岩﨑政明『ハイポセティカル・スタディ租税法』弘文堂(2010年10月・第3版)……租税法の体系に沿った18の設例。難易度はかなり高い。A5判、340頁。

  • 中村芳昭・三木義一編『演習ノート 租税法』法学書院(2013年9月・第3版)……版元廃業のため、入手困難。司法試験の出題範囲となる所得税法、法人税法、租税手続法および租税救済法を中心に、租税の基本的な問題に関わる100項目を解説。第1章「総論」、第2章「所得税法」、第3章「法人税法」、第4章「通則法」を扱う。A5判、228頁。

【法令集】

租税法規は小型六法に収録されていないため、学習のために便宜と思われる法令集を挙げる(六法全書、判例六法Professional、司法試験六法に関する説明は省略。模範六法には国税通則法以外収録なし)。

  • 中里実・増井良啓編『租税法判例六法』有斐閣(2023年8月・第6版)……租税法の基本条文・判例を同時に読むための1冊。基本となる判例は租税法総論としてまとめ、個別法の判例は条文の後に列挙。所得税法・法人税法については、施行令も抜粋して収録。第6版は、令和5(2023)年税制改正まで対応。A5変型判、472頁。

  • 『実務 税法六法(法令編・通達編)』新日本法規(毎年7月・10月頃刊行)
  • 日本税理士会連合会編集『税務六法(法令編・通達編)』ぎょうせい(毎年6月頃刊行)
租税法の学習においては施行令・施行規則を参照する機会も少なくない。『租税法判例六法』においても一部抜粋されているものの、法科大学院の講義で扱うレベルのものであっても脱落していることがある。e-Gov等で辿ることももちろん可能であるが、法令集として手元に置いておきたい方向けには、以上2つのいずれかを挙げることができる。もっとも、どちらも相当のボリュームがあるため、購入の際には注意。いずれを選択するかは完全に好みである。

→ このページのトップ:租税法に戻る。

タグ:

+ タグ編集
  • タグ:
最終更新:2025年05月06日 23:34
ツールボックス

下から選んでください:

新しいページを作成する
ヘルプ / FAQ もご覧ください。